STRIKE HOLE

【ジャンル解説】同人評論→真面目系、政治評論・電波→アレなアイタタ評論。真面目系と電波評論の二本立てです。 基本的に同人イベント関連の評論は真面目、他の評論は不真面目な傾向があります。同人評論のカテゴリーの内容以外はアフォ評論という事で斜め読みをお願いしますw

2010年06月

5/15 北海道帯広市「兄ちゃん!×2 とかちつくちて〜 in十勝」

かつて、鳥取の地に、一つの伝説を築き上げたオンリーイベントが存在した。
その名は、(アイドルマスター)双海亜美・真美オンリー「亜美にπタッチ」http://homepage3.nifty.com/ami-touch/。

2007年10月7日に開催されたこのオンリーは、鳥取市という地方都市での開催、サンクリ前日、しかもキャラオンリー。敷居の高さゆえ、成功は有り得ないと踏んでいた。

だが、その読みは「良い意味で」誤りであった。
当ブログ2007年11月24日付「頑張ったイベントはちゃんと評価しないといかんですよ」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51099286.htmlでも触れたが、都心部でのアイマスオンリーを中心とした積極告知や主催の熱意、そしてアイマスというジャンル全体にひしめく、大きいお友達の熱意。
これらの相乗効果もあって、直接参加33サークル・委託参加4サークルという、誰もが予想し得なかった結果をたたき出し、当日会場は大盛況。地方開催という敷居の高さを乗り越え、成功に終わった。

特筆すべきは、一般・サークル・主催/スタッフ。どの参加層であっても、遠征組、特に東京からのそれが多くを占めていた事にある。
アイマスというジャンルは、経済的にも比較的余裕のある年長者が多い。また、全国のゲーセンを巡りアイマスに興じる暇人…あ、いや違った熱意のこもった皆様方が多い。
全国何処で開催されようとも、そこに馳せ参じる事を厭わない。アイマスというジャンルには、遠征参加に抵抗を持つ人が少ない。そういう土壌があると思う。
だから、その後に開催されしオンリーを見ても、大阪にも全国各地から遠征、名古屋にも全国各地から遠征。ぶっちゃけ、徳之島だとかトカラ列島だとか八丈島だとかでアイマスオンリーを始めても、数百人単位で人が押し寄せるであろう。

アイマスが地方でオンリーを始めれば、全国各地からアイマス厨が、「民族大移動」の如く遠征し、そして集結する。
鳥取他、様々な地方開催のアイマスオンリーの様相が、それを如実に示している。
アイマスオンリーを語る上で、この事を先ず押さえておきたい。


2009年初夏に、「亜美にπタッチ」と同じコンセプト、(アイドルマスター)双海亜美・真美オンリー「兄ちゃん!×2 とかちつくちて〜 in十勝」(以後「とかちオンリー」と表記)が、1年後の2010年5月に開催されると発表された。
この発表を聞いた瞬間で既に、私はこの即売会の成功を確信した。このオンリーは、「亜美にπタッチ」の再来だ。「亜美にπタッチ」が成功した以上、そして「亜美にπタッチ」と同じようなノリで開催する以上、失敗する筈が無い。私はそのように確信した。
ましてや、ニコニコ動画で「とかちつくちて」http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%C8%A4%AB%A4%C1%A4%C4%A4%AF%A4%C1%A4%C6がブレイク。十勝が何故か亜美・真美の「聖地」になってしまったw
ジャンルが遠征好きな方々の多いアイマス。そして「聖地」開催。成功のフラグしか感じないw

そして、イベント評論を営む者としては、絶対に外せない。この「とかちオンリー」は絶対に行くべきだ。そう直感した。
私は、1年前からこの日に照準を合わせ、JALの無料航空券目当てにマイルを貯め…そして無料航空券で帯広に向かったwww
…尚、私の友人の中には、寝台特急【トワイライトエクスプレス】で大阪から北海道に向かった(しかもこの日の為にスイートルームを予約、東京在住なのでわざわざ大阪に向かう)剛の者…いやどう考えても【頭やられた変態】がいらっしゃる事も、この場をお借りして追記申し上げたいw

今回の「とかちオンリー」は、土曜日の15時〜19時という変則時間の開催。
遠征組が参加しやすいように、また翌日に北海道をゆっくり観光できるように、とのことでこの時間組みとしたそうだ。
この前週に開催された即売会「夕張まんがまつり」http://mangamatsuri.jp/もそうだが、遠征組の事を考慮するならば、東京を朝出ても会場入りに間に合う土曜午後の開催は、理に叶っているだろう。イベント終了後の打ち上げ飲み会や合宿等を楽しめるのも、翌日に休みを残す土曜開催だからこそ出来る事。

私は、土曜日朝8時頃、羽田からJALで帯広に飛んだ。
遠征組に配慮した時間設定のお陰で、土曜の朝出発でも充分間に合う。
帯広行便の搭乗ゲートには、「プロデューサー」と思しき方々が既に何十人単位でスタンバイ。アイマス厨の皆様の気合の入りようが伺えると共に、「民族大移動」の様相も呈してきた。
…搭乗者の4〜5人に1人が「プロデューサー」。考えただけで恐ろしい世界であるwww

航空機の故障、これに伴う機材変更というトラブルは生じたものの、結果的に飛行機の結構という最悪の事態は回避され、1時間の遅延で帯広空港に到着。
空港到着と共に、「歓迎双海小学校ご一行様」とのプラカードを掲げたスタッフのお出迎え。大人たちの「亜美麻美修学旅行」というコンセプトゆえの文言だ。
そして、帯広駅までお出迎えの、ラッピングバス。
帯広空港から既に、このイベントは「始まっている」と言えようかw

このラッピングバスの詳細については、すごもり様「帯広駅にとかちオンリーラッピングバスが乗り付けた!」http://sazanami.net/20100515-tokachi-amimami-only/が詳しいが、アイマスキャラーを描きバスのボディ(但し片面のみ)にラッピング。アイマス厨の皆様の被写体となり、大いに注目を集めた。

とかちオンリーの公式サイトには、このようなスケジュールが掲載されている。

><ラッピングバススケジュール>
>5月15日(土曜日)午前とかち帯広空港→イベント会場「とかちプラザ」への直行便
<10:00 とかち1号出発 / 12:45 とかち2号出発>

我々が乗車した飛行機に接続する送迎ラッピングバスが、上記「とかち1号」であり、また、12時30分頃に到着する羽田発・名古屋発の両便をお迎えするのが、上記「とかち2号」である。

ラッピングバスは、帯広直行。私は、空港近くにある旧広尾線(廃線)の旧幸福駅を訪問しようと思い立ち、敢えてラッピングバスには乗車しなかったが、ラッピングバスに乗った方曰く、バス車内のアナウンスでは、「待機列は14時過ぎから形成しますので、それまでは帯広観光をお楽しみ下さい」とのこと。
参加者の皆様方は、市内観光に励んだり、名物の豚丼を食べたり…といった具合に、開場まで時間を潰した模様だ。
私は、豚丼を食し、また帯広駅前のショッピングセンター「長崎屋」を訪問。余談だが、長崎屋の4階にある書店「喜久屋書店」は、道東ナンバーワンの品揃えを謳う大規模な書店。特に併設の「漫画館」は、コミックやアニメグッズ等の品揃えが充実しているどころか、同人誌の取扱まで有り。道東のヲタの拠点に成り得る店舗ではないかと感じた次第である。
てか、帯広の喜久屋書店「漫画館」に、チラシとか置けませんか?>道内の即売会主催の皆様

…よく考えてみれば、朝10時到着の飛行機で帯広入りした所で、即売会の開場は15時からだったりする訳で。
私は、特にそこまで必死になる必要も無かったし、列形成・整理の様子を鑑賞したり、イベントチラシをサークル机上に撒いたり、会場近くの椅子テーブルで地元の学生と一緒になって勉強を始めてみたり…まあお前何しに来たのかと突っ込みを入れられて然るべき言動を繰り返すw

列形成は14時から。会場裏手の中庭に待機列を形成し、初動列は約50人。その後列にならぶ参加者数は膨れ上がり、最終的には150人近くに達したであろうか。
距離の障壁もあり、鳥取の「亜美にπタッチ」には及ばぬも、北海道の即売会で150人も集うなんてのは、余り無い出来事。アイマス厨の皆様のパワーの強さを思い知った次第である。

15時会場後、私もサークル回りを始める。
私が驚いたのは、サークルの皆さんの「士気」の高さである。この日の「とかちオンリー」に照準を合わせ新刊を作成するサークルさんの何と多い事。しかも、彼らの過半数…いや8割以上は道外からの遠征組である。
この「とかちオンリー」が、彼らサークルにとっては特別な出来事、特別なイベントたる事が伺えよう。

いや、それはサークルにのみ言える事では無い。
一般参加者だって、そして主催・スタッフだって、皆道外からの遠征組である。
そして彼らは、この日の為に交通費を貯め、遠征に臨んでいる。私だってこれの為にJALの無料航空券マイルを貯めた。トワイライトエクスプレスやカシオペア、北斗星で遠征に臨んだ鉄ヲタ連中も少なくない。…明らかに皆さん病気持ちである…一応、褒め言葉で申し上げておくw
サークル、スタッフ・主催、一般参加。皆が皆、この日の為に気合を入れて参加している。それが、この「とかちオンリー」こと「兄ちゃん!×2 とかちつくちて〜 in十勝」の実態である。

私はこれには参加しなかったが、旅行会社「トップツアー」の企画・募集による事後合宿は、恐ろしいまで大盛況だったようだ。
帯広からバスで30分、十勝川温泉の名宿「観月苑」での宿泊だが、募集定員150人が満了との事。「とかちオンリー」の来場者は300〜400人程度だから、おおよそ半数が合宿に参加した事になる。…参加率が異様に高いのですがw
そしてこの合宿の阿鼻叫喚ぶりについては、すごもり様「亜美真美の女児ぱんつが出品→落札者がかぶって変態コール 「兄ちゃん!×2 とかちつくちて〜 in十勝」の合宿がすごすぎた。」http://sazanami.net/20100519-tokachi-only-kangetsuen/をご覧いただきたい所であるw
件のラッピングバスも、即売会会場から観月苑までの輸送を受け持った。単にラッピングバスというのみならず、参加者の輸送にも大きく貢献しているバスである。

そしてその翌日には、合宿同時企画「十勝川でエージェントを踊ってみた」。
朝のラジオ体操代わり(?)に、プロデューサーな皆様が、「エージェント夜を往く」を踊る…お前ら朝から元気だなあw
ラッピングバスは、宿をチェックインし帯広駅に戻る皆様向けの輸送に活躍。更には帯広競馬場へのばんえい競馬観戦輸送バスとしても活躍。

元々プロデューサーの皆様方には、お金を出し合い、競馬レースの冠スポンサーとなり、アイマス関係の名を関したレースを観戦する。そういう土壌があるようなのだが、今回のばんえい競馬は非常に派手にやらかしたw

>やります。今回はなんと!連続3レース開催!!
>11:50 1R 「双海亜美☆スタ→トスタ→カップ」
>12:20 2R 「双海真美☆ポジティブ賞」
>12:50 3R 「あみまみ☆とかちつくちて記念」

ちょwお前らやり過ぎだよwww
そして競馬終了後は、皆で協力してラッピングをはがし、帯広空港へ。
こうして「とかちオンリー」の全日程が、無事に終了した。

ここまでの一連の流れを見ると、この「とかちオンリー」は、単なる即売会として捉えてはいけないように思えてくる。
即売会をメインに据えた【アイマス厨諸君の1泊2日聖地・十勝巡礼修学旅行】とした方が、より本質に迫っているのではないか。
遠征するぐらいだから参加者の士気・熱気も極めて高い。それがこのオンリーをより光り輝かせているのだろう。参加者の満足度も極めて高く、このようなオンリーイベントも、一つのやり方…かもしれない。

9月には仙台でも「細かすぎて伝わらないアイマスオンリー」http://irregulars.sakura.ne.jp/imas/が開催される。
ニッチ志向が極めて強く、スキマフェスティバルもびっくりの超ニッチなプチオンリーが、既に10以上エントリーされ、今後もまだまだ増えるかもしれない。
このニッチさ、そして極めて多数のプチオンリーという戦略は、アイマス厨の皆様のハートをガッチリ掴みそうだ。
私は「こみっく☆トレジャー」が同日開催なので参加はできないが、熱気溢れるオンリーに仕上げる事を期待している。

唯一気になるのが、地元既存イベントとの連携の無さ。

今回「とかちオンリー」が開催された会場では、翌日に「アフロサミット」http://karen.saiin.net/~620-ks/afrosummit/という地域に根ざした即売会が開催されている。サークルも100近く集め、立派に運営している良即売会である。
私も気にはかけていたものの、実際には参加しなかった身なので余り大きな事は申せないが…折角同じ十勝でイベントを開くのに、地元の既存イベントとの協調が無かった事が、少し残念な点である。
都会のイベントはともかく、地方のイベントは、人口も少なく参加者集めで厳しい戦いを強いられる。同じ地域の主催同士が、互いに協力し合う「相互扶助」の精神が、地域即売会の成功には必要だと考える。
当日会場に、地元イベントのチラシは無かった。「アフロサミット」は翌日開催なんだし、チラシでも撒いて、良かったら地元のイベントも見に来てとアピールしても良かったかも。ばんえい競馬組も少なくなかろうが、多少は興味持って見に来てくれるアイマス厨も増えたと思う。

「とかちオンリー」の主催者は、地元から見れば所詮よそ者、内地の人間だ。
内地の人間が北海道に上がりこんで我が物顔している、と地元の方に見られても、決して不思議は無かろう。
運営はソツなくきっちり成功させたから良いが、もし運営が失敗したら、場合によっては既存の地元主催に迷惑を掛けかねない。そういう危険を孕む事の自覚は当然お持ちだろうが、それを改めて認識頂きたいと思う。

5/5 都産貿浜松町館「Little“T”Star!」

だいぶ更新が滞っており申し訳ございません。
現在、春に開催された即売会で、書きたい即売会が数多くございます。
3月下旬には久々に岡山の「ぶちすげぇコミックバトル」に行きましたし、水戸コミケもあります。
5月の都産貿のオンリーも色々レポートしたいところ。
5月のとかちオンリー(帯広開催のアイマスオンリー)もまだ、ですね。

色々立て込んでおり更新が遅れそうですが、順不同で少しずつ書いて行きたい所です。



5月5日は、公共交通&旅行系オンリーイベントと銘打った「Little“T”Star!」にサークル参加させていただいた。
私のサークル「STRIKE HOLE」は、あくまで評論系のサークル。鉄道・旅行というカテゴリーに類するこのオンリーの参加条件に該当しないのではないか…?とお考えの方もいらっしゃると思う。
しかしながら、私のフィールドワークは全国各地の同人誌即売会巡りである。
全国各地を巡り歩くその事自体が、既に「旅行」のカテゴリーに入っているのではないか、とも思う。
いささか拡大解釈のきらいはあろうが、以前、東方オンリーの評論本を出していることを理由に「新潟東方祭」「東方皐月祭」といった東方オンリ−に参加した時同様、ダメモトで申し込んでみた。
寛容にも、主催様側に当サークルの参加申込を受理いただき、無事にサークル参加させていただく運びとなった。

当日は野暮用があり、サークル入場時間どころか開場時間にも間に合わず、開場11時を1時間遅れての来場となった。
このジャンル風に申し上げるならば、「1時間の運行遅延」と言った所であろうかw

サークル「STRIKE HOLE」として申し上げるならば、この即売会、正直申し上げ、「不完全燃焼」であった。
前日コミティアで捌けた事もあり、殆ど頒布出来る物がご用意出来なかった事は、極めて大きな反省点であった(これは、その数日後の「夕張まんがまつり」にも言えた事だが…)。
折角お立ち寄り頂いた皆様に対し、充分な頒布物をご用意できず、ご期待に添えなかった事をお詫び申し上げたい。
そして、もし来年の参加が叶うのであらば、参加するに相応しい頒布物をもう少し多くご用意したいと考える次第である。

両隣のサークルさんにも、ご厚誼をいただいた事、心より御礼申し上げたい。
特に私の左隣のサークルさん…ええと、私が「買い手」として「戦闘兵」と化す某ジャンルのオンリーでお世話になっている(主に買い専的意味で)サークルさんのような…こんな所でお会いするとは驚き。
お隣という事で多大なるご厚誼を賜り、感謝申し上げる次第。今度の某オンリーでも改めてご挨拶に伺いますね。

会場内は、「公共交通&旅行系オンリー」と銘打つだけあって、鉄道サークルや旅行記サークルが中心。
勿論、バス・飛行機など他の乗り物をテーマにした作品を出すサークルさんも、決して少なくない。
内容的には、凝りに凝った内容の作品を出すサークルさんも多く、クオリティも高い。
「鉄道」「乗り物」や「旅行」に拒否感の無い方ならば、大いに楽しめる即売会であったと思う。
一つ一つのサークルさんは無名かもしれないが、「掘り出し物」なサークルさんが多いように映る。

また、これは前回開催(2009年5月)からの傾向となるが、女性向け層の参加も目立つようになってきた事は、注目すべき大きな特徴。
鉄道擬人化ブームの先行者たる「紙端国体劇場」さんの作品にインスパイアされた二次創作や、オリジナルの鉄道擬人化等、所謂「鉄道擬人化」のサークルも、一定勢力を占めるようになった。
(ちなみに、「紙端国体劇場」さん自身もこのオンリーにサークル参加をされている)


これまで鉄道・旅行と言えば男性陣中心の様相が強かったが、「鉄道擬人化」の登場により、少し参加者層に変化が生じた印象だ。

運営面も、今回3回目という事もあり、全般的に安定しソツ無く運営されている印象。サークルとして参加するに当たり、特に困った事も無かった。
「鉄道」「乗り物」「旅行」の好きな方が集える良即売会であり、今後も是非継続頂ける事を願っている。
毎年ゴールデンウイークの開催、ゴールデンウィークは他のイベントも目白押しでバッティングが激しい。他のイベントの動向次第ともなり、必ず参加できるとは限らないが、日程の都合の付く限りサークル参加したい即売会の一つである。


運営には注文は無いが、注文を付けるとすれば、一部の人々のご意見に対して、であろうか。

この「Little“T”Star!」は、2008年5月のゴールデンウイークに初開催。以後毎年ゴールデンウイークに、年1回ペースで定期・安定開催を続ける即売会だが、「Little“T”Star!」の前には、「東京のりもの学会」という同種の即売会が開催されていた。
実はこの「東京のりもの学会」、4年前に私もサークル参加した事のある即売会なのだが…2008年春に惜しまれつつも開催を終了した即売会である。そして、「東京のりもの学会」が終わったからこそ、その後を受けて「Little“T”Star!」が立ち上がったのだろう。
(注:「Little“T”Star!」「東京のりもの学会」の両者は、公共交通・旅行のオンリーという一点でのみ共通するものの、人的繋がり等の関係性は余り無いと思われる)

この「東京のりもの学会」は、鉄道・公共交通・旅行ジャンルの関係者から、大いに親しまれ続けていた即売会だったが…ちょっと特殊な「ローカルルール」が存在していた。
理由はよく分からないのだが、一般参加の方の入場料が無料(サークル参加費は幾分かの参加費用を徴収していた)、という形態を取っていた。
一般来場者にはサークルカットの掲載された簡易リーフレットが無料で配布され、それを基に各サークルを回るという構図だった。

言うまでもないが、「東京のりもの学会」の実施した「一般参加の入場料無料」という施策は、極めて珍しい形態である。カタログを有償頒布する即売会の方が、圧倒的多数である。
だが、「東京のりもの学会」の入場料無料に慣れた人々からすれば、「Little“T”Star!」のカタログ代を有償頒布という、同人誌即売会では極めて当たり前の事であっても、奇異に映るのだろうか。「今までの即売会は無料だったのに…」と不平を漏らした方も、少なからずいらっしゃるようだ。

だが、私に言わせれば、「東京のりもの学会」と「Little“T”Star!」とは、同じ鉄道・公共交通・旅行ジャンルの即売会であれ、イベントが違う。
もっと言えば、主催する人も違う。主催の「考え方」も異なる。
主催の考え方も違えば、流儀も違って当然だ。
「東京のりもの学会」と「Little“T”Star!」とは別イベントであるにも関わらず、既に活動を終えたイベントの流儀を盾に、他のイベントにその流儀を押し付ける(ようにも見える)論調は、極めてナンセンスだと思う。

ましてや、カタログの有償頒布なんぞ、他の即売会では極めて当たり前の手法。
普通の方法を取って、不平をぶつけられても、主催も困るというもの。

以前も何処かしらで申し上げたが、カタログの値段設定云々なんてのは、主催が決定権を持つ。
一般参加者は、主催の値段設定に同意なら参加すれば良く、不服ならば参加しなければ良い、それだけの話である。そして、その値段設定の結果来場者が増えても減っても、それは主催の自己責任であると思う。
決定権を持つ代わりに、それに伴う責任は自分が負う。極めて分かりやすい話であろう。



不平を言いたくなる方の気持ちも、これまでの流儀とは異なるが故の戸惑いゆえ、気持ちは分からないでも無いのだが…

「Little“T”Star!」も今回で3回目。今のイベントの流儀に慣れてきたのか、最近は余りそのような不平は聞かなくなったが、以前は…というか「Little“T”Star!」開催当初は、結構そのような不平を聞いたような気がする。
初回開催から2年経過した今申し上げるのも、余りタイミングとしては宜しくないのだろうが、以前より気にはなっていた事…という事で、この場をお借りして申し上げた次第である。

5/8-9 夕張まんがまつり(後編)

前回記事では、「夕張まんがまつり」が、北海道夕張市という過疎の町、参加に厳しい立地条件でありながらも、告知努力等を通じてある程度の参加者を集めるに至る過程について、語らせていただいた。
今回は、「後編」という事で、「夕張まんがまつり」が取り組んだ、様々な施策をご紹介したい。
一つ一つは小さな取り組みながらも、その積み重ねが「夕張まんがまつり」の盛り上げに、そして成功に繋がっている、と私は考える。


【地味ながらもきめ細やかな施策の積み重ね】

「夕張まんがまつり」の良き点としては、痛車・コスプレイヤーとの連携を深め数多くの参加者を集めた事、告知努力を徹底し一定サークル数を集めた事。この2つが、真っ先に評価されるべきだろう。
だが、私はもう一つ、見逃したくない、評価すべき点を取り上げたい。
それは、地元との連携を取りつつ、きめ細やかで心遣い豊かな施策を数多く実行した事である。
一つ一つは小さい取り組みも、それを数多く積み重ねる事で、「夕張まんがまつり」の、イベントとしての賑わいや楽しさに繋がっていると思う。

例えば、「ロケーション」という物を、この即売会は極めてよく考えている。
1日目のコスプレ会場は、雪も消え、緑生い茂る夏山の様相を見せるホテル裏のスキー場。
痛車ミーティングの会場もすぐ隣だが、雄大な大自然に抱かれてのコスプレ・痛車ミーティングを楽しめる。

また、連絡通路1本で即売会会場のあるホテルとも直結。
ホテル内でのコスプレ闊歩OKという事もあり、コスプレ組も即売会会場に足を運びやすくなった。
即売会会場は大混雑で盛り上がったが、痛車組・コスプレ組も即売会に顔を出し易い環境が整えられた事もその要因となろう。

即売会会場内での企画も盛りだくさんだ。
「コミティア見本誌読書会」の設置は、即売会来場者の興味を引き付け、会場内の駐留率の上昇に貢献した。
というか、会場回りきって暇になった時の暇つぶしにも適する。

コラボ萌酒「住初かえで 夕張すうぃーと」は、まあ良くある萌え商法の二番煎じといわれればそれまでかもしれないが、【地元名産の夕張メロンを原料としている】【キャラの名前を夕張の地名から取っている】【絵師さんが夕張に縁深い】など、押さえるべきポイントをきっちり押さえた萌え商品に仕上がっている。
限定100本は完売、夕張の町が一押しでプッシュしているキャラ商品「夕張夫妻」売上低迷との対比が際立ったw

#余談だが、「夕張夫妻」ほど萌えない・かわいくないキャラも珍しいw
…人気が出ないのも当然だろう。
私は、現在の「夕張夫妻」には「勇退」いただいた上で、「夕張すうぃーと」の絵師さんに「二代目夕張夫妻」をデザインして貰い、仕切り直しの上で売り込む事を、お勧め申し上げる次第である。
また、最近人気の「メロン熊」の【擬人化もの】を商品化するのも面白いだろう。
夕張市の観光関連業界各位及び、夕張まんがまつり実行委員会様の英断に期待したいものであるw

即売会会場内では、飲酒もOK。会場内で限定萌酒「夕張すうぃーと」を購入し、その場で味わう事も出来るし、参加者間交流の潤滑油にもなった。
会場内を楽しく過ごせ、お祭り感を演出するに、大きく役立った。
…飲み過ぎて酔い潰れる方は出なかった筈だし、まあ、良かったんじゃないかとw

また、遠征参加者を想定し、合宿企画も用意。
近隣の「ホテルシューパロ」に宿を取り、宴会場を借りての宴会企画も、参加者間の交流促進に寄与しただろう。
宿に備え付けのカラオケを利用し、コスプレカラオケもOK…と、ホテルの設備をフルに動員し、いい感じにやりたい放題であったw

ただ、「鉄道史跡ぷち見学会」は参加者が1人しか集らなかったとか。

>まもなくダムに沈む世界的に珍しい「三弦橋」や夕張市内に残る鉄道史跡「三菱大夕張鉄道保存車両」をめぐる鉄道史跡ぷち見学ツアーを催行いたします。

という事で、鉄道ファン向けに美味しい所を押さえた企画で、企画内容も決して悪くない(というか地元の観光関係者が絶賛していた)と思うのだが、日時設定が「氏んでしまえ」の世界。
「集合日時:2010年5月8日 13時30分集合」…即売会開始時間じゃねえかよ!流石にその時間に参加は無茶だわw
札幌・千歳〜夕張間を結ぶチャーターバスの空いた時間を利用して、という事でこの時間としたのだろうが…即売会の時間に被る見学ツアーじゃ、折角の好企画も参加者に恵まれまい。
企画が良いだけに、実施時間は是非再考いただきたい所である。

地元と連動しての企画も、興味深い物が多く目に付いた。
痛車参加者への企画として、会場のホテルマウントレースイ目の前・ガソリンスタンドの給油割引サービス。
「夕張まんがまつり」のカタログ提示で、市内観光地(石炭歴史村、黄色いハンカチロケ地等)の入場割引。
「夕張まんがまつり」2日目の5月9日には、地元のお祭りだが「夕張さくら祭り&植樹祭」が開催され、夕張まんがまつり実行委員会も桜の植樹に参加。まんがまつり参加者も、植樹祭へも参加が出来るように取り計らった。

そして、スタンプラリー企画。
市内13箇所でスタンプを集め記念品をGETする…まあ、やっぱり水戸の二番煎じな訳だが(汗)。
ただ、置いた場所は市内の有名飲食店や、市内の商店、観光名所等。即売会の会場にのみ集中しがちな参加者の視線を、夕張のお店や観光地にも向けて貰おうとする狙いは感じられる。
また、スタンプラリー用に、市内巡回のバスを増発する取り組みも親切だった。

これらの各企画全てに共通する事は、地元と協力関係を築きつつ、イベント会場の「外」にも目を向けて貰おう…いや、単刀直入に言えば、イベント会場の外でお金を落として貰おう、とする狙いを感じる事だ。
まあ、「町おこし」なのだから、その狙いは当たり前なのだが…
これは「企画」ではないが、ドライブイン「北海道物産センター夕張店」や地元商店等、イベントパンフに地元店舗の広告が掲載されている事も、地元との密な提携を示していると思う。


【まとめ】
総じて見て、「夕張まんがまつり」は2日間でのべ700名を集めた。
流石にコミックマーケットの3万人動員には及ばない。
だが、夕張は、人口1万人の小さな町だ。しかも、会場周辺の所謂「本庁(本町)地区」(=夕張駅周辺)だけを見れば1000人程度の人口に過ぎない。そこに700人も集った…地元にとっては一大事件である。
当日は、同人誌即売会としては異例、地元のテレビ局の取材も入ったが、まあ夕張に700人も来れば事件、取材が来るのは当然だw
結果的に多くの参加者を動員し、とりあえずは「成功」と評せられると思う。

コスプレイヤーや痛車の参加者集めに早々成功した事、即売会部門も北海道内中心に告知に熱心だった事、そして、一つ一つは小さいながらも数多くの工夫を凝らした施策…これらの集大成が今回の「成功」であったと言えよう。
これに気を良くしてか、来年2011年の第2回開催を決定、発表した。

だが、今回成功したからと言って、次回の「夕張まんがまつり」を素直に喜び、楽観視する事は決してできない。
先ず、今回の参加者は、初めての取り組み、「ご祝儀」で参加している方も、決して少なくはない。
サークル・一般・コスプレ・痛車…どの参加者層においても、それは言えるであろう。
今回参加していただいた皆さんが、次回も参加いただけるのか…?そこが心配ではある。
参加者へのダイレクトメール等を通じた参加者繋ぎ止め・リピーター確保策は必須だろう。

また、夕張市という手軽に行き辛い場所での開催である以上、参加者にとっては「参加しづらい」環境である事も忘れてはならない。
私のような、変に好奇心旺盛の人間しか、夕張の即売会なんぞに興味を持たない。
普通に通り一辺の告知・営業を図るだけでは、参加者集めは難しい。

私は、来年サークルを集めたいのならば、チラシ撒き等を通じた通常の告知活動に加え、1サークル1サークルに営業を掛けて参加を促す…所謂「1本釣り」も必要だと思う。
「1本釣り」のターゲットとしては、前回参加の全サークルがそれに当たろう。加えて、主催自身の知己友人等、仲の良いサークルさんへの「1本釣り」も欠かせない。

以前も申し上げたが、1サークル集めるのに血の滲む努力が必要であり、その積み重ねが、まとまった参加サークル数に繋がるものである。
「夕張まんがまつり」は、手軽に参加するには敷居の高い即売会である。その事を主催者は自覚していただきたい。
そして、今回以上に参加者集めに工夫を凝らし、立地のハンディを乗り越え、サークル集め、参加者集めに努めていただきたい、と考える。

5/8-9 夕張まんがまつり(前編)

私自身にとって非常にご縁深く、かつ興味の尽きない町である、北海道夕張市。
拙著「コーマニズム宣言 夕張論」を同人誌として出した事からも、私の夕張に対する興味・関心の高さはご理解頂けよう。
その夕張で同人誌即売会が開催されると聞いて、本を出すまでに夕張フリークな自分が、黙っていられる訳がないw
私は早速、サークルとして参加を申し込んだ。

残念ながら、私自身別の所用が入り、自ら足を運ぶ事こそ叶わなかったが(売り子の代理を立てての参加)、売り子さん及び他サークル、そして夕張現地の方からも話を聞き、概要はある程度掴んでいる。
という訳で、今回記事では5/8開催「夕張まんがまつり」について少し語りたい。


【痛車・コスプレ参加の順調、サークル参加の低迷】

元を辿れば、主催者側は、夕張でイベントを開く事による「町おこし」を志向していた。

私は、水戸はコミケの動員力だからこそ「町おこし」になり得たのであって、それよりも遥かに動員力の小さい筈の「夕張まんがまつり」主催側がそれを標榜する事には、極めて懐疑的であった。
つーか、コミケの二番煎じですか?というのが正直な感想だ。

そのコンセプトの是非は置いておいて、「町おこし」を訴えるならば、先ずは人を夕張に送り込まねばならない。
「夕張まんがまつり」は、同人誌即売会のみならず、コスプレや痛車ミーティングも交え、総花的なオタクのお祭りを目指した。
これは、町おこしの為より多くの人に来てもらうという観点からすると、極めて妥当な選択だろう。

実際、昨年秋の段階で痛車グループやコスプレイヤー達とはある程度話は付いていたようで、参加表明は順調に集まっていたようだ。
だが、同人イベントの「要」である「同人誌即売会」が出遅れ、参加表明も極めて低調であった。サークル募集やチラシ配布は昨年末、明らかに他の部門に比べ出遅れていた。


【サークル参加数低迷の危機感をバネにした熱心な告知】

しかしながら、その「出遅れ」に対し、主催者側が強い危機感を抱いていた事は、結果として「夕張まんがまつり」のサークル数の底上げに繋がった。

先ず、冬のコミックマーケットでは、参加35000サークル全スペース配布の荒行を敢行した。
コミケでの全スペ配布は、手間がかかる割に見返り(サークル参加数)が弱いが、「夕張まんがまつり」の名を世の中に浸透させる事は出来ただろう。
また、サークルを集めたい!と願う彼らの熱意も、間違いなく伝わった。

そしてその後も、北海道・東京の二面作戦で告知を図り、徹底的にチラシを撒いた。
「夕張まんがまつり」は、北海道のイベント主催団体「カオスフェスティバル」http://chaos.gr.jp/と、「男の娘」など幾つかのオンリーイベントを都内で開催するイベント主催団体「モノリス」http://otokonoko.monolis.jp/の両者による共同開催が実態だが、北海道の告知を「カオスフェスティバル」側が担当。都内の告知を「モノリス」側が担当、と上手く役割分担が為されていたようだ。
「モノリス」側は、「サンクリ」「COMIC☆1」等の都内有力即売会で告知。「カオスフェスティバル」は、北海道内あらゆる即売会に足を運び、道内全即売会・ショップをしらみ潰しに徹底的に告知した。

そして更には、東方プチオンリー「東方蝦夷祭in夕張」を、「夕張まんがまつり」に投入。
2月下旬に開催した「東方蝦夷祭」の成功も、夕張での開催を決意した一因だろうが、夕張にサークルを集める為に東方のパワーをも利用する。
なりふり構わぬ強引な策だが、サークル集めに意欲を燃やす事の裏返し、とも言える。


2009年10月18日「同人誌即売会「夕張まんがまつり」開催決定に寄せて」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51567429.htmlにおいて、私は、夕張で人を呼ぶには条件が厳しいとし、楽観視を控えるべきであるとの態度を取っていた。
「夕張まんがまつり」がサークルを集める為には、「効率悪くとも道内の即売会・ショップ全てを網羅するつもりで告知を図るべき」「1サークル集める為に、一般参加者一人を集める為に死にもの狂いの努力が必要」とも主張した。

人口1万人程度の町で、同人人口も極めて少なく、地元組の参加は難しい。
遠征組を呼ぶにしても、夕張という町にこれといった著名な見所も少なく、「行ってみたい」と思わせる魅力に薄い。遠征組を集めるにも難しい。
率直申し上げて、私は、15サークル集れば御の字だろうと思っていた。

だが、フタを空けてみれば、計25サークル32スペースを集め、即売会としての体を成すだけのサークルを集める事に成功した。
夕張まんがまつり本体は15サークルだが、プチオンリーの「男の娘☆修学旅行」が2サークル、「東方蝦夷祭 in 夕張」が8サークル、これらを合わせると25サークルだ。
特に「東方蝦夷祭 in 夕張」は8サークルを集め、「うみねこ亭」「IOSYS」といった有力サークルも参加。全体の3分の1を占める勢力で、「夕張まんがまつり」のサークル数積み増しに大きく貢献したと言えよう。

厳しい環境下でありながらも、予想以上のサークル数を見せた事は、賞賛して然るべき大健闘と言えよう。
と、ここまで書いた所で、記事が長くなりすぎたので、一旦区切らせていただきたい。

次回は、「夕張まんがまつり」に見る、きめ細やかな盛り上げの工夫について語りたい。
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