STRIKE HOLE

同人関係者に役立つ補助金の申請を支援します。補助金申請通らなかった方は、ご相談ください!採択される確率を、確実に上げます。 サークルとしては、同人誌即売会・アニメ聖地町おこしの評論中心にやっています。 【ジャンル解説】同人評論→真面目系、政治評論・電波→アレなアイタタ評論。真面目系とアホ評論の二本立てです。

2010年11月

同人誌即売会の日程バッティングに関する一論考

毎週末になると、全国各地で、様々な同人誌即売会が、多数開催される。
開催数が多い以上、即売会同士の日程バッティングなんぞしょっちゅうだ。正直、多少のバッティングなんぞは、仕方ないと思う。

ただ、パイの食い合いになるようなバッティングに関しては、苦言を呈する事もある。
同人誌即売会の世界は、共存共栄や相互扶助の精神が大切だと私は考えるが、パイの食い合いとなる日程バッティングは、サークルの奪い合いとなり、この精神に反するからだ。
また、興行的見地からしても、パイの奪い合いの結果として、両イベントの共倒れが懸念される。全ての即売会に成功して欲しい、という願いを、一応は私も持っているのだが…日程バッティングは、その願いを阻害する恐れがある。

具体的には、同じジャンルの即売会が同日に開催されるケースが一例となろうか。
同じジャンルのサークルが食い合いになるので、例え開催地域が離れていても、同ジャンルの同日バッティングには眉をひそめよう。

ただ、最近は例外も出てきている。
例えば、東方ジャンルのような規模の巨大なジャンルに関しては、もう地域が異なる限り同日バッティングでも何も言わない。
イベント数も収拾付きようが無い数だし、地域単位でサークル参加の住み分けができる。パイの食い合いにはならないだろうし、多少なった所で、動員数が「超多数」から「多数」に変わる程度の話だ。
東京の「例大祭SP」が後出しで他のオンリーにぶつけてきた時ですら、後からぶつけられた米原「まいこみ東方祭」も100サークルを集められる世の中だ。(※1)
東方に関しては、地域が異なってれば、同日バッティングしようと構わない、とまで断言出来よう。
流石に、札幌で同じ日に東方オンリーがバッティングした時は、後出しした方を批判したが…

(※1)但し、これは「まいこみ東方祭」が地元密着の告知をしていた事、東京との距離が離れている事も、例大祭SPの影響で死亡せずに済んだ要因かもしれない。適当な運営のイベントで、東京との距離が近ければ死んでたかも。


と、こんな感じでバッティングの是非について語ったが…まとめるとこんな感じだ。

・「パイの食い合い」となる即売会同士のバッティングには遺憾の意を示す
・具体的には、同日同ジャンルオンリーのバッティング
・但し、パイの食い合いにならず住み分けができる傾向の東方ジャンルのような例外もある。東方は、同日バッティングでも開催地域が違えば文句は言わない。

もう一つ、同日バッティングでも文句を付けない例外があった。
同じ会場で、同じジャンルの別オンリーをやっている場合だ。
例えば、蒲田PIOの大ホールで、とあるジャンルのキャラAのオンリーが開かれ、小ホールでは同じジャンルのキャラBのオンリーが開かれたとする。
この場合、参加サークルはキャラ単位で住み分け可能だ。
一般は、両方のオンリーにハシゴで参加できるから、両イベントの相乗効果も期待できる。
パイの食い合いどころか、相乗効果をもたらす。こういうバッティングならば、寧ろ歓迎だ。


さて、(パイの食い合いとなる)同日バッティングが起きた場合だが…
私が青龍刀を振り回し調教する対象は、基本的に、後出しした側となる。
後出しする側は、公開前にバッティングにならないかどうかを調べたり、調整したりする余裕がある一方、先に公開した側は、日程を変える事が難しいからだ。
後出しする側に選択権があるにも関わらず、バッティングを選択したのだから、バッティングの責は後出し側になる。
もっとも、止むに止まれぬ事情でバッティングを余儀なくされた、なんて話も稀にはあるので、個々の事情を十分勘案した上で、青龍刀振り回すかどうかは決まるが…

ここで留意すべき事が、一つある。
それは、同人イベント情報サイト「ケットコム」において、(予定)として掲載されしイベントは、「公開」した事としてカウントしない、という事だ。
ケットコム自身が主催の即売会の(予定)は、日程がコロコロ変わるので確定情報として取り扱えない。そもそも何処の会場かも分からぬ状態では、催事情報を公開したとも言えないだろう。
また、ケットコム以外が主催の(予定)イベントなら、ほぼ100%日程変更は無い。しかし、サイト上やチラシ等で子細が発表されないから、ケットコムも(予定)として掲載しているに過ぎず、「公開」とは言えない。
(予定)は「未定」であり、「公開」したとは決して言えない。その状態で他のイベントが入っても、そのイベントに同日でぶつけられた、なんて言っちゃいけないと思う。

例えば、先にも述べた、9/19・「例大祭SP」「まいこみ東方祭」、東方オンリー同士のバッティング。
「例大祭SP」が発表される前、ケットコムでは、9/19開催の東方オンリーには、以下の2イベントが掲載されていた。

・滋賀県米原市「まいこみ東方祭」
・東京(予定)「東方素芸祭」

「東方素芸祭」はケットコム主催の、東方キャラオンリー集合型イベント。ケットコム上では、「東方超素芸祭」として掲載されていたこともある。
人によっては、例大祭SPは東方素芸祭とまいこみ東方祭に後出しでぶつけた!とおっしゃる向きもあろうが、私はその言い方は不適切であると思う。
東方素芸祭は開催未決定・未公開のイベントだから、ぶつけた内に入らない。例大祭SPがぶつけてきたのは、まいこみ東方祭だけである。

ちなみに、例大祭SP発表の少し前、東方素芸祭が、まいこみ東方祭と同日に(予定)として入ってきているが…
これを、東方素芸祭がまいこみ東方祭にぶつけてきた、と批判する事も、決して無い。
素芸祭は(予定)扱い。開催未決定段階、開催公表前の段階に過ぎない。
例大祭SPが素芸祭にぶつけたのをノーカウントにするのと同様に、素芸祭がまいこみ東方祭にぶつけたのもノーカウントだ。


ここまで長々と、日程バッティングに関する自身の考えを述べたが、最近、バッティングになりそうな心配事が一つ。
2月12日土曜日開催予定の即売会だが…気になるのはこの即売会。

・東京流通センター開催(ボカロオンリー)「VOCALOID FESTA」

・東京都内(予定・会場未発表)
東方ボカロ&エルシャダイオンリー「ボーマス崇敬祭大問生SP」

「ボーマス崇敬祭大問生SP」はケットコムの主催。東方・ボカロ・エルシャダイの各オンリーを手掛けるケットコムが、3ジャンルのオンリーを合同で発表という構想だろうか。
公式サイトもできておらず詳細は不明瞭だが、11/5以降、ケットコム上に掲載されている。

一方の「VOCALOID FESTA」(ボカフェス)は、東方オンリー・博麗神社例大祭の関係者が、ウッドベル名義で開催するコスプレイベントに「幻想郷びらき」というものがあるが、これと同一名義の主催で新たに立ち上がったボーカロイドオンリー。11/14以降正式に発表された模様だ。

一見、ケットコム側が先に発表し、そこにボカフェスが後出しでぶつけてきたかのようにも見えるが、ケットコムはあくまで(予定)としての発表に過ぎない。
ボカフェスがぶつけてきたとの批判があっても、それは正しくないと思う。
先にも述べた通り、(予定)の即売会と同日にぶつけてきても、それはバッティングの内に入らない物として見なしたい。

ちなみに、仮にケットコムがこの日で正式決定、(予定)を外したとしたら…
ボカロがそのイベント内容の中に入っていれば、ボカロオンリー同士のバッティングという事になる。
ケットコムの後出しと見なし、ケットコムを批判する事になるだろうか。
但し、(予定)を外した時に、東方エルシャダイ等に絞り、ボカロが抜けるのならば、同ジャンルの同日バッティングではないから、ケットコムを批判する事はないだろう。
また、会場がボカフェスと同じ流通センターならば、相乗効果が期待できるから寧ろ歓迎だ。両主催仲良くやってね!な世界だ。


さて、最近のケットコムは、大きいイベントが開催される動きを察知すると、意図的に同日ないし近似日に自身のイベントを(予定)としてぶち込むイタズラをされているようで…
9/19開催の例大祭SPが発表されるより前の段階で、東方素芸祭を9/19に(予定)として入れていたのは、その一環だろう。
3月の例大祭・10月の東方紅楼夢でも、同じ日に自身主催の東方オンリーを、(予定)扱いで入れている。
(その是非はともかく)日程未公表のイベントですら、どこからか情報を嗅ぎ付け(予定)で掲載できる程に、ケットコムの情報収拾力は強力だ。私の耳にすら届く程度の情報、ケットコムが聞き逃す訳無い。知ってて敢えて確信犯で、例大祭や紅楼夢の予定日にわざと(予定)イベントを入れている、と考えるのが自然だろう。
「ネタは上がってるんだ!早く公開しちまえお前ら!」というメッセージ性も込めての(予定)イベントの掲載、とも分析している。

「ボカフェス」開催の報に接した時、これと同日に入った「ボーマス崇敬祭大問生SP」(予定)も、同じ路線かな?と直感した。
ケットコム側だってボカロオンリーをやっている。新たにボカロオンリーを開催する「ボカフェス」が、ボカロオンリー老舗「ボーカロイドマスター」を営むケットコムに、話を通さない訳が無い。主催やるならその程度の話を通すぐらい、して当たり前の世界だろう。
ケットコムが開催発表前に情報を掴んでると考えるのは、極めて当たり前の話。当該イベントの開催予定日に、敢えて(予定)をぶち込むのは、やはりイベントの早期公開を促す「釣り」と見るべき。それが妥当な見解だろう。

ただ、このタイプの(予定)イベントは、他のイベントが開催を発表すれば、ケットコムも予定を取り下げる。
例大祭SP開催発表の時には、その翌々日に、掲載されていた「東方超素芸祭」(予定)を取り下げた。
だが、ボカフェスに関しては、公開されても尚、「ボーマス崇敬祭大問生SP」を取り下げる気配が無い。

…もしかして、ケットコムは、ガチでボカフェスにぶつけるおつもりか…?
そういう心配が生まれてくる。

「ボカフェス」側も他ジャンルとは言え大きな実績を遺した名主催。
ケットコムも、様々なジャンルに手を出し、手を出したジャンル全てにおいて結果を出す。名主催たる事は言を待たない。
名主催同士のバッティングとなれば、激しくも不毛な争いになりかねない。共食いは必死で、興行的見地からもダメージは小さくないだろう。
ボカフェスはもう発表し、今更変えられないだろうが…ケットコムならまだ動かしようがある。
イベント自体を他の日に変えるなり、仮に同日としても、催事内容からボカロを消去するなり、ボカロ同士の同日バッティングが避けられるよう、最善の努力を尽くしていただけるようお願い申し上げたい。

11/21 「コミッククリエイション」

11月21日、私は「コミッククリエイション」にサークル参加させていただいた。
コミッククリエイションは、サンシャインクリエイションも主催する「クリエイション事務局」が開催する、もう一つの即売会。
サンシャインクリエイションは四桁超のサークル数を集める即売会だが、コミッククリエイションはそこまで規模も大きくない。200〜300程度の小じんまりとした即売会だが、この即売会の特長は、「自由」。既存の即売会の枠に囚われない、自由な表現が可能な即売会だ。

通常の机椅子を用意した即売会ブースもあるが、この即売会の特長は、畳&座布団を用意した「お座敷パック」や、パネルを用意した「展示パック」という形態でサークル参加出来る事にある。
そういったパックプランに申し込み、与えられた広めのスペースを用い、自由な発想でフリーダムにやりたい放題。これがコミッククリエイションクオリティである。

実際、お座敷プランの畳の上にNゲージを敷設。走行会を開催するサークルさんは常連で参加している。
コタツを持ち込み宴会始めるサークルさん、麻雀や花札始めるサークルさんは掃いて捨てる程多くいる。
ドラクエ音楽をフルートやバイオリンで生演奏するサークルさんもいた。
ネットラジオの公開収録始めるサークルさんもいた。

それでも、今回の会場が「サンシャインシティ」故、まだ制約が多い訳で…
以前会場だった蒲田PIOはもっと酷いw
痛車展示はあるわ、会場内にケバブの屋台がやってき会場内が肉と酒の匂いで充満するわ…

…まあ、こんな感じで、コミッククリエイションというイベントは、正直カオス極まりないアホイベントである。
サークルの表現の自由を、可能な限り尊重した結果が、この有り様だよ!w

ここまで何でもありのカオスなイベントは、他には、毎年2月に高知で開催する即売会「つるかめざっか」http://ww82.tiki.ne.jp/~kurocon/ぐらいだろう。
「コミッククリエイション」との違いは、コミクリも飲酒を禁じてないから、会場内で宴会が始まる訳だが…それでもまだ、コミクリには「即売会」のテイストが強い。
コミクリから、お酒の要素を幾分強め、即売会のテイストをもう少し弱めれば、「つるかめ」になりそうな気がする。
東のコミクリ・西のつるかめ…どちらもカオスな「即売会」(←と呼んで良いのかすらも正直怪しいがw)、興味のある方は、是非東西両方の参加をお勧めしたい。

話がそれたが、私もサークル参加させていただいたので、簡単にレポートを。
9/5「こみっく☆トレジャー」にサークル参加の折、隣が「クリエイション事務局」でコミクリの宣伝をしていたこともあり、勢いで申し込む。
私が申し込んだのは「お座敷パック」。2m四方のスペースに畳一枚と座布団二つを用意してする。
ただ、畳一枚だと案外狭い。1spに畳二枚敷く事が出来るから、本部にお願いして、もう一枚追加で畳を借りた。
(畳一枚で申し込んだのは正直失敗だったかな。畳二枚ないとスペース狭いね)

今回の「STRIKE HOLE」の特別企画は、「将棋対局コーナー」。
コミクリの参加サークルにゃ麻雀始める連中が多いが、それに対抗して「将棋」始めてみるべ!という安直な発想だw
正直、麻雀・囲碁に比べ将棋人口は少ない。対局してくれる方いらっしゃるかな…?と心配だったが、対局者に恵まれ、12時から閉会直前までぶっ通しで対局してましたねw

対戦戦績は以下の通り。
ちなみに、一応私の棋力はアマ1〜2級クラスかな。

第一試合 私(二枚落ち)○vs●ブログ読者様
第二試合 私(飛車落ち)●vs○大(9)州東方祭主催氏
第三試合 私(平手)○vs●ブログ読者様(ネット対戦歴多数)
第四試合 私(平手)●vs○某同人関連会社の経営者様

二勝二敗の成績で終わりました。
流石に、持ち込みのお酒や差し入れでいただいたビールを飲みながらの対局で…指し手も大ポカかまして負けたり劣勢になったり…という感じでしたが、まあ楽しめたので良しとしましょう!
お相手いただいた皆様、ありがとうございました。

将棋に熱中していた事もあり、売上的には大した事なかったが…コミクリで売上を期待するのはナンセンスだろう。コミクリは、売上を追い求める即売会ではない。

確かに、出来る限り多くの方の手に自らの作品を手に取っていただく事(すなわち「売上」の部分)は、即売会にサークル参加する楽しみの一つだ。
しかしながら、即売会は、人が集まる場所でもある。それゆえに、人との出会いや交流…これも即売会の楽しみの一つであると思う。
コミクリは、お座敷でお酒飲んだり麻雀を打てるイベントだ。
前者よりも、後者の比重が高いのは、自然な話だろう。

例えは良くないかもしれないが、今年5月にサークル参加した東方オンリー「東方皐月祭」。
主催挨拶などの問題ある言動に加え、急な募集という事もあり、サークルも一般も集まらなかった即売会。
STRIKE HOLEに青龍刀振り回されるフラグを立てまくった即売会だったが、サークル参加した私の満足度は、何故か極めて高かったw
サークル間、或いは併設イベント参加者との交流が深められた事が、満足度の高さの理由だと思う。

コミッククリエイションの楽しさは、イベントで物を売る事ではない。
サークルが、普段の即売会でできない事を、好き放題やりたい放題やる。
その中から生まれたカオスな雰囲気を楽しみつつ、参加者との「交流」を楽しむイベントではなかろうか。

売上を重視するサークルさんには、決して向かないイベントだ。
コミクリより売れるイベントは山ほどある。他を当たる事をお勧めしたい。
しかしながら、酒飲んで他参加者と交流を深め、馬鹿騒ぎを楽しみたい方。カオスな雰囲気を楽しみたい方。また、普段の即売会でできないような事をやってみたい方。そういう方にお勧めのカオス即売会、それが「コミッククリエイション」である。

次回は来年秋開催予定。
来年は、普段の会場たる蒲田PIOの確保に成功したとの事。
サンシャインでは、会場の制約で実現し得なかったケバブ屋台やら痛車やらも登場し、益々カオスを極めるだろうw
来年のコミッククリエイションも、サークルとしての参加を前向きに検討している。

コミッククリエイション サークル参加致します

久々のサークル参加情報です。
11/21は、池袋サンシャインシティ開催「コミッククリエイション」にサークル参加致します。

サークルスペースは【Dホール エ09】。和風プラン・畳敷きのスペースです。
既刊中心の品揃えですが、9月トレジャー刊行の「コーマニズム宣言 第七章」など、東京初売りのものも多いです。
また、委託頒布で「横浜新聞研究所」様の同人誌も頒布しております。
皆様、是非足をお運びいただければ幸いです。

【コミクリ特別ルール 頒布作品の対価は金銭以外もOK】

さて、今回は「座敷スペース」を用意しておりますが…このお座敷ってさあ、酒飲みながら宴会するには最適だよね!
で、クリエイションって、飲酒を禁止してない即売会だよね!
という訳で、今回の「コミッククリエイション」に限り、同人誌の対価として、【お酒】または【おつまみ】によるお支払もOKと致しますw
あ、もちろんお酒おつまみの差し入れも大歓迎ですよ!
てゆーか皆さん酒とつまみ持ってきて、ウチのスペースで宴会やりましょうよ!www


【一緒に将棋指しませんか?】

コミクリの座敷スペースと言えば、スペースで雀卓囲むが有名。
これに対抗して、私はスペースで将棋をやろうかなと。自分は雀より将棋が好きってのもありますが…
とりあえず、私と対局して、負けたらウチの同人誌一冊強制購入の刑、買ったら同人誌一冊進呈、ってルールにしておきます。

まあ…麻雀に比べ将棋は、圧倒的に遊戯者人口少ないから、コミクリの間に一人対局者見つかれば御の字かもしれませんが…
もし将棋指せる方がいらっしゃれば、当スペースにお立ち寄りいただければ幸いです。
将棋盤こさえて、お待ちしております!


まあ、コミクリの参加目的が、「酒飲み」&「将棋対局者募集」…というおよそ同人誌即売会とかけ離れてる所が頭の痛い所ですが、それでこそコミクリクオリティです。大丈夫だ問題ないw
という訳で、皆様コミクリお越しの折りには、是非当サークルにお立ち寄り下さいませ…出来れば酒つまみ持参でw

STRIKE HOLE今後のサークル参加予定

サークル「STRIKE HOLE」としての、今後の活動予定を以下晒します。

11/21 コミッククリエイション(池袋サンシャインシティ)
12/5 文学フリマ(蒲田PIO)
2/6 東方椰麟祭(広島市)

今年は、ここ数年は皆勤の「こみっく☆トレジャー」はサークルとしてはお休みします。
…他の即売会とどっちにするか、参加を迷ってまして。どちらに参加するかは未定ですが、どちらに参加するとしても、サークルではなく一般参加になりそうです。

春以降の即売会参加は、今後検討します。COMIC1、サンクリ、コミティアなどを検討中。

また、現在のところ東方イベントレポート本「コーマニズム宣言 東方論2」を構想中です。
早ければ「文学フリマ」遅くとも「東方椰麟祭」までには披露できそうです。
また、これまでの過去のイベント遠征記を総集編的に出すことも検討しております。オフセ印刷の予定ですが、いつになるかは未定。

とりあえずこんな感じで今後動いていきます。皆様よろしくお願い致します。

11/14 京都市「勧業祭2010」 〜「号外!文々。新聞友の会」の大健闘〜

11月14日は、京都市勧業館(みやこめっせ)にて開催のオンリー集合型イベント「勧業祭2010」に参加させていただいた。
「Comic Communication」(コミコミ)で鍛えられ経験豊富な関西スタッフ勢の活躍もあり、相変わらずの安定運営。全般的に盛況で、大いに盛り上がった。
サークル数は、これは各イベントの総和になるが、実に498サークル。スペース数ベースでは600spベース、前回の四割増しの成長だ。
関西における「秋の風物詩」として定着したどころか、今後の成長も楽しみな即売会である。

毎回勧業祭内で開催される常連オンリーのサークル数が微減傾向なのがいささか気になるが…
ただ今回は、東方・射命丸文オンリー「号外!文々。新聞友の会」とストライクウイッチーズオンリー「Witches' Leave!」が新登場。サークル数押し上げの原動力となった。
中でも、特に「号外!文々。新聞友の会」の躍進が光っていた。130サークルは、勧業祭参加イベントの中では、これまでの勧業祭最大手・なのはオンリーを抜き首位(スペース数ベースでな「なのは」が首位を守ったが)。堂々たる結果だ。

このオンリーは、単に東方だからサークルが集まったのではない。
主催の努力と奮闘が際立っており、それ故にサークルも集まった。私はそう分析している。

そもそも、東方とは言え、東方全てを対象とせず。特定キャラのオンリーに過ぎない。
また、東京では同種のキャラオンリーで、「東方素芸祭」内にて「天狗様のお仕事」というオンリーが既に開催されている。
このオンリーも、今年6月に120サークルを集める快挙で成功を収めた。
しかしながら、「号外!文々。新聞友の会」は、東京よりも市場規模の小さい関西の地にて、東京の成功即売会をも凌ぐサークル数を集めた。
これは「超」の付く快挙だと思う。
そして、これは単に東方だから集まったのではない。他の東方オンリーを上回るサークル数を集めている事から、東方であること「以外」が、この即売会の「躍進」の理由になるだろう。

この「号外!文々。新聞友の会」は、スタートダッシュが早かった。
勧業祭2010内各イベントの中では、圧倒的に早い立ち上がりであった。
確か、今年の1月頃には既に動き出し、告知を始めていたような。私も、大阪のトレジャーで、チラシをお見かけした記憶が。

その後も、東方オンリーや関西男性向けを丹念に回り告知に勤しんだ。
東方オンリーでは、自らサークル参加に臨み、直接受付の場を設けた。
回った東方オンリーの数も多く、北九州の「大(9)東方祭」(5月・10月両方)や広島「東方椰麟祭」(2月)など、関西から西の即売会を小まめに回った模様。
関西から西、西日本全体をターゲットにしたのだろう。
名古屋だと「東方名月祭」「東方名華祭」「東方金鯱魂」など一通り押さえているし、東京の東方オンリーの大半はカバーしていた。

諸般の事情で関西名古屋方面の即売会に色々お邪魔する私に言わせれば、関西名古屋の即売会行ってチラシをお見かけする機会が圧倒的に多かったチラシが、「まいばらこみゅにけっと」と「号外!文々。新聞友の会」かな、という印象だ。
正直、このチラシ見飽きた、と言いたくなるほどにw

別に私がチラシの絵柄見飽きたからって訳じゃないだろうが、第一陣のチラシが底を尽きた頃、初夏の辺りに、第二陣のチラシが登場した。
このチラシも、関西名古屋の多くの即売会で、お見かけした。

結局の所、この即売会が大健闘を見せた理由は、一点目に初動の立ち上がりの早さ。
二点目に、東方オンリーを小まめに回る告知努力や機動力。
特に二点目のそれは際立ち、「大(9)州東方祭」や「東方椰麟祭」みたいに日本全国殆どの東方オンリーを網羅しそうな勢い。
その努力の積み重ねによりサークル数も積み増しされ、予想を上回るサークル数を集めるに至ったのである。
(当初の募集spは50spと控え目。私も当初は集まるとしたらそのぐらいだろうと思っていた)

東方オンリーは、今や年間50以上が、全国至る所で開催されている。
平均すれば週に一回ぐらいは、日本のどこかで何らかの東方オンリーが開かれている。
それだけ数が多いと、優良即売会・盛況即売会から青龍刀振り回す系の即売会まで、差が目立つようになる訳で、サークルも、参加する即売会を選びたい放題だ。

そんな中、他との差別化を図り、自身の即売会にサークルを呼び込むには、如何にすべきか?
特に今回のイベントは、合同開催形式ゆえ周囲との協調が求められ、それが制約となる。
イベント内企画を出すなど、イベント内における企画などを通じての差別化も、難しい。
(実際、今回の「号外!文々。新聞友の会」における独自の取り組みとしては、サークルの協力を得て「名前付き配置図」のペーパーを作成したぐらいしか、見当たらなかった)

私は、告知を頑張るという事も、充分差別化へのアプローチになると思う。
即売会の存在自体は、東方界隈なら光の速さで伝わろう。
ただ、その即売会が参加に足る即売会か否かを判断するに、サークルにとって、主催の熱意はその判断材料の一つとなろう。
告知努力は、告知そのものが目的というよりも、寧ろ告知努力を通じ、主催の熱意をアピールする事にあるのではないか、という気すらする。

「大(9)州東方祭」「東方椰麟祭」が想定以上に多くのサークルを集められたのは、東方界隈での告知が徹底していた所が、一つの要因だろう。
今回の「号外!文々。新聞友の会」の躍進を、これらと同じ文脈で考える事は、決して的外れではないと思う。
「号外!文々。新聞友の会」の躍進は、我々に、コツコツと努力を積み重ねる事が結果に繋がる、という当たり前の事実を教えていると言えよう。

11/7 「凱風快晴」トークセッション・レポート

山梨県甲府市で開催されし「凱風快晴」http://www.koisuruyamanashi.com/fujiyama/は、屋外での即売会という不安要素がありつつも、好天に恵まれた事もあり、結果的に良即売会として終える事が出来たと思う。
細かい反省点は多々あろうが、「凱風快晴」の成功は、同人世界にとっても極めて意義深い。

地域同人の活性化・東方ジャンルの活性化に寄与したというのも当然あろう。
だが、私はそれ以上に、以下の部分が重要と考える。

行政の主催事業でもある即売会「凱風快晴」は、県や地域社会との連携・協調の下成功に至れた。
これは、「同人誌即売会」という場が、「文化」として地域社会に認められる事にも繋がっていよう。
私は以前、同人世界に文化としてのステータスが付与される事は、(同人世界における)表現への規制に対する牽制効果にをもたらす、と申し上げた。
「同人世界に文化としてのステータスが付与される」とまで言うと大袈裟だが、世にその存在が好意的に認められる事、とも言い換えられると思う。
つまり、「凱風快晴」の成功は、同人世界を、世間が好意的に見て頂ける事にも繋がっている。同人世界にプラスの効果を生むものとして、意義深いものがある。

そしてその一端は、「凱風快晴」内のステージ企画「トークセッション」に現れている。
このトークイベントは、13時から野外特設ステージにて開催された。
即売会会場から階段下った先の、神社入り口近くにステージを設けた。
聴衆は約100人、そして虫さんトンボさん多数に、神社に住みつく白猫w

このトークイベント…出演者の組み合わせが、余りにカオス過ぎだったw
以下、出演者を六人の概要を記す。

1・地元山梨のコスプレイヤー
→霊夢コスでトークイベントに参加された剛の女性

2・「山梨コミックチャレンジ」主催・早矢氏
→山梨でオールジャンル同人誌即売会を定期開催

3・サークル「久幸繙文」http://www.akyu.info・久樹輝幸氏
→東方コミュニティを中心とした評論・考察サークル。緻密なデータ分析の評論は一部筋の評価も高い。「色付配置図の人」であり稗田阿求オンリー副主催でもある。

4・山梨県教育委員会社会教育課 青少年保護育成担当の方
→表現規制反対運動の世界では、東京都なんかじゃ敵認定される傾向のポジションの方。同人の世界でも、悪い意味以外でこの職務の方が登場するのは珍しいかも?

5・凱風快晴の主催氏(「凱風快晴」主催団体・地域活性化プロジェクト「やまなしの翼プロジェクト」http://wing.yyproject.jp/代表)
→ベンチャー企業の経営者、山梨県青少年題協議会委員としての顔も持つ

6・地域活性化支援を活動内容とするNPO法人の方
→司会役、千葉からお越しの方

…余りにも共通項の無い組み合わせの面子に、戸惑ったのは正直事実だったw

多分、上3人はヲタ代表、下3人は非オタ代表という位置付けなのだろう。
更に言えば、「ヲタ代表」の3人は地元コスプレイヤー代表、地元イベンター代表、参加サークル代表、と各階層からバランス良く揃えている。
もっとも、最後のサークル代表だけ「地元」が抜けている。地元サークルではなく、他地域から遠征してのサークルなのでこの表記なのだが…地元のサークルじゃないが、結果的にはこの人選は正解だったと思う。(その理由は後述する)

そしてテーマは、「東方から学ぼう(同人と著作権、青少年とサブカルチャー)」。

うーん、「凱風快晴」が山梨県教育委員会の事業たる事も原因なのだろうが、青少年育成行政と東方厨を強引に結び付けるテーマ設定に思えてくるw
但し、トーク全体を通しての感想としては、「七輪で焼け」http://j.mp/9rhPDBさんの所にも記されているが、実質「青少年とサブカルチャー」に関するテーマでのトークとなった。
「東方Project」からは少しずれたかも?
まあ、トークショーで話題が動くなんて当たり前の話だし、それなりに場も盛り上がったから良しとしようw

トークショーは、先ず各パネラーの自己紹介。次いで、サークル代表・久樹輝樹氏による、東方界隈の概要説明、地元イベンター代表・山梨コミックチャレンジ主催氏による山梨同人の概要説明と続く。
この流れは、司会者側が組み立てたものだが、結果的に大正解の流れだった。

トップバッター久樹氏は、この即売会が同人世界を知らぬ一般人も多く参加されている事を踏まえてか、東方の前に、「同人」とは何かから語っていた。
「同人」のルーツたる明治時代の話から始まり、コミックマーケット等同人世界の概要(同人世界は男性より女性の方が多いとか)を簡潔に、しかし初心者にも分かり易いよう意識して説明していた。
そして、その後に「東方」とは何ぞや、という概要の説明が。ここから先が、東方界隈コミュニティ評論を専門とする氏の得意分野だ。

著作権がテーマに含まれていることを意識し、東方を用いた二次創作を作る際の「ガイドライン」が公開されているなんて話にも触れる。
博麗神社例大祭の開催規模の巨大さ、全国各地に波及し盛り上がる東方オンリーの活発さにも触れた。

そして、東方における設定の曖昧さにも触れ、様々な解釈が可能な事も解説する。
「創作が次の創作を作る」という言葉を用い、皆が共有した非公式設定の解釈(例:チルノ=バカ)をベースに三次創作ができる事。
音楽、アレンジ曲、二次創作、グッズ…様々な楽しみ方がある、という事も解説する。

久樹氏の解説は、短い時間ゆえ不完全な部分もあろうが、要所要所を押さえた解説となり、同人や東方に疎い方にも、理解し易い解説だった。

失礼ながら、久樹氏の知名度は、知る人ぞ知るの世界。
知名度で申せば、東方界隈だけでも、サークル・主催等彼より有名な方は山ほどいる。
知名度は低く、地味な人選かもしれない。
しかしながら、この真面目なトークのテーマ、青少年育成行政関係者等同人に疎い方の臨席たる事を鑑みるに、私は、この人選こそが正解と感じた。
氏以上に、ここまで簡潔的確、そして初心者にも優しい解説のできる人はなかなかない。余人に代え難たい存在だからだ。

そしてその次に、山梨コミックチャレンジ主催・早矢氏による山梨同人の概況説明。
サークルの減少傾向の反面、コスプレイヤーの増加傾向。
ジャンルを一本化せず「よろず」で行くサークル、ラミカ頒布サークルが多い。同人誌=「本」を頒布するサークルが少ない。
私が山梨で見聞きした上での私なりの認識と大差なく、極めて妥当な説明に思えた。
他地域の地方即売会とほぼ変わらぬ、典型的な傾向である。
ただ、早矢氏は、本が少ないのは山梨に印刷所や安いカラーコピーを扱うコンビニが無いから、とおっしゃってたが、そこには違和感。同人の担い手が、中高生中心で、彼(女)らの財力でも手軽に作れるからこそのラミカ・便箋の頒布だと思うが…

と内心思っていたら、凱風快晴主催氏が、良い突っ込みを入れる。
「参加者の年齢層はどうですか?」と。
これに対し、早矢氏も、確かにサークル参加者は低年齢化しているとの回答。

話は低年齢たる部分から、「有害図書」についての管理をいかに行っているかに移る。
これは、県教育委員会の青少年育成行政担当さんからの疑問。仕事柄聞きたくなるのは当然だろうが、直球な質問だ。
これに対して、久樹氏は、18禁ものは対面販売で18歳未満に売らないようにしている事を解説。参加者自らが自主的に管理している事を強調する。
地元イベンターの早矢氏も、これに同調した。

その後、参加者はネットで情報を得る時代になってきた、という話から、低年齢層の有害サイトアクセスの話に話題は移ってしまったが…
ただ、同人界として主張すべきは、行政担当側にきっちり主張できたのではないかと思う。

実際、(表現規制側にカテゴライズされがちな)「青少年育成協議会」の委員も務める凱風快晴主催氏も、こうコメントした。
我々は何かあればついつい規制しようという発想に陥るが、同人の世界のように参加者の自主性に委ねる方法も有りなのでは、とおっしゃっていた。
また、県教育委員会の青少年育成行政の担当氏も、この熱気は素晴らしいものだ。表現規制は考えるべきかもしれないが、こうして若い人達が集まっている場を一概に否定する訳にも行かない、との旨をコメントされた。
青少年育成行政の関係者より、同人世界の取り組みを、肯定的に見ていただけた事は、同人世界に生きる見としては大変ありがたい。
私個人としても、極めて好意的にご理解いただけた事に、心からの感謝の気持ちを申し上げたい。

最後は、久樹氏が東風谷早苗のセリフ「常識に囚われない」という言葉を持ち出して締めた。
そもそもこの即売会自体が「常識に囚われない」即売会だ。
青少年育成行政だって、有害情報規制ありきという立場が常識ならば、その常識に囚われない選択を取っても良い。
表現規制運動の中では、青少年育成行政部署は表現の敵、という考え方が主流。その常識に囚われず、彼らと話し合いを深め、共存する道を模索しても良いだろう。東京都の教育委員会だって、規制関連の議事録読むに、決して行政関係者が否定的とは映らない(強硬な規制推進派から強い圧力受けてそうだが…板挟みになってると思う)。少なくとも、今回山梨の教育委関係者は極めて好意的であった。
様々な意味に当てはまる言葉で、トークの最後が、無事に纏まったようだ。


今回の「凱風快晴」トークショーは、同人世界において、貴重な「成果」をもたらした、意義深いものであった、と個人的には思う。
青少年育成行政の関係者が主催という事もあろうが、青少年育成行政側と同人世界の人間とが…すなわち規制する側と規制される側とが、率直に意見交流を行う事はなかなか無い。そういう場が設けられ、互いの考え方を出し合った事は、両者の共存に道を開くのではないか。

そして、青少年育成行政の担当者に、同人世界の自主的な取り組みに対し、一定の理解をいただけた事は大きな成果である。
規制する(と目される)側だって、話せば解ってくれる方もいらっしゃる、という事実も示していよう。(もっとも、今回は久樹さんが理路整然と語ったからこそ、先方の理解も得られたと思う。こちら側も、理解を得られるような話し方、論理展開が必要だろうが)
こういう好意的な声が増えれば増えるほど、それが規制への牽制になる。
しかも今回は、規制担当部署ともなり得る教育委員会の青少年育成分野の方からの、公の場での発言だけに、尚更だ。

規制をかける側と規制をかけられる側は、決して対立関係ではない。
話し合いの上相互理解を図る道も当然残されている。この即売会のように、互いに協調し合うという選択肢もあろう。
「凱風快晴」トークショーは、規制する側の立場の方からも、同人誌即売会の存在に理解と好意のコメントを引き出せた。同人世界にとって、一歩は前進したような感触を得られた、意義深いイベントだったと思う。

最後に、今回会場となった「山梨縣護国神社」について簡単に申し上げたい。
この神社は、先の大戦等で戦死された山梨県人約25000柱が祀られている。
また、即売会ブースを少し離れると、樺太や満州開拓等に出た山梨県出身者の慰霊碑も建立され、そこで命を落とした方の名も刻まれている。
余り政治性の強い話は申し上げるつもりは無いが、この神社は、そういう悲しい歴史の上に成り立っている神社である事に間違いはない。
確かに「凱風快晴」は楽しかった。即売会を楽しむのはOKだ。
ただ、楽しみつつも、会場となった神社がどういう神社なのか…という部分は、頭の片隅に入れておいても良いのではないか、と感じた次第である。
その神社の境内をお借りして、楽しませて頂いた。それに対する感謝の気持ちを最後に申し上げ、「凱風快晴」評論の結びの言葉としたい。

11/7 山梨縣護国神社開催東方オンリー「凱風快晴」

11月7日、この日の私は、金沢の男性向けオールジャンル同人誌即売会「OVERDRIVE」にサークル参加の予定であった。
しかしながら、午後から仕事の予定が入りサークル参加を断念。頒布物は、他サークルさんにお願いした。

しかしながら、「OVERDRIVE」は一定サークル数を集め、低調だった北陸男性向け同人の「復活」を果たした意義深い即売会である。
これに参加できなかった事は痛恨の極みであり、極めて残念な事である。

おまけに、前日夜の段階で所用が夕方にズレた事が判明。
…なんだよ、そうなりゃ2〜3時位まで暇じゃねえか?
流石に「OVERDRIVE」への参加は困難にせよ、午前中丸々暇だし、どこか即売会に行く時間は取れる。どうせ暇だし、「OVERDRIVE」行けない腹いせに他の即売会に行くか、という気分に。

この日の注目の即売会は、山梨「凱風快晴」・長野「さきすぺ」・名古屋「東方金鯱魂」と皆地方…夕方関東で仕事を抱える身には、遠出は抵抗ある。
検討の結果、都内に最も近くかつ所要時間も短く済む、山梨県甲府市の東方オンリー「凱風快晴」に足を運ぶ事にした。

先月の記事でも触れたが、「凱風快晴」は極めて独特の特徴を有しつつも、それ故に期待感も抱かせる即売会であった。
神社境内・屋外での即売会という点が目に付きやすいが、他にも独特な点は多い。

「凱風快晴」のチラシには、「協力・博麗神社社務所」と書いてある。言わずと知れた「博麗神社例大祭」の主催団体だ。
同団体が他東方オンリーに協力を打つケースは、極めて稀である。どういうご縁があったのだろうか。

また、このオンリーは、山梨地域活性化プロジェクト「やまなしの翼プロジェクト」http://wing.yyproject.jp/の手による主催だ。
主催が個人でも企業でもなく、地域団体が主催する、というのも同人世界では極めて稀な事例ではないか。
若者地域活性化プロジェクトの一端としての東方オンリー、という前例の無いコンセプトだ。
しかも、この即売会は、山梨県教育委員会の委託事業ともなっており、行政が地域活性化の名の下に開催する即売会、という性質も持つ。

とにかく、この「凱風快晴」は、様々な意味合いにおいて、同人界隈の「常識に囚われない」異例づくめの即売会であったと思う。

主催も同人に慣れていない方で、それ故に「常識に囚われない」発想が出来たのだろうが、一方でこの世界を余り知らないが故に、運営面での「穴」もちょくちょくお見かけした。
参加サークルからの不安の声も、私の耳に入ったし、主催側に直接メールで進言した事もある。
ただ、私自身に関して言えば、そんな滅茶苦茶不安がる事も無かった。いや、流石に全く不安が無かった訳じゃないがw

理由としては、博麗神社社務所がバックアップについていた事もある。
経験豊富な彼らがスタッフとして参加するだろうから、最後は何とかなるだろう、とは思った。
ただ、寧ろそれ以上に言えるのは、主催側の皆様と直接お話する機会に恵まれ(10/4・コミックファクトリー甲州遠足にて)、主催側の皆様の「人物」を見た事も大きかったかもしれない。
主催氏は、ご自身がベンチャー企業を経営してる事もあろうが、しっかりした方という印象。
また、初心者ながらも経験者の話に耳を傾けようとする姿勢が顕著であり、その勉強熱心さは、主催素人ながらも努力を重ね即売会を成功に導いた、広島「東方椰麟祭」の主催氏を彷彿させた。
この人なら何とかなるんじゃないか?という気にさせてくれた事も、過度に不安を抱かずに済んだ理由の一つとなろうか。

その一方、行政それも教育委員会の事業としての即売会が成功を収めれば、同人の世界に「文化」としてのステータスが付与される。
表現規制の動きに対する牽制効果も、期待できる。
同人世界の今後を見据えるならば、何としても成功してほしい、とも思った。

「凱風快晴」は、幾ばくかの期待と不安を抱かせる、「常識に囚われない」即売会であった。

屋外即売会たる「凱風快晴」の最大の心配は、風雨。
しかしながら当日は快晴、風も無し。
仮に風があっても、多少は護国神社の建物とその後ろの森林が防いでくれただろうが。
お陰様で即売会自体も致命的な展開とならずに済んだ事は、「凱風快晴」にとって極めて幸運であった。

会場の山梨縣護国神社は、甲府駅から北に2km。意外に距離がある。
バスも走ってるが土日は一時間に一本なので注意。まあ、甲府からバスで40分、1日7本しかバスの無い、アイメッセ山梨よりはマシだが…。

護国神社への途上、沿道の「武田通り」には、通りのお店に「凱風快晴」のポスターが多数貼られており、この即売会が、地域との協調の下開催されし即売会である事を伺わせた。

サークル入場は9時30分から。
階段の上が即売会会場となっていた事もあり、サークルが余裕持てるように早めに設定したとか。
カート/台車組を考慮して、スロープでの導線も組み、理論上はカートを引いてサークルスペースまで辿り着けるように設定しているが、現実には砂利でカートを引けない罠。
まあ、階段通らずに行けるだけまだマシだろうが、できれば板とか敷いてくれるとより良かっただろうか。

サークルスペースは拝殿のすぐ横。
テントが設置され、ビニールシートも敷かれ、多少の雨なら耐えられる。
ただ、一部サークルスペースがテントからはみ出てたのはいただけない。有事の際は大事になりかねないからだ。

また、境内だから仕方ないだろうが、虫が多すぎたw
スタッフが殺虫剤で対応する一幕も…サークルさんにとってはちょい過ごしにくかったかも。

気になったのはサークル等に配られていたチラシ。
幾つかの東方オンリーのチラシがあり、捌けが極めて良かったのが印象的だったが…。
問題は、地元の即売会たる「山梨コミックチャレンジ」のチラシが無かった事。
折角の地元の即売会なんだから、ここで配らずしてどこで配るというのか。
ファクトリー甲州遠足の時と言い、告知に消極的な姿勢が、正直気がかりである。
但し、コミックチャレンジの主催元である「甲府アニメ倶楽部」が出店。画材や東方グッズを販売しつつ、チラシも配っていた事は付け加えておきたい。
ただ、やはり告知というもの、サークルスペース机上に撒き、チラシ置き場に置いてこそ「告知」だとは思うのだが…。

即売会自体は、博麗神社例大祭でも活躍する有力スタッフが援軍に駆けつけ、要所を締めた事もあり、無難に盛り上がった、普通の良即売会だったと思う。
即売会開場前の待機列120人、それ以外にたむろしてる方約40人。最終的には、200-300人ぐらい集まった模様だ。

但し、一般即売会との大きな違いは、本部横の出店者。
山梨赤十字社、若者サポートステーション、フルーツ農園が出店していた。
同人誌即売会の立場から見ると違和感はあろうが、この即売会が、若者地域活性化プロジェクトの一環として始まったという経緯を見ると、分からなくもない。

サークル数は50サークル弱。東方オンリーにしては、他地域からの遠征組が多かったような。
サークルスペースには雨天対策でテントが設置されたこともあり、人の出入りも絶えず。縁日っぽい雰囲気で楽しめた。
神社参拝者に支障の無いよう配慮してか、入場は無料のフリー入場。但し即売会スペースは11時まで一般立ち入り禁止にして対応した。
カタログは任意購入制。フリー入場ゆえ、カタログを入場チケット代わりに出来ないための措置。但し、来場者の過半が購入していた模様。

コスプレは、コスプレイベント「幻想郷びらき」が出張開催の形式。「凱風快晴」本部で受付を行い、神社建物内に設けられた更衣室を利用する形。

神社入り口には屋台も登場。
クレープ屋、山梨県昭和町のメイドカフェ「ショコラ」、たこ焼き屋の3店舗。参加者の食糧事情に貢献すると共に、お祭りムードを盛り上げた。
人気は、たこ焼きと「ショコラ」のメイドバーガー。クレープ屋はちょっと気の毒だった。
街中の即売会じゃ考える必要すら無いが、アイメッセ山梨や豊郷もそうだが、周りに食事できるお店の無い会場は、こういう食糧事情の改善策も大切だと思う。

総じて見て、屋外ゆえの不安はあったが、蓋を空けて見れば天気にも恵まれ杞憂に終わった良即売会だった。
神社の境内というシチュエーションや屋台やテントの存在が、お祭り感を演出。先の豊郷同様に、参加者の満足度は相応だったと思う。

13時からは、トークセッションが野外特設ステージにて開催された。
同人世界において意義深い内容であったとは思うが、これは別稿にてレポートさせて頂きたい。

11/3川崎「スキマフェスティバル」内の伝説即売会 エルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」

11/3・川崎「スキマフェスティバル」内で開催されたエルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」は、日本の同人ヲタどもが、暇人で頭の悪い人々の集まりだという事実を世に示した、極めて意義深い即売会であったw

また、真面目に考察するに、サークルの頭の悪さ…いやパワーの凄さを痛感した即売会でもあった。
ジャンルや即売会を動かすのは、主催やスタッフでもない。サークルのパワーである。この事実を思い知らされた即売会でもあった。

この即売会立ち上げの経緯は、以前の記事で述べたので詳細は割愛するが、おおよそこんな感じである。

10/11 ケットコム主催「裁きの庭」で、絵描きでもあるスタッフに、「エルシャダイオンリーやるから明日までにイラスト描いて!」と依頼
10/12 サイト立ち上げ・サークル募集開始
10/14 サークル募集締切(約90サークル参加・サイトは16万アクセス)
10/19 配置確定→サークル参加案内発送

一部筋から批判を受けるも、投げやりでネタ臭溢れ、私が「主催は病気」と認定したくなるほどに頭の痛いサイト上のQ&Aが、話題を集めた。
Twitterやpixivでも急速に広まり…僅か2日の募集期間という無茶な状況にも関わらず92サークルを集めた。

2日で90サークルを集め結果を出し、告知開始から僅かに一週間で全てを終えた。
余りにも鮮やかなその手並みは、芸術の域…いや神域に達しているとすら思う。
この鮮やかさを見た以上、原作が売り出される前、いや即売会が始まる前にも関わらず「伝説の即売会」と評する事に、私は全く抵抗を持たないw

私はこの日、蒲田PIO開催のサンホラオンリーでスタッフやろうかとも思ってたが、エルシャダイのこの状況を見て思いとどまった。
てか、このオンリー参加しなきゃSTRIKE HOLEじゃないでしょw


【阿鼻叫喚の会場】

既に各所でレポートされているが、当日の状況は極めて酷かったw
カタログは当然完売。当社推定で約2000人以上が、会場の川崎市産業振興会館に押し寄せ…てあの会場でその人数は無茶苦茶だw
とあるスタッフさん曰わく

「一番いいスタッフを頼む!」

だそうですwまあ、そりゃそうだよなあ…
しかし、日本人はこんなにも暇人が多いとは知らなかったw

会場は一階と四階を取っており、四階をエルシャダイ専用に隔離。エルシャダイ以外の各プチオンリーを一階に入れる事で、他オンリーの巻き込まれを最低限に抑えたが…結果としてまったり回れる一階、阿鼻叫喚の四階、落差が際立った。
カタログ完売後はフリー入場とするのが通例だが、エルシャダイ以外のプチオンリー陣取る一階のみフリー入場とした。
エルシャダイの四階は、フリー入場を13時以降に遅らせる事で、入場規制とした。
私が川崎に着いたのはちょうどその頃だったが、電車の車窓から見える数百人以上の待機列を見て、昼間にこの待機列とは何事か?とは思ったのだが、これは、カタログ無しのフリー入場希望者の待機列だったようだ。
…ええと、でもこれ800人ぐらいはいないか?
…勘弁してくれw
つーか、日本人ってこんな暇人いっぱい居たっけ?w

何とか会場に入った自分だが、私が見たものは、ただの「焼け野原」であったw
サークルの頒布物は、開始30分でおおよそ完売だったらしく、私が来た時には、最早「むしる草すらも残されていない」状況。
ペンペン草一本生えない焼け野原に群がる、数百人の人混み。余りにもシュールな光景だったw

面白かったのは、コスプレイヤーも居たこと。
数人ぐらいしか居なかったが、数が少ないせいか、皆さん軒並み人気者だった。
ダンボール鎧でやっつけ仕事の「レイヤー」も話題だったし、凝った衣装…すなわち「一番良い装備」のレイヤーには、数十人単位が群がりカメラを向けた。コスプレスペースで「1対50」なんて展開初めて見たよw


【原作が発売前なのに、漲るサークルの創作意欲】

今回のエルシャダイオンリー参加の90サークルだが、その9割以上が女性向け…所謂「腐女子」である。
キャラクターが男性キャラという事で、女性に人気を博したのだろうが。
(ちなみに、一般参加者は男女比半々。元々スキマフェスは男性向け文脈が強く、男性陣の参加者が大半。この層が一般参加で入り込んだから、女性向け色強いエルシャダイにも関わらず、半々に中和されたのだろう)

彼女ら女性陣の創作意欲の旺盛さが、このオンリー、このジャンルのパワーの源だ。
サークルはこぞって新刊を出し、既にアニメイト等主要店舗への委託を始めた方もいらっしゃるようだ。…後で買いに行こうw

エルシャダイの同人ゲームも登場した。
「エルシャダッシュ」とか言う名だが…原作発売前なのに同人ゲームが頒布…世の中間違ってるw

人気イラストレーター・みさくらなんこつ先生も参戦した。
みさくら氏は、アフター用にエルシャダイの色紙を提供。
あの方、BLも描けるという話は聞いていたが…本当だったんだ。

しかしながら、肝心のゲームの発売がまだなのに、これだけ多種多様の二次創作ができるとは。
参加サークルの創作意欲の高さに驚くと共に、即売会というものは、参加サークルの創作パワーにより成り立っている。その事実を、改めて痛感した次第である。

「主催(スタッフ)」「サークル」「一般買い手」…即売会はこの三者による鼎立。一つ欠けても成立しない。
時折、私はそう申し上げる事がある。
しかしながら、その3つの中で、何が一番大切なのか?を考えるに、それはやはり「サークル」なのだろう。
今日のエルシャダイオンリー最大の収穫は、サークルの創作力を目の当たりにし、サークル無くして即売会は立ち行かない、という当たり前の事実を再認識した事なのかもしれない。

まあ、今回は主催・ケットコムのプロモーション力や運営の手際の良さが神がかってたので、主催の力量も大きいだろうとは思うが。


【スキマフェスティバル 今後の課題】

今回はエルシャダイの登板により、サークル数の帳尻を、前回と同規模に合わせる事が出来たが、エルシャダイを除けば60サークル程度。ちょい苦戦している。
今回の即売会自体については、エルシャダイ目当てで参加した一般買い手が、一階の他プチオンリーに顔を出す事も多く、意外と滞留者も多かった。一階の人出も、まあまあの「成功」だと思う。
ただ、サークル数は減ってる傾向にあるので、その点が気になる。
「スキマフェスティバル」自体は、単体ではオンリーを開きづらいマイナージャンルの受け皿になるし、主催達が少ないリスクで己のやりたいマニアックなジャンルのオンリーが実現可能。私はその意義を高く評価している。今後も継続を望む身なので、サークル数も減らないように頑張っていただきたいとは思うのだが…
今回のラインナップは、エルシャダイ以外は前回からの継続組が多い。定番の面子で安心感のある一方、新鮮味に欠けたように思う。

かつてのスキマフェスは、「だんめんずこみっく」(断面図描写オンリー)とか「π/」(肩掛けカバンで胸が強調される女の子オンリー)とか、ちょwこれでオンリーやるのかお前は!と突っ込みたくなるようなオンリーが開催されていた。今ではその存在に慣れてしまったが、登場当初のインパクトは強かった。
そして、その発想の豊かさは、他の主催がどう足掻いても勝てない、ケットコムの最大の「武器」だと思う。

今回はエルシャダイで、そのケットコムらしさが見られたが、それ以外のラインナップには無かったと思う。
少なくとも、「だんめんずこみっく」「π/」登場時の強烈なインパクトは無かった。
やはりここは、「この発想は無かった」的な、インパクトの強いマニアックなジャンルのオンリーを、どんどん提唱して欲しい。
それがケットコムの強みであり、スキマフェスティバルの良さであるのだから。
来年のスキマフェスのマニアックなラインナップに、今から期待を寄せたい。

「大(9)州東方祭」は「東京流」のイベントか?

たまに、2ch同人イベントの福岡スレを拝見するが、こんなコメントが出てくる。

「大(9)州東方祭は東京流のイベントだ」

確かに、大(9)州東方祭の申し込み先は、関東圏内。主催氏の生活拠点もまた関東。
主催氏は九州島外の人間。九州の皆さんから見れば、氏は「外様」の人間だ。
関東の人間が、九州にお邪魔してイベントを開いている、という事実に間違いはない。
ただ、だからといって、この「大(9)州東方祭」を「東京流」と見なすべきなのか。何回かこのイベントを見た身としては、このイベントを「東京流」と見なす事には、どうにもこうにも違和感を覚えずには居られない。

最近2chの福岡イベントスレにこんな書き込みがあったが、この書き込みが、私の違和感の正体を示すヒントになっていようか。
以下、当該の書き込みを抜粋する。(一部主催氏の名前のみ【個人的な趣味嗜好】により伏せ字にしてます)

>チ●ンコは「東京流」というよりは「新潟流」といえばいいかな
>ステージイベントやコスプレへの力の入れ具合なんかはガタケに影響されているような気がする

このご意見の全てに賛同するわけではないが(個人的な見解としては影響受けた箇所は別の所な気がする)、氏が皆勤賞で通うガタケットから、多少なりとも影響を受けているのは間違いないとは思う。
よくよく考えるに、氏は、ガタケットのみならず全国各地の即売会に遠征参加している。
この2〜3年をピックアップしても、ガタケ以外でも、仙台「杜の奇跡」、大阪コミコミ、名古屋「東方名月祭」、金沢「るなフェス」、福岡「tenjin.be」、岡山「ぶちすげぇコミックバトル」、高知のコミックライブ…その活動は「全国区」である。
勿論東京でも活動するが、正直、東京よりも地方でその面を拝む機会が多い。

だからこそ、私がここで思った事が一つ。
いかに首都圏に居を構えようとも、東京よりも地方での活動が多い人物を捕まえて「東京流」は、少しピント外れなのではないか?

勿論東京の即売会からも影響を受け、良い所を取り入れているだろうから、そこの部分だけを捉えて「東京流」と見なすこともできると思う。
だが、氏は、それ以上に地方での活動が盛んだ。全国各地のイベントの影響を受け、良い所を吸収している。
氏を「東京流」と見なすのは、氏の居住地という形式的なものに囚われ、「地方での同人活動」という氏の活動の実質的な部分に目が行っていない、近視眼的な発想と言えるのではなかろうか?


次に、「大(9)州東方祭」自体が、果たして「東京流」なのかどうか。
確かに、サークル参加者・一般参加者の多さは「東京級」であるとは思う。東京のそこいらへんの東方オンリーよりも、数は多いかも。
だが、来場者を見ると、勿論遠征参加者もいようが、一般参加者の8割以上は九州人だ。地元の学生中心、若い子が多い。
スタッフだって、各所から幅広くあつめたものの、やはり主力過半数は九州勢である。
更に言えば、大(9)州のコスプレ参加者は1000人近くに達する多さ。九州はコスプレの盛んな土地柄であり、この異常なコスプレ参加者数も頷けるが、一方で、この事情こそが、大(9)州が九州同人事情に添ったイベントたることを如実に示していると思う。
この参加層を見て、「東京流」なんて言われても、九州の参加者の皆さんも、頭に?マークが浮かぶのみだろう。


「大(9)州」の特色は、多種多様な企画にある。企画面を見てみよう。

例えば痛車展示会。そもそも痛車ミーティング、痛車オフ会なんてのは、東京の文化にあらず。地方の文化である。
地方はモータリゼーションが進行、車は生活必需品同然で車との馴染みも深い一方、東京は土地が少なく痛車が集える所も無いからだ。

カードゲームコーナーにしても、元々「美柑たると」や「東方椰麟祭」といった中四国の即売会で実施。好評だったので大(9)州でも取り入れている。
九州起源ではないが、他地方の良さげな所を取り入れているだけに過ぎないし、少なくとも「東京」は全く介在しない。

一番、大(9)州が「東京らしくない」のは、即売会アフターのステージライブであろう。
そもそもステージライブなんて企画は、東京などでは先ず見かけない。
東京は、会場も土地も余裕が無い反面、人口規模が多いから、サークルも一般も多く押し寄せる。列を捌く事で目一杯、ライブに割くスペースの余裕なんぞ無い。
大(9)州の名物と課したチルノダンス企画も、同様の論理だ。

もっとも、これらの企画は、東京でも実施されたことが一度はある。
9月19日開催「博麗神社例大祭SP」がそれである。
但し、これは普段できないことをやってみたい、との思いの下、例大祭SPが大(9)州を参考にしつつ取り入れたもの。
つまり、地方即売会の良い所を東京が取り入れた図式と言える。

つーか、大(9)州が東京流なら、アフターイベントはライブじゃなく、じゃんけん大会になるのでは?

大(9)州東方祭は、「東京流」ではなく、寧ろ九州東方同人者というクラスタを対象に、局所最適化した即売会ではないかと思う。
遊び心溢れた企画が、お祭り好きな九州東方勢のハートを掴んだとは思うが、それは主観的な感覚かもしれないので置いておく。

九州事情に沿った即売会か否か。客観的な指標となるのは、来場者数等の「数字」であろう。
九州事情に沿わないやり方であるならば、九州人の反感を買い、参加者を減らす筈だから。
そして大(9)州はサークル数で500sp、一般参加4700人。東方というパワーの無茶苦茶なジャンルたる事を差し引いても尚、「驚異的」「革命的」な実績である。
他地域の東方オンリーよりも遥かに大規模だし、九州島内見ても、(「別格」な福岡ドームのコミックシティを除き)他のあらゆる即売会とは比にならぬ規模である。
大(9)州東方祭は、九州の実情に即した即売会と見るのが妥当である。決して、東京流を押し付けた即売会などではない。つーか大(9)州が「東京」を押し付けた即売会ならば、こんな人は来ない。

とここまで、大(9)州を東京流とする向きへの異議を述べた。
だが、よくよく考えて見れば、大(9)州が東京流だろうが博多流だろうが名古屋流だろうが我那覇流だろうが、それは大した問題とも言えないかも知れない。

同人誌即売会にとって大切な事は、サークル参加者や一般参加者に思いを馳せ、気遣う事。
「主催(及びスタッフ)」「サークル」「一般」三者揃って初めて即売会は成立するのだから、主催か独り善がりに陥らず、サークルや一般の事もちゃんと考える。
それは、東京だろうがトカラ列島だろうが硫黄島だろうが、開催地を問わず言える、当たり前の「真理」だと思う。
東京流でも博多流でも構わないというのは、参加者の目線に立った運営か否かこそが真に大事な事だから…という意味合いである。

「東京流」なんて言い方は、私からすれば、無意味なレッテル貼りでしかない。
参加者目線に立てる即売会か否か。
そして、その取り組みが実り、サークル数・一般参加者数に反映されるかどうか。
それこそが真に大切な事である、と私は考える。

11/7 金沢「OVERDRIVE!!」 サークル作品頒布に関するご案内

諸般の事情により、「STRIKE HOLE」としてサークル参加を予定しておりました11月7日金沢開催「OVERDRIVE!!」ですが…残念ながら私自身は欠席させていただく事となりました。
但し、頒布物については、STRIKE HOLE(配置C-7)の隣「横浜新聞研究所」様(C-5・6)に託しました。
横浜新聞研究所さん、ご好意ありがとうございます!

という訳で、私本人は不在ですが、9月初売りのトレジャー新刊とか、当サークルの頒布物は入手出来るはずです。
つか横浜新聞研究所さんはウチのスペース自由に使って良いですから
ご自身のスペースと合わせ3スペース、自由に使っちまえ!www

思えばこの「OVERDRIVE!!」、北陸男性向け同人誌即売会の先駆け「こみフェス」の低迷に業を煮やし一念発起された方の手によって立ち上がった即売会です。
七月下旬の立ち上がりとやや遅めながらも、地元と東京との二刀流で告知を頑張り、サークル数は約40。「こみフェス」の最盛期ぐらいにはサークルを集めました。
北陸男性向けの世界は、本来これぐらいのサークルを集められるだけの土壌はあるはずなので、「OVERDRIVE!!」は、北陸本来の姿を取り戻させた即売会と言えましょう。
その記念すべき第1回、自ら足を運ぶこと叶わぬのは極めて残念ではあります。

主催様、北陸本専でお知り合いになった皆様…北陸の皆様にお会い出来ない事も極めて残念ですが、又別の機会に、何とかお会いできる事を願っております。

最後に、北陸男性向け復活の烽火を上げる記念すべきこの即売会の、当日の成功を願いつつ、この記事の結びとさせていただきます。
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花羅

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同人イベント評論のポリシーとしては、「否定的な事は極力抑えて前向きな提言を目指す」「男性向け・女性向けの枠、地方・都会の枠に囚われない評論を目指す」の2点を常に念頭に置く所存です。
コンテンツツーリズム・アニメ聖地町おこしの研究・評論も時折やります。
どうぞ宜しくお願い致します。

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