4月24日、東京都下にて開催された、魔法少女まどか☆マギカのオンリーイベント「もう何も怖くない」。
東日本大震災以降続く、東日本の同人世界の沈滞ムードを跳ね返す、元気さを見せた即売会であったと思う。
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の人気については今更論じるまでもないが、アニメ放映期間中に急遽立ち上がったこのオンリー。
東京・人形町の綿商会館を借り、当初は60スペースという比較的小規模なオンリーとして企画されていた。
うん、俺も60という募集数を、確かに聞いた。
このオンリーが明らかに異様なのは、その募集数があっという間に瞬殺したあたりから。
このオンリーは、イベント主催団体「SDF」による主催。「SDF」は、数多くのオンリーイベントを都内で開催されている、男性向けジャンルの界隈では、老舗とも言える存在だ。
主催氏は、当サークルにお越しになっては「東方やボカロで史上最小規模の即売会開催を目指したい」だの「サークルスペースの上の空間(空中)にサークルを配置してみたい」等と意味不明の妄言を吐き、私の脳味噌の頭痛を酷くさせるのだがw
…だがやはり経験豊富なお方、押さえるべき所をきっちり押さえた運営を見せる。
この申込みペースの異様さに対し、SDFは機動力の高さを発揮。速攻で動いた。
すなわち、綿商会館全館貸切にして規模を拡張。迫り来るサークルの大軍に門戸を開いた。
…だが、それすらもあっという間に満了した。
そこでSDFは、次なる手を打つ。
すなわち、即売会では余り使われないものの、綿商よりも床面積広く、即売会にも使えるホールを持つ新会場「サンライズホール」を用意した。
綿商からも徒歩圏内ゆえ、綿商からの案内誘導もしやすい。そんな読みもあったのだろう。
この時には、300sp募集だとか400sp募集だとか、そんな話を聞いた。
…当初60とか言ってなかったっけw
だがそれでも尚、この勢いは止まらなかった。
気が付いたら、綿商+サンライズ両方を利用しての開催と決まり、参加申込サークル数は実に800を超える事態に。
(だって、普段サークル活動活発じゃない方々も、次々と「今回はサークル参加する!」と言い出すぐらいですし…)
当日開会時の主催挨拶で「PIOもサンシャインも都産貿もビッグサイトも当たったけど、みんなダメでしたw」とおっしゃってたので、相当色々と会場を探しまくった模様だ。
最終的には、多数の落選を出しつつも、サンライズ+綿商の二館開催、700sp弱規模で確定した。
…どうしてこうなったw つか、こんなの絶対おかしいよw
こうして、当初の想定規模とは遥かに乖離した規模に膨れ上がったこのオンリー。
この過熱を見て、一般参加者も殺到するであろうことが、容易に想定された。
会場近辺はオフィス街&問屋街…これといった待機場所も無い。一般参加者の誘導・待機列形成が課題となった。
だが、流石に主催・SDFは「オンリー主催の老舗」。的確な動きで課題の解消に動いた。
先ず、数多くのスタッフ経験者を召集。これまでの横の繋がり・交流関係の広さもあり、力のあるスタッフも多数参集した。
外警にも多数のスタッフを配置できた事で、当日の会場近辺の混乱を防げた。
綿商会館〜サンライズ間を結ぶ道路の途中の、信号のある交差点にもスタッフを配置し、事故も未然に防いだ。
会場外に待機列スペースが無い状況、みだりに道路に待機列をつくる訳にも行かないが…
これは、近隣の警察署に道路占有の許可を得た上で、道路の一部(歩道など)に待機列を形成させる事で対処した。
また、その方法には賛否両論あったが、一般来場者の過大な殺到を抑制すべく工夫も凝らした。
カタログの完全事前販売制・カタログ持参者のみ入場としたのは、過大な来場で会場内外が混乱するのを防ぐ措置。
四年前の「博麗神社例大祭」や、ここ最近のサンシャイン開催な「ボーカロイドマスター」の取り組みにも通じるものがある。
カタログを二種類用意し、どちらの種類でどちらの館に先に入れるかが当日決まるというシステムは、綿商・サンライズ一方に来場者が集中するのを防ぎ、かつ「どちらの館になるかは当日決まるし、余り早く来ても意味無いよ〜」と早朝来場を牽制する狙いもあっただろう。
(実際は、目当ての館に一回目の入場で確実に入れるよう、一人二種類カタログ買う連中が続出したが…w)
会場内を見ても、初訪階を決め打ちさせての前倒し入場。最初は階移動不可とし、様子を見て階移動も解禁。階段をフル活用しての導線。
これまでのオンリーイベント等による豊富な経験を十二分に活かした施策が、乱れ打ち。
歴戦の勇士揃いなスタッフの誘導案内も、手馴れたもの。
その甲斐あって、狭い会場に多くの参加者が殺到しても、大きな混乱無く収拾を付ける当たりは、お見事と申すしかない。
ぶっちゃけ、もっと無茶苦茶な阿鼻叫喚に期待したものの(ひでぇ)、そこまでの酷い混乱なく、上手く抑えられたと思う。
ただ今回は、入念に手を打った外警・混雑対応よりも、寧ろ搬入のケアがネックになったと見る。
サンライズも綿商も、複数階の多層構造。搬入にはエレベーターが必要だが、都産貿のような充実には及ばず。搬入業者等も相当に難儀していた。
宅配業者の搬入遅延もあった模様だ。
更に、これはサークルの売れ残りの多さにも関わったが…サークルの搬入量も、東方オンリーに匹敵する「強気」が目立った。
確かに、「3日前に最終話」「単独開催では初のオンリー」「何故か600サークル台」等、このオンリーは、サークルが新刊を出すモチベーションに恵まれている。
「大陽出版」のように、空気読み過ぎて「最終話見てからでも間に合う印刷プラン」なんてのを提示した所もある。
これらの事情を鑑みるならば、サークルの搬入量の多さは、決して理解できない訳じゃない。
外警・混雑対応であれだけ鮮やかな捌きを見せた
だけに、いや、それに重きを置いたが故に、搬入に対するケアがいささか甘かったのかも?と感じた。
確かに、東方オンリーに匹敵する搬入量、綿商やサンライズのようなエレベーターの容量も小さい会場で凌ごうとする事は、非常に厳しい。
ならば、会場を前夜から借りる。宅配も、前夜着に設定し、設営をしながら荷物を受け取る。
費用の問題とか会場借りられたの?といった問題とかはあるが、前日に借りてある程度仕事を済ませれば、当日の混乱も軽減されたのでは?とも感じた。
重箱の隅つつくようで恐縮だが、もうひと工夫こなすだけでも、違ったものになると思ったので、一つの対策としてご提案申し上げる次第である。
しかし、それにしても今回は、サークルの頒布量が半端じゃなかったなあ…
通路には頒布物を納めた段ボールの山…私はチラシ撒きやってたが、一般参加者が入って来ない段階でのサークルスペースが、こんなゴミゴミしていたのは初めて見た。
寧ろ、一般が入ってきた開場後の方が、マシに思えて来るほどにw
残念なのは、そのサークルさんの期待通りに、事が運ばなかったことだ。在庫を抱えたサークルさんも、決して少なくない。
これは、主催や一般買い手に非がある訳ではない。
誰が悪い訳でも無く、「仕方がない事」と申し上げるより他無い。
ただ、このジャンルのオンリーは、今後もまだまだ続く。
東京では幾つかの老舗なベテラン主催が、来月にオンリーを開く。
関西や九州などでも、有力主催の手によりオンリーが開催される予定だ。
ユウメディアも、「聖地」前橋や、地盤の名古屋等で、オンリーを開催予定だ。
(余談だが、オンリーの主催名義が男性向けの「東7ホール」ではなく、女性向けジャンルのオンリーを営む「スタジオユウ」名義なのも注目。女性陣をターゲットにしている意図が見え、このジャンルが女性にも人気な事も伺える)
今回不完全燃焼だった皆様も、これらのオンリーに参加するなどして、ジャンルの活性化に貢献しつつ、今回の分まで「完全燃焼」して捲土重来を期していただきたい所である。
今後のこのジャンルの盛り上がりに、期待を寄せたい。
東日本大震災以降続く、東日本の同人世界の沈滞ムードを跳ね返す、元気さを見せた即売会であったと思う。
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の人気については今更論じるまでもないが、アニメ放映期間中に急遽立ち上がったこのオンリー。
東京・人形町の綿商会館を借り、当初は60スペースという比較的小規模なオンリーとして企画されていた。
うん、俺も60という募集数を、確かに聞いた。
このオンリーが明らかに異様なのは、その募集数があっという間に瞬殺したあたりから。
このオンリーは、イベント主催団体「SDF」による主催。「SDF」は、数多くのオンリーイベントを都内で開催されている、男性向けジャンルの界隈では、老舗とも言える存在だ。
主催氏は、当サークルにお越しになっては「東方やボカロで史上最小規模の即売会開催を目指したい」だの「サークルスペースの上の空間(空中)にサークルを配置してみたい」等と意味不明の妄言を吐き、私の脳味噌の頭痛を酷くさせるのだがw
…だがやはり経験豊富なお方、押さえるべき所をきっちり押さえた運営を見せる。
この申込みペースの異様さに対し、SDFは機動力の高さを発揮。速攻で動いた。
すなわち、綿商会館全館貸切にして規模を拡張。迫り来るサークルの大軍に門戸を開いた。
…だが、それすらもあっという間に満了した。
そこでSDFは、次なる手を打つ。
すなわち、即売会では余り使われないものの、綿商よりも床面積広く、即売会にも使えるホールを持つ新会場「サンライズホール」を用意した。
綿商からも徒歩圏内ゆえ、綿商からの案内誘導もしやすい。そんな読みもあったのだろう。
この時には、300sp募集だとか400sp募集だとか、そんな話を聞いた。
…当初60とか言ってなかったっけw
だがそれでも尚、この勢いは止まらなかった。
気が付いたら、綿商+サンライズ両方を利用しての開催と決まり、参加申込サークル数は実に800を超える事態に。
(だって、普段サークル活動活発じゃない方々も、次々と「今回はサークル参加する!」と言い出すぐらいですし…)
当日開会時の主催挨拶で「PIOもサンシャインも都産貿もビッグサイトも当たったけど、みんなダメでしたw」とおっしゃってたので、相当色々と会場を探しまくった模様だ。
最終的には、多数の落選を出しつつも、サンライズ+綿商の二館開催、700sp弱規模で確定した。
…どうしてこうなったw つか、こんなの絶対おかしいよw
こうして、当初の想定規模とは遥かに乖離した規模に膨れ上がったこのオンリー。
この過熱を見て、一般参加者も殺到するであろうことが、容易に想定された。
会場近辺はオフィス街&問屋街…これといった待機場所も無い。一般参加者の誘導・待機列形成が課題となった。
だが、流石に主催・SDFは「オンリー主催の老舗」。的確な動きで課題の解消に動いた。
先ず、数多くのスタッフ経験者を召集。これまでの横の繋がり・交流関係の広さもあり、力のあるスタッフも多数参集した。
外警にも多数のスタッフを配置できた事で、当日の会場近辺の混乱を防げた。
綿商会館〜サンライズ間を結ぶ道路の途中の、信号のある交差点にもスタッフを配置し、事故も未然に防いだ。
会場外に待機列スペースが無い状況、みだりに道路に待機列をつくる訳にも行かないが…
これは、近隣の警察署に道路占有の許可を得た上で、道路の一部(歩道など)に待機列を形成させる事で対処した。
また、その方法には賛否両論あったが、一般来場者の過大な殺到を抑制すべく工夫も凝らした。
カタログの完全事前販売制・カタログ持参者のみ入場としたのは、過大な来場で会場内外が混乱するのを防ぐ措置。
四年前の「博麗神社例大祭」や、ここ最近のサンシャイン開催な「ボーカロイドマスター」の取り組みにも通じるものがある。
カタログを二種類用意し、どちらの種類でどちらの館に先に入れるかが当日決まるというシステムは、綿商・サンライズ一方に来場者が集中するのを防ぎ、かつ「どちらの館になるかは当日決まるし、余り早く来ても意味無いよ〜」と早朝来場を牽制する狙いもあっただろう。
(実際は、目当ての館に一回目の入場で確実に入れるよう、一人二種類カタログ買う連中が続出したが…w)
会場内を見ても、初訪階を決め打ちさせての前倒し入場。最初は階移動不可とし、様子を見て階移動も解禁。階段をフル活用しての導線。
これまでのオンリーイベント等による豊富な経験を十二分に活かした施策が、乱れ打ち。
歴戦の勇士揃いなスタッフの誘導案内も、手馴れたもの。
その甲斐あって、狭い会場に多くの参加者が殺到しても、大きな混乱無く収拾を付ける当たりは、お見事と申すしかない。
ぶっちゃけ、もっと無茶苦茶な阿鼻叫喚に期待したものの(ひでぇ)、そこまでの酷い混乱なく、上手く抑えられたと思う。
ただ今回は、入念に手を打った外警・混雑対応よりも、寧ろ搬入のケアがネックになったと見る。
サンライズも綿商も、複数階の多層構造。搬入にはエレベーターが必要だが、都産貿のような充実には及ばず。搬入業者等も相当に難儀していた。
宅配業者の搬入遅延もあった模様だ。
更に、これはサークルの売れ残りの多さにも関わったが…サークルの搬入量も、東方オンリーに匹敵する「強気」が目立った。
確かに、「3日前に最終話」「単独開催では初のオンリー」「何故か600サークル台」等、このオンリーは、サークルが新刊を出すモチベーションに恵まれている。
「大陽出版」のように、空気読み過ぎて「最終話見てからでも間に合う印刷プラン」なんてのを提示した所もある。
これらの事情を鑑みるならば、サークルの搬入量の多さは、決して理解できない訳じゃない。
外警・混雑対応であれだけ鮮やかな捌きを見せた
だけに、いや、それに重きを置いたが故に、搬入に対するケアがいささか甘かったのかも?と感じた。
確かに、東方オンリーに匹敵する搬入量、綿商やサンライズのようなエレベーターの容量も小さい会場で凌ごうとする事は、非常に厳しい。
ならば、会場を前夜から借りる。宅配も、前夜着に設定し、設営をしながら荷物を受け取る。
費用の問題とか会場借りられたの?といった問題とかはあるが、前日に借りてある程度仕事を済ませれば、当日の混乱も軽減されたのでは?とも感じた。
重箱の隅つつくようで恐縮だが、もうひと工夫こなすだけでも、違ったものになると思ったので、一つの対策としてご提案申し上げる次第である。
しかし、それにしても今回は、サークルの頒布量が半端じゃなかったなあ…
通路には頒布物を納めた段ボールの山…私はチラシ撒きやってたが、一般参加者が入って来ない段階でのサークルスペースが、こんなゴミゴミしていたのは初めて見た。
寧ろ、一般が入ってきた開場後の方が、マシに思えて来るほどにw
残念なのは、そのサークルさんの期待通りに、事が運ばなかったことだ。在庫を抱えたサークルさんも、決して少なくない。
これは、主催や一般買い手に非がある訳ではない。
誰が悪い訳でも無く、「仕方がない事」と申し上げるより他無い。
ただ、このジャンルのオンリーは、今後もまだまだ続く。
東京では幾つかの老舗なベテラン主催が、来月にオンリーを開く。
関西や九州などでも、有力主催の手によりオンリーが開催される予定だ。
ユウメディアも、「聖地」前橋や、地盤の名古屋等で、オンリーを開催予定だ。
(余談だが、オンリーの主催名義が男性向けの「東7ホール」ではなく、女性向けジャンルのオンリーを営む「スタジオユウ」名義なのも注目。女性陣をターゲットにしている意図が見え、このジャンルが女性にも人気な事も伺える)
今回不完全燃焼だった皆様も、これらのオンリーに参加するなどして、ジャンルの活性化に貢献しつつ、今回の分まで「完全燃焼」して捲土重来を期していただきたい所である。
今後のこのジャンルの盛り上がりに、期待を寄せたい。