STRIKE HOLE

同人関係者に役立つ補助金の申請を支援します。補助金申請通らなかった方は、ご相談ください!採択される確率を、確実に上げます。 サークルとしては、同人誌即売会・アニメ聖地町おこしの評論中心にやっています。 【ジャンル解説】同人評論→真面目系、政治評論・電波→アレなアイタタ評論。真面目系とアホ評論の二本立てです。

2011年07月

7/24 東方オンリー「大(9)州東方祭」

7月24日、私は福岡市博多にて開催されし東方Projectオンリー「大(9)州東方祭」に参加させていただいた。
このオンリーは、例年北九州市小倉の「西日本総合展示場」にて開催。サークル参加数・一般参加者数共に、九州の即売会の中では極めて異例の高い動員を示し、九州第二の規模に育った即売会である(ちなみに一位は福岡ヤフードームのコミックシティ)。
東方オンリーの中でも、東京の「博麗神社例大祭」・関西の「東方紅楼夢」に次ぐ第三の規模の即売会に成長。
今回は600spを集め、また名物の「同人サークル生ライブ」を5月7日、そして即売会を5月8日と2日間開催で、大いに盛り上がる…はずだった。

しかしながら、東日本大震災の影響により3月13日開催予定であった「博麗神社例大祭」が開催中止。順延日程を5月8日と決定したものの、これは「大(9)州東方祭」の開催日…
参加サークルの約半数が、またライブ出演サークルの殆どが「博麗神社例大祭」に参加する以上、バッティング承知で開催した所で、「大(9)州東方祭」を選ぶサークルは少ないだろう。
「大(9)州東方祭」は、無念の中止順延を決断した。

とは言え、流石に土日の2日間手配できる箱は極めて少なく、会場選定には相当難航した模様だ。
最終的に、当初1日目に予定していた「同人サークル生ライブ」は、11月開催の「大(9)州東方祭」に順延。
2日目即売会の部も、会場を「博多国際センター」に変更。日程も7月24日に順延した。
勿論、コミケ前という事もあり、サークル参加するに支障を来たすサークルも少なくない。約100サークルがキャンセル(ないし11月の大(9)州東方祭への振替)を選んだ。
だが、一方で追加募集も開始。約100サークルを集め、おおよそプラスマイナスゼロ。当初の予定だった600sp規模は維持する事に成功した。

とは言え、これまでの「西日本総合展示場」よりも狭い会場。そして慣れない会場。
会場の都合もあり、これまでの「大(9)州東方祭」で見られた豊富な企画は、殆どがカットされた。
ライブは完全中止(次回に順延)、痛車展示も無し、カードゲームはフリープレイスペースを設けるだけで大会は無し。ゲーム大会も無し。名物の「チルノダンス」(所謂「踊ってみた」企画)は、即売会終了後のアフターに移しての開催。
これまでの「大(9)州東方祭」とは相当に趣の異なる即売会であった。

ここまで企画がカットされ、客足も相当に落ち込むのでは…との心配はあった。
そして迎えた当日。私は、チラシ撒き等の所用もあるため、サークル入場時間の9時よりもだいぶ早め、朝8時過ぎに会場に到着した。
この時点で、既に数百人の来場者!日程・会場変更を乗り越えて参集した、東方関係者の熱気を垣間見た。
今回の一般入場開始は10時30分だが、その時点ではおおよそ1500〜2000人が集った模様だ。小倉の例年に比べ多いか少ないかは評価が分かれそうだが、少なくとも、九州の即売会世界においては稀有の熱気を見せた。その事は間違いない。

今回の会場「国際センター」は、博多の臨港地域に立地する大型展示場。博多駅ないし天神からバスでのアクセスが便利な会場だ。
かつては九州随一の即売会として名を馳せた「コミックネットワーク」が即売会会場として利用していたが、コミックネットワークの福岡撤退後は、即売会会場として利用されることはなく、即売会としての利用は久々だ。

会場は3階建て。1階はサークル600spを配置した。
2階はテラスになっており、1階を見下ろせる吹き抜けの構造。
ここに、コスプレスペース・カードゲームコーナー・企業ブースを配置した。
コスプレ受付も2階に配置した。
今回は北陸の同人ショップ「Grep」様が参加され、当サークルの頒布作品をお引き受けいただいた事の御礼を申し上げる。

テラスを一周すると、手すりの所に注意書きの張り紙が。
「スカートの人は手すりに寄りかからないでください」「下(一階)からスカートの中が見えます!」との事。
二階が吹き抜けになってるこの会場ならではの文言だ。


今回の「大(9)州」は企画を大幅カットしたが、一つユニーク企画を新規に導入した。
それは、名古屋の東方オンリー「東方名華祭」の名物企画と化している、東方カラオケルーム「東方ラウンジ」。
名華祭で好評だったこの企画が九州出張開催、という触れ込みだ。
実に東方曲を1400曲も搭載し、サークル名・曲名の五十音順で検索可。音響・プロモーションビデオ等設備も充実し、カラオケボックス顔負けの本格派。
ここまでやって、地元の東方好きの心を掴まない訳が無い。当然の如く大盛況だった。
参加者から、次回も是非開催して!と声が上がる事は間違いないだろう。


即売会の方は、10時30分スタート。
先ず手始めに主催氏が、日程変更を乗り越え参加いただけた事への謝辞を述べる。そして大挙して押し寄せる2000人近くの来場者…。
私のサークルにも、多くの方がお越しいただき、新刊・既刊多数ご購入いただいた。売上は過去参加した即売会中、5指に入るレベルだろう。大変ありがたい話である。
ご来訪いただいた皆様に、心からの御礼を申し上げたい。

会場内のBGMは、同人サークルによる作品の持ち込み。
DJ役の方が、簡単な解説や曲紹介を述べて、流してくれる。落ち着いた渋いアナウンスが好感。
音楽サークルにとっても、「音」という形で作品を発表できる貴重な機会にもなり、音楽サークルに優しい取組みと言えよう。


今回「大(9)州」に参加し、特に感じた事は、全国各地から様々な方々が、「大(9)州」に集結している、という事。
コミケやコミックシティ・こみっく☆トレジャー、そして例大祭。東京・大阪のイベントで「全国区で人が集う」イベントは、数少ないながらも存在するが、九州で「全国区で人が集う」イベントはなかなかお目にかかれない。

お昼過ぎに、他イベント主催によるイベントアピールが行われたが、そこでアピールに立った即売会を列記しよう。

・北海道 東方神居祭
・仙台 杜の奇跡
・新潟東方祭
・東京 例大祭SP、東方仮装祭、すいかと
いっしょ
・名古屋 東方名華祭
・京都 号外!文々。新聞友の会
・大阪 コミックコミュニケーション
・広島 東方椰麟祭
・愛媛 美柑たると。
・小倉 都久志祭、大(9)州東方祭
・久留米 東方久遠境
・大野城 トイズ・マーチ
・福岡 CM―EX九州、ぼかろ☆みっくす
・熊本 幻想肥後之祭典

主催者ベースで見ても、全国各地から大(9)州に参集している事が伺えよう。

サークル参加するに当たり私が重視している事は、勿論「売上」という実利面も考慮しているが、人との「出会い」「交流」ができるか?というのも大きな要素だ。
「大(9)州東方祭」は規模の大きい即売会だが、規模が大きい分、全国各地から様々な方々が集うイベントでもある。
人の集う分、人と出会う「楽しみ」も増す。
私も「大(9)州東方祭」においては、普段お会いできない様々な方々にお会いできる事を心待ちにしていた。
「大(9)州東方祭」は、単に「売れる」イベントではなく、全国各地から参集する皆さんとの交流の場としての楽しみもあるイベントと言えよう。


今回の日程変更の主因でもある「博麗神社例大祭」も、サークル参加した。
お詫び行脚として、また過去の例大祭で頒布したグッズ在庫の売り込みも兼ねて、10人以上の大軍で押し寄せた。
段ボール何十箱レベルの、搬入量の豪快さに吹いた…というより引いたがw、例大祭スペースの華やかさも、大(9)州の盛況に華を添えたのでは無かろうか。
搬入物も、その過半が捌けたようで、例大祭側にとっても嬉しいお話だろう。

そんな感じで、終始盛り上がりつつ、「大(9)州東方祭」は無事終了。
即売会が終われば、アフターイベントの開催だ。

今回は時間が押していたようで、机椅子の撤収を、サークルに繰り返し要請。
皆もこれに応え、瞬く間に撤収終了。いよいよ名物の「踊ってみた」企画(所謂「チルノダンス」)に移行する。

今回のチルノダンスは、会場の構造上、二階から眺められる。普段は横から眺めるチルノダンスだが、上から眺めるチルノダンスもまた新鮮な味わい。
相変わらずダンサーの数は人海戦術の暴力だw
推定200人〜300人程度?以前よりも踊り手の数が明らかに増えているが、頒布時間中からアフターに持って行った事で、買い手やサークルも参加し易い環境になったのかもしれない。

「IOSYS」龍波氏がセンターに立って自ら踊り、「TAMSIC」TAM氏の曲に合わせたバイオリン演奏もあり、演出も進化している。
コスプレでの参加者も多く、「大(9)州東方祭」のアフターにふさわしい盛り上がり方だった。
(コスプレ更衣室は14時30分終了だが、チルノダンス組に限りチルノダンス後の更衣室使用も可とし、ダンサーにも配慮した)

ダンス終了後は、東日本大震災チャリティーオークション。
震災後に開催された「新潟東方祭」で取り入れ好評だった企画を九州にも導入、という構図だ。
これも相応に盛り上がり、「大(9)州東方祭」は全日程を無事終了させた。

終わってみれば、「大(9)州東方祭」は総動員数4000(関係者談)。
前回の約4700からは流石に数を落としたが、なかなかの盛り上がりだ。
ライブ・ゲーム大会・痛車等多くの企画を無くし、コミケに近接…これがマイナス要因となったのは否めない。
しかしながら、福岡市内という立地がプラス要因となり(小倉よりアクセス的に楽な参加者が多かったはず)、マイナス幅を抑えたのでは無かろうか。
マイナス幅を抑え盛り上がりを見せ、次回11月開催に繋げる事が出来たと見ている。

今回の課題は、正直余り無い。
これまでは音響のやかましさ等を問題視していたが、皮肉にもライブ等の企画が中止に追い込まれた事により、この問題点が散消した。
細かい問題点は多数あったが、会場変更・不慣れな会場の利用に起因する物多く、「会場変わらざるを得なかったから仕方ないよね」で済ませても良いレベル。触れても小姑っぽいし、当ブログで触れる必要も無いと思ったので割愛する。
これらの問題点は、元の会場に戻れば解決するだろう。

寧ろ、今回の成功を励みとし、次回11月に繋げていただきたい、と私は感じる。
既にサークル申し込みも始まり、次回に向け動き始めている。
次回11月は、当初5月予定だったが、震災の影響でなし得なかった【2日間開催】。今回以上の「祭り」を、そして更なる盛り上がりに期待したい。

7/10 夕張まんがまつり・東方嶺水祭

過去に「コーマニズム宣言 夕張論」と題する紀行同人誌を刊行するなど、夕張市とのご縁が何故か深いこの私。年1回のペースで夕張に足を運ぶぐらいには、ご縁が深まっている。
そんな私が、夕張で同人誌即売会が開催されると聞けば「あ、何か楽しそうなお話があるな」とばかり馳せ参じるのは、極めて自然な流れである。
本来ならば、昨年の第1回開催時(2010年5月開催)にも参加させていただく予定であったが、所用が入り参加を断念。今回参加させていただいた次第である。

【参考リンク】
2010年06月23日付「5/8-9
夕張まんがまつり(前編)」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51655859.html
2010年06月24日付「5/8-9
夕張まんがまつり(後編)」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51655898.html


今年は、北海道のピークシーズンたる7月の開催。富良野ラベンダー畑等、花が見ごろのシーズンで、夕張の即売会参加ついでの観光にも絶好のシーズンだ。(その代わり飛行機代が高いという遠征参加上のハードルも…)

会場は、昨年同様夕張駅前のリゾートホテル「ホテルマウントレースイ」。
「夕張まんがまつり」は7月9〜10日の2日間開催。7月9日はコスプレ・痛車ミーティング中心、7月10日も即売会も開催というスケジュールで、即売会参加組の私は7月10日に参加すれば良い。
7月9日は日高地方を放浪の末、9日の夜遅くに夕張入り。「ホテルマウントレースイ」に投宿した。
夕張駅前は駅前屋台が盛況だし、1km離れた「ホテルシューパロ」では「夕張まんがまつり」参加組が宴会だのコスプレカラオケだの楽しんでいたようだが、私はそちらには顔出さず、「ホテルマウントレースイ」内の温泉大浴場でひと風呂浴び、ゆっくり体を休める。

翌日(即売会開催当日)はバイキングの朝食からスタート。イカの刺身を筆頭に、朝から海産物を制覇し、エネルギーも充電。
とは言え、即売会開催は12時からで、少し時間もある。
そこで今回私は、午前中の空いた時間に、「夕張まんがまつり」参加者向けのオプショナルバスツアー「夕張の鉄道遺産撮影ツアー」に参加した。

昨年の夕張まんがまつりでも開催したこのツアー、ツアーの中身は鉄道マニア向けに押さえるべき所をきっちり押さえた好企画なのだが(地元の観光関係者が絶賛していた)、昨年の参加者は僅かに一人…
理由は、昨年「夕張まんがまつり」に関する当ブログの記事を引用する。

>「集合日時:2010年5月8日 13時30分集合」…即売会開始時間じゃねえかよ!流石にその時間に参加は無茶だわw
>札幌・千歳〜夕張間を結ぶチャーターバスの空いた時間を利用して、という事でこの時間としたのだろうが…即売会の時間に被る見学ツアーじゃ、折角の好企画も参加者に恵まれまい。
>企画が良いだけに、実施時間は是非再考いただきたい所である

流石に今年は実施時間を再考されたようで、即売会開催前の午前中の時間を充てる事とした。うん、これなら俺も参加できる。
その甲斐あって今回は、参加者が10人ちょい。うん、そこそこ来て賑やかかな?
但し、参加者に【チルノ】や【小悪魔】や【ランカ・リー】がいたのは気にしない方向でw

コースは【夕張森林鉄道の三弦橋】や、【三菱大夕張鉄道の南大夕張駅跡に保存された鉄道車両】など、夕張全盛時代の鉄道の有様を伺えるコース。
特に三弦橋は、日本の鉄道の中でも珍しい建築様式、外観の美しさが評判ながらも、現在工事中の巨大ダム「夕張シューパロダム」完成の暁には、湖底に沈む運命。もう1〜2年後には、お目にかかることもできなくなろう。貴重な風景を堪能できて大満足であった。

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少し時間が余ったので、ツアーの係員の方にお願いし、大夕張の街に行けないかとお願いしてみる。
大夕張は、三弦橋のビューポイントから更に奥に入った先に存在した街。
かつては人口2万人を擁した一大都市ながらも、炭鉱の閉山等で人口が流出。三弦橋同様「夕張シューパロダム」の湖底に沈む運命となり、1998年に全住民が移転。現在では無人の街と化している。
【明石町】という駅の駅前まで立寄ったが、既に駅前広場・ 駅前商店街が原野に…草木が高く生い茂り、かつて街があったとはとても思えない光景であった。

こうして夕張の廃線等を思う存分堪能し、11時前にはホテルマウントレースイに戻る。
ホテルに戻ると、駅前に【犬走椛】が歩いてたり、ホテル前に母親が【メイド服】な親子連れが歩いていたり、コンビニで【魔理沙】(男装)が買い物していたり、挙げ句の果てには中国人観光客が痛車にカメラ向けて喜んでたり…色々と残念な賑わいを見せていたw

ホテルそばの広場では、11時から痛車ミーティングが開催。
痛車は「Re-write」「AngelBeat」「東方」「ボカロ」「まどか」「けいおん!」…20台ちょいのエントリーだったが、レパートリーの豊富さが印象的だった。
また、コスプレはホテル及び夕張市内オールフリー。レイヤー達は、ホテル周辺で撮影に勤しみ、痛車同様に賑わいを与えた。

札幌で同人誌即売会を営む「Chaos Festival」の主催氏よりお誘いを受けており、一緒に昼食をとることに。
夕張駅前のランチ食べ放題・イタリアンな喫茶店に顔を出すも、同店はまんがまつりの来場者で大盛況…!
しかたなく、ホテル内のバイキングレストランに。
レストランで、レイヤー達がコスプレのまま食事に勤しんでいたのも、夕張まんがまつりならではの光景。
食事代は少し高いが、夕張メロン収穫期という事で【夕張メロンも食べ放題】とか。
二人して夕張メロンにがっついたのは言うまでもないw

即売会開始は12時から。依頼のチラシを撒いたり、頒布物を並べたり、と準備を整え、来場者を待つ。
サークル数が20サークル台という事を考慮すると、初動50〜60人程度なのは結構多い方かも?
サークル的にも、最初の一時間は結構売れ行きが良かった。お買い求めいただいた皆さんありがとうございます。


参加者数は、約500人と聞く。
昨年に比べれば数を落としたものの、サークル数との比較で考えると、来場者数は多い部類に当たろう。
もちろん、痛車ブースに入り浸ってた方も居るので、この全てがサークルに買い物した訳ではない。
ただ、痛車組・コスプレ参加組の相当数が、即売会でも買い物しに来ていた。地方の即売会は、コスプレ参加者がサークルに足を運ばず空気が乖離しているイベントも少なくないが、夕張まんがまつりにはそれが無い。
コスプレイヤー・痛車と即売会とが上手くリンクしてるイベントだったのかもしれない。

何故、即売会で「本を買わない」とされているコスプレ組・痛車組が買い物に来てくれたか?
本来、地方即売会の買い手は、地元の中高生が中心。だが、夕張は、人口一万の小都市。しかも少子化が顕著、学生の絶対数が少ない。この手の世界に興味を持つ人は、夕張市内に10人居れば良い方だろう。
ましてや、当日は夕張高校で学園祭が開催されており、若い世代は皆そちらに流れる。
つまり、夕張市民の参加者は、このイベントに関しては殆どゼロに等しいと言える。
別の言い方をすれば、このイベントの参加者は、皆夕張市外からの遠征組だ。札幌など道内各地から、夕張に集っている。

遠征組な参加者は皆、半ば観光気分だ。せっかく来たのなら、夕張に用意されたコンテンツを、可能な限り堪能したい…そう思うのが人情だ。(私だって夕張鉄道ツアーに参加したし)
この「夕張まんがまつり」においては、即売会も、単なるコンテンツの一つに過ぎない。他にも、痛車・コスプレ・スタンプラリー・宴会・バスツアー・貸切列車…夕張まんがまつりには、数多のコンテンツが用意されている。
だからこそ、コスプレメイン・痛車メインであっても、観光気分でこのお祭りを存分に楽しもうとする気持ちが、即売会というコンテンツも一緒に楽しもう。そういう気持ちで、即売会も楽しもうと顔を出していただけたものと分析している。
(即売会開始一時間で皆去って元の持ち場に戻ってしまったが…それも即売会が「いちコンテンツ」として扱われている事の証左になるかも)

あくまで上記は私の仮説。これが正しいとは限らない。
ただ、一つ言える事としては、レイヤー・痛車組が即売会にも足を運んでくれて、サークルにとっては大変ありがたかった、という事だ。
即売会はメインたるべきかもしれないが、この「夕張まんがまつり」は、コスプレイヤーや痛車の存在も非常に重要。
サークル集めも大切だが、いかにレイヤー・痛車を集められるかも、祭りの盛り上がりを占うキーポイントではなかろうか。

では、「夕張まんがまつり」が痛車・コスプレを呼び込めた原動力は何か?
前回「夕張まんがまつり」レポートでは触れていなかったが、私は、イベント協力サークル「LayerComp」http://www.layercomp.net/の働きに注目したい。
「LayerComp」は、洞爺湖・旭川等他地域でも、地域の関係者と協力を図りつつ、同人誌即売会やコスプレイベント等を成功させている団体。
昨年の「夕張まんがまつり」において、早い段階で痛車・コスプレイヤー等一定数を集められる目処が付いていたようだが、それも、「LayerComp」の功績。
今年は道内他地域でのコスプレイベントのバッティングもあり、昨年ほど集まらなかったとは言え、それでも「夕張まんがまつり」全体で500人を集めた。そして、その大半に当たるコスプレ・痛車組の来場は「LayerComp」の力量による。
今まで触れてこなかったのは私の不明だが、「LayerComp」の果たした役割が大きい事に気付き、その点ご指摘申し上げる次第である。


「夕張まんがまつり」は、コスプレ・痛車の来場が賑わいをもたらし、その賑わいが即売会/サークル側にも波及。即売会側も盛り上がるという構図のイベントである。
そしてその中で、「LayerComp」の果たす役割は極めて大きい。
同団体には、その力量を今以上に発揮いただき、更なる来場者増に励んでいただきたい。

一方、サークル数はそれほど多くはないので、これを如何にして増やすかが鍵となろう。
「夕張まんがまつり」の協力者でもある「Chaos festival」の協力を仰ぎ北海道内での告知を強化する。或いは同団体以外の道内イベント団体とも提携するなど、協力の幅を広げ、北海道内からのサークル参加を促したい。
勿論、知己のサークルを「一本釣り」するなどの地道な作戦も必要だろう。

また、来年の「夕張まんがまつり」は7/7〜8の開催。これは夕張市内「合宿の宿ひまわり」で開催される「日本SF大会Varicon2012」と同一日程だ。
今回の夕張まんがまつりカタログの中にて、主催氏は「(SF大会の開催があり)私は殆ど運営に関われません」と述べられている。
運営面での戦力ダウン、「夕張まんがまつり」にとって痛手だが、一方でこれは「SF大会」「夕張まんがまつり」両者の相乗効果をもたらす大きなチャンスでもある。
参加費用が万単位に高いSF大会参加者へのサービスも兼ね、SF大会参加者は「まんがまつり」を無料入場可とする(「まんがまつり」パンフはSF大会参加者に無料配布する)。SF大会の無料入場ゾーンを「まんがまつり」参加者に開放する。夕張駅(ホテルマウントレースイ/まんがまつり会場)と「合宿の宿ひまわり」(SF大会会場)とをピストンバスで常時結ぶ。
他にも様々な方法があろうが、せっかく同じ日に同じ町で開催されるイベントだ。相乗効果を高める方法を模索したい所である。

今回「夕張まんがまつり」に来場され、来賓として挨拶された鈴木直道市長は、「まんがまつりも、夕張国際映画祭のように町を代表するイベントに育って欲しい」と激励された。
夕張の「町おこし」が「夕張まんがまつり」の目標である。その目標を達成するには、市長の願うように、更なる「成長」が求められる。
SF大会を起爆剤にしつつ、相乗効果で更なる盛り上がりを目指していただきたいものである。

7/10「夕張まんがまつり」&7/24「大9州東方祭」サークル参加のご案内

STRIKE HOLEは、7月10日北海道夕張市開催の同人誌即売会「夕張まんがまつり」http://mangamatsuri.jp/にサークル参加致します。
というか、正確にはその中で開催されるプチオンリー「東方嶺水祭」への参加となりますが…!

頒布物は7/3「杜の奇跡」と一緒。
という訳で以下、前回記事からのコピペです(汗)


【刊行物ご案内】
(7月新刊!)「STRIKE HOLE東方オンリー見聞録」
 北は北海道から南は九州まで、全国各地の東方オンリーを紹介するイベントレポート本。これまで訪問した30以上の東方オンリーを収録した総集編本です。霊夢・魔理沙・早苗の三主人公が表紙です。(500円・40ページ)

(既刊)「コーマニズム宣言第8章」
 2010年秋から2011年初頭に参加した同人誌即売会の評論・レポート本。2011年4月刊行。(200円・16ページ)

(既刊)「STRIKE HOLE同人誌即売会漫遊記」
 これまでの活動の集大成。全国30都道府県の同人誌即売会に参加しての即売会レポート総集編。2月のコミティア/東方椰麟祭で初売り…ですが在庫がいささかヤバめなので、いつまで在庫が持つのやら心配w
私の趣味で映姫様とさとり様が表紙。(600円・48ページ)

今回も、この3作品を頒布予定です。
北海道の同人誌即売会は、一昨年2月に「Elysian」に参加した時以来。2年ぶりの巡業、次いつ来るかわかりませんw
という訳で、夕張に足運ぶのは難儀かもしれませんが、北海道の皆さんに是非、当サークルの作品、手にとっていただければと願っております!

尚、諸般の事情により、当日14時〜15時の間は中座してると思います。
いや、スケジュール表内に書いてある

「観光創造と地域振興のミニ講義」

これを聞いてみようかと思いましてw

ちなみに、当日朝には「夕張の鉄道遺産撮影ツアー」http://mangamatsuri.jp/kikaku.php#hozonに参加予定。
夕張の誇る鉄道史跡「三弦橋」「三菱大夕張鉄道」に萌えろ!w
これが何気に一番楽しみだったりw

というわけで、当日は宜しくお願い致します。

7/17 秋田県大館市のオールジャンル同人誌即売会「新装快店」

7月17日、私は、秋田県大館市のオールジャンル同人誌即売会「新装快店」http://zicazica.com/shinsohkaiten/に一般参加させていただいた。
一昨年、岩手県盛岡市の同人誌即売会「岩漫」にサークル参加させていただいた折に、当地に告知活動にお見えであった、この「新装快店」の関係者の方とお話をいただき、その存在を初めて知った自分。
人口規模も決して大きくない町にもかかわらず、積極的な告知活動の成果もあり、毎回募集60spを満了させているとの事。
知られざる「隠れた名即売会」として、ひそかに注目し続けていた。
(参考リンク・2009年10月09日付「9/20岩手県盛岡市「岩漫」」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51563072.html)

いつは行ってみたいと思っていたこの「新装快店」だったが、JR東日本パス(JR東日本管内1日乗り放題)がお得なのに釣られw、東北新幹線の新開通区間乗り潰しも兼ねて、日帰りで参加を決意した。
(とは言え大館はやはり遠く、朝7時の新幹線に乗っても大館着はお昼過ぎだったが…w)

会場は、JR大館駅から徒歩10分の、「プラザ杉の子」という結婚式場。
なんか、公営の施設は事情があって使えないとの事で、会場がなかなか無いらしく、探した結果結婚式場を即売会会場として充てているのだとか。
結婚式場が普段の結婚式として稼働していない日…すなわち【仏滅】の日曜日しか利用ができず、「会場手配が最大の難関」との事。
会場内は、礼服着た式場の職員と、ハルヒや鏡音リンが混在するという、何とも言えぬカオスな光景が広がるw

5年前に初開催、以後年1回ペースでの開催。
当地唯一の即売会という事に加え、意欲溢れる運営と熱心な告知が功を奏し、参加者も回を重ねるごとに右肩上がりの増加。今回は落選サークルも出してしまったとの事。
この町の即売会は、「新装快店」が年に1回開催されるのみ。年1回の「お祭り」ということもあり、参加者の熱気と盛り上がりが尋常ではない。

特に盛り上がったのは「ビンゴ大会」。
ビンゴの盛り上がりを支えたのは、豊富な景品群。
画材、大館銘菓、もふもふ人形、漫画、同人誌、グッズ…質量ともに尋常ならざる豊富さで、参加者全員に行き渡りそうな分量が用意されている。「杜の奇跡」とか「ぷにけっと」もアフターイベントの景品数が異様だが、もしかしたらこれらの即売会を凌ぐ豊富さかも…(汗)

景品の豊富さもあってか、熱気は相当。ビンゴの景品展示場付近のサークルスペース付近は、人がたまりすぎて身動きが取れないほど。
即売会頒布時間中13時から開催という事で、頒布時間中のこの手のイベントはサークルの頒布が妨げられるし、正直どうなのかな?とも思った。
ただ、参加サークルもビンゴに熱中されているようなので、まあいっかw
頒布に支障を及ぼすかもしれないが、その代わり(?)かこの即売会は、「スタプラリー」とビンゴとを連動させた形での、作品売買を促す策を取っている。
すなわち、会場内サークルで同人誌を購入する事でスタンプを押して貰い、スタンプが貯まったらスタッフがランダムでビンゴに穴を空けてくれる(=ビンゴが有利になる)システム。
参加者のビンゴの熱気は凄まじいものがあったが、その熱気を、サークルの作品購入に繋げるユニークな取り組みとして、ご紹介させていただいた次第である。


参加者は、やはり殆どが中高生。パンフレット内のイラストカット等にも、中学生のサークルさんを起用されたとの事で、地元の若い世代の参加が目立つ。
会場の結婚式場には多数の自転車駐輪…いささか結婚式場にふさわしからね光景が目に付いたが、これは、車が使えぬ中高生が、自転車で来場している事を示している。
(車来場組もそこそこ多かったですが)

頒布作品の形態としては、やはり、手軽に作れる「ラミカ」「ポスカ」「便せん」が目立つ。
中高生のサークルさんだと、特定のジャンルに活動が固まっていないケースがきわめて多く、複数のジャンルをかけもちする所謂「よろず」ジャンルのサークルが多いのだが、「新装快店」も同様の傾向であった。
活動ジャンルは多様で、ヘタリア・イナイレ・ポケモン・ポップン・薄桜鬼・東方・鋼の錬金術師・ボカロ・ハルヒ・まどか・忍たま…うん、余りにも分散していて、どのジャンルが強いだとかなんて言い切れないぐらい。
逆にいえば、決して大きくない規模ながら、出会えるジャンルの作品は豊富、という見方もできようか。
チラシ置き場に、サークル宣伝のペーパーが異様に多かったのも、特徴的な光景だった。(参加サークルの半分以上が、チラシ置場を利用しているような気もする)

他の特徴としては、「ドール展示」が盛んな事も挙げられようか。
会場の一角に展示コーナーを用意するも、15体以上展示され、そのレベルも高い。
また、フリードリンクサービスも用意。暑いさなか、きっちり冷えた飲料をご用意いただけるあたりが親切な心遣いを感じる。

総じて見て、スタンダードなオールジャンル同人誌即売会であったと思う。
この地域では年一回の開催と言う事もあってか、参加者の熱気に富んだ即売会だったと思う。
ビンゴ大会は、サークル頒布に支障を及ぼす事は懸念されるも、それとサークル頒布とを連動させる工夫もある。そして何より、サークル自身も、ビンゴを楽しんでいる。
結果としてビンゴが、このイベントの熱気をより高めている。
地元の同人者の同人活動に対する意欲が、年一回のこの場に集約されたイベントと言えようか。

運営面を見ても、ドリンクサービスのような親切さや、北東北三県全ての即売会を網羅しようとする告知の熱心さやフットワークの軽さが光っている。
60sp満了どころか落選まで出す結果も、当然の帰結である。

ただこのイベントが直面する課題は、規模拡大への対応策だろうか。
今回は落選を出してしまったが、落選したら翌年までイベントは無い。サークルにとって気の毒な話だ。
例えばだが、他の部屋を使う等可能な限りスペースを広げる。ビンゴ用のスペースもサークル用に当てがい、ビンゴは頒布時間終了のアフターイベントで行う。
今後も今の拡大基調が続くのならば、このような運用上の工夫を検討しても良いのではないか?と感じた次第である。

7/3 仙台市「杜の奇跡」〜復興の道半ばなり〜

7月3日、私は宮城県仙台市で開催されし同人誌即売会「杜の奇跡」に、サークルとして参加させていただいた。

「杜の奇跡」には過去何回か参加させていただいた事があるが、きめ細やかにして丁寧、そしてサークル等参加者の目線に立った運営が光り、参加者の好評を博している即売会である。
それゆえにリピーターも多く、サークル参加数も、近年は常時200サークルを突破。抽選で落選を出さざるを得ないほどの人気である。
「男性向けのオールジャンル同人誌即売会」というカテゴリーにおいては、相当に規模の大きな部類であり、これ以上の規模となると、あとは東京や大阪の即売会ぐらいだろうか。

地元からの参加サークルも多く、東北地方を地盤に定着し続ける「杜の奇跡」であったが、3月11日の「東日本大震災」の影響を、このイベントも大きく受けてしまった。
普段会場としていた仙台駅前「AER」が被災。会場の貸出ができなくなってしまったとの事。
そこで急きょ市内の他会場を探し、結果、市繁華街に立地する「TICビル」を選定。日程も、当初予定の5月29日から、7月3日に移す事となったが、とりあえず開催の目処は付けた。続きを読む
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花羅

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同人イベント評論のポリシーとしては、「否定的な事は極力抑えて前向きな提言を目指す」「男性向け・女性向けの枠、地方・都会の枠に囚われない評論を目指す」の2点を常に念頭に置く所存です。
コンテンツツーリズム・アニメ聖地町おこしの研究・評論も時折やります。
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