STRIKE HOLE

【ジャンル解説】同人評論→真面目系、政治評論・電波→アレなアイタタ評論。真面目系と電波評論の二本立てです。 基本的に同人イベント関連の評論は真面目、他の評論は不真面目な傾向があります。同人評論のカテゴリーの内容以外はアフォ評論という事で斜め読みをお願いしますw

2012年12月

12/24 「コミックライブin名古屋」他

名古屋を代表する同人誌即売会「コミックライブin名古屋」への訪問は、5〜6年ぶりだろうか。
昔は時折足を運んだが、最近は足が遠のいてしまった。

「おでかけライブin名古屋」は、現在おおよそ1000sp弱の規模で、月1回のペースにて開催されている同人誌即売会である。
昔は1500〜2000sp規模なので、昔に比べると規模は落ちたが、地方即売会衰退の流れもあり、致し方ない部分もある。
寧ろ、1000sp弱の規模を毎月続ける事のできる、名古屋同人界のパワーこそが驚異である。

元々、12月の「コミックライブ」は、12月16日の開催予定だった。
マギオンリー「千夜一夜Nagoya」、戦国無双・戦国BASARA中心 戦国時代物全般オンリー「恐惶謹言 尾張」、そして黒●スオンリーとの併催、という形式での開催予定だった。
しかしながら、昨今の黒●ス関連イベントに対しての、広範な脅迫事件の影響は、このイベントにも及んでしまった…
結果、12月16日はイベント開催自体を中止。
黒●スオンリー自体は代替日も用意できず完全中止。コミックライブ及び、マギオンリー・戦国時代オンリー「恐惶謹言 尾張」のみ、12月24日に振り替えて開催する事となった。
そこで私は、「東方晴天祭」で岡山に赴いた帰り道に名古屋がある事、加えて気の毒な目に遭った名古屋の即売会を応援したいとの思い、この二点が動機となり、「コミックライブin名古屋」に急遽、立ち寄る事を決意した。

ジャンル傾向は、最大勢力は東方の30。名古屋は相変わらず東方の勢力が大きい。(とは言え、目前にコミケを控え絶対数は小さいが)
次いでポケモン25、ボカロ20。諸般の事情で伏せ字とする(お察し下さい)のジャンルが16。そしてイナイレ12、ヘタリア10、といった具合。

名古屋の「コミックライブ」に参加したのは久々だが、頒布物の傾向が、以前とは大幅に変化している。

「本が無い ラミカばかり」という地方即売会にありがちな評は、数年前から囁かれてはいた。
ただ、私は「コミックライブin名古屋」に関しては、コピー誌中心だが本も探せば普通にあるだろ?何言ってんだ?と違和感があった。
それが、数年前の話である。

今回参加しての印象としては、「本を探す事自体が難しい」…そういう印象だ。
特に、伏せ字表記の(お察し下さい)のジャンルや、ボカロスペースなどは、本出してるサークルが全く見当たらず…
流石に、東方ジャンル当たりは、本のサークル多いだろうと思い漁ったが、殆ど見かけなかった。
正直、他の地方の「おでかけライブ」の方が、本を求めやすい環境だと感じた。

頒布物で多いのは、いつも通りラミカ・アクセサリー等の小物類。
ただ、この即売会で特徴的に目立った頒布物は、実は【色紙】だったりする。
他のジャンルも、色紙頒布サークルは多いが、特に、東方でその傾向が強かった。
(東方サークルに色紙率高かった事や、前日の「晴天祭」にも参加したサークルさんが、自作の色紙を強調したディスプレイだったことがその理由となろう)
色紙サークルは、おしなべてレベルの高い方が多かった。まあ、一枚絵での勝負で、単価も高めだから、イラスト巧くなきゃ厳しいのだろうが…
色紙を求める買い手のニーズが強く、それにサークルも合わせているのだろう。

参加者層としては、一般は学生が多い。地方即売会にありがちの傾向だ。
一方、サークルの年齢はもう少し高く、本も出せそうな年齢層/画力の方も少なくは無い。にもかかわらず本が少ないのは、色紙の例同様、購買層のニーズに合わせてるからのような気もする。

今回、非常に残念だった事は、その規模である。
私の「コミックライブin名古屋」の印象は、暫減傾向にはあるものの、1000前後で踏みとどまってくれたイメージ。
しかしながら、今回は戦国オンリー56、マギ36を加えても500弱に満たない規模。
普段は1ホール全面利用も、今回は半面のみの利用にとどまった。

黒バスの抜けた穴もあろうが、それを差し引いても少ない。
コミケ前だから減少という声もある。それが一因たる事は否定しないが、12月のコミックライブは大凡この時期で固定されている事、地方の即売会はコミケ前でも影響が小さい事、加えて冬休みなので学生の参加が見込めるプラス要因もある。
コミケ前という時期設定は主因にはならないだろう。

となるとやはり、黒●ス絡みになる急な日程変更、これが大きいではなかろうか。
急な変更により参加を見合わせた方も少なくないはずだ。
また、当初開催予定だった黒●スオンリーは、黒●ス人気を考慮すると、私の見立てでは、名古屋なら推定100〜200は集まる筈だ。
このサークル数を締め出さざるを得なかった事も、会場の規模縮減に拍車を掛けた。

今回の一連の黒●ス騒動が、このような形で地方の即売会にも影響を及ぼしている。
これが今、我々同人者を取り巻く現実の一端である。
模倣犯でも構わない。一人でも良いから、一刻も早く誰かしらお縄に付かないと、今のこの流れを変えることは難しいのだろう。(勿論最終的には全員捕まるべきだが…!)
一刻も早い犯人の検挙を望みたい。

余談だが今回、コスプレイヤーも全然気にならなかったレベルだった。
名古屋のコミックライブは、コスプレイヤーが多すぎてサークルが圧倒させられるレベルなのだが…
普段のコミックライブと異なる様相は、ある意味異常事態とも言えようが、これも、急な日程変更が影響しているのかもしれない。

12/23 岡山ドーム「東方晴天祭」他

12月23日、私は岡山で開催されし東方Projectオンリー「東方晴天祭」にサークル参加させていただいた。
元々隣県広島にて2月に開催された「東方椰麟祭」でチラシを撒いていたのを皮切りに、数多くの東方オンリーで熱心に告知をされていたこともあり、サークル参加を検討する方向に傾いていた。
いささかの「参加を躊躇う個人的な事情」はあったものの、最終的には、コミケ前でイベントが開催されにくい日程。他有力イベントとバッティングしていないという事もあり、サークル参加を申し込んだ。
(コミケ直前はサークル参加が忌避される傾向はあるが、その分、都会の有力イベント等とのバッティングも少ないから、コミケに参加する人の少ない東京から離れた地域なら、十分戦えるのかもしれない)

会場は、JR山陽本線【北長瀬駅】から徒歩10分の野球場「岡山ドーム」。
岡山には、地域を代表する即売会として、「ぶちすげぇコミックバトル」が定着しているが、「ぶちすげぇ」と同じ会場での開催だ。

現在200〜300sp規模の「ぶちすげぇ」でも持て余すレベルの広さだ。
東方オンリーだけでは、ドームを埋めるのも厳しいのだろう。そこで今回は、Sound Horizonオンリー「Romanの在り処2」、TIGER&BUNNYオンリー「軽くテンションMAX」、ボーカロイドオンリー「Melodious Memory」、加えてコスプレイベント「幻想わらべ唄」を併催しての開催となった。
各オンリーの内訳は、東方140、サンホラ28、タイバニ40、ボカロ32。合計で240spとなり、普段の「ぶちすげぇ」レベルにはサークルは埋められたと思う。

会場の岡山ドームは、草野球等で利用される野球場。
野球場利用の即売会と言えば、福岡ヤフードームの「コミックシティ」が想起されるが、岡山ドームはそこまで広い箱でもない。
観客席も、最大収容100人と小さい。

しかしながら、野球場の人工芝の上で即売会を営むことの苦労は、ヤフードームと変わることはない。
サークルスペースには、芝の上にシートを張って防護。
飲食もシートの中だけでしかできない設定とし、会場が無用に汚れないよう努めている。

一方、委託スペースを区切るのに用いるパティーションには、備品の移動式バックネットを活用。
コスプレスペースには、背景を用意するのが通例だが、白/赤/黒三色の布を、バックネットから吊し、背景として供用している。
ある意味、「野球場らしい」豪快な運用とも言える。
流石に、外から見られると宜しくない更衣室に関しては、巨大テントを張って対応したが…

今回のオンリーは、同じ岡山ドームを会場とする「ぶちすげぇコミックバトル」のスタッフ有志達が企画したもの、と聞いている。
「ぶちすげぇ」の経験も生かしながら、ソツのない運営ができたのではないかと思う。
基本的には、大きな問題も無く、つつがなく終えることのできた即売会であったとは思う。

唯一の難点は、会場の寒さであろうか…
野球場での開催となるとと、その余りの広さと大きさ故、空調の行き届かない場所が、どうしても出てくる。
ヤフードームの「コミックシティ」にしても、夏の開催は冷房が利かず暑い。冬開催は暖房が利かず寒い…そんな話も聞こえてきた。
更に申し上げるならば、いつも岡山ドームでやってる「ぶちすげぇ」にしても、夏の開催だけは、冷房が利かないのが理由となり、見本市会場「コンベックス岡山」に会場を移している…
会場が「岡山ドーム」という時点で、会場が空調利かず寒さに晒されねばならない…そこまで我々も想像すべきであり、それを見越しサークルも備えるべきであったと思う。
岡山ドームの構造を眺め、これは屋根が付いてるだけで殆ど野外同然だ、と私は判断した。
そして、慌てて近くのコンビニでカイロを調達し、何とか乗り切ったw

運営側も、スタッフが「寒い会場で申し訳ない」と言いながら、サークルにカイロを配り歩いていた。
運営側のありがたい心遣いもあり、風邪も引かずに何とかイベントを凌げたと思う。

初動は余り多く無く、開場50分前時点で一般待機列は約100人。開場直前でも200人弱ぐらいだ。
但し、地方即売会は遅めに来場する方も少なくない。この即売会も、その傾向を踏襲している。
結果として、閉会まで人の出入りが絶えない環境となった。
年齢層は、オンリーイベントという事もあろうか。普段の、中高生若人中心の「ぶちすげぇ」に比べやや高めの印象だ。

頒布物の傾向を見ると、「晴天祭」については、他の東方オンリーとの差は無し。他の地方開催の東方オンリーと比べても違和感はない。
ボカロオンリーの方は、ボーマス等の大手ボカロオンリーに比べると、アクセサリー・ラミカ等の小物類が多い。
タイバニオンリーも、小物類の多い印象だ。
サンホラオンリーは、他のサンホラオンリーと変わらず、本なりアクセサリーなり多種多様だ。

会場内で目についた部分を申し上げると、季節を反映してか、クリスマスツリーが飾ってあり、タイムリーさを感じる。
「ぶちすげぇ」では名物の屋台は、このイベントでも登場。
備前キーマカレーやホルモンうどんなど、岡山ならではのB級グルメも満喫できた。
また、サンホラオンリー側では、サークルさんからイラストを募り、【イベント記念トランプ】を本部で販売していた。ユニークな取り組みなので書き留めておく。

ただ、事前に痛車展示があると言う話だったが、今回展示されたのはわずかに1台。無料駐車場に停まっていた痛車の方が多かった模様だ。
「ぶちすげぇ」も、一時は痛車が会場内に展示され名物と化していたが、ある時を境に痛車は会場から撤退した。
岡山イベントと痛車グループとの間の絆が、薄まっているかのような印象を受けた。

総じてみて、会場内の雰囲気は、野球場ゆえバックネット等の野球備品を転用する豪快さを除けばw、来場者も多すぎず少なすぎずで、普通のオンリーイベントだったと思う。
「晴天祭」は、次回7月開催が決定している。
岡山は単発で東方オンリーが開催され、どのオンリーもそれなりに結果を出してはいるものの、何故か継続したイベントが無い。
「晴天祭」には、二度三度と回数重ね、地元の東方同人者の「受け皿」として定着する事を願いたい。
場所も、近くの多目的ホールに変えているから、夏の岡山ドームの暑さを心配せずに済むのが有り難いw


最後に、岡山のローカルルールについて申し上げたい。
これは、晴天祭等岡山イベントで告知を図ろうとする、即売会主催者向けのアドバイスである。

岡山のイベントは、チラシ配布には【事前の申請】が必須である。
当日の申請は、決して認められない。
また、即売会主催者が自らサークル参加する場合等、サークルスペースからチラシを渡す場合もあるが、【サークルスペースからチラシを渡す場合でも事前申請は必須】となる。

「ぶちすげぇ」では、事前に郵送でチラシを送る必要があり、1週間は余裕を見ておきたいところである。
今回の「晴天祭」も、本当は郵送で対応したかったようだが、特例で画像をスキャナしてメールで送る形でも認められたようだ。(と当日チラシを配布した主催から聞いた)
…まあ、サイトやチラシにその旨の記載が無く、開催1週間前のサークル案内で初めてその旨がサークルに知らされた状況だし、そういう特例で対処せざるを得なかったのだろうが…

このルール設定については、個人的には不服だが(特にサークルからのチラシ配布の制限は、サークル活動に不当な制限のかかる恐れがあるので異議ありだが)…ここではその是非については触れない。
大事なのは、岡山のイベントでチラシを配るには、必ず事前申請が必要である、という事だ。
郵送で、できれば2〜3週間は余裕を見て申請するべきだろうと思う。
一応、主催側としても(開催するか定かでない)怪しげなイベントのチラシは配って欲しくないという意向からであって、チラシ配布そのものを排除しているわけではない。
実際、今回も幾つかのオンリーのチラシが撒かれていた。
だから、真っ当なイベントで、事前申請さえきっちりやっておけば、断られる事は無いはずだ。(万が一断られたらご相談ください)

今後東方オンリー等でチラシを配布される主催さんが、お困りになることの無いよう、この場をお借りして注意喚起させていただきたい。

地方の同人誌即売会 活性化についての一考察

前回、大牟田の同人誌即売会「へぱちょな」に訪問し、同即売会が直面している課題について取り上げた。
具体的には「若手サークル新規参入の弱まり」、そしてこれに伴う「サークル数の減少」「サークル参加者の高齢化」という現象。これを解決し、即売会の更なる安定を図りたい所である。

しかしながらこの課題は、他の地域密着型の同人誌即売会にも当てはまる課題の一つではないか。
特に、新潟の同人誌即売会「ガタケット」と共通する部分が多い。
この課題は、特定の即売会だけの課題に非ず。多くの即売会に共通する課題である。
そう考え、今回記事では、【若手の新規参入を促す】というテーマを中心に、地方即売会の衰退化防止/活性化策について論じることとする。
この論が、地方即売会主催達の運営の一助となれば幸いである。


★参考リンク★是非ご一読下さい

ガタケットは今後どうあるべきか〜その方向性と論点〜
(前編)http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51876023.html
(中編)http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51876538.html
(後編)http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51876752.html


【地方即売会衰退の「中身」を見る】

地方のオールジャンル同人誌即売会の衰退原因については、幾つかの要因が挙げられる。

ガタケット論の(前編)http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51876023.htmlでも取り上げたが、「少子化に伴う人口減」「ネットの隆盛による即売会以外の発表の場の増加」等が、その要因として挙げられよう。
この流れに抗する事は、極めて難しい。
長期的に見れば、どんなイベントであっても、規模の縮小は避けられないものかもしれない。
しかしながら、やり方次第で、即売会が持ちこたえる事も、或いは発展を遂げる事も、決して不可能ではない。

私は、即売会衰退の「中身」に注目したたい。
一口に「衰退」と言っても、どんな衰退の仕方なのか。そこを見てみたい。
その中身を見つつ、それに対する処方箋を考え、即売会の維持発展に寄与したい。

地方即売会衰退の「中身」は、大まかに見れば以下2つに分類される。

(1)年長者が「卒業」し若手サークルばかりになっての衰退

(2)若手サークルの新規参入が少なく、常連サークルの先細りによる衰退


「おでかけライブ」等が代表例だが、殆どの地方即売会が、前者のパターンである。
地方即売会にはありがちだが、若手が新規参入するものの、その代わり、年長者が都会のイベントに流出するというパターンだ。
どうしても地方即売会は、都会に比べ動員数に劣る。
仮に人が来てくれたとしても、地元の若者が中心だから、一人当たりの購買力も劣るだろう。
サークル心理からすれば、作品を手にとってくれる都会の即売会に偏重しがちとなるのは致し方ない。

後者は、サークルが常連化して手堅いため、急激にサークルを減らす事は無い。
その代わり、サークルが同じ顔ぶればかりで飽きが来やすい、という欠点もある。
常連が多い為、年数を経過すればするほどにサークルの高齢化も進む。
若いサークルが新規で入って来なければ、高齢化はより一層顕著化するし、先細りする常連の穴を埋めることが出来ず、緩やかながらも衰退する。
常連サークルの多い新潟「ガタケット」や大牟田「へぱちょな」が、このパターンである。


【年長者「卒業」により衰退する即売会の対応策】

地元を捨てた年長者サークルの動き方を考える事で、対応も見えて来るだろう。
地元を卒業したサークルは、どこに行くか。結婚・就職等を契機に同人界そのものから足を洗う方もいようが、そういう方を除けば、【都会の即売会】に流れる。
一例を挙げれば、コミックマーケットは無論、コミックシティ、COMIC1、こみっくトレジャー等の大規模即売会。オンリーイベントに流れる方もいよう。
こういった都会の即売会での告知を強化する事で、都会の即売会に参加するサークルさんに、地元の即売会をアピールするという方法が有力だ。
人間、仮に都会に出ても、地元には愛着が深いもの。地元というだけで懐かしさも強くなり、訴求力も大きくなるというものだ。

この方法で成功を収めた即売会は数多い。
…というか、地方即売会でサークル集めに成功した即売会の大抵は、都会での告知に力を入れている。
代表例は、金沢の「北陸本専」。コミケ全サークルにチラシ配布という荒行をこなし、一定サークルを集める事に成功している。
「へぱちょな」絡みで九州の事例を挙げれば、少し昔だが「あるばれすと」(NPO法人Project Arbalestの前身)が九州で主催したラグナロクオンリー「らぐけっと」も挙げられるだろう。
まあNPO法人時代の「tenjin.be」を例示しても良いのだが…個人的には「らぐけっと」がサークル集めに成功した秘訣を聞き、目から鱗レベルの感銘を受けた記憶が蘇ったので、何となく取り上げたw

この方法は、都会に流れたサークルを地元に取り戻す、最も有力な方法である。
だが、高コスト体質で、対費用効果が決して良くない事が、大きなネックとなる。

都会のイベントは、全国各地からサークルが集まる。
全サークルにチラシを撒けば、その地域のサークルにも手に取って貰えるだろうが、その地域に縁の無いサークルに行き渡る率の方が圧倒的に大きい。
率直申し上げて、効率は非常に悪い。
地元に縁のあるサークルさんだけピンポイントで配布できれば効果的だろうが、そんな虫の良い話は世の中存在しないw

先述の「北陸本専」だって、コミケ35000サークルに配布して、参加は100サークルだ。
効率は良くないし、35000枚撒くからコストも高い。人的要員の確保も大変だ。

都会でのチラシ撒きが効果あるのは間違いないが、手間とコストが膨大で、それに見合った効果があるかとなると、実行に移す主催が少ないのも仕方ないかもしれない。
如何に効率を高めるかが、大きな課題になるだろう。
(効率を上げる方法としては、webサイトとの相乗効果を図る、告知イベントを絞るなどの方向性が考えられるが、この辺りも更なる検討が必要であろうか)

【新規参入サークル減少により衰退する即売会の対応策】

一方、「ガタケット」や「へぱちょな」のように、年長サークルを「卒業」させることなく、サークルを常連化させている地方即売会も、数は少ないながらも存在する。
リピーター化できる秘訣は色々あるのだろうが、主催や運営がしっかりしているが故の賜物だと思う。
こういう即売会は、サークルの離反も少ない。急激に数を減らす事もなく、減少も最小限に抑える事ができる。
即売会としての「寿命」も、長く保つことが出来る。
地方即売会/オールジャンル即売会衰退の流れの中踏みとどまっており、健闘と評価できるだろう。

しかしながら、こういう即売会は、得てして若手サークルの新規参入の動きが弱い。
年長者の常連サークルがレベルの高い作品を出す分、若い人たちは気後れしてしまうのかもしれないが…
若手の新規参入が無ければ、常連サークルだけが高齢化し、余計に若いサークルが入りづらくなる。即売会の雰囲気自体が硬直化し、停滞してしまう。
それに、常連サークルだって皆が100%同人活動を続けられるとは限らない。先細りし、数字上も衰退しよう。

即売会の衰退や硬直化を防ぐためにも、若いサークルにどんどんサークルとして挑戦し、参加して貰いたいもの。
それが、即売会の活性化に繋がる。

若手のサークル参加を促すに当たり、主催の役割は、【若手にサークルとして楽しんでもらえる環境づくり】にある。
この事を意識し、各イベントに合った施策を心掛けていただきたい、と願う。

例えば、サークル参加に当たっての負担に軽減を図る、という方策もある。
若い世代は経済力が弱いから、サークル参加費やイベントカタログ代の負担も大きい。
過去、「ガタケット」はサークル参加費が2000円代で、学生には重い負担である事を指摘。サークル参加費の「学割」を提案した。
イベントカタログも全員購入制とせず、自由購入制にする事も、サークル参加に際しての負担軽減に繋がるだろう。
(「へぱちょな」はサークル参加費1000円だしパンフも100円と安く、若者のお財布に優しい)

どこかの即売会(←どこの事例が出てこない…赤ブーさんだったっけ?)で既に取り組まれている事が、コピー本制作講座、なんてのを開いても良いだろう。
サークルに参加しようと迷ってる若者を、サークル参加に導く最後のひと押しになるかもしれない。

コピー本とまで行かなくとも、ラミカ講座/ポスカ講座でも良いと思う。
個人的には「本」にも挑戦して欲しいとは思うが、ラミカやポスカのような小物類の方が、サークル活動に入り込み易い。
先ずはお手軽にサークル活動のできる小物類でも良いから、同人活動をスタートして貰い、同人活動の楽しさを覚えていただこう、という観点だ。
特に「へぱちょな」のような、一般参加者に若者の多い即売会にお勧めしたい施策である。
考え方としては、「一般参加者をサークル活動にいざなう」という方向性だろうか。

以前私は、福井県敦賀市の同人誌即売会「Butterfly」(現在は主催が代わり後継イベント「chapter」が継続開催中)の、同人初心者を強く意識した取り組みの中に、優れた点の多い事を取り上げた。

★参考リンク★
3/20 福井県敦賀市「BUTTERFLY」参加レポ
http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51472604.html

地方開催同人誌即売会の告知方法
http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51368576.html

この即売会は、駅の待合室、コミュニティーセンターやコンビニエンスストアと言った、地元人の集まる箇所に告知を図った。
同人に縁は薄いスポットかもしれないが、地元密着を徹底して極めた告知であり、注目に値する。
告知の徹底で一般参加者が増えれば、その分、「自分でもやってみよう」とサークルに流れる方も増えるだろう。

だがそれ以上の注目点は、サークルに初心者の多い事を考慮した、サークルへの親切な案内だ。
サークルに封書で届く案内は、ただの注意書きではない。
「サークル参加マニュアル」と題し、サークルへのマナーを啓蒙したり、「当日の持っていくと便利な持ち物リスト」を掲載したりと、【サークル同士が気持ち良く活動できる環境づくり】を意識した案内を心掛けていた。

似たような例としては、長崎の同人誌即売会「気分は上々」の取り組みが挙げられる。
イベントカタログ上に見られた取り組みだが、サークルへの頒布方法をアドバイスする記事等を掲載し、サークルにとってのお役立ち情報、「生活の知恵」を提供している。

今では大規模即売会と化したが、関西の「こみっく☆トレジャー」は、初心者の参加の多い時期もあった。
そこでトレジャーはカタログに、先輩サークルから集めた初心者サークルへのメッセージを掲載したこともある。
「売れなくとも、めげずに頑張れ!」「続けてれば足を止めてくれる人も増えるよ!」等先輩サークルからの熱いメッセージが寄せられれば、初心者サークルも勇気付けられる筈だ。

…とここまで、様々な取り組みを取り上げたが、それだけ(私が主張する)【若手にサークルとして楽しんでもらえる環境づくり】の方法は、多種多様であり、様々な切り口のアプローチが可能である、という事でもある。
全てを模倣せよとは申さないが、ご自身の即売会に合った取り組み方があるはずだ。
【若手にサークルとして楽しんでもらえる環境づくり】が主催の役割の一つたることを念頭に置き、自身のイベントに合った方法を模索していただくことで、若いサークルの新規参入に繋がれば、そして更なる即売会の活性化に繋がれば、私としても幸いである。

12/9 福岡県大牟田市の同人誌即売会「へぱちょな」

福岡県南部は、大牟田市と久留米市を中心に、独自の同人誌即売会文化が栄えている土地柄である。
若い世代など地元の人たちが気軽に参加できる。そういう地域密着型の同人誌即売会が、大牟田や久留米を中心に、多数開催されて賑わっている。

県都・福岡市だと、「COMIC CITY」のような大規模イベントや、「都久志祭」のようなオンリーイベントには恵まれ、一見賑わい豊かに映る。
ただ、地元の若い人たちが気軽に参加できる即売会に乏しい現状だ。
一方、福岡県南部では、若者向けの即売会が多く、福岡市とは対称的だ。

福岡県南部で開催される即売会の中で、代表的な存在と目されるのが、今回お邪魔した、この「へぱちょな」である。
「へぱちょな」は、大牟田市を地盤に年数回開催されるオールジャンル同人誌即売会。
へぱ氏・ちょな氏の2人の主催が立ち、二人三脚で頑張っている即売会だ。今風に言えば「2人の共同代表」で切り盛りしてる、と言った所だろうか。
最近は、大牟田での開催に留まらず、久留米市でも即売会を開催、好評を博している模様だ。

サークル規模は、最近はオールジャンル即売会の衰退傾向もあり、流石に減少傾向なのは否めない。
それでも、100〜200spの間を推移している。
福岡市内の街中で即売会を開いても、100sp集めるのは中々骨が折れる。
福岡市よりも人口規模の小さい久留米や大牟田でこれだけのサークルを集められる事は、間違い無く大健闘と言えよう。
長年の定期開催を通じ、地元の同人者に愛され、定着している即売会だからこその健闘、と言えるかもしれない。

会場は、JR/西鉄大牟田駅から徒歩5分の「大牟田労働福祉会館」。
公共交通利用組としては、駅から歩いて行ける範囲なのがありがたい。

会場建物の周囲に目をやると、自転車の駐輪が目立つ。
自転車での来場者も少なくないようで、地元人参加の多い事が伺える。

今回の「へぱちょな」は、78サークル108sp。
師走の開催という時期的なものもあり、普段よりも少なめかもしれない。
サークル数が多いときは、会議室や集会室のみならず、奥のお座敷和室にサークルを配置したこともあるようだ。
しかし、今回はサークル数が少ないため、会議室集会室だけで収まり、私が密かに狙っていた【お座敷配置】の夢は水泡に帰したw
和室は今回、来場者向けの「休憩室」として供用された。

参加者の年齢層としては、サークルについては、若干高めの印象。
20代以上の女性がメインで、地元サークルが多い模様だ。
頒布物にしても、買い手のニーズもあるから、ラミカ・ポスカ・アクセ等の小物系が多い一方、コピー本やオフセット印刷の本も、結構見かける。
都会のイベントに遠征できる程度の経済力を持つ年長者のサークルが、地元のイベントにも参加している、という構図だろう。

その一方、一般参加者の年齢層は、もう少し低めである。
自転車での来場者が目立つ事にも触れたが、自転車で来るのは大抵、「車の免許を持たない世代」…すなわち地元の中高生だ。
実際、このイベントでは、中高生の一般参加者を多く見かけている。(勿論、その上の世代の方も少なくないが)

参加サークルのジャンル傾向としては、殆どのサークルが、複数ジャンル掛け持ちの「よろず」ジャンルであり、集計は事実上不可能だ。
パンフレットをめくり、多く目に付いたジャンルを列挙すると…ボカロ、アクセサリー、創作、東方、Ib、黒●●(お察し下さいな事情により伏せ字)、ポケモン、イナイレと言った所か。
伏せ字にした(お察し下さい)のジャンルが全体の3割を占め、人気の程が伺える。
次いで、イナイレが全体の2割ぐらい。ボカロと東方が、その後に続く。

参加サークルは、初動が20〜30人ぐらいと少な目。
待機列の形成も、開場直前まで行わなくとも済むレベルだ。
但し、地方開催の即売会は、初動が弱くとも、来場者は尻上がりの傾向にある。
この「へぱちょな」も同様で、時が経つにつれ、買い手もコスプレイヤーも増え、場が賑わって行く。
企画としては、コスプレコンテストとイラストオークションが実施され、会場の雰囲気にささやかなアクセントを付けた。
画材屋の出張販売もあった。ペン等の文具を適宜購入でき、サークル的にはありがたい。

総じて見て、今回お邪魔した「へぱちょな」は、特に大きな問題も見当たらず、安定した即売会だったと言えよう。
サークルにしても一般参加者にしても、地元の方が多い。地域に根差し、そして地域に定着した良即売会であった。

ただ、「へぱちょな」にも課題はある。
主催氏の一人とお話したのだが、サークルが減少傾向にあるとのことだ。
また、若い世代の新規参入が少なく、サークルの平均年齢が高齢化しつつあるとの事だ。

私が思うに、この2つの事象は、密接にリンクしている。
確かに、常連サークルの存在は、即売会の規模を安定させてくれるありがたい存在だ。
だが、常連サークルが100%毎回参加してくれる訳ではない。生活環境の変化等で参加が難しくなるサークルも、絶対出て来る。
常連サークルに「のみ」頼るのならば、回を重ねる程に先細るのは避けられない。

常連の先細りを補うのは、新規のサークル参加者だ。
若者の参加が中心の地方即売会においては、中高生レベルの若人たちが、サークルとして新規参入する。
どうしても先細りする常連サークルの分、若いサークルが新規で参入し、イベントの規模は維持される。

しかし、「へぱちょな」においては、若い世代の新規参入が弱まっている。
常連サークルが頑張って支えているから、急激にサークル数の減ることも無いにせよ、若い世代が入って来なければ、サークル数は減少する。
そして常連サークルにしても、毎年1歳ずつ歳を取るから、その分平均年齢は上がる。

つまり、サークル数の減少も、サークルの高齢化も、どちらも【若手サークル新規参入の弱まり】が原因となっての事象である。
「へぱちょな」の課題は、【若手サークル新規参入の弱まり】という現象に、如何に立ち向かうかである。

ちなみにこれは、「へぱちょな」だけの問題では無い。
今年の春、地方即売会の雄ども目される、新潟の同人誌即売会「ガタケット」が、急激にサークルを減らし、存亡の危機という事でサークルに救援参加を呼び掛けた。
この「ガタケット」も、常連参加が多い故にサークル数の減少を食い止めては来たが、サークルの高齢化や若手新規参入の弱まりといった、「へぱちょな」と同様の課題を抱えている。

私は「へぱちょな」主催氏にこの話題を振られた時、明確な改善策を申し上げる事が出来なかったが、その後思索し、少し考えが整理できたので、そこについて次回論じたい。
これは「へぱちょな」や「ガタケット」のみならず、他の即売会主催の参考になれば、との狙いも持つ。

11/25 長野市の同人誌即売会「七味」

f3f752f1.jpg同人誌即売会「七味」は、2011年秋に第一回目が開催。初夏と秋との年2回開催され、今回が第三回目となる同人誌即売会だ。
主催が私の知己であるというご縁もあり、今回、長野に足を運びサークル参加させていただいた。

今回参加した上での感想としては、まだ三回目の即売会、主催も不慣れだ。そんな中、試行錯誤しながらも頑張っていらっしゃる。そういう印象を抱く。
その一方で、まだまだ改善の余地や気になる点も残る。
言わば「発展途上の即売会」でもある。

改善された点としては、チラシやパンフレットの装丁が挙げられる。
開催地の近くは「川中島の戦い」古戦場もある土地柄だが、武田信玄と上杉謙信をモチーフにしたデフォルメキャラを描いたイラストを起用。イメージを一新させた。
以前のチラシがいささか地味目であり、参加者への訴求力を疑問視していたので、新イラストの導入も、改善と見なして良いだろう。

また、ブログやTwitterを用いた新着情報の提供や、北信・中信に止まらず他県にもチラシ配布を図るなどして積極的に告知の幅を広げており、これらも「七味」が取る「改善」の姿勢の現れである。

他にも、参加したサークル全てに挨拶するマメさもある。サークルとのコミュニケーションを取り、サークルとの親密さを深めようとする努力の表れだ。
また、即売会終了後には、サークルにお礼状をしたためている(画像参照)。主催氏が、参加サークルに感謝の気持ちを抱くからこその取り組みと言えよう。


即売会自体の雰囲気は、一般参加者の初動も20名程度であり、極めて穏やかなものであった。
場の雰囲気を乱す者も、誰一人として居なかった。これも、主催氏の人徳の賜物だろうか。

規模的には40sp程度。他の長野市内の即売会が80〜100spと好調であり、差は顕著だ。
だが、去年立ち上がったばかりの新米即売会が、そう簡単に回数重ねた既存の即売会に肩を並べられるほど、世の中甘くは出来ていない。
既存の即売会が何故サークルを集められるのか?等、既存即売会を研究し良いところを盗むよう心掛けていただく事が望ましい。
それができれば、既存即売会に比肩する存在になるだろう。

ジャンル傾向としては、創作の5サークルが最大勢力だ。
これは、「COMIC FACTORY」や「メガマニアックス」等の信州を代表する即売会にも見られる傾向のようだが、信州全体で創作が盛んな土地柄たる事も影響しているものと思われる。
他は、東方・ボカロが各4サークル、ヘタリア・テニプリが各3サークルと言った具合だ。

参加層は、サークルだと男女比2:8ぐらいで、標準的な地方開催同人誌即売会と同じ位の構成比率だ。
一般参加は、女の子ばかり。これも、一般的な地方開催同人誌即売会の水準だ。
年齢的には、高校生から大学生ぐらいが多い。これも一般的な地方即売会の水準だろう。

特徴的な事としては、地方即売会では「居て当たり前」のコスプレイヤーが、この即売会においては、殆ど見られない事が挙げられる。
この「七味」においては、コスプレスペースと即売会スペースの部屋を完全に分離している点が特徴で、コスプレイヤー用に撮影ルームを何部屋か用意しているのだが…手が空いた時に撮影ルームの様子を見に行っても、撮影ルームは「空」であった。
結局、コスプレイヤーは、私が確認した限りにおいては、片手で数える程しか居なかった。これは、他の地方即売会と完全に乖離する傾向である。

もし、コスプレイヤーの参加を促したいのならば、撮影ルームの改善が必要だろう。
他の地方即売会だと、コスプレイヤーが自由に撮影に動けるよう、基本的には何も物は置かない。
また、主催側も壁掛けの背景布を用意する等、コスプレイヤーの撮影活動をサポートしている。
一方「七味」は、椅子机が置きっぱなしの部屋もあり、コスプレイヤーには「不親切」である。背景布の用意も無い。
コスプレイヤーを呼びたいのなら、もう少し他の地方即売会が普通にやっている事を見習う必要があるだろう。

但し、この件については、もう一つの別な見方も在る。
「コスプレが居ない」ということは、【落ち着いて作品の売り買いができる】という環境でもある。
他の地方即売会のような、コスプレイヤーの数に圧されサークルが居辛くなる、という心配がない。
つまり、【落ち着いて作品の売り買いができる環境】という長所として見なす事も可能である。
この「長所」を伸ばす…即ち、頒布物の売り買いを促進させる企画を用意する、という考え方もできる。
例えば、これは秋田県大館市の「新装快店」が実行しているアイデアだが…サークルの頒布物を購入した参加者には、スタッフが、即売会後半開催のビンゴ企画で穴を一つ空けた状態でスタートさせている。
ビンゴ実施時にアドバンテージを設けることで、作品購入を促している。
他のイベントでは、一般参加者の先着順でイベント内のみ利用可能な金券を用意する等取り組んでいる所もあるが、予算が掛かるのが難点だ。
この企画だと予算を掛けず一般参加者の購入を促せるので、取り組みやすい企画だと思う。

コスプレ参加のテコ入れを図るか、或いはコスプレよりも「同人誌の売買」を促すか。
どちらの方向性で進むかは、主催の考え方次第だろう。


「七味」は諸々改善を図りながら頑張っている即売会という認識。私の評価も、基本的には高い。
だが、発展途上ゆえか、気になる点も何点か存在する。

一つは、主催氏が、如何なる即売会を目指しているのか?主催氏の目指す「頂」が、イマイチ見えてこない所にある。
前々段落コスプレの話も、「どちらの方向性で進むかは、主催の考え方次第」と曖昧に申し上げたが、これも、主催氏のビジョンが見えなかったからである。
ビジョン無き即売会は、漫然と惰性で開催を続けるだけ。参加者の支持も得られずに終わる。
そうならないためにも是非、主催氏なりの即売会像、ビジョンを固めていただきたい。

二つ目は、イベント運営者としての【経験不足】の問題だ。
例えば、会場・篠ノ井市民会館は、一階が音楽ホール。即売会は、二階の集会室や会議室を借りての開催だ。
無論、一階では「七味」とは別のイベントが開かれている。
こういう場合、通常は、会場入り口にポスターやPOPを貼って、参加者に分かり易く示している。
一階の別イベントも、それはやっていた。
しかし今回の「七味」においては、ポスターや案内POPの1枚も外に貼っておらず、参加者も何人か戸惑っていた。

多少の経験があれば、そういう細かいながらも押さえるべきポイントに、気付き易くなる。
例えば、都内で即売会を開催するケットコムやぷにけっと準備会は、ポスターやPOPの使い方が、非常に上手い。
記載内容、文字の大きさ、掲示する場所や高さ…参加者に分かり易く情報を伝える工夫に富んでいる。
数多くの即売会開催を通じての豊富な経験があり、それを生かし工夫を重ね、その賜物と言える。
(個人的には、一度上京して、ケットコムかぷにけっと準備会主催の即売会に足を運んでいただきたい。非常に勉強になると思う)

ローマの道は一日にして成らず。すぐには難しいかもしれないが、今後も様々な箇所でスタッフなり主催なり、今以上に経験を積んでいただきたい。
あくまでPOPの話は一例だが、それ以外の部分においても、経験を積むことで、新たな「気付き」が生まれてくる。
それが即売会を改善させ、参加者の満足度の向上に繋がる。そして即売会も、軌道に乗るのである。

三つ目の懸念は、これは二つ目の経験を積む部分とも絡んでくるが…主催氏に頼れる「仲間」が居るか、という点である。
ここで言う「仲間」とは、同人仲間というよりは、即売会主催者としての「仲間」である。
新米主催が失敗するパターンとして有りがちなのは、主催者仲間が居ず、適切なアドバイスをくれる人にも相談できる先輩主催も居らず、経験未熟な自分一人で判断せざるを得ず、失敗してしまうというケースだ。
地雷即売会の大半は、このパターンだろう。

逆に言えば、主催としては新米であっても、周りの主催仲間に恵まれれば大成する。
大9州東方祭のチ●ンコ増田氏だって、主催としては新米でも、周りの主催経験者らに教えを請い続けたから今がある。広島の東方椰麟祭にしても、前回記事で触れた京都の水越氏・久樹氏にしても、相談相手に恵まれたからこそ大成した。
相談相手の伝手でスタッフとして潜り込み、スタッフとしての経験も積めた。

…しかし、翻って考えるに、「七味」の主催氏はどうなのだろう?
誰か、何でも相談できる、何でも頼れる主催が居るのだろうか?
どうも私が見る限り、そういう存在が見えて来ず、そこに不安を覚える。
経験の無いまま、心細く一人で判断せざるを得ない状況に陥っていないだろうか…そこが心配の種だ。

これを解決する一助として、私は、「同人誌即売会主催者連絡会」への加入を、主催氏に勧めた事がある。
連絡会は、一人で悩んで困っている主催に助けの手が出せれば…という思いから結成された組織だ。
連絡会加入の百戦錬磨なベテラン達が相談に乗ってくれるし、定例会合に顔を出し、個性的ながらも頼れる主催達との人間関係も築けるかもしれない。
彼らとの触れ合いを通じ、新しい世界が拓けるかもしれない。
そう考えての提案であった。

…ただ何か事務局(新潟・ガタケット)から返事が来たのかどうか、自分もよく分からないのだが…(汗)
もし、「七味」主催氏から話が来ているのであれば、是非連絡会の輪に加えていただきたいものである。

だいぶ話が各所に飛んでしまい恐縮だが、「七味」主催氏は一生懸命頑張っているお人だと思う。
他のイベントの良いところを盗み、自分のイベントに生かせるようになれば、氏のイベントはもっと伸びるだろう。
氏の頑張りが実を結べば良いのだが、それを適切な方向に導く存在が、いらっしゃるかどうか。
居なければ頼れる存在をつくっていただきたいのだが…そこが気がかりな点である。

11/4 京都開催・東方等のオンリー参加レポ

STRIKE HOLEの花羅は、11/3蒲田開催「我は唯一神」(スキマフェスティバル内開催)終了後夜行バスに飛び乗り、11/4京都の東方オンリーにサークル参加させていただいた。
前日の「我は唯一神」同様、多くの方に足をお運びいただけ、参加して大変有意義な即売会であったと思う。
もっとも、イベント2日連続参加・しかも往復夜行バスという強行軍が祟ってか、体力が低下し、頭皮に帯状疱疹を発症。派手に脱毛し、悪の秘密結社UPFGhttp://upfg.lullsound.com/のハゲキャラとしておなじみ・東村光氏を軽く凌駕するハゲになってしまったのだけが、唯一の残念な点である。
この冬は、東村氏の陰毛を我が頭皮に植毛し、薄すぎる頭髪を何とか凌ぐ所存であるw

今回の即売会は、4イベントの合同開催だ。
東方・秘封クラブオンリー「科学世紀のカフェテラス」、東方・稗田阿求オンリー「求代目の紅茶会」、東方・射命丸丸文オンリー「第百二十七季 文々。新聞友の会」の東方Project3イベントに加え、同人音楽等の音系オンリー・「MUSIC COMMUNICATION」も合流した。

「科学世紀のカフェテラス」並びに「求代目の紅茶会」は、昨年早春に同会場にて開催、好評を博した即売会の第2回目。
前回時点の主催氏が、転勤により関西を離れたというハプニングに見舞われるも、副主催でもあるサークル「久幸繙文」http://www.akyu.info/の久樹輝幸氏が後を継ぎ、無事に開催し得た。
久樹氏は元々、東方評論系サークルでの活動の他、東方色付き配置図の作成や東方オンリー内シンポジウムへの出席等、東方界隈での活動実績が豊富な人物だ。
また、「阿求の父」を自称している阿求好きの(お察し下さい)な方でもあるが、逆に言えば、これほど阿求オンリーの主催としての適任もいないだろう。
東方界隈への求心力も比較的高く、多くの協力者と提携しつつ各種企画を進められた点が、氏の特長だ。

また、「文々。新聞友の会」「MUSIC COMMUNICATION」は、元々関西でのオンリーイベント合同「勧業祭」内オンリーとしての開催だったが、今回は勧業祭から離れ、他東方オンリーと合同での開催だ。
「MUSIC COMMUNICATION」は、平均30サークルで推移。年二回の開催で、春は同人音楽ジャンルと相性の良いボカロオンリーとの併催。
秋は元々オンリー集合体「勧業祭」内での開催だったが、同人音楽との相関度も高い東方との合同形式とすることで、併催イベント同士の相性も良くなった印象だ。

「文々新聞。友の会」主催・水越柚耶氏は、四六時中「あやちゃんかわいい」を連呼する天狗党の狂信者である。
「幻想郷最速告知」と称し、どこよりも早くオンリーの開催をアピール。
全国各地殆ど全ての東方オンリーにも足を運び、チラシを撒き告知を図るその熱心さは特筆すべきであり、私も過去にその熱心さを賞賛したこともあるが、【狂信者】ならではこその熱心さと言えるだろう。
その熱心な努力の甲斐あり、今では常時200sp超えが当たり前となっている。

とは言え、北海道夕張や鹿児島・沖縄といった遠隔地の東方オンリーにまでチラシを撒くのは、流石に非効率的だろう。
水越氏の告知努力は、他の主催も見習うべきだと思うが、流石にそこまで見習わなくとも良いだろうとも思う。

水越氏は、同人誌「そして、京都で逢いましょう。」(詳細は後述)の中でこう述べている。

>チラシを見た方が即売会へ参加できなくとも、当時、人気投票で順位が低迷していた射命丸文の知名度や人気の向上に繋がればそれで良いという思いがありました。

うん正に狂信…ああいや違った、効率は二の次、割り切った考えあっての非効率と言うべきか。
主催・水越氏がそれで納得されるのなら、そのお考えは尊重されて当然だが、同じ事を他の主催に求めるべきではない、と言った所だろうか。


会場は、関西の中規模な同人誌即売会で多用される、京都市勧業館こと「みやこめっせ」。
鞍馬天狗の伝承等残る町、そして秘封倶楽部の舞台となる町「京都」での開催という事で、一種の聖地オンリーと言えるだろう。
サークル数は、「科学世紀のカフェテラス」(秘封オンリー)109、「求代目の紅茶会」(阿求オンリー)55、「文々。新聞友の会」(射命丸文オンリー)219、そして同人音楽オンリー「MUSIC COMMUNICATION」が30サークル。
各イベントとも、前回開催とほぼ同規模。若干の上下はあるが、誤差の範囲内だろう。
全体では500sp規模となり、翌週のみやこめっせ開催のオンリー集合型イベント「勧業祭」に勝るとも劣らぬ規模。関西でも、東方の熱気は健在だ。
これだけの巨大なイベントでありながらも、大過なく無事にイベントを終える力量は流石と言えよう。
関西も「東方紅楼夢」や「勧業祭」、「COMIC COMMUNICATION」等、大規模即売会の開催が増えている。即売会の増えた分、主催氏やスタッフの皆さんが経験も積む機会も増す。経験を積み、腕を磨けたが故の賜物だろう。

今回、特筆すべき取り組みは、東方3オンリーが合同で刊行した広報誌「そして、京都で逢いましょう。」である。
これは、今回のオンリーを開催するに当たり、京都遠征者の多さも鑑み、聖地探訪や観光の役に立てるよう制作された、東方クラスタ向けの「観光ガイド」的な一冊である。

更に、過去のチラシイラストギャラリーやコラム、漫画等も多様に取り入れた。
総勢28名による記念誌とのことだが、聖地巡礼本で活動するサークルが聖地巡礼記事を執筆し、イラストの上手いサークルが聖地巡礼レポ漫画を描き…と各サークルの持ち味を上手く生かした編集が為されている。
結果、単に実用性の高い観光ガイドブックと言うのみならず、文字とイラストとでメリハリを付けた「読んでて飽きない」記念誌ともなっている。

イベントカタログとは別個に制作された記念誌であり、頒布は9月の都内秘封倶楽部オンリーから。
開催2か月前という極めて早い時期から頒布された。
遠征参加者が開催前に読む事で、京都へのイベント遠征をより楽しめるように、との狙いが込められている。

イベント主催による記念誌の刊行は、女性向けジャンルのオンリーイベント中心に少なくない。
ただ、遠征者をターゲットとした記念誌というのも独特であり、遠征者の多い東方ジャンル「ならでは」の企画とも言えよう。
一つのユニークな取り組みという事で、取り上げさせていただいた。

また、この企画が成功し、記念誌として刊行し得るに至った要因として、主催氏の「他人を巻き込む力」を指摘したい。
「科学世紀のカフェテラス」「求代目の紅茶会」両イベントの主催を務めた久樹氏は、元々サークルの出身。
氏が著した、東方界隈のコミュニティを考察した「東方コミュニティ白書」は、東方評論界隈の評価高き名書である。
氏はこの本をつくるに当たり、多くの人々との人間関係を培い、協力を得てきた。
皆の協力を得て、力を結集させることで、質と評判の高い作品を仕上げている。

久樹氏は、ただの(お察し下さい)な阿求狂いではない。
サークルとしての経験を下地に、多くの人を巻き込み、彼らの力を一つの大きな力に結集させる事が可能な人物、と言えよう。

「文々。新聞友の会」の水越氏にしても、毎回射命丸文のカレンダーをオンリー合わせの記念品として頒布している。
(今回も、2013年のカレンダーを制作した)
これは、一つの月に一人の絵師を起用したカレンダー。12か月で12人の絵師を起用する事になる。
主催1人vs12人の絵師…12人それぞれの絵師とのやり取りや調整を、主催1人で賄う訳であり、骨を折る作業であることは間違いない。
折衝力や調整力は無論、高いマネジメント能力も求められる。
それを切り盛りする力は評価すべきだが、その原動力はやはり「あやちゃんかわいい」だろうw

水越氏は、「あやちゃんかわいい」を連呼する、残念な天狗狂信者であるw
しかしながら、狂信者であるが故に、カレンダーづくりという作業を通じ、能力が鍛えられ、引き出された。
そしてそれが、今回の記念誌にも生かされているのである。

久樹氏・水越氏両名の「他人を巻き込む程度の能力」があってこそ、皆の協力を得、記念誌という形で結実したのではないだろうか。

もちろん、彼らの「他人を巻き込む程度の能力」は、イベント運営にも生かされている事は言うまでもない。
これだけ巨大化したイベント、一人で切り盛りする事は不可能だ。多くのスタッフの手伝いが、またサークル等参加者の協力あって初めて回っていくものだ。
上質の記念誌を刊行できたことも、このオンリーが成功したのも、主催が上手く他人を巻き込めたが故の賜物だと思う。

12/9 大牟田市「へぱちょな」サークル参加します

同人誌即売会全国制覇を果たしたSTRIKE HOLEですが…即売会巡りの旅はまだまだ続きます!
12月9日は、福岡県南部を中心に定期的に開催される同人誌即売会「へぱちょな」にサークル参加致します。

今回は「STRIKE HOLE同人誌即売会探訪・拾遺集」と9/30刊行「STRIKE HOLE同人誌即売会見聞録2012」の既刊2冊を持参しますが…これに加え、もう一種持ってきます!

冬コミ用の新刊「STRIKE HOLE同人誌即売会全国制覇!」…全国の同人誌即売会ほぼ全てを紹介、全都道府県の即売会事情を解説した本ですが、これを限定10部で持ち込みます!
本来は冬コミ初売りのつもりでしたが、早期に入稿したらもう届いたので(笑)このイベントでも頒布する事にしました!

配置は【ハート10b】となります。
九州の皆様、大牟田ではよろしくお願い致します!
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