イベント主催的な立場から言うと、同人誌即売会の会場を池袋サンシャインシティにする、という事は非常に勇気の要る事だと思う。
何故なら、サンシャインは非常にコストパフォーマンスの悪い会場、会場代の高い会場。イベント主催的には、赤字になるリスクが他会場より多くなり、気軽に開催できないように思える。
先日ご案内させて頂いた「全国同人イベント会場のコストパフォーマンス」の一覧表を見ると、他イベントは平均200円/崑罅高いところでも200円/崑罅サンシャインシティの1,000円/崑の突出ぶりが目立つ。サンシャインのコストパフォーマンスの悪さはこの表から一目瞭然である。

この会場を使って赤字を出さずに済むにはどうすれば良いのか。
それはあの広い会場にサークルを効率的に詰め込むことで、面積あたり代金の高さというコストパフォーマンスを悪さを補う以外に無い。
しかし1ホール借りるにしても、元の箱自体が非常に広い。1ホール500〜800くらいがキャパシティであろうから、最低その程度のスペースが集まらない限り、「効率的に詰め込む」なんて事はできまい。
収支的には、その位の効率で攻めて、辛うじて黒字を確保できる、ってところだろう。

@すのすけ」さん「ポスト・コミックレヴォリューション」を見ると、過去にはサンシャイン開催のイベントが色々あったが、どれも長続きしていない。主催のヤル気喪失だとかスタッフ間の内紛だとか色々理由があるだろうが、最大の要因は、やはりサンシャイン開催による過大な主催負担だろう。
元の会場費も爆発的に高ければ、赤字になる可能性も他会場に比べて高い。
サークルが集まらなければ多額の赤字を垂れ流すだけとなり、主催側のリスクも大きい。
イベンターが継続して開催するには、ハードルが高い会場である。
過去サンシャインシティで定期的に継続開催を果たしたイベントは、サンシャインクリエイションコミックレヴォリューションの2つだけである。
コミックキャッスルは復活1回目終わったばかりなので様子見)
どちらも最低1,000sp以上集め、サークルも詰め込むだけ詰め込み、混雑し殺伐とした雰囲気のイベントになっている。
逆に言うと、最低その程度の集め、殺伐イベントにしない限りは、イベント主催側の負担が大きい為サンシャインでの継続開催は厳しい、という事であろう。


そこで11月20日に開催された「コミックメモリーズ」。
昨年春より開催、春・秋の年2回ペースで定期的に開催されているイベントだが、募集1,000spを謳ってサークル募集をかけている。サンシャインを借りる以上、この募集規模は当然だが、問題は実際に集まるサークル数。

引用が2chのスレなので鵜呑みにはできないが、恐らくほぼ正確な数字のサークル実数は以下。

第1回 : 136 
第2回 : 312 
第3回 : 196 
第4回 : 184


※参考資料
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/comiket/1102268660/204
と今回のメモリーズカタログ


・・・・・・・何ですかこの数の少なさは。
あの広いサンシャインに、この少なさでは悲しくなるほどにスカスカなのは自明の理。収益的にも黒字になるとは到底思えない。
今回はコスプレ博との併催で有り余ってるスペースを埋めにかかったが、それでも恐ろしいまでの閑散ぶり。

「継続は力なり」という諺がある。
安定して開催し続ける事でサークル数も伸びる事を主催側は期待し、第4回まで続けたのかもしれない。
が、サークル数は第2回をピークに減少の一途。sp数でも新興のコミックキャッスルに大きく水をあけられ、ポストレヴォ候補としての注目すらされない。ジリ貧の現実は非常に厳しい。

今回、メモリーズの次回予告は無く、次があるのか否かも微妙な状況だが、もし開催するのであれば以下の点に取り組まない限り、閑散イベントを再生産するだけで終わるだろう。


1.イベントを開く事で何をしたいのか?理念を見直し固める

→ コミケだったら出来る限りの参加者を受け入れたい、サンクリだったら皆で考えてイベントを創り上げていきたい、今は亡き℃レヴォリューションだったらコミックシティ等から排除されし男性向けの受け皿に、ってな具合でそれぞれ理念がある。こ〜みっくは男性向け同人の商業化に対する疑問符として新規イベントを立ち上げている。
 ここで言う理念とは「何故イベントを開くのか」「イベントをどうしたいのか」程度のものとお考え頂きたい。
 翻るに、メモリーズに関してはそれが全く見えて来ない。
 ちなみに、メモリーズの元主催は現コミックキャッスルの代表だが、キャッスルに関しても全く見えて来ない。
 両イベントに言える事としては、「大規模即売会を漏れの手で手がけてみたい」程度の思惑しか見えず。じゃあ大規模なものを開いてその先どうするの?って疑問が沸く。即売会を開いた先のビジョンを洗い直し、開催理念を固めるべきであろう。
 開催理念が固まれば、どの程度の規模になるかはともかく、その理念に賛同したサークルやスタッフが付いてきてくれるであろう。


2.イベント会場のダウンサイジング化

 残念ながら、メモリーズは大規模を目指して1,000sp募集をかけたにも関わらず、その目標が達成されておらず、また後発のキャッスルにも規模面で負ける現状を考えると、大規模化を諦めるべきと結論付けざるをえまい。
 先にも申し上げたが、そのコストパフォーマンスの高さゆえ、サンシャインでやる以上、サークルを沢山集めて殺伐イベントにする以外方法は無い。既にキャッスル・サンクリと2つ殺伐イベントが存在しており、これ以上殺伐イベントが必要なのか?という需給バランスの問題もある。
 100ちょいしか集まらないのであれば、サンシャインは広すぎる。多額の赤字も出る為経済的にも厳しい。都産貿等参加実数に合った箱に会場を移し、身の丈に合ったイベントを目指した方が良いような気がする。


3.WEBでのサポート体制の改良

 WEBには最低限の参加要綱しか記載されておらず、メールで問い合わせても返事が来ないと嘆くサークルさんも居る等、WEB上の参加者サポート体制は非常にお粗末と言わざるを得ない。参加者の不安も募らせるだけで宜しくない。
 ブログ導入で新着情報を案内、メールにはすぐに回答する、Q&Aの導入等、参加者の立場に立った情報発信をもっと検討、改良して頂きたい。それが参加者の不安を解消させる事にも繋がるはずである。


4.イベント名の改称

 残念ながら、仮に素晴らしい理念を固めたとしても、過去4回の閑散とした実績で評価が固まっている。メモリーズの名前は「逆ブランド」。その名前だけで寒いイベントっぽいイメージが出来上がってしまった。リスタートするにも、名前を変えない限りマイナスからのスタートになろう。


メモリーズの今後も苦難の道が予想されよう。
だが、今申し上げたような事を真剣に検討しない限り、苦難の道が続くのみ。一般にもサークルにもそっぽを向かれ淘汰されるだろう。
メモリーズ及びメモリーズの中の人の、今後の運営改善にかすかな期待を寄せつつ、この拙文の結びとさせて頂く。

#次回はいよいよ、(今回もちょいと触れましたが)「新生コミックキャッスル」について、そしてコミックキャッスルに対する評論について論考させて頂きます。