岡山の独立系イベント主催団体に、「岡山コミックイベント連合」(以下「岡山コミ連」ないし「コミ連」と表記)という団体がある。
この団体は、男性向け・女性向け・オールジャンル・オンリー等、幅広くイベントを開催されており、歴史も深い。岡山ナンバーワンの実績を持つイベント主催団体である。

この団体は数多くのイベントを立ち上げているが、その中でも特に大規模なイベントに、「ぶちすげぇコミックバトル」(以下「ぶちコミ」と表記)というオールジャンルのイベントがある。
まあ、オールジャンルと言っても地方イベはどこもそうだが、事実上の女性向けイベントである。メインは「女性向け」である事を念頭に置いて頂ければ幸いである。

このイベントが…今非常に心配である。
通常350sp程度集まるこのイベントであるが…1月8日に実施される「ぶちすげぇコミックバトル42」、非常にヤヴァイ。
自分も人づてに聞いた話なので、実際のところは定かではないが、現在集まっているsp数は150sp前後と聞く。
何故にそこまで急落してしまうのか。イベント主催を経験した事のある身としては、他所様のイベントと言えど、サークルspの急減は他人事には見えない。非常に心配である。
でも冷静に考えてみると理由は簡単だ。
1月8日は大阪で赤豚様がコミックシティを開催される。

そ り ゃ だ め ぽ _| ̄|○

いや、普段のコミックシティと被るならともかく、【1日辺りのサークル参加数】で言うならコミックマーケットすらも凌ぎ(動員数は当然コミケの方が、ですよ、念のため)日本No.1のサークル規模を誇るあの1月の大阪コミックシティだ。
そんな大規模イベントとバッティングさせてはいかんわけである。
お前らもうアフォかヴァカか…と言いたいところであるが、コミ連も長年イベント主催をやっており、その程度の事わからない程ヴァカではない筈だ。

手元に、過去の「ぶちコミ」のパンフがある。その中で、コミ連代表氏が語る「GAKUYAOCHI」というコラムがある。地元放送局でラジオ番組のパーソナリティをやっているだけに軽妙な語り口のこのコラムだが(辛辣すぎるのと言い過ぎなのが正直どうかとも思うが…これについてはまた別に語りたい)、この中でコミ連代表氏はこう語っていらっしゃる。

「会場を押さえるのには、色々な団体や会社と競合しているために調整が必要なのです。
 (中略)
 なかなか空いている日がないばかりか、こちらが希望を出してもなかなか決まりません。
 それだけ人気の高い会場なのです。
 そういう訳で、今年度はその日(編者注:1月8日)しか押さえられませんでした。
 我々もComicCityと長いつきあいですし、同じ日に開催したい訳ではありませんが、その日を逃せば半年以上イベント開催がなくなる可能性もあるので結局この日程になりました。
 我々もショックだったんですよ…。」


そりゃショックだよなあ(つД`)
苦渋の選択であった事、心情お察し申し上げたい。

最近は微妙に景気が上向いている模様で、先月の同人トークライブでどなたかが仰っていたように、会場側は企業優先のスタンス、景気が微妙に上向き企業の利用が増え、同人イベントは借りにくくなってきているという話だ。
実際、昨年秋のキャッスルもサンシャインのCホールを割り当てられ導線に苦労されたようだし、今月末のサンクリもCホールが入っている。
(Cホールは通路等狭く、A・B・Dホールに比べ入退場が難しい。キャッスルの時は混乱を避けるため、非常階段で一階に下りて、そこからサンシャインシティを半周しないとA・Bに行けないという、一般参加者に大きな不便を強いる導線を敷かざるを得なかった。主催的にも、Cホールは使いたくない会場である。)
岡山も景気上昇の影響を受けているだろうし、そもそも同人イベントに使える箱が余り無い(岡山武道館・CONVEX岡山・岡山ドーム・ママカリフォーラム程度、開発すれば色々あるかもしれんが)。イベント会場確保に、相当大変な思いをしているのはよく判る。
実際、1月の次のぶちコミは3月19日予定だが、これも、東京のHARUコミと重なっており、主催的には苦渋の選択であろう。
主催氏の大変さには、自分としては激しく同情したい。

しかしながら、1月8日、この日だけは避けるべきではなかったか…。
岡山〜大阪は新幹線で1時間、高速バスでも2時間半。非常に近い距離である。
ましてや、14,000sp規模の大規模イベントである。自分は、あまたあるコミックシティのイベントの中では、その盛り上がりはスーパーコミックシティ以上のものであると考える。
幾らなんでも、そんな巨大イベント相手に、しかも大阪と岡山という近い距離でバッティングさせる事は無謀では無かったか。
私個人としては、サークルが大阪に取られるのが明らかな以上、1月は見合わせるべきだったと考える。時には、開催をしないという勇気(「中止」に非ず)も必要だったように思う。
3月のHARUコミバッティングも気になるが、3月は、岡山・東京の距離差もある。1月の大阪とのバッティングに比べれば、遥かにマシ…というか殆ど影響は無かろう。

サークルも一般も大阪に流れるから、普段に比べ小さい規模でのイベントになるのは必至だ。残ったサークルさん一般さんにとっても、イベントが寒いものになるのでは、と心配である。
シティはコス禁止の為、レイヤーはぶちコミに残る筈だが、サークルが減ってレイヤーそのままなら…レイヤー比率が相対的に高まる。本を売りたいサークルさんは、居心地が悪くなるのでは、という点も懸念材料である。

まあ、もう開催を決めてしまった以上、今更どうこう申し上げた所でどうなる物でもない。
1月を我慢してやり過ごせば、3月5月のぶちコミではもう少し違ってくると思う。
次回以降のぶちコミの復活に、我々は期待を寄せるしかない。
また、いかに会場確保が難しいとは言え、大イベントに被る開催はご一考頂きたいものである、とコミ連の中の皆様にはお願い申し上げたい。