4月23日、サンシャインクリエイション31が、池袋サンシャインシティにて実施された。
今回のサンクリ、ご存知の通りサークル2400sp超、一般参加2万人超とサンクリ史上最大規模のイベントとなった。

(*一般2万人超は伝聞の為ソースが無いが、サンクリ31のカタログによると、前回サンクリ30が1700sp・1万6千超となっている。今回2400sp規模という事を考えると妥当な数字であろう。また、カタログが一般入場開始の11:00前後に完売、という稀に見る完売速度の速さも、傍証となろうか)

数字面から見ると、サンクリは空いたコミックレヴォリューションの穴を埋め、レヴォの受け皿として支持されたと見るべきであろうか。

サンクリの規模は、何故ここまで肥大化したか。
理由は二点に集約できる。

一つは、日程の移行(3月・9月/旧来の開催月→4月・10月/旧Cレヴォ開催月)により、Cレヴォの受け皿となる意思をサンクリが持ち、それをカタログ等で公言するようになった事。
Cレヴォの季節に合わせ創作活動を行っているサークルにとっては、旧Cレヴォと同じ月に開催されるサンクリは、レヴォの代わりとして機能し得る。
日程を移すだけでも受け皿として充分機能できる。

そして、それ以上に重要な点は、サンクリが過去の開催の中で積み上げた実績、安定かつ熟練の運営が、サークル・一般の信頼を得た事であろう。

ポストCレヴォを標榜した新興イベントは何処も厳しい運営を迫られている。
唯一、コミックキャッスルが辛うじて生き残れる可能性を秘めるが、キャッスルも杜撰さが目立つ。今のままでは厳しかろう。
キャッスルが仮に今後もイベントを続けたいのなら、同じサンシャイン開催組の先輩・サンクリをお手本にしてはどうだろう。学ぶべき点は大いにありそうだ。

今回のサンクリは、史上最大規模。主催中枢部の苦労は並大抵では無かった筈。
個々のスタッフの負担も、従来サンクリの比では無いはず。心から労いの意を申し上げたいが、スタッフの負担の増加は心配の種である。
但し、サンクリの救いというか好材料は、スタッフ数の年々の増加である。
前々回サンクリ29、前回サンクリ30と登録スタッフ数は過去最高を更新し続けている。
恐らく旧レヴォからの流入組が多いと想定するが、いずれにせよ人材の厚みは増している。関西や福岡等イベントスタッフの人材確保に悩む地域の主催から見れば羨ましかろう。
兎も角、他イベントに比べサンクリは「人財」に恵まれている。上手く人材を活用できれば、規模が大きくなっても何とか切り盛りできるような気がする。
さて、今回のサンクリで一つ感じた事がある。
それは、大規模イベントは「情報集約基地」としての機能を兼ねている、という点だ。
今回、サンクリチラシ置き場でのチラシ設置点数の多さを見て、私はそれを改めて実感した。

例えば、何か新しい、中小規模のオンリーイベントでも興そうとする。そのイベントを告知したい。そう考える主催は何処で告知をかけるのか。当然、既存のイベントで告知をする。
イベントが大規模であればあるほどに告知効果は高いので、大規模なイベントでの告知は欠かせない。自然、大規模イベントには多くのチラシが軒を連ねることになる。
一般参加も、大規模イベントならば様々なイベントの情報を入手する事が出来る。イベントは、一般参加者の情報収集源でもある。

つまり、同人イベント、特にチラシ置き場の存在は、有力な情報告知媒体であると共に、貴重な情報収集源でもある。イベントが大規模であればあるほど、その効果や機能は高まる。
逆に言うと、大規模なイベントがなければ、中小のオンリーイベントは有力な告知先を失う。
大規模イベントが存在してこそ中小イベントが成立している、とも言える。「大規模イベントの存在が、中小イベントの隆盛を牽引している」とも言えようか。
まあ今更自分が論じるまでもなく判り切った事なのかもしれないが…。

自分は、東京のイベントだけでなく、全国各地域の同人イベント事情についても頻繁に語っているが、その地域の「地域一番イベント」(※)の開催規模を、真っ先に着目している。
(※例:福岡=コミックシティ・コミックネットワーク、岡山=ぶちすげぇコミックバトル、新潟=ガタケット、山陰=花鳥風月、金沢=KAC金コミ、仙台・名古屋・広島など=コミックライブ)
開催規模が小さいと、大規模即売会の長所である【情報集約基地】としての機能が薄まってしまう。地域二番手三番手以降のイベントの告知にも、影響を及ぼしかねない。
そういう理由から、地域一番イベントには出来る限り多くのサークルを集め、出来る限り大きな規模のイベントになって欲しいと願うのだが、残念ながら現実はその逆、地域一番イベントの規模縮小に向かっている。そしてそれは、地域二番手三番手以下のイベントの隆盛にも影響を及ぼし、更にはその地域の同人文化の縮小にも繋がる。私は、その点を非常に警戒・危惧している。
また、そういう縮小傾向の時だからこそ、その流れに立ち向かい意欲的に挑戦するイベントがあれば敬意を表し応援していきたいとも思う。自分のブログが、そういう意欲的な面白そうなイベントを紹介できる場になれば幸いである。