と言う訳で、色々と事情があり(というか仕事で関西に行かざるを得なかったわけだが)、日曜日大阪に赴いた。
夜の11時頃夜行バスで東京を出、翌日大阪入り。

大阪での仕事には少し時間が余った為、噂の同人誌即売会「COMIC KINGDOM」に参戦した。
コミックキングダムは、本年3月4・5日に開催された同人誌即売会である。
「コミックシティ」「コミックコミュニケーション」等の大規模イベントの会場としてもおなじみ「インテックス大阪」からも徒歩圏内、アジア・トレーディングセンター(ATC)が即売会会場である。同人誌即売会、コスプレ、声優トークショー等の複合イベント、と考えるべきであろうか。
前回3月のイベントは、1,000sp募集と大きく出たにも拘らず、日本橋のヲタ御用達店や「シティ」「トレジャー」等の大規模イベントでのチラシ配布は一切無し。即売会の告知セオリーを完全にスルーした告知手法(というか「告知してない」って言った方が正解か)が災いして、キングダムの名は同人界に浸透しなかった。
その結果、1,000sp募集に対し僅か7sp参加、0.7%という脅威の充足率を獲得し、その余りの閑散ぶりで同人世界での知名度を獲得したと言えよう。
…「コミックキングダム」はこうして伝説と化した。

まあ、要するに「キングダム」は明らかに失敗した即売会であった。
しかし、「キングダム」開催直前、このようなニュースが主催より発表されていた。

■2月15日
 第二回ComicKingdom開催日が6月4日に決定しました。


第一回のサークルが全然集まっていないのに第二回開催。大胆不敵な構想である。
と言う訳で、この花羅、会場の大阪ATCに急行したw
会場のATCホールに到着すると、我々の想像を遥かに超越する光景に出くわした。
…恐らく、本年5月都産貿浜松町にて開催・三国志オンリー「さんケット」の会場に赴いた諸氏も同様の感覚だったろう。
(「さんケット」は都産貿半面使用で参加サークル12sp。11時開場でサークルが皆お昼12時には撤退してしまった為、1時頃には主催も撤退してしまった、という究極のイベントである)
いや、でも「さんケット」は開催しているだけマシである。

ATCホールの状況を一言で申し上げよう。


 真 っ 暗 で し た



・・・・・・まあ、中止という事なのだろう。
無論、中止を告知する要員は誰もいない。
キングダムWEBサイトにも、中止の旨は一言も書いていない

同人誌即売会では、イベントの中止は原則ご法度である。
中止を知らずに会場に来てしまった一般参加者に、大きな迷惑が掛かる。せっかく来てくれた一般参加者に無駄足踏ませる事である。

(余談だが、会場(ないし日程)の「変更」も中止と同義である。会場(日程)の変更は、前に押さえた会場(日程)での「中止」+新会場(新日程)での「新規開催」とも言い換えられる。会場の変更は「中止」を含んでいる故、ご法度である。)

どうしても、中止せねばならぬ場合、押さえていた告知会場には、中止を知らせるスタッフを常駐させる。それが、即売会のエチケットである。
・・・無論、キングダムの中止を知らせるスタッフが居なかったは、言うまでもないw

結局この「コミックキングダム」、同人誌即売会の世界を知らない人間が「ヲタなら儲かる」とばかりにロクな勉強もせずに参入したのがそもそもの原因であろうか。

コミックキングダム募集チラシ

所謂「アキバ系」と「同人誌即売会」「声優ヲタ」等、ヲタはヲタでも微妙に異なるニュアンスを考慮せず、全て一緒くたにしてしまった点、「ヲタを知らない」事を実感させられる。
(同人誌即売会とステージイベントとは、過去の諸々の即売会内における試みから、親和性が非常に薄い。ぶっちゃけサークル的には一般の目がステージに行くから「迷惑」な代物でしかないだろう)

シティやコミコミ・トレジャー等のイベント、虎やメロン等のお店で撒かないのもそうだし、即売会会場でステージイベント始めるのもそう、そして何の告知も無く、当日の告知要員も置かず中止するのもそう。
全て、同人誌即売会の世界を知らないがゆえの過ちであろうか。
主催者は元々芸能プロダクションと聞いている。異業種からの参入、それ自体は新しい試み、という事で決して否定されるべき事ではない。だが、参入を決めるなら、その世界に関してしっかりリサーチを行って頂きたいものである。それを怠ったから「伝説のイベント」なんて扱いをされてしまう訳である。


その後仕事を終え、新大阪センイシティー開催・逆転裁判オンリー「逆転ウォーカー」に顔を出す。
主催は「創作集団 幻想ウォーカー」さん。WEBサイトをご覧頂ければお判りだろうが、元々は2002年〜2004年頃、幻想水滸伝のオンリーを足掛け5回開催されていた。スタッフは女性中心ではあるものの、妙にイベント慣れしていたのはそういうことかw
一旦は即売会開催活動を終了されたようだが、やはりイベント主催は、主催業務の面白さから離れる事は出来ないのだろうか。昨年より活動を再開。古巣の幻想水滸伝、そして旬ジャンルのDグレ、そして今回の逆転裁判オンリーと続く。
私が来訪したのは13時過ぎであるが、取り合えず表紙が本土坊薫(登場人物の一人、脇役のオカマシェフ)だったのが激しく引いたww
今回、サークル参加募集60sp満了と大健闘を見せていたが、関西だけでなく、関東など遠方からの遠征者が多かったのもその一因だったようだ。その代わり、サークルの撤収も早かったようで、自分が来訪した1時半過ぎには、だいぶ人ははけていた印象。
ちょっと寂しかったが、時間も時間なので仕方なかったか。何軒かサークルさんを回って何冊か本買って、コスブースを見て帰る。コスブースは脇役キャラのコスがよく出来ていて関心したw

少し気になったのが、イベント開催スケジュールにあった、「お茶会」。
お茶会の中で、主催側が自作の演劇(逆転裁判の法廷もの?)を行う、というもの。
この手の演劇ものって、問題ある厨イベントがよく行うイメージがあって、申し訳ないが個人的には余り印象良くないんだが…どーなんだろ。
でも、お茶会でそれをするんなら悪くない試みなのかも。即売会後のアフターだから、見たくない人はとっとと帰れば良いわけだし、お茶会でだべってるだけだと場が持たないから場の持たせとしては効果的かもしれないし。
ただ、わざわざ予告編のFLASHを公開するなど、気合と熱意の凄さは伺えた。
個人的に気になったので残ってみようかとも思ったが、飛行機の時間も迫っていたので断念。このブログをご覧の方で、お茶会・演劇まで残っていた方、感想聞かせて下さいw

いずれにしても、大阪での逆転裁判オンリーは過去の歴史を紐解いて見ても(逆裁オンリー一覧参照)実質初めての試み。
その初めての試みで60sp満了させた事は素晴らしい事である。
東京で安定運営を続けている「ケットコム」主催「裁きの庭」と共に、定期的に開催を続けて頂く事で、逆転裁判同人世界の繁栄に努めて頂きたいものである。

【蛇足】
幻想ウォーカーさんのWEBやイベントカタログを拝見すると、一般参加者の事をお客様と呼んでいるが、何故かこれには違和感を感じるどころか好感さえ抱いた。
逆に買い手側が、自分達一般参加の事を「お客」というのには違和感を感じるのに、不思議である。
おそらく、こういう事だと思う。
主催側が「お客」として一般を扱う事は「一般を大事にしよう」という意思表示として捉える。一方、一般自らが自らをお客と呼ぶ事には、一般参加者自身の尊大な意識を捉えてしまう。この違いが、同じ一般を「お客」と呼ぶ事であっても、180度印象が変わってしまう原因なのだろうか。