2006年6月11日、インテックス大阪にて「Comic Communication」(以下コミコミと表記)が開催された。
関西で開催される同人誌即売会、女性向けジャンルなら「コミックシティ」が一番手のイベントであるが、男性向けではこの「コミコミ」が一番手になろうか。(ちなみに、男性向け関西二番手は「こみっくトレジャー」)

コミコミは例年1,000sp前後の規模、インテックス大阪の1ホール分を借り上げて開催されている。今年1月開催、青ブーブー通信社主催「こみっくトレジャー」が1,000sp弱まで来て、コミコミに規模が追いついたと思いきや、今回のコミコミで1,200spを獲得し、猛追するトレジャーを突き放しにかかった印象か。
(…いや、こういう書き方しておいてアレだが、両イベント間に争いがある訳じゃないし、両イベントがsp獲得競争やってる訳じゃないのは重々承知しているので念のため…。只、関西の同人即売会世界が拡がる為には、良い意味で両イベントは競って欲しいとは思う

兎に角、コミコミは今回1,200spを確保した。
それも、翌週にあのサンクリを控えてこの数字である。
東京のイベントとの日程近接は余り好ましくない。サークルが東京に流れてしまう危険性が強い為だ。
ただ、日程決めについては会場側の意向もあるので、必ずしも主催側の都合通りに行くとは限らない。
イベント主催同士の情報交換・調整(大規模イベント同士になれば成る程、共倒れを防ぐ為情報交換を行う傾向にある)も経ての日程決めであろうから、恐らく、今回のコミコミがサンクリ前週だったのは取れそうな日がここしかなかったが故の苦渋の選択と推察される。

結果、コミコミは6/11、サンクリ6/18。
この日程近接を初めて知った時、コミコミのサークル数は、サンクリに吸われ普段より減るのでは、と直感した。
だが、蓋を開けて見れば結果は全く逆、コミコミ史上最大規模のsp数が集まった。コミコミの規模拡大は、関西の同人世界の拡大を意味する訳であり、非常に嬉しい結果であるが、日程の近接を考えれば驚きの結果でもある。

それでは、サンクリと日程が重なるかもしれない悪条件の中、何故ここまでサークル数が増えたのか。
あくまで考察になるが、私はその理由として以下の各点を挙げたい。

1.こみっくトレジャーとの相乗効果
 →トレジャーが初参加のサークルは結構多いが、トレジャーの次、活動の舞台をどこに求めるかは自明の理。

2.6年10回の開催を通じての安定感・信頼感の醸成
 →初回のスタートダッシュで大規模イベントとしての地位を獲得したが、以後も大きな失敗、目立つ運営面の不手際も無い。賑わいのあるイベントを継続して運営できる事は、サークルが参加するに当って大きな安心の要素である。

3.レヴォ組の流入
 →4月開催のコミックレヴォリューションが無くなり、この時期に新刊出そうと活動するサークルは、代わりを求めないと行けない。代わりをサンクリやコミティアに求めるサークルもいるだろうが(サンクリ・コミティアは今年に入ってサークル数を伸ばしている)、同様の論理でコミコミにも流れているのでは

東京で活動している大手サークルの参戦は話題となったが、これはサークル数の増加とは直接関係ないような気がする。ただ、一般参加の底上げには繋がったかもしれない。

それよりも、やはり安定した運営を、地道にかつ継続的に続けた結果が、これだけの盛り上がりを生んだのではないかと思う。
トレジャーのsp数が伸びた今年の1月も同様の思いを持ったが、コミコミでその思いは更に深くなったように思う。

とは言え、コミコミも運営面での課題は非常に重いものがあると思う。
カタログでのサークルカット等の間違いが目立ち、本部付近でも訂正項目は掲示されていたが、間違いそのものについては人間のする事。それ自体を責める事は出来ない。ある意味仕方ない事ではとも思う。寧ろ、何故間違いを生んだか、その原因に思いを巡らしたい。
コミコミは元々スタッフの頭数が非常に不足しているイベントである。
また、これはあくまで又聞きの話に過ぎないが、事務スタッフのキーパーソンが離脱しててんやわんやという話も聞く。人材の不足がギリギリのスケジュールを呼び(カタログ販売の遅さがこれを顕著に証明している)、その余裕の無さがミスを生んでいると思う。
逆に言えば、カタログのミスは、コミコミ内部スタッフの人材不足、窮状を示唆していると言えよう。
もう少しスタッフが増え、一人一人のスタッフの負担が減れば良いのだが…。とは言え、こればかりは何か良案がある訳でもない(そんなのあったらコミケもスタッフ不足が叫ばれてないよなあ…)。地道に、スタッフとしてお手伝いしてくれる人間一人一人を大切にするしかないような気がする。


結局、コミコミの運営面の最大にしてかつ深刻な課題は、スタッフ人材の不足の部分なのかもしれない。

今秋コミコミは開催しない。ここ2年夏・秋の2回体制で開催を続けてきたが、今年の秋はお休みである。
コミコミ自体は存続する。20回を目指して、という事も書いてあったぐらいだから。次回のコミコミは、来年夏になるだろう。
ただ、秋のコミコミだって、一昨年まではグランキューブ大阪開催だったのが、昨秋ついにインテックスに移転した。インテに移転する程規模が拡大している訳で、これは、秋のコミコミの定着、一般やサークルに浸透し支持されつつある事を意味する
だが、それでもコミコミ主催陣は、秋のコミコミの開催休止を決定した。

色々な理由が推測されるであろうが、私は以下の各点がコミコミの開催休止の理由と推察する。

1.スタッフの一休み
→ 規模が拡大する中年2回開催をこなしてきたが、決してスタッフは多くなく、一人当たりの負担も大きい。年2回開催(人によってはトレジャーもお手伝いするので年4回スタッフをこなしてる)で、スタッフも大分疲弊している。スタッフの骨休めの意味もあろう。

2.事務体制の再構築
→ 少ないスタッフの中切り盛りしていた事務も結構てんやわんやらしく…。来年夏まで1年じっくり時間を取り、その中で事務体制の再構築を行い、次回コミコミの準備を行うのではないかと。


両方の理由とも、裏を返すと元の理由は「スタッフ(人材)の不足」と言えよう。
もし、このサイトをご覧の方で、当日なり事前なりでもお時間が有り、かつ関西同人の発展を願う方であれば、一度コミコミにスタッフ参加を応募しては如何だろうか。
コミコミもスタッフを常時募集している。それは、裏を返すとスタッフ不足を意味する。
コミコミ側もスタッフ参加を歓迎している筈であるし、そうしなければならない筈である。無論、コミコミ側も新規で応募してくれるスタッフを受け入れ、大事にしていきたい…というかそうせねばなるまい。

今回、コミコミは秋の開催を休止した。
だが、主催陣はコミコミの開催を諦めた訳ではない。むしろ、継続する意志があるからこそ、開催を確実に出来るよう、秋の開催を取り止めた訳である。言わば、今秋の休止は、文字通り「戦略的撤退」と言えよう。
秋の休止により、主催及び幹部スタッフの労力も少しは緩和されよう。この休みの間に少しでも英気を養っていただき、また体制も構築していただき、来年の次回コミコミで良きイベントを築いていただける事を、心より祈念したい。