イベントが終了して1ヶ月経過し、今更感が激しく漂う気がするのだが…。
先日参加した同人誌即売会「杜の奇跡」について語りたい。
随分長い事書くタイミングを失い今に至る訳だが、この同人誌即売会は非常に光るものの多い即売会である。
同人誌即売会の「良い所」を取り上げ紹介する、というスタンスの当ブログが、この「杜の奇跡」について触れないのは筋が通らないし、失礼に当るとすら言えよう。

「杜の奇跡」は「杜」という言葉を冠する所からもお察し頂けるかもしれないが、「杜の都」仙台で年二回開催される男性向けオールジャンルの同人誌即売会である。
本年2006年は、第9回目が5月28日に開催。
私も、「EAT THE FUN」名義でサークル参加をさせて頂いた。
参加して非常に面白く、かつ居心地の良い即売会であったと感じた。

現在地方イベントは、何処の地方でもサークル数の減少に苦しんでいる。
そんな中、この「杜の奇跡」、男性向けという規模の少ない市場であるにも関わらず、年々サークル数を伸ばし続けている
では、「杜の奇跡」の快挙、躍進は何処から生まれるのか。
地方の同人誌即売会は、何処もサークル参加数の低迷に苦しんでいるが、「杜」の取り組みの中に、低迷を打破するヒントが隠されているかもしれない。という訳で、そういう観点から、「杜の奇跡」について少し詳しく語ってみたいと思う。
【参加サークル数考察】
地方で行われる男性向け同人誌即売会は数多いが、杜の奇跡ほど多くのサークルの参加を呼ぶ即売会は見当たらない。
杜の奇跡は、今夏140以上のサークル参加を呼んだ。この140と言う数字は、東京・大阪の大都市圏以外で開催される男性向け同人誌即売会としては、最大級規模と言えよう。
例えば名古屋(200万都市)で開催される「メンコミ」は老舗の安定したイベントであるが、サークル参加は110sp前後で推移。この数字は、100万都市・仙台で開催される「杜」よりも小さい参加規模である。
仙台と同じ100万都市の札幌や福岡を見てみると、ごく稀に20〜30sp規模の即売会が開かれる程度に過ぎない。
これら他のイベントと比較すると、杜の頑張りぶりが際立って見えよう。

では、「杜」参加サークルの内訳を見てみよう。
手元に、自分が過去に参加した「杜」のカタログがある。
一昨年秋の「杜6」、昨年秋「杜8」、そして今夏開催の「杜9」。
杜の奇跡は、全国各地からサークルが直参しているようで、カタログ内に「サークル参加者地方分布図」というものが掲載されている。
以下、杜6,8,9と3回分のデータを纏め上げた物をPDFファイルにまとめてみた
 → 杜の奇跡・サークル参加分布一覧

一昨年「杜6」の時は、サークル参加125。しかし、この時は委託参加も受け付けており、中部・関西・四国からの参加者は殆ど全て委託と見て良い。委託は約20程度であり、実質参加数は100強ぐらいか。内、仙台含む宮城県全体で約40、宮城以外の東北各県で32、総計72と大半を東北在住サークルで占めている。
東京からの遠征組も相当数いるが、東北勢に比べれば数は少ない。
東京からの遠征組に頼らず、地元のサークルをきっちり押さえている事で、安定したサークル数を集める事が出来ている。

顕著だったのは「コミックキャッスル2005」と同日開催の憂き目を見た「杜8」である。
サンシャインで大型イベントが開催される以上、首都圏のサークルは皆キャッスルに流れる。
杜も、関東からのサークル数は急落したが、逆に東北からのサークル参加数は伸ばした。東北の総合計は93、全体比で8割を占めるまでになり、サークル参加数も例年並に持ち堪えた。
これが地方開催であっても、関東からの遠征組でサークル参加の大半を占めるようなイベントだと、バッティングの影響は大きいだろうが、「杜」は地元をきっちり固める事で、影響を最小限とした。
そして、今回、「杜9」では関東からのサークル数が以前の水準以上に戻り、東北のサークル数も前回と同程度。サークル数を140まで伸ばす事ができた。

何故ここまで順調にサークルを集める事が出来るのか。
「杜の奇跡」はサークルのリピーター率が高いイベントである。リピーターが何故多いか、という部分については次回以降後述するが、リピーターの多さが毎年順調に参加サークル数を増やし続けている、大きな要因であろう。



【告知スタイル】
開催概要の所に、チラシ配布予定書店、予定イベント一覧が書いてある。
お店での告知の方は、現時点では「とらのあな」「メロンブックス」「ゲーマーズ」3店舗に過ぎないが、前回や前々回の「杜の奇跡」では、岩手や福島等隣県にも足を広げ、東北一円で精力的に告知した。無論、東京のお店にもチラシを置いて告知している。

イベントでの配布も、告知の大きな柱だが、注目すべきは「東北」「東京」両方で精力的に告知を行っている点である。

地元の東北は、ユウメディア主催のオールジャンル「仙台コミケ」「おでかけライブin山形」、同社主催のコスイベント「仙台コスプレファイヤー」等でチラシを撒いている。これらの即売会は女性向けサークルが大半、男性向けジャンルは稀少だが、男性向けジャンルが全く居ない訳でもない。男性だって少ないかもしれないが、地元随一の即売会である以上、それなりに男性陣も参加する。
如何に女性向け中心の即売会と言えども、地元の一般・サークルへのアピールにこれらの即売会は欠かせない。

同時に、都内開催イベントでの告知も精力的だ。
「コミケ」「サンクリ」のような大規模オールジャンルは無論、都産貿のオンリーもこまめに回って告知されている。
地方在住のサークルの中には、地元のイベントには参加しないが、上京遠征して都内イベントに参加する、という層も数多い。
東京のイベントを回る事は、この層に告知する訳であり、地元イベントを回るよりも効果は大きいかもしれない。もっと言うと、盛況に終わった地方の男性向けイベントで東京を押さえないイベントはほぼ皆無であろう。
(大阪ではチラシを余り見ないが、流石に関西から仙台まで遠征する人は少ない。距離的な問題もあるし、止むを得まい。愛媛のヒメノツキが関西で撒いて関東で撒かないのと同じ理由だろう)

こうして見ると、地元のイベントをこまめに回り、かつ都内のイベントもしっかり抑える。
一方に偏らず、地元と都内両方バランス良く、告知に力を注げた事が、「杜」がサークル数を集められる重要な要因の一つであると考える。
地方の(特に男性向けの)イベント主催にとって、杜の奇跡の告知の方法は、良きお手本になると思う(他にも見本にしたい点は山ほどあるが)。


というわけで長くなってしまったので今日の記事はここまでとさせて頂き、次回別項目で続きを書きたい。
長くなっちゃったなあ…まだ当日のレポートにも入ってないのにw