最近、同人誌即売会において、主催側の責による運営上の問題点が露見し、参加者の間で問題視されているケースが散見している。

鋼の錬金術師・エルリック兄弟オンリー「Alchemist's Children」は、2006年6月11日に第3回目のイベントを終了。第4回目を本年11月3日に開催予定だが、現時点で11月開催分のサークルが満了するほどの人気即売会である。
このイベントは、会場外の公道に面した箇所、ロビーなどの共用部分をコスプレゾーンに充てた対応が一部参加者より問題視され、まとめサイトが作成された。

7月2日に開催された東方キャラオンリー「東方兎月祭」は、サークル・コスプレ等の参加条件の二転三転ぶり、ならびに主催が掲示板を放置する等誠意の無い対応を参加者に問題視され、まとめサイトが作成された。

どちらも、主催側の対応が問題視され、まとめサイト作成に至っている。
両サイトを拝読して思った事としては、主催氏の対応には確かに問題はある。残念ながらそれは否定できない。
だが、まとめサイト側も感情的になり、目に余る事を片っ端からあげつらっている部分があり、論点が絞り切れていない。結果、閲覧者に伝えるべき内容が充分に伝わらず、「こいつら何したいんだ?私怨じゃないか?」と思われがちなリスクを帯びる。
せっかく問題提起すべく、まとめサイトをつくっても、これでは骨折り損じゃないかとすら思う。

以下、両イベントのまとめサイトについて簡単に見ていきたい。
【Alchemist's Children まとめサイト】

Alchemist's Childrenは、コスプレ撮影を野外やロビーで行っている点が、問題視されている。
主催氏は「会場側より許可を得ている」との主張でコスプレ撮影を導入している。
流石に主催が嘘をついているとは思えない。

実際、電話で問い合わせた結果が掲載されているが(誰が問い合わせたのか?まとめサイト参加者が?)、「認めていない」との回答と同時に、「特に禁止していません」との回答も掲載されている。
(会場側の曖昧な返答も、今回の問題の一因であるが、そこを問題視しないのも不思議な所である)
恐らく後者の会場係員からの回答を得たが故に、主催氏も野外コスOK、と解釈してしまったのであろう。

だが、係員から容認の意を受けたとは言え、それを実際行動に移す事に問題は無かったのか。
会場は、他のテナントも入っているし、同人以外の利用者も多い。一般世間的に「奇異」な格好のコスプレを野外やロビー等の共用部分で行う事は、「常識」として拒否して然るべきである。
コミケが会場外でのコスを禁じる理由、名古屋コミックライブで会場外の金城埠頭でコスプレ野外撮影が勝手に開催されている問題、根っこは全て一緒である。
如何に会場側から許可を受けようと、常識で判断すれば野外コスなんぞNO,である。コスプレは、借りた会場内のみに留めるのが筋であろう。如何に会場から許可を受けたと主張した所で、残念ながら謗りは免れない。
特にこの主催氏は、詳細は省くがサークルとしての活動年数も長いベテランの同人者である。厳しい言い方をすれば、何年同人やってるのか、と言われても致し方ない。

だが、主催の判断が如何にまずかろうと、ただ叩けば良いというものではない

このまとめサイトでは、補足と称してコスプレイベント以外の問題点も取り上げている。順番に見て逝ってみよう。

>■2005年6月12日 1回目■(会場/東京流通センターアネックス)
>1・主催者遅刻の為サークル入場開始が5〜6分遅れる。 受付なども手間取り、入場待機列がなかなか解消せず30分待たされた人もいた
→サークル入場開始の遅れなんて何処のイベントでもあるべ。たかが5〜6分の遅れをいちいち取り上げる方が変。それに主催の来場なんてサークル入場の1〜2時間前でしょう普通。サークルより遥かに早く来る。主催が遅刻したって何でわかるんでしょ?


>2・シールラリー企画の為の新刊と称し主催自ら時限販売※3を行う。
>・問題の主催は午後からコピー本を時限販売。

確かにコミケで時限やったら大変な事になるが、時限の是非はケースバイケースでは。事実、サンクリでは、アンケートで時々時限についての意見を皆に問うが、それは時限を必ずしも悪とは考えていない事を意味する
時限は「サークルの新刊刊行の意欲の現われ」とも考えられるし、一概に否定は出来ない。「悪」と決め付けるのは如何なものかと。


>■2006年2月19日 2回目■(会場/全電通労働会館)
>1・当日参加は180サークル。会場にサークルを詰め込みすぎた (※同会場での他のオンリーは120前後が普通)
→180は詰め込んでる方かと思うけど、「イヌカイサミット」(テニプリ乾×海堂オンリーは)は144、咎狗オンリーは200入れちゃってる。非難されるほどの事?むしろ120を普通という根拠が不明。

>・場内に座り込んでいる一般をスタッフが放置していた。
→スタッフの放置は宜しくないが、一般のマナーが悪かった、という見方もできる。主催だけが一方的に悪いような言い草はちょっと。

>・狭い会場にも関わらず一般の入場制限を行わなかった。( ※他のオンリーでは整理券を用いた入場制限が行われています)
→おいおい全電通全部が入場制限やってるような書き方だなあ。全部が全部そうとは限らないだろうに。


>■2006年6月11日 3回目■(会場/全電通労働会館)
>1・時限販売サークルを容認

これもさっきの話と一緒。時限を悪とは言い切れない。


一通り見てると、問題にするに値しない所、場合によっては言いがかりに近い内容すらある。お前らどこの小姑ですか。
この重箱の隅のつつき方、どうも叩ける所は全て叩いてやれ、みたいなまとめサイト編集者の思惑が見え隠れするような。つい私怨を疑ってしまう、とは流石に言いすぎであろうか?

んな糞細かい所つつく事で、せいぜい主催叩きのネタをアンチに提供するぐらいのメリットしか無い。寧ろ、(1)私怨を疑われる(2)問題提起の焦点がぼやける(3)まとめサイト管理人の見識が疑われる等デメリットは多い。

特に、問題提起の焦点がぼやける事が問題だ。
んな細かい事つつくヒマがあるのなら、コスプレ一点に絞った方が見る人に伝わるのでは無いか。

自分がこのまとめサイトの管理人だったら、こうするだろう。
先ず、野外コスが何故いけないのかを掘り下げて語り、世間、特にコスプレイヤーに呼びかける。野外コスプレ反対同盟だとか同盟を作ってレイヤーのサイトに広める事も出来る。mixiでコミュニティを作っても良い。
また、同時に会場側の対応の曖昧さも問題視する。係員によって異なる曖昧な対応は、借りる側としては危なっかしい。会場側に、明確なルールづくりを求めるよう訴えたい

そして、主催氏にも提言を行うだろう。
第4回目・10月開催の即売会は、現時点でサークル満了の盛況ぶりである事、また、野外コスを主催が行った背景に、コスプレイヤーからの強い要望や不満があった事を踏まえ、以下の提言を行いたい。

・サークル参加数が大変多く、コススペースが屋内会場には用意しにくい。今回のイベントではコスは全面禁止とし、次回以降もう少しキャパの大きい場所を借りて、そこでコススペースをちゃんと用意してはどうか。

という具合に。
今回のまとめサイトで問題なのは、主催の悪い点を上げるだけ上げるのは良いが、改善への提言の無い事である。主催の非を騒ぎ立てるだけだ。

東方シリーズのオンリー「博麗神社例大祭」では、「開催スケジュール改善を求める署名サイト」が(参加サークルの手により)立ち上がった。
例大祭のスケジュールの不備を指摘、同時に、スケジュール改善の為の具体的提案も行った。
最終的に主催はこの要望(提案)を受け入れ、スケジュール変更の英断を下した。
ポイントを一つに絞って訴えを分りやすくした事、提案が具体的だった事が功を奏したと考えられる。

もしこのまとめサイトが、本気で現状の改善を考えるならば、主催の非をあげつらうだけでは無意味である。例大祭の件に習い、ポイントを絞って訴え、具体的かつ判り易い提言を行うべきである。



【東方兎月祭 まとめサイト】

東方兎月祭も、様々な問題を抱えつつ開催を終えたようだ。
イベント開催におけるその問題の悪質さは、Alchemist's Childrenよりも遥かに深刻である。正直、イベントの良い所を探して褒めるのが方針の当ブログも、擁護し切れない域に達しているように思う。
問題点が数多く存在する事も理由の一つなのかもしれないが、このまとめサイトも、当初は2chのスレで上げられた問題点を片っ端から列挙しただけの感情的なサイトに過ぎなかった。

詳細はStylish Private Note様の記事に詳しいが、Alchemist's Children同様の小姑的な内容が多く、私も大いに閉口した。

だが、ここのまとめサイトの良い点は、周囲の意見を取り入れ、随時改善を図っている点である。Stylish Private Note様の突っ込みも参考にされたのだろう。
小姑的列挙は残したままであるが、それでも「イベントまわりの出来事などのまとめです。書いてある内容の全てが「悪い」という訳ではありません。」と断りを入れているので印象は全然違う。

そして、多くの問題を抱えるこの即売会の中で、何処が特に問題であるかを絞り始めた。「早期来場のペナルティ」「カタログ全員購入」についても不満が上がっているものの、それは問題の本質に当らず、と切り捨てている。

・参加条件が2転3転したこと、
・BBSに書かれた参加者の疑問に答えなかったこと、
・重要項目の説明に矛盾が発生していること  等
こういった参加者に不安を抱かせる運営が兎月祭では行われました。


兎月祭の問題点をこの3点に絞って訴えた。
何を訴えたいのか、何が問題なのか、当初に比べ随分分りやすくなっていると思う。
特に、参加条件が如何に二転三転したかについては、別ページを作成、時系列的に経緯を追う事でより掘り下げた記述となっている。

このまとめサイト内で、提言等は特にないが、次回実施するかどうかも定かではないので、提言は難しいかもしれない。
ただ、今後も東方オンリーは続く。敢えて名は伏せるが、兎月祭の二の舞になりかねないオンリーもある。今後控える東方オンリーの運営に警鐘を発する、という方向性でこのまとめサイトの運営に当って頂ければ、今回のような状況の再発防止に繋がるのではなかろうか。

また、兎月祭の主催は、現役サークル活動者と聞く。
今取り巻く出来事に誠実に対応しない限りは、ジャンル内に悪評が広まるのみ。ご自身の東方ジャンルでのサークル活動にも影響するものと考えられる。ご自身の為にも、謝罪するなり疑問点に回答するなり、誠実な応対をお勧めしたい。



【結論】
両イベント(のまとめサイト)に共通する事だが、ただ単に目に余る所を取り上げるだけでは世間に伝わらず、理解もされない。
まとめサイトは、主催を叩く目的サイトではない。結果として叩く事もあろうが、それはあくまで結果ないし過程に過ぎない。まとめサイトは、問題提起を目的とした場である

問題提起の場である以上、皆に広く訴え理解させる事が大切だ。
小姑的に悪い点を列挙するだけでは、ポイントが絞れず理解しにくくなる。
本当に問題となっている所を、ポイントを絞って訴えた方が判り易くて良いだろう。

そして、その問題を解決すべく具体的な提言も行うべきである。提言を行う事で、主催に改善の道筋が示される。 後は主催がその意見を取り入れてくれるかどうかだけ。提言に具体性・実現性があれば、主催もその提言を取り入れよう。

まとめサイトが、単なる主催叩きの場になるか。真に問題提起の場になるか。
それはまとめサイト編集者の力量によるだろうが、少なくともこの私は、問題提起や改善に向けた具体的提言のないサイトは、単なる叩きの場として、批判的に捉えざるを得ないだろう。