9月30日付で、コミケット準備会の米澤代表の退任、並びに新代表として準備会幹部3氏の共同代表就任が発表された。
スタッフ向けには同日開催の拡大集会席上にて発表された模様であり、同時に、一般・サークル向けにはコミックマーケット公式サイト上で発表された。

「米沢嘉博の代表の退任と新しい共同代表の就任について」

大変残念な思いではあるが、米澤氏のこれまでのコミケット運営に係っての功績と労苦に感謝申し上げつつ、同時に労いの意を申し添えたい。
また、米澤氏のご病気が一刻も早い快癒される事を、心より祈念したい。

と同時に思った事であるが、何事においても「世代交代」は必須である。今回思わぬ形で急に交替となったものの、世代交代というのは何時かは避けられぬ道。それが、想定したよりも早くなってしまった、という事であろうか。

とは言え、コミケットは、来場者15万人/日、日本最大の巨大イベントである。
コミケット準備会も、2,500人のボランティアスタッフを擁する巨大な組織である。
このような巨大な組織・イベントの代表に就任する事。これは我々門外漢には到底想像し得ない事なのかもしれないが、恐らく物凄いプレッシャーだった事とお察しする。
3代表各氏の代表受諾の英断に敬意を払うと共に、代表就任に心よりの祝意を申し上げたい。


コミケットの運営指針は、今まで通りという事で特に変更は無い模様である。

コミケットが何故ここまで巨大な規模になったのか。理由は様々挙げられようが、一番大きな理由は、排除の否定。全ての参加者・全ての表現に門戸を開く方針を採った事にあると思う。その中で一般社会との折り合いをつけるべく規制されし事項は存在するが、全ての参加者・表現の受け入れが原則である。
近い所では、今夏のコミケットにおいて少女漫画読者を対象としたイベントが開催され、コミケットの過酷な環境の中で小さい子供が体力的に持つのか、という観点から懸念の声が上がった。拡大集会でもこの点が問われたが、米澤代表は「何でもあり、子供から大人まで誰でも参加できるコミケットでありたい」という旨の回答をされ、幼年層の排除を明確に否定した。
私の個人的な見解かもしれないが、この方針があったからこそ、コミケットはここまで巨大化したと考える。多くの参加者が待ち望む、求心力の高いイベントになり得たのはそれが大きな要因であろう。
取り敢えず、この方針は新代表・新体制の元でも継続・踏襲して頂きたいと願う。

また、準備会スタッフは2,500人を擁し、能力的にも個性的にも際立つものをお持ちの方揃いである。下手な人材バンクなどより余程人材豊富であろう。
スタッフの皆様には、その持てる能力を十二分に活かし、コミケットを、そして新代表各氏を支えて頂きたいと願う。

自分も、サークルないし一般参加の身ではあるが、コミケットを創り上げる人間の一人である事を今以上に自覚し、新代表の下動くコミケットを支えて参りたいと考える。
【追記】
私と米澤代表との接点は、正直殆ど皆無である。
せいぜい、先日の拡大集会の喫煙所で、自分の向こうで煙草を吸われていた方が実は米澤代表だった、って程度に過ぎないw

個人的に米澤代表に関して印象に残っているは、今夏の拡大集会のやり取りなのだが…

質問者「米澤代表はいつもニコニコ、冷静でいらっしゃるが、その秘訣は?」
米澤代表回答(要約)
いつもニコニコした方が皆楽しく過ごせると思う。
 スタッフも一般もサークルも、皆同じ対等な仲間である。同じ仲間同士、一緒にやっていってお互いに理解し合いたい



私はブログ執筆に際し、「サークル・一般・スタッフ間の意識の乖離・ギャップを埋める力になりたい」という目標を持っているが、そういう目標を持っているからこそ共感した、って事なのだろうか。
米澤氏のこのお言葉は、同人世界で出会った言葉の中で、最も深く心に残っている言葉である。そして、今でも思い出し反芻し、考えさせられる言葉である。