10月6日、コミックマーケット準備会の故・米澤嘉博前代表の通夜が「麻布山善福寺」にて営まれ、私も参列させて頂いた。
米澤さんとの直接の面識は、自分には無い。
だが、自分の人生に大きく影響を与えたコミケ。これをここまで引っ張ったのは米澤さんのお力によるもの(無論、一般スタッフのお力も大きいが、やはり組織のトップの貢献は際立って大きいだろう)。
米澤さんとの直接の関わりは無いとしても、やはり自分の人生に影響を与えたお方である事には変わりは無い。
直接の接点の無い事にいささかのためらいを感じるも、やはりここは行くしかない。というか感謝の念を持ちお別れに参じたい、という思いが強まり、参列させて頂く事とした。
本来であれば告別式に参りたい所ではあったが、当日は別の用事が入っており、ならばせめて通夜だけでも、と考え参列に上がった次第である。
当夜、最寄駅の麻布十番から善福寺に向かう。
初めての会場ではあったが、要所要所にスタッフが立っており、迷うことなく会場に赴く事が出来た。誘導の仕方がコミケスタッフのそれと同じノリゆえ、明らかに何処をどう考えてもコミケスタッフの方が誘導役を担ったのだろう。
激しい風雨の中であるにも関わらず、声を出し、判り易い誘導に勤しんだスタッフの皆様の労苦に、この場をお借りして感謝の意を申し上げたい。
と同時に、スタッフ諸氏の頑張りと高いメンタリティ。これこそが、米澤さんが後の人間に遺した財産の一つなのだろう。スタッフ諸氏が一生懸命務めを果たす姿を眺め、私はそう感じた。そして、願わくば、それが更に後の世代に受け継がれることを。

記帳を行い、受付を済ませ、焼香の列に並ぶ。
風雨が益々激しくなる中、参列者は皆文句一つ言わず、スタッフの誘導に整然と従い列を成す姿。正に普段のコミケそのものの姿である。
当日は1千数百人が参列に訪れたとの話だが、これだけ多くの参列者が訪れたにも関わらず、混乱無く粛々と通夜が営まれた事は考えてみれば奇跡である。スタッフの誘導も的確で、かつそれを参列者が礼儀正しく守る。普段のコミケットそのものである。米澤さんが遺したものを、ここでも拝見させて頂いた。
焼香列の最後尾札なるものも用意され……まあ、これも米澤さんが遺したものの一つなのだろうか…。それも含めて、同人とコミケットに生涯を費やした米澤さん「らしい」葬儀なのだろう。


焼香の場に入り、多くの供花に囲まれた米澤さんの遺影を前に、感謝と哀悼の意を思いつつ焼香を済ませる。
その供花の名義も、同人ショップ企業、ゲーム会社企業、即売会スタッフ、即売会主催団体…多岐にわたり同人関係者の名が連なっており、米澤さんの人望と威徳を伺い知ることができた。

お清め所には、米澤さんの漫画評論の著作や、コミケットカタログでも御馴染みDr.モロー氏の米澤さんイラストが飾られており、それを眺めながら故人を偲び、精進落としをさせて頂いた。
Dr.モロー氏の米澤さんが「来てくれてありがとう」なんて語ってくれるが、その米澤さんに「天使の輪」が付いている。ああ、米澤前代表は本当にお亡くなりになられたのだ。急に実感が沸き、和む絵柄のイラストなのに悲しい気分になった。

Dr.モロー氏のイラストは、他にもWEB上では
同人誌生活文化総合研究所」10月6日付の記事でも拝見する事が出来る。
微笑ましくもあり、悲しくも寂しくもある漫画である。

米澤さん、本当に長い間お疲れ様でした。
あちらの世界から、今後のコミケットを見守って下さい…。
そして、安らかにお休み下さい…。


【追記/私的リンク集】

同人誌生活文化総合研究所
・名古屋大須電波ニュース「旅立つ代表
・保坂展人のどこどこ日記
 「コミケ準備会代表、米澤嘉博さんの急逝を悼む」「「ワーキングプア」と格差解消に挑む秋
 *保坂氏は社民党衆議院議員。昨年冬のコミケに一般参加。 
つながるテレビ@ヒューマン
 *10月7日(土)、米澤さんの急逝について報道。
・Stylish Private Note.「米沢嘉博氏葬儀いってまいりました
・奇譚報道blog 「嵐の通夜
・同人ヘッドラインの裏側「コミックマーケット準備会代表 米澤嘉博さんの葬儀が終わる。
・たけくま日記「米澤さん、さようなら