STRIKE HOLE

先ず、当日の様子をお話したい。

元々、秋葉原・損保会館での開催が予定されていたが、開催1週間前という大変急な時期に会場変更がアナウンスされた事、先に申し上げておきたい。
会場の【変更】は、【会場のキャンセル】＋【会場新規手配】と同義であり、本来、会場のキャンセル同様にご法度である。どうしても会場を変更せねばならない場合は、会場前に人を置き、会場が変更になった旨アナウンスをするのが最低限のマナーである。（更に言えば新会場への交通費も、主催側で負担するのが本来、道義であろう）

当日、時間が余ったので、先ずは元会場の損保会館に顔を出した。
損保会館の５階は既に他のイベントが入っており、そこのスタッフさんより「ケロロは文具に会場変更になった」とアナウンスを受ける。
一応、ケロロオンリーのスタッフらしき方が「ケロロオンリーは会場変更になりました」と案内板を立てていたようだ。
その方ともお話して、今日間違いなく文具で開催されるという点、念を押して確認した。

この段階では、こう思った。

数は少ないかもしれないが、何サークルか参加するだろう。
良さげな同人誌でも売ってたら、２〜３買っておこう。
何サークル参加するか分らないが、閑散たる状況は間違いない。サークルも早めに撤退しそうだし、サークルが撤収しない内に本を買っておこう…。

そう思いつつ、会場の文具共和会館に向かった。

浅草橋の文具会館に到着。1階ではホイッスルのオンリーが開催されており大盛況。作品の連載も終わったのに熱気が凄いなあ、と感心しつつエレベーターで5階へ。
5階に到着し、会場の会議室に足を運ぶと、そこには想像を絶する光景…いや、ある意味予想通りの光景なのかもしれないが…とにかくとんでもない光景が眼前に飛び込んだ。

いや、何と言うか・・・・

本　部　に　主　催　が　1　人　座　っ　て　い　る　だ　け　で　し　た


サークル机も、一般参加者も、サークル参加者も、コスプレイヤーも。
およそ同人誌即売会を構成すべき全てのものが、存在していなかった。
主催が一人、ぽつんと座っていた。

これはどういうことか。主催に事情を伺うと、こういうお返事が。

花羅「損保会館から文具に変更というアナウンスを受けてこちらに来たのですが…」
主催「元々開催する予定だったが、サークルもレイヤーも前日までに皆キャンセルの申し入れをされ、開催を中止する事にしました。本当に申し訳ありません」
花羅「ＷＥＢサイトにはそんな話は掲載されてませんが…」
主催「本当に申し訳ありません」
花羅「元々、何サークルぐらい、レイヤーさんは何人ぐらい参加予定でしたか？」
主催「サークルは５〜６サークル、レイヤーも５〜６人ぐらいだったと…」

もし開催されていたとしても、非常に寂しいイベントになっていた事は間違い無さそうだ。

ケロロ軍曹オンリーは案外人気がある。アニメも第3期に突入しており、当分人気は継続される事だろう。昨年5月・今年2月と2回都内で開催されたオンリー「とびだせケロン」は、募集100spをほぼ満了している。
大阪で今秋開催された「MyLittleLover」は、10サークルを集めアットホームな雰囲気で開催されたようだ。数は少ないが、ケロロ軍曹の中でもノーマルカップリングオンリー、かつ東京以外の箇所での開催、とサークル参加に高いハードルである事を考えると、健闘したと思う。
来年2月開催予定の「ケロロマーケット」は、サークルの協力も得つつ順調に準備を進めている。順調にいけば50〜100sp集まって盛り上がるだろうと期待している。

こういった状況を考えると、今日開催の「地球☆侵略〜1st IMPACT〜」、一桁のサークル参加というのは、非常に寂しく、かつお寒い状況である。
（余談ではあるが、せっかく足を運んだのだから、と主催氏より頂いた配置図が手元にある。これを見ると、サークルスペースは４つしかない。４サークルの申込か…こうなってしまうと、開催する事自体、非常に厳しいものがある）

何故、それなりに人気のあるこのジャンルで、このような事態を招いたか。
今回のような悲しい事態が、他のイベントで再発しないためにも、少し原因を分析してみたい。


１．申込書（チラシ）配布量の絶対的な少なさ

というか原因の8割はここに集約されるであろう。
そもそも、コミケで当該ジャンルにチラシが配布されていた形跡が無い。自分のサークルで配布されていたようだが、それも【他ジャンル】である。
シティですら殆ど配っていないようで、こちらで確認できた配布イベントは【宇都宮のコミックライブ】ぐらいである。
オンリーでのチラシ配布も本来有効な手立てだが、10月のオンリーでも配布されていたという話は聞かない。
アニメイトや池袋のまんだらけ・Ｋ−ＢＯＯＫＳ等女性向けのショップでも、全く配布が無い模様だ。
他オンリーのように、他のサークルさんによる配布協力も無かったようだ。

大規模イベント、オンリー、他サークル経由、ショップ…。告知すべき殆ど全ての媒体での告知が無い。
…こんな告知状況でサークルを集める事自体、そもそも無茶です。本当にありがとうございました。
サークル参加しようにも、申込書の入手が出来ません。


２．オンライン告知・疑問の残る不親切な案内

既に１の段階でもう【終了】なのだが、オンラインの告知内容も明らかに酷い。
申込書が入手できなくとも、ＷＥＢより申込書をダウンロード出来れば申し込みは出来る。
だが、告知サイトは携帯サイト。そこまでの機能は無い。

当該告知サイト内に、チラシ配布箇所に関するＱ＆Ａがある。
首を傾げるのが、チラシ配布箇所に関する主催側からの案内である。

＞チラシは、宇都宮、東京都内のお店に置いて頂いてます。
＞各店舗より、店名をHP上に掲載しないで下さいといわれておりますので、詳しい店舗名は、メールにてお問い合わせ下さい。

同人ショップが皆揃いも揃って「店名出すな」と言ったなんて考えられない。店名を出しても各店舗にデメリットは無い筈だが…
そもそも、何処のイベントだって、配布店舗は普通に公開している。

一応「申込書はメールで請求してください」とか「店舗名は問い合わせ下さい」とか書いてあるが、メールアドレスが記載されていない。
そもそも、たかが申込書1枚を入手するのに、いちいち何で主催に問い合わせないといかんのか。単に面倒なだけだ。どうしてそこまでの手間暇が必要なのか、甚だ疑問である。



３．オンライン対応のお粗末さ

そもそも、このオンラインの告知ページ、5月に開催が決定して以来殆ど更新されていない。
２〜３ヶ月更新されていない時すらあるし、掲示板でのせっかくの問い合わせも放置している。
…いや、放置するどころか削除している時すらある。
こんな状態で、サークルの信頼を集め、サークル参加に結びつける事が果たして可能であろうか？


結論言うと、主催として本来するべき事を一切放棄していた事。これが今回のオンリーの惨状の原因であろう。
サークルからの問い合わせを無視する。コミケやシティ等の大規模イベント、同好の士が集まり告知効果の高いオンリーイベント。こういった、本来絶対外してはならない告知箇所での配布を怠る。サイトでの告知もなっていない。
全て、主催として本来するべき事、して当たり前の事である。それが一つたりとも出来ていない。ここまで無為無策なイベントは、短い同人人生ではあるがお目にかかった事が無い。

私は、イベントの光る点を積極的に取り上げ紹介する、というスタンスでブログを執筆している。
だが、冒頭でも述べたように、「出来て当たり前」の事が出来ないイベントは、例え好きなジャンルであったも擁護も賞賛もしない。取り上げる事も当然無い。
「地球☆侵略〜1st IMPACT〜」については、実は1ヶ月以上前からサイトを拝見していた。好きなジャンルだし、興味はある。しかし、サイトを拝見した限り、残念ながら「出来て当たり前の事が出来ないイベント」と判断せざるを得なかった。
「私的注目イベント」からも外したのも、それが理由である。

今回のような事態、心ある主催の下ならば決して起こり得ない事態ではある。
だが、この出来事が、イベントに携わる全ての皆様への反面教師になる事を願い、本日敢えて取り上げさせていただいた次第である。


【追記その１】
今、過去の掲示板ログを確認しているが、ログを拝見する限りでは「参加サークルに参加要綱が送られていない」模様である。
主催氏の話だと「サークルより参加キャンセルの申し出があった」との事だが…？
これはどういう事なのだろう。


【追記その２】
よく考えてみたら、秋葉原の損保会館では「オンリーは開催する」って話だったような。中止なら、損保の段階で中止と案内するべき。
損保経由の参加者には、二度の無駄足を踏ませた事になる。
更に宜しくない状況である。