「伺か」というジャンルがある。
正確には、「伺か」はデスクトップ上で起動するマスコットキャラクターの事であり、これを用いた二次創作が、伺かジャンルである。

11月3日に開催された伺かオンリー「伺かEXPO@東京」には、このオンリーの主催氏が、お世話になっているStylish Private Note.さんという事もあり、スタッフとしてお手伝い、参加させていただいた。
(てか、あれだけブログ上で人がいねえだなんだの叫んでいたのを見てしまった以上、手伝わないわけにはいかんでしょうw)

イベントスタッフを務めるなんて事は、およそ1年ぶりの事であり、正直「手際」と言う点では他の参加者の方にご迷惑をお掛けしたかもしれない。
だが、今回のスタッフ手伝いを通じて「伺か」ジャンルに触れる中で、「伺か」と言うジャンルに大いに興味を持った。伺か」は、他のジャンルに無い稀有な特徴を持っている。
今回は、それについて語ってみたい。
伺かジャンルの一番大きな特徴として挙げられるのは、地方都市での開催が多い事。
東京でのオンリーも年1〜2回ベースで開催されるが、東京以外の都市でも年1〜2回は開催される

「男性向け」「オンリー」と言えば通常、東京都内で行われるのが通例である。
時々関西で開催される事もあるが、数は余り多くない。
東京・関西以外で開催されるオンリーとなると、皆無と言っても過言では無い。
また、仮に(東京・関西以外で)オンリーが開催されたとしても、10サークル集まれば御の字の世界であろう。

しかし、伺かジャンルは違う。
他のジャンルでは考えられない話だが、このジャンルは、何故か地方都市での開催が非常に多い。
例えば今年5月には仙台で「奥の伺道」が開催。30サークル近くを集め大盛況であった。
ケットコムには掲載されていない模様だが、Stylish Private Note.さんのお話では、福岡でも伺かオンリーが開催されたらしく、この時も20サークル来ていたらしい。
昨年10月・名古屋開催「伺かExpo2005 nyagoya 〜愛・うにゅう博〜」は、大阪コミコミ・名古屋コミックライブとバッティングする厳しい日程であるにも拘らず30数サークルを集めた。
過去には、鳥取県倉吉市さいたま市大宮でも開催された。

一般常識では考えられない世界だが、この「伺か」というジャンルは、東京で開催しようが全国何処で開催しようが一定数のサークルが参加する
サークルの面子も、ほぼ不変らしい。
いや、一般参加の面子も、夜行バスでの遠征組も多く、Stylish Private Note.さん曰く「何処の会場でも必ず同じ面子を見かける」との事。
ジャンル内での団結力が、非常に高いジャンルである、と言えようか。

もう1つ伺かジャンルで特筆すべき点としては、全国各地で開催されるイベント、殆どがサークルさんの立ち上げである事。
女性向けでサークルが主催をするのは当たり前の事だが、男性向けジャンルでは余り考えられない。
通常男性向けでは、経験豊富でノウハウもスキルも高い、セミプロクラスのイベンターが主催を務める。
伺かはイベンター主催が少なく、逆にサークル主催が多い。伺かは男性向けのジャンルだが、こういった点に女性向けと似た特質を見出す事ができる。


ジャンル内の団結力が強いと先述したが、それは言い方悪いが縄張り意識の強さと表裏一体である。外からの来襲に、サークルが戸惑った事もあり得ると思う。
伺かジャンルへの外部団体の進出は、大きな困難が伴いそうだ。

「縄張り意識」というと余り宜しくない言い方だが、逆に言うと、「伺か」ジャンルが一種の【コミニュティ】となっており、そのコミュニティに対するサークル・一般の帰属意識、忠誠心(ロイヤリティ)は非常に高いものである、とも言える。

準備中、サークル入場開始より随分前にサークルさんが現れる。やたら早いお出ましだな、と思っていたら「お手伝いに来たよ」との事。主催者的には非常に有り難いお申し出である。
他にも、何人ものサークルさんから手伝いを申し出てくれた事もあり、主催氏は「人がいねえよグダグダだよ」とか叫んでいたにもかかわらず(笑)、特に大きな混乱も無く準備を進められた。
主催的には非常に有り難い状況だが、同時に、このジャンルの団結力の高さ、ロイヤリティの高さを改めて強く認識した。

一般参加者も、ジャンルへの帰属意識やロイヤリティが強い。
お客意識の方は殆ど見受けられなかった。一般参加者も同じジャンル好きの「仲間」という感じで、一般とサークルの間の垣根も低いようにお見受けした。
サークルと一般の間の垣根が高いイベントが多い中、この垣根の低さは新鮮に映った。

という具合に、「伺か」の特殊性、帰属意識ヤロイヤリティの高さ。
そういった点を長々解説してきたが、不安点は若干ある。

このような縄張り意識の強い(言い方悪くて申し訳無い…)コミュニティが内部崩壊する危険性が、一つだけ存在する。

それは、【内ゲバ】である。

「伺か」と同じようにネットキャラクター系のジャンルで「2ちゃんねる」ジャンルがある。
男性向け、ネットキャラ系、地方でのオンリー開催が多い、コミュニティ内での団結力・帰属意識の強さ。伺かとの類似性は強かった。
…と過去形なのだが、それは前述した【コミュニティ内での団結力・帰属意識の強さ】が過去のものであるからだ。
このジャンルは、都内でのオンリーは3年前の春の開催を最後に、以後一切開催されなくなった。それまで、半年〜1年に1回ペースで定期的に開催されていたにも関わらず、である。
地方での開催も、しぶとく福岡が生き残ったが、今年春の開催が最後となった。
その理由は様々だが、最も大きな理由は、内部の人間(サークルか元スタッフ?)の主催叩きが突然執拗にかつ激しくなり、嫌気がさして誰も主催の成り手が居なくなったという点だろう。

詳細は省くが、ここで押さえておきたいのは、ジャンル内の内ゲバで崩壊したジャンルがある、という事実。
伺かはサークルも一般もスタッフも皆仲が良く、こういった情けない事態は起きないとは思うが、万が一、という事もある。そこだけは充分気をつけて頂きたい。
そこさえ注意が払えれば、伺かは、10年15年と末永く続く息の長いジャンルとなるだろう。Stylish Private Note.さん10年伺かオンリーが続けば良い、と仰っていたが、それも決して夢ではないと思う。