最近、某匿名掲示板で何かと話題の「和歌山」。
和歌山の同人事情については以前より気にはなってはいたのだが、トレジャーと同日の1月21日、和歌山でオールジャンル即売会が2つ開催された。
無理すればトレとの梯子も何とか出来るし、何よりも、2chの本当か嘘か訳分からん情報に頼らず(2chの話は聞こえないふりしてます)、自分自身の眼で和歌山の同人世界を確かめたかった、という思いがあり、トレと和歌山とを梯子する事にした。

1月21日に開催された即売会は、【comic-exL】と【COMI☆CAN】の2つ。
(以下、「エクセル」「コミカン」と表記する)
どちらもオールジャンルの即売会であり、エクセルはJR和歌山駅前の「JA会館」にて、コミカンはJR和歌山よりバス5分、「ビッグ愛」という多目的コンベンションホールにて開催された。
自分の見聞きした限られた範囲ではあるが、この両イベントを軸に、和歌山の同人事情を語りたい。
【和歌山の基本知識】
・かつて「コミックライブ」が定期的に開催されていたが、少し前に撤退。
「comic-exL」⇒3年前から勃興。月1回ベースで開催、毎回30〜40spを集める。地方即売会らしく、ラミカ・便箋・ポストカード&コスプレが多く、同人誌は少なめ、あってもコピ本中心。和歌山最大手のポジション。WEBサイトは無い。また、同人ショップ「ex-L shop」を和歌山駅徒歩4分の立地で構えており、エクセルの申込先もショップ内となっている。
・「candy pop」⇒コスプレイベントを主催、和歌山マリーナシティ内のテーマパーク「ポルトヨーロッパ」や、和歌山ビッグ愛、和歌山県民文化会館などが会場。
・「travel YUTTY」⇒地方即売会の低迷、地元の低迷に思う所あり、有志で立ち上げた新興即売会。当初より5回限定での開催を予定しており、2007年4月の第5回目にて終了を予定。エクセルと同じJA会館を利用。
・「COMI☆CAN」⇒YUTTY同様、地方即売会の低迷に思う所あって立ち上がった新興即売会。昨年12月が初回、以後月1ベースの開催。2ちゃんねるの同人イベント板発祥。
・他、御坊・紀伊田辺等の地域でも個人主催による即売会が開催されている。詳細は、和歌山即売会紹介サイト「サニーロード」様が詳しい。

・和歌山市内の同人誌即売会で言うなら、今はエクセル、コミカン、YUTTYの3つが存在。但し、YUTTYは本年3月で終了の為、それ以後はエクセルとコミカンの2つが残る事になる。



【travel YUTTY】
 和歌山を訪れた1月21日は、YUTTY主催の即売会は無かったが、YUTTYについても簡単に感想を申し上げたい。あくまでサイトを見ての印象を語るに過ぎず、実際に参加した事も無いので余り多くを語れないのだが…。
 話を聞く限りは、毎回30〜40sp、エクセル並みには集まっている模様。和歌山市内の店舗ではチラシを見かけないが、エクセルで広告を載せて貰う等、地元に根ざした告知展開を行なっている。

 しかし、2chの和歌山スレは最早理解不能な思考回路なのだが…「エクセルにYUTTYが広告をのっけた。YUTTYはエクセルに買収されたに違いない!」とかいう書き込みがあり、エクセルに真偽と釈明を求める問い合わせが届いたようだ。広告のっけただけで買収扱いされるのなら、コミックマーケットやコミックシティは全国3桁以上の即売会を買収している事になるw
 …こんな抱腹絶倒、噴飯脱糞ものの馬鹿な話、相手にする必要も無いのだが、YUTTYは良く言えば誠実、悪く言えば馬鹿正直な対応を取った。特設ページをつくり、応対に当たったようだ。阿呆どもの相手、本当にお疲れ様でした、と申し上げておきたい。



【エクセル】
和歌山で3年前から月イチベースでの開催を行なっている同人誌即売会。ライブ撤退後の穴を埋め、よく頑張っている即売会だと思う。和歌山駅そばのJA会館を定期的に押さえられる点はアドバンテージだろう。
毎回、40sp前後を集め、今回も同水準で推移した。
ただ、地方の即売会の典型で、ポスカ・ラミカ・便箋・コスプレ祭りの様相を呈している。良くも悪くも、撤退したコミックライブの路線を踏襲ているような気がする。

告知展開について特筆すべきは、大阪府内の店舗(アニメイト天王寺店他、幾つかの店舗でエクセルのチラシを確認済み)、大阪コミックシティ等、県外での告知にも熱心な事。

ただ、公式WEBを持っていないのは頂けない。
WEBが告知に果たす役割は大きく、WEBはチラシと並び、イベントの「顔」である。それが無い為、ケットコム等イベントサーチにも引っかからず、イベント告知の足を引っ張っている。県外告知に熱心なのは良いが、その熱心さをWEBに振り向けて欲しいもの。
系列店舗の同人ショップ「ex-Lshop」もそうだが、WEBが無いのは今のご時世致命的かと。ショップ的にも、取り扱いの委託同人誌を通販できる等、メリットは充分ある。
何とかして公式WEBを構築し、概要案内や申込用紙ダウンロード等、参加者への案内を充実して頂きたいと思う。その方が、参加者への親切になるし。そして、エクセル側のショップ取り扱い商品の増販・即売会のサークル数の増加等、メリットに繋がる。

また、パンフ内の読み物(club-exL)が、この規模の即売会としては類を見ない充実ぶりである点は特筆に価する。星占い、投稿コーナー、コスプレコンテストヘ受賞者へのインタビュー、連載漫画…内容盛りだくさん、実に20ページ以上に及ぶ充実した内容は、全国回って見てみても、何処の即売会でお目にかかれない充実ぶりだ。
但し、惜しむらくは印刷が粗い事。せっかくのイラストや写真も、粒子の粗い印刷であるがゆに見栄えが悪く、字もつぶれて読みにくい。何処の印刷会社を使っているかや知らないが、同料金でもっと高品質の印刷をしてくれる所は沢山ある。せっかくの記事やイラストが、印刷で台無しになってしまうのが勿体無い。
また、内容はあくまで中高生女子向けであり、大学生・社会人以上の年齢層にはとっつきにくい部分もある。一般・サークル参加層も中高生向けであり、大学生以上の年長者が参加するには厳しそうだ。

和歌山の現状の即売会に不満を感じる層は、年長者の方中心に結構の数がいるようだが、その理由の一つとして、このような地元即売会の対象年齢層との世代間ギャップがあるのだろうと推測する。
これが、大阪シティやコミックマーケット等、より年齢層の高い即売会に流れている一因となっていよう。また、YUTTYやコミカンなり、新規即売会立ち上げのパワーの源になっているとも思う。


と、ここまで書いた所で、長くなってきたので一旦終了させて頂きたい。
次回は、昨年12月に立ち上がった新興即売会「COMI☆CAN」について、そして和歌山の今後の同人世界の発展について、少し長めに語らせて頂きたいと思う。