本年4月8日、福岡市・都久志会館にて開催、NPO法人ProjectArbalest主催のオールジャンル同人誌即売会「tenjin.be」にサークル参加させて頂いた。
今回は、tenjin.beについての雑感を申し上げたい。

#さて、今頃4月8日の即売会のレポやっているのも正直如何なものかとw
#この後にはサンクリ、COMIC1、GW即売会、コミティアとレポートすべき内容が盛り沢山です。…当分、書くネタには困らないですね。
【参考/tenjin.be及びProjectArbalestに関する当ブログの過去の評論】
2006年1月15日付「NPO法人 ProjectArbalestの挑戦
2006年1月17日付「あるばれすと 今後の活動展望
2007年1月3日付「2007年に注目する地方発同人誌即売会

先ず、結論を申し上げると、今回のtenjin.beは「成功」であったと位置付けられる。
その理由としては、直接参加54spと即売会としての体を成せる一定水準の数字をたたき出した事もあるが、それ以上に主催者の「狙い」がしっかり満たされた部分にある。
私が昨年1月17日付で著した「あるばれすと 今後の活動展望」の中で、私と主催氏本人とのやり取りがあるので抜粋させて頂きたい。

花「活動方針には賛同できる。イベントを開くのもまあ良いでしょう。
 じゃ、イベント開いてどうしたいの?何をしたいの?そういう理念的なものが見えて来ないのですが」
あ「九州の即売会は東京に比べてレベルが低く、高いレベルを求め東京や大阪に流れる傾向はある。地元のイベントに地元の人が参加してくれない傾向もある。
 売り手がクオリティの高いものを出し、買い手が求めるクオリティの高さを満たす。(東京のような)質の高い即売会を開き、都心に流れた地元の人の目を地元に向けて貰えるようにしたい」


来場サークルは、STRIKE HOLEとかいう下品なクオリティだけが高いサークルを除き、全般的にクオリティの高い作品を出すサークルさんが多かった、と思う。
地方即売会御馴染みのラミカは全く見かけず、サークルさんの大半はオフセットできっちり刷った同人誌を用意された。
サークルさんを見ても、「REI’S ROOM」さんは、同日開催「なのはFestival」で出した物と同じ新刊を用意してくれた。プラステ主催・福岡男性向けオールジャンル「博多プリンセスフェスタ2007秋」でチラシイラストを描かれた「悶亭」さんの本もクオリティが高かった。女性向けでは、創作ジャンルに良本が多かった。

全般的に高いクオリティだったが、年齢層の高さがその要因だろう。
(高年齢層は、過去の豊富な経験から、ピコサークルでも、ある程度の水準の作品を生み出す傾向にある)
年齢層は、ぱっと見の印象で恐縮だが、平均年齢20代半ばぐらい。若くても20代前半、10代の参加者は皆無と言っても過言でない。既存の即売会に比べ年齢層が非常に高く、その分濃厚な雰囲気、大人の雰囲気で同人誌を介した交流が出来たと思う。
良く言えば「大人の即売会」と言った所か。


コスプレも、サークル参加者のみに制限したが、これも上手く回って行ったと思う。この制限策は、結果的に成功であった。
福岡はコスの盛んな土地柄だ。コスプレイヤー無しでは同人誌即売会か成立し得ない程にコス人口が多いぐらいだ。福岡最大規模の即売会は「コミックシティ」だが、シティでさえも、福岡に限ってはコスプレを容認している。
その一方で、サークル参加者的には、コスばかり盛り上がり、同人誌が二の次になりかねない現状に不満を持つ傾向にある。コスと同人誌(サークル)のバランスが、福岡はコス圧倒的優勢に傾いている

だからこそなのだろう、tenjin.beは、そこで敢えて一般参加者のコスを禁じた。
これによりもたらされたメリットは、以下の2点である。

1.無尽蔵なコスの流入に歯止めを掛け、サークルが参加し易い環境に
→ 地方、特にコスの盛んな土地柄の地域では、放っておくとコス比率が高くなりすぎ、サークルの肩身も狭くなる。福岡なら尚更の事。

2.参加者の高年齢化
→ 主催者の意図の有無に関わらず、この施策は、コス好きの若年層の参加を難しくした。一方、ベテランの同人者は、コス無しでも普通に参加する。結果、参加者の年齢は高くなる。
tenjin.beは年齢層が高い、と申し上げたが、一般来場者のコスプレ禁止にその原因(の1つ)を求められる。

とは言え、あくまで「一般参加者」のコスプレを禁じただけであり、コスプレが無くなったわけではない。
事実、サークル参加者でコスプレをされる皆さんもいらっしゃった。私が印象に残ったのは、前述REI’S ROOMさん所から出されていた着ぐるみコス。場の雰囲気に彩りを添えた。

一般参加者のコスプレを制限する事により、かと言ってサークル側のコスは制限を加えず、即売会に彩りを添えつつも「同人誌即売会」としての立ち位置を崩さず。tenjin.beは、コス・サークル間のバランスが絶妙であったと感じた。

来場者は主催者発表で190名程度(サークル・一般合わせて)。
この規模の福岡の即売会で、コスプレ無しというのを考えると悪くない数字だろう。殺伐さと無縁、終始まったりムードで、同じ地方開催のオールジャンル(正確には本オンリー、ここも年齢層高め)北陸本専に近い雰囲気だった。本専より一般来場者が気持ち多い位だろうか。
所詮地方即売会、売り上げ的には大した事は無いので、売り上げを求めるサークルには向かない即売会だろう。しかし、周辺サークルとの交流も図れ、本もそこそこ手に取って頂ける客層だし、売り上げにガツガツしないサークルさんなら満足度は比較的高かったように思う。その当たりも本専と似ているような気がする。
(ただ、男性向けジャンルと女性向けジャンルのサークル参加数が7:3ぐらい。女性向けジャンルの方だと逆に厳しいかもしれない)


また、tenjin.beの前身「あるばれすと」「らぐけっと」時代からの伝統であったようだが、「事前合宿」「事後打ち上げ」の企画にも注目だ。

事前合宿に付いては、tenjin.beの中でも詳しく触れられておらず、初めて参加する人には分り辛いが、要は一般・サークル・スタッフ誰でも参加OKのお泊り会みたいなものだ。
(マジに一度参加した人間じゃないとわかり辛くイメージが付きにくい。即売会の席上でも合宿担当氏に申し上げたが、あなた方常連はイメージが付いていようが、一見にはイメージが付かず、参加を躊躇うであろう。どういう事やっているのか、前回のレポートでも良いからWEBに上げた方が分りやすい。コミックトレジャーの打ち上げ宴会レポみたいに楽しく紹介できれば面白い)

夜8時から約1時間かけて顔合わせ・自己紹介。その後は参加者ごとに幾つかのグループに別れ、夜の天神の街で一杯やったり、屋台ラーメンに走ったり、持込のTVゲームで遊んだり、持ち込みのアニメを観たり。濃いヲタ諸君なら結構ご満足頂けるコンテンツが揃っていようか。

事後の打ち上げは、まあぶっちゃけ八兵衛の部屋様もおっしゃられているが、トレジャーのパクリと言えばパクリなのだが…一般・サークル・主催の垣根を越えての交流という事で、そこはトレジャーと似通っていると思う。
トレジャーとの違いは、打ち上げ参加率。今回打ち上げに集まった人数は約30人。トレの半分の規模だが、冷静に考えるとサークル規模ではトレの20分の1である。
・・・参加率、恐ろしいまでの高さなんですけど。
濃ゆい話で盛り上がり、あっという間に3時間が経過した。八兵衛の部屋様が、「ある意味トレ以上」と評されるのも至極ごもっともな話である。

という訳で、tenjin.beに参加される皆様には、是非事前合宿と事後打ち上げにもご参加頂けることをお勧めしたい。これに参加すれば、仲間も増える。tenjin.beを倍お楽しみ頂けることであろう(特に遠征組はお勧め、宿もあるしw)

という訳で、次回tenjin.beは7月開催。10月には「本オンリー」も予定されており、今後が楽しみな即売会と言える。
無論、課題も山積みだが、そこについては色々語る事が多いので、項を改めて別途申し上げたい。


【参考リンク】
八兵衛の部屋」様「日記」より
→tenjin.be報告レポ有り。トレジャーと比較しての感想が面白い…というか激しくワロタ
D-stand」様「tenjin.be #01レポート
→当日、我がスペースのお隣な上、献本と称してお下劣なタイトルの評論本を無理矢理押し付けられた、不幸の星の下に生まれたっぽいサークルさん。済みません当日はご迷惑をお掛け致しました…m(_)m
九州男性向け同人を応援するサイト
→九州在住の男性向け同人サークル「悶亭」様主宰。悶亭様もtenjin.beにサークル参加された。