STRIKE HOLEの評論スタンス…というか情報の取り扱い方について。

不確定な情報を基に論じても、前提条件が誤っているが故、論の方向性が明後日の方向に行き、不的確な評論になってしまう。
情報の確度を見定め、正しい情報を元に論じなければならない。


当ブログ・Profile欄にて、当ブログの情報の取り扱い方について、以下の通りご案内している。

>評論の基となる情報については、即売会公式サイト等の一次情報とか、二次情報だったら信頼できる評論サイトとかブログとか、それなりに信頼性高そうな所のみで選別しております。2ch情報は基本的に聞いてない事にしちゃってますw

一次情報は、伝聞等では無く、情報源から直接発信されている情報。オンリーイベントの主催者から発信される、即売会に関するアナウンス等は、まさにその好例だ。
二次情報は、一次情報発信者からの伝聞情報である。市井のブログが情報元となっている情報は、2次以降の伝聞情報に当たる。伝聞である以上、そこには取り次いだ人間の主観、バイアスがかかっている。素性の知れ、信頼感のある人間が取り次いだ情報でないと、信頼しにくい。
三次情報は二次情報発信者からの更にまた伝聞。歴史学では、三次以降の情報は相当信頼性が乏しく、史料としての価値が薄い。歴史学の世界で言う「史料批判」(*1)を相当厳しく行わないと信頼性に欠ける。

*1 史料批判 … ものすごい平たく言えば、伝聞者や発信者に関る背景や、伝聞者・発信者の主観を斟酌した上で事実関係を考察する事。3次情報になると1回目の伝聞取次者・2回目の伝聞取次者両方を考察しないと真実には迫り辛い。
 3次になると、仮に発信元(=2回目の伝聞取次者)が信頼に足る人物であったとしても、その前の伝聞取次者の信頼性が無いと、その情報の確度が定まらない。3次情報以降が、確度の高い情報として顧みられることが皆無なのは、そこに理由があろう。


STRIKE HOLEでは、二次以降の情報は、基本的に「人を見て」その情報の確度を、信頼性を判断する
ぶっちゃけ申せば「同人誌生活文化総合研究所」様のような同人世界に精通された識者の語る記事とか、ブログ系なら、「よつばの。」様や「@++」様のようにしっかり事実関係を精査した上で記事を書かれている所とか。そういう所が発信した情報じゃないと、何処まで信頼できるかが測りかねる。

一方、私は「2ch情報は基本的に聞いてない事にしちゃってますw」と2ch情報を意図的にスルーする旨宣言している。これは発信元が匿名で特定できず、更に何次の情報かも判らない(少なくとも2次以上である事は間違いないがw)からだ。史料批判すらも出来ず、信頼性を測る事すらも難しい。
2ch情報を徹底スルーするのは、そこに理由がある。


確かに、一連の都産貿騒動に関しても、2ch情報の中には事実っぽい情報も多い。
後々、他の信頼できるソースと照らし合わせ検証して、2ch情報が事実と判明したケースも多い。
だが、その情報が初めて2chに出てきた時、その真偽を確定する術は無い。


@++様は12月12日付「12/12 都の成人向け表現規制問題は何だったのか 一応のまとめ 」の中で、こう仰られている。

>私を含め、外部にいる人間にとっては、関係者から出てくる情報が全てなのです。常にイベント側に踊らされている立場であり、私の対応が不満なら私を上手く躍らせればいいだけなのです。

既存情報のみで論じる事に対して批判的な向きへの反論だが、全くの正論である。当然の見識だろう。
(@++様の記事ではこのコメント欄にも同種の内容が書いてある)

というか、既存情報以外の何を材料として論じろと言うのか。まさか2ch情報を信じて論じろ、とでも?www
信頼できる情報を基に論じるのは、論じるに当たっての「基本中の基本」だと思うのだが。


スタッフなり主催なりサークルなりから、電話・メール・飲み会での会話等の中で、諸々情報を得ることもある。
同人世界に深く入り込んだ事情通の方から情報をいただくケースもある。情報元の人間の信頼性が高い事もあり、確度の高い情報と判断できるが、これを当ブログで掲載する事は無い。
それを掲載した段階で、私自身が情報の発信元になる。そしてその情報は、情報元がもたらした伝聞情報を私が取り次いで発信した「三次情報」となる。「又聞きの更にまた又聞き」という部分、そして発信者としての「STRIKE HOLE」の信頼性の部分。私が情報を発信しても、何処まで信頼を得られるか怪しい、と考えるからだ。

また、この手の情報は、(2chを除く)市井に出回っていない以上、「オフレコ」なケースも多い。
オフレコ破りになるのも仁義としてアレなので、他のサイトで1次情報・2次情報として出た段階でオフレコが解けたものと見做し、自分も解禁する、って方向で考えている。


長々と申し上げたが、以上が「STRIKE HOLE」における情報取り扱い方のスタンス、およびその理由である。
で、私が何を言いたいかというと…今月、「マンガ論争勃発」(永山薫・昼間たかし著、2007年12月刊、マイクロマガジン社)が刊行された。海外におけるマンガ・アニメの普及事情や、同人誌に関する一連の表現問題、著作権問題に関る事情を、「広く薄く」取り上げた本である。現在同人誌周辺を取り巻く環境について、問題点や論点が整理されており、現状理解に役立つ良書である。

この本の中で、これまで市井のブログや情報サイト等では取り扱われていなかった内容の情報も、色々明かされている
自分が伝聞で把握していた情報で、これまで他に1次・2次情報の記事が無かったが故にブログ上で書けなかった事も、この本が出て公にされたお陰で、ブログでも取り上げ易くなった情報が色々ある。

例えば、同書134ページには、一連の都産貿騒動の発端は、同人誌では無く「エアガン」だった。即売会ではないが、都産貿開催のミリタリーイベントで中学生にエアガンを販売した事が問題視され、7月開催のイベントは中止に至った。そのついでで、都産貿開催のイベントを色々調べていった結果、アブノーマルカーニバルに会場を貸さないだの即売会への風当たりが強まっていった旨、記載されている。
決して、モリモト何とかとかいう人間の通報が発端な訳では無い

(そんなんで問題視されるんなら、モリモト某以外の人が通報しても同じ結果でしょ?モリモト某が動く遥か前に問題視されると思うのだが)

実はその話、今年11月上旬位、色々小耳に挟んではいた。
ただ、先述したSTRIKE HOLE的情報取り扱いのポリシーから、黙っていた部分である。この話、まだオフレコかもしれないし、って部分も黙っていた理由の一つである。
この本が出た以上、もうオフレコ解禁だろう、って判断で書かせて頂いた。

この本についても色々書きたい事もあるし、或いは一連の都産貿騒動についても、もう少し「書ける」内容が出てきたのだが、それは別途稿を改めて記したい。

ただ、自分自身、現在コミケを控え大変忙しい。
何所まで書けるか分からない(というかこれが今年最後の記事になる可能性もある)が、その点はご理解頂いて、皆様には気軽にお待ちいただきたいと願う。