今日の記事は、話題の「夢彗星」とは直接の関連性は無い。
九州最大の同人誌即売会(であった※1)「COMIC NETWORK」への参加レポートを記させていただく。
この即売会は、関東の洗練されたオンリーイベントはもとより、他の地方都市の即売会と比べても、明らかに「雑」な運営の目立つ即売会であり、過去私は幾度となく苦言を呈したものである。

そして不幸な事に、この即売会は、九州最大級、そして老舗の即売会である。
九州地区即売会の、お手本となるべき即売会である。
夢彗星も、九州で即売会を運営するに当たり、この即売会を手本とした可能性も充分有り得る。コミックネットワークについて論じる事は、夢彗星の体たらくを論じる事につながる。そう言う意味でも、今日は敢えてこの即売会について論じてみたいと考える。


(※1)ネットワークは様々な不手際を起こした事もあり、数年前よりサークル参加数でもシティに抜かれている。現時点においては、九州最大規模の即売会は「コミックシティ」である。故に、ネットワークが「九州最大規模」である事については「であった」と過去形で表記している。
【参考】宜しければご一読下さい
2005年12月04日付「九州の同人イベント「コミックネットワーク」について
→老舗イベントとして長年頑張ってきた事には一定の評価を下すものの、WEB構築やカップリングに配慮を行わない事への改善を提言する

2007年06月27日付「5/27 コミックシティ福岡に参加しました
→シティ参加レポだが、シティ・ネットワーク両即売会の比較を通じ、ネットワークの不親切な点(サークル対応の不備や前回指摘した2項目)を指摘。また、夢彗星がネットワークの影響を受けている可能性も指摘した。



今回参加した即売会は、福岡市国際センターにて12月24日に開催されたコミックネットワークの新規即売会「コミックネットワーク ノア」である。
コミクネットワークは、サークル参加数こそ落ち目になったものの、それでも1000sp規模の同人誌即売会を、福岡ヤフードームにて開催し続けてきた。
だが、今年9月のヤフードーム即売会にて、ネットワークはドームでの開催を今回限りで終了する旨、そして国際センターでの「コミックネットワーク ノア」に切り替える旨を宣言された。

「ノア」は、今年7月に開催され、今回12月が第2回。
ネットワークのドーム後継イベントとして、注目の集まる即売会。偶然この時期に福岡に滞在していた事もあり、せっかく福岡来たのだから、と「ノア」に顔を出してみる事にした。

私は、入って愕然とした。サークル数は募集600spに対して僅か190sp。一般参加者待機列は100人程度。閑散とした寂しい雰囲気の館内。
これが、かつて2年前には福岡ドームで1000sp集めていた即売会と同じ即売会なのか。九州最大規模であった、老舗即売会の、これが今の実力なのだろうか
確かに、「箱」はドームから国際センターに変わった。国際センターの方が箱が狭いから、サークル数が減るのは予想できた。だが、それもせいぜい半減だろうと私は読んだ。自分の見込みが甘かったのかもしれないが、ドーム時代の2割にまで落ち込む惨状は、予想だに出来なかった。


その理由は、幾つか挙げられる。

1.告知力の著しい減少
 ドーム開催時は、ヤフードームとの「共催」形式を取っていた為、ドーム側が福岡市内の地下鉄に中づり広告を出す等、独自の方法で福岡市民に周知できるような告知を行っていた。国際センターに移り、ネットワーク事務局単独主催となり、従来の中吊り広告での告知が出来なくなった
 また、相変わらずWEBでの情報発信には消極的であり、更に同人店舗や他の即売会でもチラシ撒きをせず、告知力は皆無にも等しい。それでもサークルが集まったのは、ドーム時代の参加サークルにDM発送、ネットワーク主催の他の即売会での告知等、「過去の遺産」に頼った事の結果に過ぎない。

2.懸念された問題点の放置
 私は、過去2回ネットワークについて記事を著し、その中で、【サークル案内発送の遅さ】【カップリング対応】【オンライン告知の不足】【サークル対応の不足】の4点をネットワークの欠点として指摘、改善を提言した。
 昔から指摘していた事であるが、全く改善されていない。
 サークル案内は相変わらず1週間前を切ってのギリギリの到着だし、カップリング欄(またはジャンル補足欄)を設ける気配も無い。WEBも未開設だし、サークルが問い合わせしても返事無しなのも相変わらずである。
 何年も前から指摘し続けてきた欠点が、未だに全く改善されていない

告知しなけりゃサークルに伝わらないし、改善すべき点が放置されれば、既存サークルもそっぽを向く。
そりゃ、コミックシティにサークル参加数で抜かれるのも当たり前だし、サークル数も激減する訳である。


【コミックネットワークと夢彗星の共通点】
そこで気になる事としては、今話題の「夢彗星」・九州「コミックネットワーク」。
両即売会には、共通する問題点・課題点を多数見出す事が出来る


例えば、サークル案内発送の遅さ
ネットワークは、サークル案内がイベント開催当日や開催後に届くという青龍刀で主催を打ち首に処したくなる所業を、少なくとも2回以上はやらかしている。都内のオンリー即売会でそんな事やったら、2chのスレで笑われ馬鹿にされて終了だ。
だが、同じ事は夢彗星にも言える。複数の即売会で、ネットワーク同様の不手際をやらかしている。

オンライン告知の不足も、共通の課題だ。
夢彗星は、今回の一件でもWEB上での告知が不足している。昨年6月開催「ソーラは俺の嫁」では、【サークル募集締切日になってもサイトが閲覧できない】という素敵な状況をやらかしている。
ネットワークに至っては、WEBすら存在しない。
過去の記事において、夢彗星がオンラインに疎かな理由として、「コミックネットワークが1000spを集める現状を見て、サイトが無くとも募集にはそんな影響を与えない、とサイトの告知力を過小評価してしまったのではないか」という仮説を指摘した。その仮説は、夢彗星がWEB告知の改善を果たさない所を見ると、あながち間違っていないのかもしれない。

サークル対応の酷さについても、両者は共通している。
ネットークはメールアドレスが無いし、夢彗星も昨夜までメールの宛先が非常に見つかり辛い。郵送で質問を記すしかないが、どちらの即売会も、まともに返事の来た試しが無い。

そしてトドメは、これら問題点を、ネットワーク・夢彗星、ともに「放置」している所www

このように、ネットワーク・夢彗星2つの即売会は、酷い点で共通する事項が多い
夢彗星は10年の歴史を誇るが、ネットワークは20年近い歴史を持つ老舗。
夢彗星が即売会を企画するに当たり、先達たるネットワークを参考に運営してきた、と考えて差支えないだろう。

だが、そのネットワークは、さんざん指摘の通り、運営に問題点のある即売会だ。
ネットワークが手近なお手本だった事が、今日の夢彗星の、余りにも「雑」な同人誌即売会の運営に繋がっている、と私は考える。
今日の夢彗星の醜態に関しては、雑な運営をお手本として見せつけたコミックネットワークにも責任の一端はあると思う。

即売会を開催するに当たっては、「主催者」「サークル」「買い手」、3者の内どれが欠けても成立しない
従って、主催が即売会を企画するに当たっては、他2者(サークル・一般)に対する配慮が必要だ。一般参加者はサークルが集まれば自然と来てくれるだろうから、サークルへの「配慮」を特に大切なものとして考えるべきであろう。
この主張の焼き直しが、時々私が力説する”主催者は「サークル目線」を養う事が大切”という主張である。

夢彗星・ネットワークに共通する、数々の不手際、雑な運営、改まらぬ問題点…。
皆、サークル目線の欠如に起因しよう。両即売会に共通する事として、自分達がイベント開くことで満足してしまい、サークルや一般参加者が見えていないのでは?という気がする。

もっとも、コミックネットワークの方が、夢彗星よりは幾分「マシ」だとも思うが。
ネットワークは、「中止」した事は、流石に一度も無いしwww


ただ、今のままズルズルとダラダラ開催し続けた所で、いつかはネットワークも、夢彗星と同じ道を辿るのではないか。そこが心配でならない。