「豆本」をモチーフにした同人誌即売会に、「まめまつり」という即売会があった。
2005年の春頃、2006年1月の開催を発表。当初は20spの小規模オンリーを想定されていたようだが、程無くして満了。拡大に次ぐ拡大を繰り返し、最終的には100spの大台超えに至った。
サンシャインクリエイション・コミックシティという大規模イベントとバッティングしたにも関わらず、これだけの健闘を見せた事は特筆に値するが、その理由は3つほど挙げられよう。
理由として、先ず挙げられるのは、「豆本」の潜在的なニーズ。豆本に興味をお持ちの方は、女性中心に探せば意外といらっしゃる模様だ。これまでは展示・発表の場も無く、その興味に火が着く事も無かったが、「まめまつり」という「場」の登場が、この潜在的ニーズに火を着けた。
豆本人気がクローズアップされ、メディアに取り上げられるようになったのは、「まめまつり」初開催から暫く経ってからの話。
「まめまつり」が豆本人気の導火線であった、と考えるべきなのだろう。

二つ目は、地道かつ適切な告知。告知先はは同人誌即売会や同人店舗だけで終わりません。雑貨屋・ギャラリー・アートイベント・アート系雑誌等、豆本に興味を持ちそうな層に目に付く場所にも告知
考えてみれば、豆本は「同人誌」というよりは、むしろアートクラフトの要素の方が強い。アート系に告知を図るのは当然なのだが、同人誌世界の告知のみだったら、果たしてここまでサークルを呼び込めたか?
サンクリ・シティと同日開催にも関わらず大盛況で終わったのも、参加者の「住み分け」が図れ、客層がバッティングせずに済んだ、という部分もあろう。

そして三つ目は、主催氏の高い運営能力
主催氏は元々、2ちゃんねるグッズと豆本を頒布されていたサークルさんである。サークル出身者という事もあり、サークル目線に立っての運営に臨む事が出来たのではないか、と考える。
更に言えば、「まめまつり」以前も、東京開催の2ちゃんねるオンリー「ワショーイ」で主催を務めた。この時は50以上のサークルを集め、一般参加者も600人以上が来場。このジャンルでは異例の大盛況を呼んだ。2chジャンル全盛時代の最大功労者と言えるし、実績・スキル共に充分備わっている「名主催」と言えよう。
サイト構成が常に工夫されており、見やすく綺麗な所も好印象である。

同人誌即売会のルール・スタイルで運営する主催側に対し、通常展示会の要領で来る一般来場者、両者のギャップという課題は残るものの、第1回「まめまつり」は、掛け値なしに「大成功」の即売会であった。
そしてその勢いに乗ったまま、2007年4月8日、第2回「まめまつり」を開催。これも見事に成功させた。
第2回「まめまつり」はマスコミ(読売・産経)にも取り上げられたし、「まめまつり」以外にも豆本を取り上げるイベントも登場した。「まめまつり」を皮切りに…いや「まめまつり」を主軸に、豆本人気は形成されていった。
「まめまつり」こそが、豆本ブームの最大功労者と言えよう。

その後も、同年5月のコミティア内企画「豆本部」の企画に携わったり、同人誌即売会主催者連絡会に加入したり、と意欲的な活動が目立った。
「連絡会」内部で、当時ホームページ更新を怠っていたCPS(コミケプランニングサービス)に代わり、ホームページの更新作業にも携わった、という一幕も(これは信頼できる複数筋からの情報なのでほぼ間違いは無い。ソースは出し辛いので信じるか否かは自己責任で。尚、現在同会ホームページの更新は、コミティア事務局に移管されている事も追記申し上げたい。)

だが、その少し後、2007年の夏辺りから、風向きが変わってきた。

「まめまつり」9月5日付のニュースリリースより。

>「第三回まめまつり」開催について、現時点では未定となっています。開催することになりましたらこのサイトでお知らせいたします。どうぞよろしくお願いします。

微妙なアナウンスである。そもそも「まめまつり」は開催1年前ぐらいから念入りに告知や準備を図る、良い意味で「用意周到」な即売会だ。
次回、普段の時期(1〜4月頃)に開催を図るのならば、もうこの頃(9月)には開催を発表してもおかしくないはずである。主催氏もご多忙で即売会に取り掛かるのは難しいのだろうか、でも「全国即売会主催者連絡会」にも加入する位だし、ヤル気はあるはずだしなあ…そんな感じの事を、考えていた。
すると、今年1月に入りこんなアナウンスが。

>まめまつりは第二回で終了とさせていただきます。決定が遅くなり申し訳ありません。
>第一回、第二回に参加・ご協力いただいた全ての方に改めて感謝いたします。どうもありがとうございました。皆様の豆本ライフが充実したものになりますようお祈りしております。

非常に残念なお知らせである。
「まめまつり」が良即売会である事、豆本ブームの立役者であった事も踏まえて考えると、2回で終わる事が惜しまれる。主催さんもお忙しいのだろうか…。

だが、2008年秋、東京で新たな豆本の展示即売会「豆本フェスタ」の開催が発表された。
「まめまつり」の終了を惜しむ豆本ファンの方が、新たに立ち上げた即売会で、「まめまつり」主催氏も協力するとの事。表には出ないだろうが、豊富な経験を基にした助言で、「豆本フェスタ」をサポートされる事だろう。
既に20サークル以上の参加が決定しており、勢いは悪くない。

「まめまつり」から「豆本フェスタ」へ。豆本イベントの志が引き継がれ、豆本愛好家にとっての「場」が維持される事を願いたい。