9月7日、インテックス大阪開催「こみっく☆トレジャー」(以下「トレジャー」と表記)にサークル参加させていただいたので、トレジャーについてレポをと申し上げたい所であるが…その前日に、山口県光市「三国志城」という博物館を訪問させていただいた。

実は、この三国志城にて9月14日開催予定・鋼鉄三国志オンリー「文武両道」が開催中止になったとの事。その当たりの経緯も、三国志城の館長氏よりお聞きした。
ちょっとだけ同人世界にも関係のある出来事であり、この博物館自体が三国志ファンにはお勧めのスポットである故、トレジャーレポの前に、「三国志城」について少し語らせていただきたい。
「三国志城」は、三国志好きの個人が、好きが高じて建立した博物館
幾ら三国志好きとはいえ、自腹で展示品を収集する事、ましてや博物館として開館するなんて事は、並の人間に出来る行為では無い。相当の情熱と財力が無いと不可能であり、博物館として形にした館長氏の力量には敬意を表したい。
平成10年にオープンし、今年で10周年。お泊りイベントや、三国志談議のできるお茶会イベント等、各種イベントを精力的に開催。三国志ファンの多くが巡礼するスポットとなっている。

アクセスは、JR山陽本線の【岩田駅】下車
(岩田駅は岩国〜徳山の間に位置。新幹線ならJR徳山駅で山陽本線の岩国方面に乗り換えて所要約10分)
ただ、路線バス等の公共交通機関は無い為、徒歩かタクシーでのアクセスとなる。
距離的には約3km強。歩いても行けない事は無かろうが、大体30〜40分は掛かる。タクシーの利用が楽であろう(片道約1500円、所要約7分)。
余談だが、タクシーの運転手曰く、駅から三国志城までお客様を運ぶ事は多く、中でも最近、学生〜20代前半の若者が目立つとの事。「三国無双」や「三国志大戦」等の影響か、三国志に興味を持つ若い世代が増えてきているのだろう。

出入口は売店スペースも兼ねており、売店のおばちゃん(というか館長さん)に入場料を払い、展示館に入場。
展示品は、三国志…というよりは寧ろ諸葛孔明関連展示のオンパレード。三国志城博物館というよりは孔明博物館というべきか。とにかく、館長が本当に孔明好きな事、その熱意は十分に伝わる。
圧巻は、図書コーナーのラインナップ。横山光輝や吉川英治に始まり、「反三国志」等の架空戦記もの、挙げ句の果てには「突き刺せ!呂布子ちゃん」や「一騎当千」のような亜流ものまで何でもカバーしている徹底ぶり。図書コーナーだけで1日過ごせそうな勢いだ。
個人の力でこれだけカバーする事は大変な事だ。並々ならぬ三国志への情熱あっての賜物であろう。その情熱には頭が下がる。

見学を終え、帰りのタクシーを待つまでの間、少しヒマだったので館長さんとお話する。せっかくの機会だから、と何故鋼鉄三国志オンリーが中止になったのかを聞いてみた。

※参考:三国志ニュース
5月3日付 鋼鉄三国志オンリーイベント『文武両道』(2008年9月14日山口)
6月13付 「文武両道」開催中止

館長氏の言い分は以下の通りである。

今までも三国志のコスプレイヤーは受け入れており、当初はその延長として考えていた。だが、同人誌即売会だとエロ系の同人誌も存在する、という話も聞いた。自分は、行政組織で児童福祉関係の委員を務め、白ポスト設置などの「悪書追放運動」にも携わっている。そういう活動も行っている手前、エロ系の本を売るイベントに携わるのは具合が悪い為、先方に開催中止を申し入れた。

もう一方の言い分(オンリー主催側の言い分)もお聞きしたい所だが、残念な事に当該サイトはクローズされ、連絡も取れずお話を窺う事は出来ない。従って、三国志城側の言い分のみを判断材料に論じるしかない。

残念ながら、「三国志ニュース」様も仰るように、主催側と会場側(この場合は三国志城)との間で、【同人誌即売会に対する認識の違い】があった事は否めない。
というより、主催側に「同人誌即売会」が如何なるものかの認識が足りない(コスプレイベントと混同している?)可能性もある。
主催側が即売会とコスプレイベントとの違いを理解できなかった故、主催側から会場側に同人誌即売会が如何なるものであるかを説明し切れなかったのではないか。

三国志ポータルサイト「英雄群像」内に、下記のような記事が存在する。

>鋼鉄三国志オンリーイベント『文武両道』
>
>▽開催日時▽
>2008年9月14日(日)
>▽開催場所▽
>山口県 三国志城
>2008年9月14日(弓術大会(雨天中止)
>
>定員 20名程度
>時間 13:30〜14:30
>申込 当日、本部にて受付
>
>弩を使った弓術大会実施
>サークル・コスプレイヤー・一般参加者様問わず募集

書き込み者は「英雄群像」となっており、同サイトの中の人が、「文武両道」のサイトからコピー&ペーストした記事と考えられる。
「文武両道」は、恐らくこの内容で募集を掛けたのだろう。

しかしそうなると、この募集要項、とてもサークルを募集しているようには見えない。サークルを募集するなら「20スペース募集」だろうし、そもそも13:30〜14:30の僅か1時間でサークルが頒布できるとは思えない。それ以前に「当日のみ受付」なんて即売会は有り得ない。
この募集要項、コスプレイベントと考えればすべて合点は行く。

だが、コスイベと言う割には、「サークル・コスプレイヤー・一般参加者様問わず募集」とあり、サークルを募集すると明確に表記している。
それに、コスイベントであるならば、同人誌が含まれない以上、三国志城側が中止を申し入れる理由が無くなる。
コスプレイヤーなら、三国志城側も容認する意向である事は、館長氏の中止に関する言い分からも明らかだ。

一体このイベント、同人誌即売会なのかコスプレイベントなのか?

これは私の憶測、推測の域に過ぎないが、恐らく、主催側は同人誌即売会とコスプレイベントの区別が付いて居なかったものと考える。

三国志城側が中止を申し出た時、同人誌即売会を実施したいのであれば、マトモな主催なら、三国志城側に筋道立てて説明し、納得を得るように努めるだろう。

流石に、館長氏は行政で悪書追放運動に携わる身、(18禁の取扱に関しては)首を縦に振らせるのは難しいだろう。
ならば、「18禁の頒布禁止」をサークルにお願いする形で会場側の懸念点を解消させる手もある。
サークルの事を考えるならば、18禁だろうと受け入れるべきが本筋だろうが、同人誌即売会に慣れていない会場で実施したいのであれば、18禁を自粛いただくようお願いした方が無難だろう。
(2006年9月17日広島県尾道市にて開催・かみちゅ!オンリーイベント「神様にお願い!〜来福神社例大祭〜」は、普段同人誌即売会が開かれない会場である事を理由に、18禁の自粛をサークルにも求めた。)

コスプレイベントを実施したいのであれば、コスイベントを実施したい。同人誌即売会では無いからエロ本の頒布は無い。そう説明すれば、館長氏も納得し、オンリーイベントの中止に至らずに済んだはずだ。

それが出来ずに「中止」に至った理由は、やはり、同人誌即売会とコスプレイベントの区別がついて居なかったがため、と推測する。区別が付かないのに、両者の違いを説明する事なんぞ困難だろう。

※同人誌即売会とコスプレイベントの区別が付かないなんて有り得ない、とお思いかもしれないが、コスプレ畑の方は以外とそういう方多い。
これは自分の経験則に基づくが、九州のコスプレ畑の人と話すと同人誌即売会とコスプレイベントを混同して語られ、両者が根本的に異なることから説明せねばならずストレスが溜まるw
コスプレイベントの経験しか無い方が、同人誌即売会に手を出して失敗するのも、そこら辺の違いを理解し切れなかった所にも一因があると思われる。


オンリーイベントを三国志の「聖地」である「三国志城」で実施する、という発想自体は悪くなかったと思う。
だが、それ以前の段階。コスプレイベントか同人誌即売会かよくわからない募集要綱。既にそのレギュレーションの部分に問題があった。それが中止となった根本原因と推察できるし、仮に中止にならなかったとしても、多くの問題を抱えるイベントで終わりそうな予感がする。