福岡ヤフードームにて開催される、赤ブーブー通信社主催のオールジャンル同人誌即売会「コミックシティ」。
老舗の「コミックネットワーク」がお亡くなりになった今となっては、九州最大規模かつ唯一の福岡ヤフードーム開催の同人誌即売会として、開催回数も年二回→年三回に増加。九州全土より同人者を集め、確固たる地位を築いている。

Crazy Party」は、福岡県南部・久留米市で定期的に開催される同人誌即売会。
久留米・大牟田は、県都・福岡とは異なる独自の同人文化圏を形成、以前取り上げた「春夏秋冬」同様、地域同人を支える貴重な良即売会である。

二つの即売会は、開催地が福岡市と久留米市。西鉄特急なら所要時間僅かに30分、非常に近い距離関係にある。
そして、両即売会共に開催日は2月1日…日程のバッティングを起こしてしまった

今回の記事では、この両即売会のバッティングを通じ、同人誌即売会におけるバッティングの問題点を論じつつ、日程を調整する事の大切さにも触れて行きたい。
バッティングは、サークルの「奪い合い」となり、どちらの即売会の盛り上がりにも悪影響を及ぼす
最悪、共倒れにもなりかねない。
バッティングは、サークルが集まらず、即売会が失敗する「フラグ」とも言えよう。

(理想論だが)全ての即売会に成功して貰いたい、という願いを持つ自分の思考からすると、即売会失敗の種にもなる「バッティング」は、極力避けて欲しい気持ちだ。

とは言え、開催される即売会の数も、全国各地無数にある。全ての即売会が100%バッティングを避けろなんては言えないし、不可能なのは言うまでも無い。

要は、「サークルの奪い合い」にならなければ良い。
仙台と大阪だとか、東京と岡山だとか、そのぐらいに距離が離れていれば、バッティングの影響も少ないだろう。
同日東京開催でも、男性向けジャンル中心の「COMIC1」と女性向けのオンリーイベントが被っていた所で、とやかく言う事は無い。サークルの住み分けが出来ているからだ。

看過出来ないバッティングを例示してみよう。

1.近距離の地域で同日にオールジャンル開催
(例)昨年11月30日、福岡天神「tenjin.be」と久留米「春夏秋冬」

→幸運にも、両即売会共サークル満了で終わったが、両即売会のバッティングがなければ、どちらももう少しサークル数が集まっていただろう。


2.巨大オールジャンルと同日開催のオンリー/中小規模オールジャンル
(男性向け系統のジャンルならCOMIC1やサンクリと同日に開催、女性向け系統なら1・9月の大阪シティやHARUコミ・スパコミ・スパークと同日に開催する。勿論コミケットと同日開催なんぞ論外。)

→巨大オールジャンルの方が求心力あるから、小規模の方に人は来ない。当たり前の話だ。

3.オンリーイベント同士のバッティング

→オンリーは地域の枠を超え、同好の士が参加する。距離なんぞ関係無い。如何に距離が離れていても、同日開催ならジャンル内のサークルの食い合いは間違いない。
 可能なならば、同ジャンル他オンリーとは、2〜3週間以上は離しておきたい。バッティングではなく「ニアミス」に当たるが、ニアミスでも片方のオンリーのみ参加のサークルも少なくないのでは。世の中、毎週毎週オンリーに参加出来るようなパワフルな人ばかりじゃないし。


ちなみに、東京と他地方で同じジャンルのオンリーがバッティングないしニアミスした場合…地方開催のそれは悲劇の公算が大きい(稀に例外はあるが)。
東京の方が地方よりも求心力が大きいため、地元のサークルも東京に吸い寄せられる可能性もあるからだ。


今回、「コミックシティ」「Crazy Party」両者のバッティングは、上記(1)及び(2)の事例に当たる。
(1)で言う距離関係の近さに加え、(2)で言う巨大オールジャンルとの同日開催という事で、求心力は巨大オールジャンル側にある。…サークルは皆巨大規模の方に流れ、小規模の方には人は来ない。
「Crazy Party」側にサークルリストが掲載されているが、今回のサークル数は10にも満たない。
ちなみに、昨年11月の「春夏秋冬」は100近くのサークルを集め満了だ。普段の「Crazy Party」も、これに比するだけのサークルを集める力はあるはずだ。コミックシティにサークルが吸われたのは明らかだ。


この一件について、どちらに非があるか?という話になるが…難しい問題だ。敢えて申せば、「どっちにも非がある」という事で。

先ず、大本の問題として、「コミックシティ」の開催日発表が非常に遅い、という部分がある。
東京や大阪のシティは、一年以上前から告知発表をするが、福岡ヤフードームの確保が難航しているのか、福岡のシティは半年前に開催発表の傾向。2ヶ月前に開催発表→告知なんて時もあったぐらいだw

九州の主催者達は、シティの動向を見て即売会の日程を発表する傾向にあり、現時点で秋のシティが決まっていないため、秋以降の日程を固められないという問題もある。他主催の即売会開催にも影響するので、シティには極力早めの日程発表をお願いしたい。

んで、そこまでシティの日程発表が遅いと、「Crazy Party」側が日程を決めた後からシティがぶつけてきた、って可能性も想定できる。
逆だったら(シティ開催日に「Crazy Party」がぶつける)だったら自殺行為も良いとこだし、福岡シティの日程発表の遅さも考えると、シティが後からぶつけたとする想定が妥当だろう。

普通だったら、求心力の高い即売会が後からぶつけるなんてのは仁義としていかがなものかと思う。ただ、ことシティに関しては、仮にぶつけたにしても、仕方ない部分もある。
福岡ドームはプロ野球の試合のみならず、その合間を縫って学会・コンサート・展示会も開催される、大変忙しい会場だ。
過去には、会場手配の目処が付かず、一年以上開催を見合わせた事すらある。
そして、シティが一年開催されない間の九州同人は、正直活気が失せたと言っても過言ではない。
過去にも触れた九州の老舗オンリー「ジャンプ大血戦」は、シティという告知の場を失った事で、参加サークル半減の憂き目を見た。
そういう状況を見ると、シティが開催しないよりも、申し訳無いが他のイベントと被ろうとも、ドームを取れる日でシティに開催してもらう方がまだマシ、という結論になる。

じゃあバッティングを食らう側は黙って我慢しろ、という事か。
いや、決してそんな事は無い。寧ろバッティングの憂き目を避けるべく、積極的に動くべき…「調整」を行うべきである。
会場を押さえたら、即売会の開催を発表する前に赤ブーブー通信社に電話なりメールなりして、シティの開催予定やドームの確保状況を尋ね、被らないかどうかを確認する。
シティだけでなく、tenjin.beのような近隣地区のオールジャンル、モルティ天神やももちパレスで行われるオンリーイベント、そういう所とも確認や調整を図り、バッティングを避けるよう努めて欲しい。

(余談だが名古屋地区で男性向けのオンリーイベントを開催する主催諸氏は、水面下で東京・大阪で主催やりそうなイベンターに前もって入念に確認や調整を行い、絶対に同ジャンルで被らないよう努めている。そりゃ、東京や大阪と被れば、同じ日に名古屋でイベントやってもどっちにサークルが流れるか、ってのを考えれば頷ける話。彼らの即売会に「失敗」が無いのは、こういう努力も一つの要因だろう)

万が一日程が被ったら、その時は仕方ない。余りやりたくない手法だが…日程をずらすしかない。
日程をずらすのは本来ご法度だが、大きなイベントと被る非常事態だ。自分達の即売会が干上がる以上、背に腹は代えられない。
シティ主催の赤ブーブー通信社は、即売会の日程変更や中止を憂慮する立場を取っているが…この場合に限っては、例外として大目に見て欲しいもの。

多分、自分がそういうシティとぶつかって日程を変えなきゃ行けない立場になり、シティの関係者にそれを咎められたら

貴様らが日程決めるの遅くて後からぶつけてきたからこうなったんじゃーーー!

とぶち切れつつ、【青龍刀片手に】四谷の事務所に単騎殴り込みかけるであろうwww

さて、今回の「Crazy Party」に関しては、事前調整を果たして行ったのか。日程の変更を検討したのか(日程の変更は行わなかったようだが)…となると甚だ疑問である。
自分達が折角多大な労力をかけて開催する即売会、未然の努力で防げる程度の事で、閑散即売会になってしまうのは勿体無い。そういう思いがある。

念の為申し上げておくが、「Crazy Party」は、「春夏秋冬」と並び久留米の地で定期的に開催されている【良即売会】の一つである。決して、某ネットワークや某彗星のように、私が青龍刀を振り回しながら怒り狂うような即売会ではない。
そんな良即売会であっても、九州最大規模の即売会たる「コミックシティ」の前では閑散即売会と化してしまった。ここを忘れてはならない。


主催者は、バッティングを極力避けるべく、事前の調整を可能な限り行うべきである。当たり前の事ではあるが、「Crazy Party」の事例から、改めて痛感した次第である。
バッティング回避は、主催者自身の即売会を【守る】事にも繋がるのだから。

また、「コミックシティ」に限らず、大規模即売会は極力早く日程を発表するべきであろう。
オンリーイベント、中小規模の即売会は、皆バッティングを避けたいから、大規模即売会の動向を見て、日程を正式発表する。
大きいのが日にちを固めてくれなければ、小さいのは動き辛い。
大規模即売会にも、そういう中小規模即売会への「気遣い」や「心配り」が必要に思う。