去る6月14日、石川県は金沢市開催「北陸本専3」にサークルにて参加させていただいた。

「同人誌オンリー」とは銘打つものの、事実上のオールジャンル同人誌即売会。男性向け、女性向け問わず多くのサークルが集う良即売会てある。
全般的に見て、運営面も配慮が行き届き、完成度も高い。(主催はじめ中枢スタッフがサークル出身である事が、サークル対応の丁寧さに結びついているし、スタッフに女性陣が多い事も、配慮のきめ細やかさに繋がっていると分析する)
過去2回参加し、当ブログにて論評するも、極めて異例の高い評価にて論じたように記憶している。

例年初夏の開催だが、昨年は事情あり休止。今年の「本専3」が、実に【二年ぶり】の開催である。
二年も経てば、時代も変わる。流行も変わる。即売会の様相も、大きく変わる。
今回の「北陸本専3」は、即売会が生き物であり、時流と共に変わり行く物である事を、分かりやすく示してくれた即売会であったように思える。
【男性向けジャンルの増加】

元々「北陸本専」は、地場のサークル活動者有志が集って立ち上げた即売会だ。
そして、彼ら(彼女ら)は皆、女性向け系のジャンルにてサークル活動を行っている。
女性向けの文脈で運営を行う傾向にあるのは否めない。(実際、1回目終了後、男性向けの開拓が不足しているのでは?と指摘したほどだ)


今年の「本専」開催を決めるに当たり、事前にサークル等にアンケートを取った所、 「6月」との声が多かった。
しかし一方、6月はイベントラッシュの時でもある。

今年の大規模即売会開催はこんな予定であった。

6/7 コミックコミュニケーション(大阪)
6/14 サンシャインクリエイション(東京)
6/21 擬人化王国・コミックシティ(大阪)
6/28 コミックシティ(東京)


…どの週を選択しても、バッティングは必至である。
結局、会場の空き状況もあり、最終的にはサンクリとのバッティング承知で14日を選択した

これまでの本専の傾向を見ると、女性向け文脈の即売会としての色合いが強く、サークル数も女性向けが6〜7割だった。
コミックシティとのバッティングは、回避しないと女性向けなサークルを減らすのは必至。
サンクリとのバッティングは残念だが、シティとぶつかるよりはまだマシな選択だろう。

ここまでは、普通に日程を選考した過程である。だが、この後に極めてイレギュラーな事態が表出した。
今年1月に発覚した、サンシャインクリエイションの個人情報流出事件。これに伴い、サンクリは中止に。北陸本専と競合するイベントが消失した。

男性向けな系統のサークルは、大半がこの日に予定を入れている。その予定が空白となれば、何か新たな予定を入れて穴埋めしたくなるのが人情だ。
とはいえ、男性向け即売会は、サンクリとの同日開催は避ける。この日に開催する有力即売会は、男性向け界隈では皆無、参加に値する即売会が見当たらない。

そこで、地方ながらも堅調な運営で評判も高い「北陸本専」に一度顔出してみよう!と思い立つ方が増えても不思議は無い
今回の本専は、男性向け系統の参加者が、前回にもまして増加した。目算だが、二年前の約4割→今回は約5割、と言った所か。

中でも、情報・評論ジャンルの伸長は顕著で、全体の約3割、今回は最大勢力だ。
確かにこのジャンルは、オールジャンル以外に参加出来る即売会が少ない。他ジャンルのように「オンリーイベント」という選択肢がある訳でもない。場を求め本専に流れる率はより高く、だからこそ今回の伸長を呼んだと分析する。

男性向けサークルの流出覚悟で日程を決めた「北陸本専」。
皮肉にも、サンクリ中止の影響で、今まで以上の男性向け流入を呼んだ、と言えようか。


【これ何処の地域の即売会?w】

今回極めて目立ったのは、北陸以外からの来訪者数の増加である。
私も北陸の外からの遠征組なので、余り人の事言えた義理でもないがw
その一端が、チラシ置き場に現れている。
取り敢えず、当日何処の即売会のチラシを捕捉したか列記しておく。

1.こみっく☆トレジャー
2.名古屋男性向けオンリー各種…「BabyPrincess」「ツインテールカーニバル」「リトバスパーティー」「VocaloidParadise」
3.東京で秋開催「あしピタッ!」「ひぐらしのつどい」
4.名古屋AHS主催イベント…「本命」「がいあつなんかにまけないもん!」等
5.北海道開催イベント…「Elysian」「札幌テイスト」等札幌の即売会のみならず、【苫小牧】とかいう文字を確認したのですがw


ちなみに、北陸三県の即売会は、富山の「T-com」、地元のコスイベぐらいか。
チラシ置き場を見る限りにおいては、「北陸本専」という名前が無ければどこの地域の即売会か理解不能だろうw

1については、当日参加サークルの【B-1】の所と密接にリンクしようw
2については、ツインテールカーニバルの主催さんが、本専に興味関心を抱き、どんなものか見てみたいと足を運んだ事による。
3については、「あしピタッ!」の主催さんが、本専に興味関心(ry あ、「ひぐらし」の方は自分がコミコミで撒いた分の余りを置いた、というオチだがw
4については、主催団体AHSが本専同様の同人誌オンリー「本命」を名古屋で開催している。同人誌オンリー繋がりで告知対象を本専に求め、ついでに他のオンリーも…という構図だろう。
5は、元々「Elysian」と「北陸本専」とは、同じ同人誌オンリー繋がりで相互に告知協力を図っていたようだが、その成果か、「Elysian」からサークルが数サークル遠征参加した。確か「Elysian」関連…というか北海道勢は4サークル。距離を考えると決して少なくない数だ。何故か多種置かれていた北海道即売会のチラシは、明らかに彼らの手によるもの。

…チラシ置き場を見るだけでも、いかに全国各所から本専に人が集ったかが、よく分かる。

余談だが、実はここにも、サンクリ中止の影響を見て取る事が出来る。
4・5の系統はともかく、1〜3の各系統に関しては、サンクリが開催されるならそっちに営業に行くからだ。サンクリが中止になったからこその彼らの来訪、と言えようか。


さて、これほどまでに全国各所から人が来る事について少々。
個人的には歓迎したい。全国各地の即売会事情を聞けるし、知り合い多くて楽しいしw
また、わざわざ交通費を掛け、全国からこれだけ多くの人が来てくれる、という事は、逆に言えば「交通費を掛ける価値のある即売会」と見なした人が多く居る、という事でもある。本専の堅調で丁寧な運営に対する評価の証であり、名誉な話である。

しかしながら本専は、北陸の同人誌即売会の現状を憂い、「本溢れる即売会の創出」を目指し結成された即売会だ。北陸の同人誌即売会活性化を志向した即売会とも言えよう。
北陸勢の参加比率が減っている事は、北陸同人誌即売会の志向に外れた現実なのではないか?いささか心配の種である。

地元で育ったサークルがリピーター化してくれないと、安定開催には繋がらない。
例えば、仙台「杜の奇跡」は、開催初期こそ東京からの遠征組を多く集めるも、次第に地元のサークル中心にシフトした事でサークル数も安定している。
ぶっちゃけ遠征組は物見遊山、一見さんの要素が強く、リピーターにはなりにくいだろう。真に大切なのは、地元のサークルだ。
安定開催の視点から、地元サークルの開拓や定着化を図る事が今後の本専の課題と見る。
要は、地元の営業をもっと強化すべき、という事だ。


次の本専は富山で開催なんてどうよ?なんて話も出たが(注:打ち上げという酒の席の話なので話半分に聞いておいて下さい。あくまで自由な意見提案の一環としてのレベルですよ)、北陸同人の活性化という観点からすれば、発想としては決して悪くない。

富山は即売会が「コミックライブ」位しか無く(「こみフェス」もあるが、これまでの厨所業を考慮し敢えてスルーするw)、正直、現状は寂しい。これに一石を投じ、富山同人の活性化に繋がる事を期待したい。
石川や福井から見れば遠くなり敷居は高くなる、すなわちサークル参加の障壁となるリスクもあるが(ただリピーターも少なくないので影響は少ないかも?)、これまで開拓し切れなかった富山勢を開拓できるかも?との期待もある。上手く行けば、即売会空白地帯な新潟・上越地域もカバーし取り込めるかもしれない。
富山で成功すれば、金沢に戻ってきた時にも、開拓された富山勢が金沢に移っても付いてきてくれる。富山・金沢両者間の相乗効果も期待出来る。
地域を移すことによる本専自体のマンネリ打破、という効果も期待されよう。

…まあ「〜期待される」と良い方向にばかり書いてしまい、実際にそうなるかは蓋を開けてみないを分からないのだが、個人的には、富山に出張開催という選択肢は「有り」だと思う。
最終的には、アンケート等で参加者の意見を聞いた上で判断されるだろうが、一つの方法として検討に値するとは思う。

話が大分逸れてしまったが、纏めると

・遠征者が増えたのはこれまでの地道な運営が世に認められた証。誇って良い。
・でもその分地元率が減少してるよね。地元への営業を強化すべきでは。
・目先を変えて富山開催も面白いかも。

と言った所であろうか。

ここまで書いた所で、相当の長文になってしまったようだ。という訳で、続きは次回(後編)にて記したい。