7月5日、川崎市産業振興会館にて開催されたオンリー集合型イベント「川崎合同祭705」に参加させていただいた。
実は金曜日にぎっくり腰を患い、一時は歩くのもままならぬほどの有り様だったが、日曜に入り、腰は痛むものの辛うじて立ち座りと歩行の出来るレベルには回復した事。また、後述するが「川崎合同祭705」内開催の「陵桜祭」「よんこまスケッチ」の主催団体たる「アイノベルシステム」が創立10周年という節目の年に開催される即売会という事もあり、折角の機会だからと病み上がりながらも参加させて頂いた。
同日、横浜にて「よつばの。読書会」も開催されており、そちらにも立ち寄ってからの訪問だった為、2時過ぎの訪問であった事も申し添えておきたい。

「川崎合同祭705」は118サークルの参加。1・4F両フロアをフルに使い、盛況を見せた。
ただ、その内実を見ると、サークルが集まったオンリー、サークルが集まらなかったオンリー、それぞれのオンリーで明暗がくっきり分かれている
明暗の「暗」の部分を見ると、この盛況も素直に喜べない。
今回「川崎合同祭705」にエントリーしたオンリーは、以下4つ。
(参考:@++様 2009年07月05日「7/5のイベント」より)

1・「授業を始めます!」(クイズマジックアカデミー(以下「QMA」と表記)オンリー) 25サークル(主催:アカデミー購買部)

2・「陵桜祭7+よんこまスケッチ2 in川崎」(らき☆すた&4コマ系オンリー) 50+32サークル
(主催:アイノベルシステム)

3・「今日のみなみ家2」(みなみけ中心桜場コハル先生作品オンリー) 8サークル

4・「あんこ入りパスタライス2」(バンブーブレードオンリー) 3サークル

(3〜4は主催:TEAM operations)


先ず、「アイノベルシステム」主催の「陵桜祭」「よんこまスケッチ」
こちらは、サークルも数多く集め盛況。「アイノベルシステム」創立10周年という節目の慶事に花を添えた。
陵桜祭は、陵桜祭参加のサークル数で見れば前回を下回ったが、「らき☆すた」だって4コマだ。「よんこま」側にサークル参加した「らき☆すた」サークルも居り、実質的には前回を上回っていると見ている。
4階全体を「陵桜祭」「よんこまスケッチ」で埋め、「川崎合同祭705」参加サークルの実に7割をアイノベルシステムのみで集めた
ジャンルとしてのピークは過ぎても尚、多くのサークルを集める力は、只々脱帽するのみ。過去6回の実績と安定した運営能力も、サークルが安心して参加し得る土壌を造っていよう。ベテランの貫禄を見た思いだ。

ただ、地方即売会の活性化を祈念する「STRIKE HOLE」としての立場から、我が儘な注文を一つだけ付けさせて頂きたい。

東京開催も良いですが…たまには地元名古屋でも開催してみませんか?

昨年夏・名古屋のガイシフォーラム開催の「陵桜祭」「よんこま」が盛り上がった。
また同じように名古屋に凱旋してくれれば、名古屋の同人世界の活性化に寄与するだろうな…と期待しての勝手なお願いとして申し上げる次第である(汗)
即売会を開くと言うのも大変な作業と労力が要る。色々事情もあろう。私なんぞは、所詮、安全な立場からの物言いに過ぎない。
ただ、名古屋での両オンリー開催に期待を寄せる向きが居る事を、心の片隅に留めて頂ければ幸いである。


さて、アイノベルシステムの両オンリーが成功した一方で、他のオンリーが芳しく無い結果に終わったのは、極めて残念である。
QMAオンリーこそ20サークル強、辛うじて即売会としての形が成せる数は集めたが、正直他のQMAオンリーに比べると、数も少なく物足りない。

「今日のみなみ家2」はもっと厳しく8サークル、「あんこ入りパスタライス2」に至っては3サークル。いくら何でも寂し過ぎる。
なまじアイノベルシステムが80サークル強を集めているだけに、その思いはより一層強まる。
確かに、「陵桜祭」(「らき☆すた」)に比べればジャンル的にもマイナー。サークル数も見込めず、決して楽な戦いでは無かったろう。
ただ、前回仮にも二桁のサークル数を集めていただけに、ここまでの凋落は残念の極みである。

買い手の方々からは、サークルが見込め無いならば、無理にオンリーやらんでも良いだろ、というご意見もあろう。
また、事前にニーズ(ジャンルの規模)をマーケティングし、サークルを集める見込みが立ってから開催を決めるべきとのご意見もあろう。(だからこそリスクの少ない「合同開催」という道を選んだのだろうが)
ただ、私は過去にマイナージャンルのオンリーで、自ら主催ないし運営に携わった身。その立場から申せば、これらの意見とは一線を画し、敢えて主催側に付く。サークルが集まるからオンリーを開くのではない、「好きだから」こそ苦戦覚悟でオンリーを開くのだ

但し、苦戦覚悟とは言え、手をこまねいてサークルが来ないのを受け入れるのは如何なものか
1サークルでも多くのサークルを集め、少しでも場を盛り上げるよう努力するのが、マイナージャンルでオンリーを開く主催の義務と心得る。

そして、マイナージャンルは、有名ジャンルの何倍、いや何十倍もの努力が必要だ。
放っておいてもサークルが殺到する旬ジャンルとは違い、努力せねば結果として実らない。
否、努力しても徒労に終わる事すらある。

私自身の事例を上げれば、コミケでも10サークルちょいしか集まらぬ極小ジャンルが故に、相当難儀した。
主要オールジャンルやオンリーでチラシを撒き告知に務めるのは勿論だが、私の場合は、それに加え、ネット上を徘徊し当該ジャンルで同人誌を刊行するサークルさんを探し出しリストアップ、サークルへの営業…「一本釣り」を行った
サークルさんの所に直接足を運び挨拶、サークル参加をお願いする。活動箇所が地方のコミックライブなら、当地まで足を運んで「遠征参加が遠くて辛いようなら委託参加でも良いので…」とサークルさんに陳情した事すらもある。
効率の悪さは分かり切っている。労多くして功は少ない。虚しさ漂う時も、当然あった。
だが、小さいジャンルだからこそ1サークル1サークルを大切にし、その積み重ねでサークル数を伸ばす事が大事と考えたまでの話だ。効率よりも、サークルを積み上げる事を重視した

このやり方が正しいかどうか、正直自信が無い。実際、サークルは全国かき集めて20前後であったし。
ただ、ここで主張したい事は、規模の小さいマイナージャンルだからこそ、1サークル上積みするのに、時として血の滲む努力が必要である、という事。

努力してもサークルが集まらないのは分かる。痛い程よく分かる。
ただ、今回大幅にサークル数を減らした即売会を見ると、果たしてサークル集めに対し、本当に必死に努力したのかどうか。そこを見つめ直しても良いのではないか?と感じる。


最後に、話を変えて「アイノベルシステム」についての興味深い記事を紹介したい。
カタログ内の空いたページに、挨拶も兼ねてなのか、アイノベルシステムのあらましが紹介されていた。
以下、概要を抜粋する。

前身団体から合わせて20年の節目を迎えた、「アイノベルシステム」としては10年目の節目
・草創期は岐阜でアニパロ中心とした即売会を開催
・1999年8月、名古屋にてビジュアルノベルオンリー「i−novel名古屋」を開催(現在の「アイノベルシステム」の立ち上げ)
・その後、東京や大阪など他の即売会でのスタッフ経験を積み勉強
・2006年9月 「北高祭」
・現在は「陵桜祭」「よんこまスケッチ」と4コマ系を開催
・毎回小規模な開催だが、「サークル及び参加者と主催のコミュニケーションが取り合える規模」を目指している
中部地区にて若手主催者の育成・バックアップも行っている


私が着目したいのは最後。
具体的に語られてはいないのでこちらでも詳細は語らないが、現在の活気ある名古屋のオンリーイベントの幾つかは、氏のバックアップが成された即売会である。現在進行系で、幾つかのオンリーに対する「後進の育成」に主眼を置いた動きも確認している。
同人誌即売会、特にオンリーイベントの世界で、「後進の育成」を意識している主催は余り多くはない。だが、これは未来の同人世界の活況を願うのなら、必要なファクターに思える。
「後進の育成」を意識し行動している主催として、アイノベルシステムの活躍には期待し注目していきたい所である。