現在の東方オンリーの活況…特に地方での東方オンリーの活況
地方開催の同人誌即売会を応援する身として、今の状況は、喜ばしくもあり、かつ楽しみな状況はでもある。

昨年までの東方オンリーは、東京で例大祭他幾つかのオンリー、大阪の紅楼夢、後は北陸と名古屋位だったが、今年に入り全国至る所で開催されるようになった。
先陣を切りしは今年1月の仙台の「東方杜郷想」。短くかつ限られた告知期間にも関わらずサークルは満了。
当日は、同一主催氏の手掛けるオールジャンル「杜の奇跡」を凌ぐ人出。その後の「杜の奇跡」も「杜郷想」との相乗効果でサークル数が激増、杜の奇跡開催史上初めて落選サークルを出さざるを得なくなった。

北海道は「Elysian」内のプチオンリー「東方道出抄」が最初。東方にしては人出は今一つだったが(但しこれまで「初動三人」の伝説を持つ「Elysian」にて、開始一時間でカタログ500部を完売させる程のパワーはあった)、先日開催の東方神居祭」は総来場者1000人。うん、これぐらい来なくちゃ東方らしくないw(違)
アフターでコスプレ色の強いイベントを併催し、コスプレイベントで実績豊富な主催団体の個性と本領が発揮された即売会だったように思う。

金沢の「るなフェス」も、例大祭前週の開催にも関わらず、サークルをきっちり集め安定開催を果たしている。
…同時開催のこみフェス」が非常に問題なので、青龍刀片手に主催を小一時間問い詰めたい思いは間違いないが。主催が別の人になれば、サークルももっと集まる事だろう。
つか、厨房即売会主催の「御三家」の一人と見なしているこの主催の開催でありながらも(この主催の他のオンリーは参加サークル一桁の閑散即売会が非常に多い)、40サークルも参加する事こそ、東方のパワーの証明となるのではないか。

新潟でもオンリーが盛んだ。「新潟東方祭」は既に開催6回目、そして「えちご東方日和」も開催2回目だ。
両即売会が、無駄にいがみ合う事なく、共に一致協力して新潟の東方世界を盛り上げて頂く事を、心より祈念したいものだ。
ガタケット内プチオンリーとしての開催を通じ、ガタケット自体の活性化に繋がる事も期待している。

意外に名古屋はオンリーが少ない。ポートメッセ名古屋というコミックライブなら1000sp級の箱でオンリーを開催するという話もあったが、中止になってしまった。
但し、過去にはガイシフォーラムという150spは入る中規模の箱でサークルを満了させたオンリーが二回開催されており、需要は相当高い
驚くべきは名古屋のコミックライブ。参加層の大半は女性陣、明らかに女性向けの即売会にも関わらず、参加サークル数は約60-80。当地での東方は、リボーンと肩を並べ、ヘタリアに次ぐ一大勢力である。
名古屋に関しては、他地域に比べ東方ファンの比率が高い印象を受ける。

…まあそこまで東方の土壌の強い地域でだ。大須だのサンライフ名古屋だの50sp前後しか入らない箱で東方オンリーやろうという発想が、私に言わせれば既に犯罪だwww
…という訳で「香霖堂長月市」が9月開催にも関わらず春の一次締め切りの段階で早くもサークル満了、というのもある意味当然の話と言えよう。
残念ながら、サンクリ・メンコミとバッティングしてしまったが、それすらも「人が減って混雑が緩和されっから丁度いいんじゃね?」って思えてしまう程だ。
「香霖堂」にしても「東方名華祭」にしても、小さいキャパの会場にて、いかに人を捌くかが課題になろう。
キャパ的に、今の名古屋の需要を満たせそうなのは、来年7月開催予定の「東方名月祭」まで待つ事になろうか。安定運営で高く評価しているツインテールカーニバル準備会系列の主催だし、間違いは無いだろう。


面白いのは、10月下旬に「聖地」諏訪で開催される「御射宮司祭」。聖地巡礼目的で全国各地から東方厨大集結!旅行会社を絡めての聖地巡礼バスツアーも企画される。
目的が目的なので、当地同人世界の活性化とは余りリンクしないだろうが、信州の東方サークルも多少は参加するだろう。

四国初の東方オンリー「東方四国祭」。ちょっとした騒動にはなったが、それも多数の来場者が見込まれるがゆえ。
地元の即売会はコミックライブしかない。オンリーなんぞ存在しない地域にも関わらず、余裕で満了…東方が日本全国至る地域に侵食している事を如実に示す象徴となる現実だ。
広島にも遂に東方オンリー登場。来年2月「東方椰鱗祭」に対しては色々と思う所あるが、そこは後日改めて申し上げたい。
「東方四国祭」でも取り上げた課題…地元に即売会の運営経験豊富な方が少なく相談相手に苦労するであろう事、これは椰鱗祭にも通じる課題と見ている。

九州は非常に熱い展開だ。
今年5月開催の「博多東方祭」は、ヤフードーム開催の即売会(コミックシティや某厨房即売会)を除けば、九州では空前の動員数。押し寄せる東方厨は、優秀なスタッフ人材を確保し、無理無理ながらも捌き切った。サークル目線に立った独特の取り組みも興味深いものがあった。総じて見て、超の付く大成功と言えよう。
次回は「大(9)州東方祭」と名を改め、小倉の西日本国際展示場での開催。より大規模に派手に、「祭り」の花火が打ち上がるだろう。

これに触発されてかどうかは知らないが、既存の即売会主催の動きも、急に慌ただしくなる。
先ず、ヤフードーム開催の「コミックシティ」内で開催される「東方天神響」。
主催はコミックシティと一緒で「ケイ・コーポレーション」だが、主催者の名義として、敢えて「こみっく☆トレジャー」の「青ブーブー通信社」としている所がポイントだ。
ケイ・コーポレーションは、シティ福岡のサークル案内の中にトレジャーのお誘いを入れたり、トレジャーのサークル案内の中に福岡シティのお誘いを入れたり、と福岡シティ・トレジャー間の相乗作用を高めようと試みているが、青ブー名義での即売会を福岡シティの中で行う事は、この相乗化の取り組みの延長線上で捉えられよう。
「東方天神響」の存在を通じ、福岡シティの活性化、そして「こみっく☆トレジャー」の活性化にも期待したい

そしてもう一つは、だいぶ運営も安定してきたオールジャンル即売会「tenjin.be」の主催でもある「NPO法人 Project Arbarest」が立ち上げた東方オンリー「東方久遠境」。
彼らの地盤たる福岡天神を離れ、久留米での開催を決定。200sp募集と意欲的だ。
しかし、東方オンリーとなると皆博多・天神を離れ、周辺都市に逃げていくのは、それだけ博多・天神には、東方オンリーに適した100-200sp規模の箱が無い、という事か。

3つのオンリーが相立ち並び、競い合う九州の今後の展開から目が離せない。


以上、東方オンリーの地方展開について見てみたが、総じて想定外の人出で盛況。地元の既存有力即売会すら凌ぐ人出の地域も存在する。東方ジャンルの力を思い知らされる。
地方即売会の活性化を願う私の立場からすると、全国各地での東方オンリーの活況は、素直に嬉しい。
但し、活況に喜ぶだけではない。私は、東方のパワーが、当地既存の即売会にも良き方向で活性化をもたらす事も期待している。
仙台の「杜の奇跡」は、ジャンルの偏りという課題を残すものの、東方効果で過去最高のサークル参加数を叩き出した。
また、東方は男性向け層のみならず、女性向け層にも順調に侵食している。女性向け層の多くが参加する、コミックライブ等地元の即売会も、東方効果でサークル数が押し上がるのではと期待を寄せている。

もっとも、人海戦術で想定の斜め向こうの来場者が押し寄せる東方オンリー。
如何に押し寄せる東方厨の人波を捌き切るか、という課題はある。
地方主催にはそんなシチュエーションも過去に無いから(寧ろ、今までは如何にサークルを集められるかの方が重要だったと思う)、そんなノウハウも無い。
経験やノウハウの豊富な人材を抱えられる所は良いが、そうじゃない所も少なくない。
東方ジャンルの盛り上がり…というか沸騰に、運営側のスキルが追い付いていない、という考え方も出来る。
そのギャップを如何にして埋めるのか…という部分が、今後の地方開催東方オンリーの課題の一つになるであろう。

果たして、この東方熱、いつまで続くのか。
しかしながらこの東方熱は、沈滞し低迷傾向の地方即売会の現状を吹き飛ばす起爆剤になるのではないか?
そういう視点から、東方の今後の動きに期待していきたいものである。