2009年09月30付「9/27 サンクリ45反省会(前編)」の続きです。

前回、反省会の一部の方の態度ならびに言動に対する疑念を申し上げた所までで、記事の結びとさせていただいた。
今回は、私自身が放った質問、ならびにその意図を解説したい。
そして次回記事にて、現時点におけるサンクリの問題点や課題を整理し、お伝えしたいと考える。


私が、反省会席上で申し上げた質問は以下の2点である。
1.(個人情報保護施策に対する)内部監査の信頼性に対する疑念
 内部監査だと信頼性が保たれるのか。監査業務を司れる能力者は居るのか。そもそも内部でナアナアでやってきたのが情報漏洩の原因、何処まで信頼がおけるか疑問。外部監査にはできないのか。

2.「全国同人誌即売会連絡会」が6月上旬に開催した「勉強会」において(参照:第9期 連絡会集会のお知らせ)、情報漏洩発覚後の対応方や対策について、サンクリから発表があった模様だが、可能ならばその内容をお教えいただきたい。

当日は、恥ずかしながら緊張して少し舌足らずになってしまったが、おおよそこんな意味合いの質問をさせていただいた。


【内部監査についての回答、質問の狙い】

私は、2009年07月04日付「9/27「サンシャインクリエイション」復活開催に寄せて」にて、内部監査の問題点について、以下のように述べた。

・「内部監査」だとスタッフ間の仲間意識・身内意識に阻まれ、ナアナアになる。監査が甘くなり、効果の程に疑問符。
「ナアナア」の意識が、勝手に自分のPCに個人情報を持ち帰る風土を培っている。今回の情報漏洩は、内部統制の不足が根本原因だ。にも関わらず、対策たる監査が内部で完結するのなら、再発防止の心構えとしては疑問を持つ。

以上の問題点より、内部監査の信頼性に、大きな疑問を抱いていた。
ぶっちゃけ、実際の監査業務をせずとも、クリエイション内部の誰か適当な人をでっちあげ、「ちゃんとやってるのを確認したよ」とサインすれば、それで事足りる。
形式化し、実効性も保証されないような気がする。
内部監査に対して当方が提示した問題点。これがきっちりクリアされて信頼性が保てるのか?それを確認するための質問であった。

これに対するクリエイション側の回答は、おおよそこんな感じであった。

・外部監査も検討したが、ボランティアの事務局を含んだ構成でやっている関係上、難しいと判断した
・とりあえず内部監査でやってみて、web上にて結果を発表する


監査関係にそんなメチャクチャ長けているわけではないのだが、前者については果たしてそういうものなのだろうか…?という疑問は残る。事務局が入っているから外部監査が適さない、そこについての説明が無いから納得しきれないのだろう、と今になってみて思う。
監査するに足る能力をお持ちの方が、内部にいらっしゃるのかという問いにも答えはなく、100%満足できる回答では無い。
ただ、私が食い下がらずに矛を収めたのは、後者の回答「監査の結果は公表する」に因る。
最初から内部監査を否定する態度じゃなく、その結果を見て判断しよう。そう考え、ひとまずは納得する事にした。

という訳で、内部監査の是非については、今後の公表結果を見て改めて論じて参りたい。


但し、内部監査の公表内容が、誰かしらのサイン付で「異常有りませんでした」というだけでは、決して納得はしない
少なくとも監査人がいかなる人物か、どのような監査を実施したか…監査の具体的詳細が見えてこなければ、信頼は得られないであろう事も、申し上げておきたい。



【全国同人誌即売会連絡会での発表内容についての回答、質問の狙い】

2009年07月04日付「9/27「サンシャインクリエイション」復活開催に寄せて」では、サンクリが今後の開催や漏洩防止策など、「未来」に対しては極めて前向きな姿勢を見せる一方、被害者への対応等のフォローについての言及が無い事を「お漏らししたお尻の穴の後始末からは見て見ぬふり」という言葉で指摘した。
また、【被害者対応の可視化】により、サンクリが誠意を以てサークル対応に当たって事をアピールでき、サークル側の好感度も上がるのでは?とも提起した。

だが、その後、とある方より情報提供をメールにて頂戴した。
その情報内容の一端(但し、サンクリ側が公にしていない事を鑑み相当ぼかして書いてますがw)は、2009年07月04日付「9/27「サンシャインクリエイション」復活開催に寄せて」の最後尾に「追記」という形で記載させていただいたので、宜しければご一読願いたいのだが…

実はクリエイション、情報漏洩対応や再発防止策をきっちり行っているというお話なのだが、何故そういう情報を入手するに至ったか。
質問で触れた「全国同人誌即売会連絡会」。【2010年6月6日】に実施された今回の会合は、主催/スタッフのみ参加限定の非公開であった。ただ、友人・知り合いにこの連絡会に参加している主催が、何故か知らないが両の手に余るほど居る自分、そういう話はすぐに伝わってくる。
(しかし、何でこんなに俺の知り合いで連絡会の参加者多いんだ?自分でも不思議だw まあ、参加イベントが増えてるって部分もあろうが…)
誰から聞いたかは伏せさせて頂くが、複数ルートから聞いたので、そのお話は、ほぼ間違い無いと見ている。
但し、非公開での発表という事も鑑み、以前の記事でも詳細はぼかしつつ、サンクリもちゃんとやってるならそれをアピールすれば良いのに、と申し上げるに留めた。

だが、サンクリに、それをアピールしようとする形跡は一切無い。
一方、私の周囲からは「サンクリはアフターフォローをスルーしている」なんて批判の声が聞かれ、ネット上でも返事が来ない云々のお話を聞く。
即売会連絡会の話と、市井の話が、食い違いを見せている。

一体、どちらの話が真実なのか?
非公表内容を無理無理公表させるようで気は引けるが、余りにも話が違いすぎるので、直接質問をぶつける事で真実に迫ろうと考えての質問であった。

サンクリ代表側の回答は、以下の通り。私が聞いた内容とほぼ一致していた。

・同人誌即売会連絡会へは、今後の情報共有の為に、現時点での結果を報告した
・「家に誰か来た」「不審な物を送りつけられた」等実際に被害を受けたという報告は(連絡会開催の6月時点では)上がっていない。サークルからのお便りは「相談」が中心。

私に伝えられた内容も、「被害の報告」は上がっておらず、「被害を受けたらどうしよう」等相談中心の内容だった、というお話だ。今回のサンクリ代表氏の答弁とも一致する。


では、このサンクリ代表氏の答弁は、果たして真実なのか。
私は、彼の発言は真実だと思う。嘘は言っていない、と判断する。

氏の発表の場となる同人誌即売会連絡会は、ガタケット・コミックマーケット・コミックシティ等有力即売会の主催が集う。同人世界の大物、「大御所」的な方々も多く、そういった面子相手に嘘つけるとは思えない。余程腹と肝の据わっている詐欺師なら話は別だが、そんな感じの方でも無いと思うし。
更に、同じ内容を、サンクリ反省会という公の場でも発表した。
そこまで公言して、実は嘘でしたなんて話になれば、同人世界…特に主催・スタッフ的な世界で大きく株を下げ、その地位は今以上に失墜する。リスクは極めて大きく、そんなリスクを犯してまで嘘つけるとは思えない。
そういう事から、氏の発言【実際に被害を受けたという報告は(連絡会開催の6月時点では)上がっていない。サークルからのお便りは「相談」が中心】というのは真実と考えられる。


ただ、その答弁が真実ならば、一つの疑問が生じる。
前回記事「9/27 サンクリ45反省会(前編)」でも記したA氏(仮名)は「個人情報漏洩で被害を蒙った、就職も出来ない」と被害を訴えた。
このA氏証言との整合性が取れないのでは?反省会に参加した方なら、誰もが疑問に思う事だろう。

先のサンクリ代表氏の答弁を、もう一度振り返ってみよう。

>「家に誰か来た」「不審な物を送りつけられた」等実際に被害を受けたという報告は(連絡会開催の6月時点では)上がっていない

A氏は断続的にサンクリ側とやり取りを行っていたようだ。どのようなやり取りが行われていたかは不明瞭だが、恐らく「家に誰か来た」「不審な物を送りつけられた」といった類の報告は行っていないのではなかろうか。
それゆえに、サンクリ側も「被害報告」ではなく「相談」として受け止め、カウントしていたのではないか?
(A氏は、被害の具体例として「就職できない」等とおっしゃっていたが、情報漏洩との因果関係が認められるかは微妙だ。「相談」にカテゴライズされても不思議ではない)
そう見なせば、サンクリ側もA氏側も嘘はついていない。どちらも正しく、両者相反の原因は「行き違い」によるものだろう、と推測する。

また、B氏証言「同人やっていたのがバレて、副業禁止の職務規定違反で解雇された」とも一見矛盾しているように見えるが、これも決して矛盾していない。
サンクリ代表氏の話は、あくまで即売会連絡会開催・6月6日時点での話。その後の7月20日にB氏解雇、という時系列だ。6月6日時点の報告としては、決してB氏証言との矛盾は無い。

6月6日時点の状況としては、氏の発言に嘘は無い。
だが、こうして公の場でA氏・B氏と二人の人間が被害を名乗り出ている。
被害者だからといってその発言を鵜呑みにしてはならない、という立場から申せば、決して彼らの「被害」は、サンクリの個人情報漏洩に基づくものとは思えない。慎重に判断するべきとの立場は崩さない

だが、サンクリ側は反省会の席上で「二次被害に関しては具体的な証拠がなくても、漠然と身の回りで変なことがあったら、連絡欲しい」(←津村十九庵様より引用)とも語っている。
そう答弁している以上、サンクリ側としては、彼らの「被害」が個人情報漏洩に伴う「被害」か否かに関わらず、彼らの発言に耳を傾け、親身に相談に乗る事が必要となろう。
個人情報漏洩の当事者である以上、道義的な見地からもそれは言えよう。
(もっとも、補償や賠償をするべきかどうかは、事実関係や因果関係を整理し見極めた上で、慎重に判断するべきだが)


以上、今回の反省会で当方がぶつけた質問、及びその意図や回答を記載。その上で、自分の見解を述べさせていただいた。

サンクリ側の答弁に関しては、正直、満足の行く回答ではない。
ただ、そこそこ納得は行く回答でもあった。
内部監査の件については、不安は残るものの、報告内容を見て改めて判断する事とし、自らを納得させる事ができた。
即売会連絡会での報告内容も、一応は間違いないと見て良いだろう。それなりには対応やっていたのだろうと思う。連絡会開催日の、6月6日までは
(前回記事コメント欄ご指摘の通り、6月以降がまた別の話になるのだが、それは次回詳しく語りたい)

次回は、現時点におけるクリエイションの問題点や課題について語り、今回の一連の論考の、シメとさせていただきたい。