9月27日、東京で「サンシャインクリエイション」が開催されたが、名古屋では東方オンリー「香霖堂長月市」、そして老舗オンリー「メンコミ」が開催された。
サンクリに参加していた自分だが、信頼できる参加者筋の話によると「香霖堂長月市」は4回の入れ替え制を敷きながらも無事に切り抜け、「メンコミ」はいつも通りののんびりムードとの事。
両即売会とも大きな事故無く、無事に終了した。
「香霖堂長月市」に対しては思う所全く無い訳ではないが、私からは一つだけ申し上げたい。スタッフ参加者の中には、サンクリの予定をなげうって、名古屋は無論、関西なり東京なりからお手伝いが馳せ参じている。そういった方々への感謝の念をより一層強く持って頂きたい、と。
何れにせよ、関係者各位の奮闘には、心から労いの意を申し上げたい。

さて、終了後から名古屋界隈より一つの気になる噂が流れてきた。

香霖堂長月市が、メンコミに日程を後からぶつけてきて、メンコミは来場者を食われてしまった

…は?妄言が凄いなあ。
事実誤認も甚だしいが、最初は噂レベルの話、気にも止めなかった。
最近この手の話をよく耳にするようになり、流石に黙っては居られなくなった。この話が既定事実となる前に、何とかしたいとも思った。
「香霖堂長月市」自身の名誉の為にも、また、サンクリをなげうって各地から「香霖堂長月市」に参集したスタッフ諸氏の名誉の為にも、真実をここに書き記したい。
先ず、時系列で申し上げたい。
「香霖堂長月市」の開催は、昨年秋の「東方紅楼夢」開催時点でチラシを捕捉・確認していた。
一方、メンコミの開催日は、今年に入ってからの発表だ。
…どう考えても、「メンコミ」が、「香霖堂長月市」にぶつけてきたようにしか見えない

そもそも、東方オンリーとオールジャンルは、住み分けが出来ており、バッティングしても影響は無い、という声も少なくない。
だが私は、必ずしも影響が無い、とも断定し切れ無いとする立場を取る。その立場から申せば、【後発のメンコミこそが、名古屋の他即売会に配慮し、バッティング回避を行うべき】とも主張したい。
メンコミだって、サークル数も低迷。決して順調とは言えない。バッティングでサークル数が減る事を重んじ、バッティング回避に動くべきだった。

更に言えば、「香霖堂長月市」よりも寧ろ「サンクリ」とのバッティングの方が、メンコミ的には痛かった
確かにサンクリの開催発表は5月に入ってから。個人情報漏洩事件の影響もあり、例年よりも遅めの発表だ。これだけ見ればサンクリが後からぶつけてきたように見える。
だが、男性向け主催の界隈、在京・在阪・在名…有力主催の間では、水面下の話とは言え、既に昨年冬コミの辺りでサンクリは9月27日開催だと知れ渡っていた
私程度でさえもチラッと聞いた位のレベルだが情報は伝わっている。ちょっと情報収集に気合いを入れれば、この程度の話は楽に入手できるレベルだろう。人脈の無い新人主催ならいざ知らず、長年即売会を営んでいる古参ならば楽に入手できる情報だ。
だからこそ、殆んどのオンリー主催は、この日の開催を回避した。(もっとも、会場の空きが甘いからと入り込んだ主催も居ようが、それはサンクリとのバッティング覚悟での決断だろう。覚悟の上なら、その判断を尊重するのみだ)

メンコミは、「香霖堂長月市」、そしてサンクリとのバッティングで参加者数を落とした。
「香霖堂長月市」とのバッティングは、知ってて後から突っ込んだのだから自業自得というか残念というか。地元他即売会の動向にもご注意を、と申し上げるしかない。今後の日程選定の折りには、より一層の配慮を願いたい。

そしてサンクリとのバッティングについて。名古屋と東京の地域の隔たりから、バッティングも影響を薄いと判断したのだろうが、やっぱり影響は大きかったようだ。
今後同じような事が起こらない為にも、水面下の情報をキャッチするアンテナを伸ばして頂く事を、メンコミにはお願いしたい。メンコミは、10年以上の歴史を誇る古参の即売会。その位の芸当、その気になればきっと出来るはずだ。


何故そこまで私が断言するか。
メンコミの主催(代表)氏も人脈はお持ちだと思うが、それ以上に深い人脈をお持ちとおぼしき心強い「ブレーン」が、メンコミにはいらっしゃる。
今回のバッティングは、日程選定にこの人物が関わっていないがためだと思う。彼が本気を出せば、サンクリとのバッティングなんぞ速攻察知。今回のような出来事は防げたであろう。

私が推薦するメンコミの「ブレーン」は、「大須電波ニュース」の主筆氏。(以下「大須ブログ主筆氏」と表記)
氏の情報収集力は、大須ブログの他、別途営むブログ「三毛猫が出かけたこみけの話」にその片鱗が表れている。
氏の情報収集能力は卓越している。情報の氾濫する東京から離れた名古屋の地に在住というハンディを背負いつつも、あれだけの情報を集め披露している所からも伺えよう。長年の同人生活から得し、多方面からの人脈も、その情報源となろう。
私の知り合いは、氏から名刺を貰ったそうだが、その肩書には「ジャーナリスト」と刻まれていた。その名に恥じぬ情報収集能力を、メンコミは最大限に活用し、バッティング回避に当たる事を勧めたい

大須ブログ主筆氏は、メンコミへの忠誠心にも篤い
例えば、アキバブログは、秋葉原界隈で起こった出来事を紹介しており、秋葉原界隈で開催されし即売会は、必ず取材・紹介している。
同様の流れで捉えると、大須ブログも、大須の名古屋中小企業福祉会館を会場とする「香霖堂長月市」を取材するであろう、と考えがちだ。
だが、大須ブログ主筆氏は、敢えて「香霖堂長月市」を黙殺した。メンコミに参加した為である。
東方紅楼夢の記事は書いても、地元の東方オンリーは黙殺する。メンコミのカタログ前売り販売の記事は書いても、「香霖堂長月市」カタログ前売りの話は決して書かない。
「ジャーナリスト」としての公平性を犠牲にしてまでメンコミに殉じた、とも言えよう。義理人情に熱く、現代日本における「忠義の士」である。

大須ブログを拝見する中、このような記事を見かけた。


>昨日は、メンコミ45/桜高祭にご参加いただきありがとうございました。
>同日、サンクリ・東京ゲームショーと重なったこともあり普段より出足が少なかったですがのんびりとしたムードで無事終えることができました。主催に代わり厚く御礼申し上げます。

メンコミ終了に伴う御礼の挨拶だが、ここから2つの要素が読み取れる。

先ず、氏はメンコミ内部において、主催氏に非常に近い立場の存在であるということ。「主催に代わり厚く御礼申し上げます」なんて言葉、主催を差し置いて言える言葉ではない。礼儀を欠いている、と批判する向きも居よう。
だが、そう考えるのは早計だ。主催を差し置いて言えるだけの人間関係が出来上がっているからこそ、そういう発言も出来るというもの。氏が、メンコミ主催氏に限りなく近い立場たる事の証左となろう。

そして、氏は今回のメンコミにまつわる一連のバッティングについて、正しい認識をお持ちの方である、という事。この点を取り上げたい。

氏は、「同日、サンクリ・東京ゲームショーと重なったこともあり普段より出足が少なかった」と述べていらっしゃる。
メンコミの人出が弱かった要因として、サンクリと東京ゲームショーを取り上げ、「香霖堂長月市」をその要因から敢えて外している
私は「香霖堂長月市」とのバッティングも人出に影響したとする見解だが、氏もメンコミが後出しした事に負い目を持っているのだろう。地元イベントに責任を転嫁したくなる気持ちを抑え、分を弁えていらっしゃる。大人の対応であり、奥ゆかしさすら感じる。

一番最初に私が紹介した妄言

「香霖堂長月市が、メンコミに日程を後からぶつけてきて、メンコミは来場者を食われてしまった」

大須ブログ主催氏がそんな責任転嫁まがいの発言を聞こうものなら、眉をひそめることだろう。氏が、そんな妄言吐くなんて、夢にも思うまい。


ここまで、大須ブログ主筆氏について論じたが、氏は様々なものを兼ね備えた「漢」である、

名古屋在住のハンディを乗り越えた、その情報収集能力。
長年の同人生活を通じ、培われた人脈。
メンコミに対する、篤き忠義の心。
「香霖堂長月市」とバッティングしても、「香霖堂長月市」のせいにしない寛容な心。


氏の能力を、メンコミは最大限に活かし、バッティング回避を図るべき。当方、そのように主張させて頂きたい。