前々回の記事にて、名古屋おお振りオンリーの中止について取り上げた。
これに対し、コメント欄に寄せられた情報が、非常に衝撃的であった。
この「おお振り」ジャンルには、もう一つとんでもないオンリーが存在しているとの話だ。ドタキャンという、あの厨房即売会の最頂点に君臨する「夢彗星」を彷彿させる展開

私は早速詳細を調査した。
調べてみたら、このイベント、沖一利・西広辰太郎中心オンリー「class-3」。所謂「おお振り」のキャラオンリーである。

この件を論ずるに当たり、先ず、主催氏のお詫び文を抜粋したい。
先ず皆様にも、これをお読み頂きたい。
>当オンリーイベントは中止という形で終了いたしました。
>楽しみにしておられた方も多かったのにかかわらず、期待に応えることができずに大変申し訳ございません。
>
>チラシを年末から配り始めてから現段階に至るまでに準備する時間がほとんど取れなかったことにより、メール返信
>及びサイト更新が滞り、パンフレット作成も間に合わず、サークルチケットも未送のままとなってしまいました。
>潔く早めに中止を決めれば良かったのですが、どうしても諦めきれずに引き延ばした結果がこれであり、
>全てにおいて、私の判断の甘さが大きな原因です。
>迷惑をかけたサークル参加予定者様及び一般参加予定者様には申し訳なく、深くお詫びを申し上げます。
(中略)
>■ これまでの経緯
昨年 9月末 オンリー開催について調べ始める。
>10月初旬 主催を決意。どのようなことをすべきか詳しく調べる。>
>11月 会場及び振込口座、サイト等の前準備にかかる。
>12月5日 会場費予約前金として20,000円入金
>12月初旬 チラシ入稿完了(冬コミにて初配布)
>12月27日 準備が整ったため、サイトを本オープン。詳細をアップする。
>12〜1月 東京大阪へ行った際、店頭配布をさせてもらう。
>今年 1月11日 インテ配布にて初期刷り分配布完了、25日より新しく刷ったものを配り始める。
>1月末 申込書1通目到着
>
>2月10日 パンフレット広告を作成するが、書類作成が間に合わなかったため、広告掲載を断念。
>3月15日 春コミ 仕事の都合で前日の出発が遅れる。チラシ机上配布時間に間に合わず。>
>
>3月20日 一次締切
>3月末 一次締切分を確認(全9サークル)、申込書を参考に支援印刷所を決め、申し込む。
>4月初旬 インフルエンザのため仕事を休むが準備もできず。
>5月3・4日 スパコミ 仕事の都合で前日の出発が遅れた上高速の渋滞で間に合わなかったため1日目は不参加、その後体調を崩し2日目も遅れたためチラシ机上配布できず。
>5月17日 オンライン上の全てを動かすことができていなかったため最終締切を延長させる。
>5月30日 最終締切、この時点での全ての申込の入金を確認。
>6月19日 会場費全額入金。
>6月21日 この日のメール返信を最後にメール関係を一切触れずに当日になる。
>6月26日 メールにて受け付けた最終締切分を受理(合計18サークル)。
>7月6日 サークルリスト制作、この時点でサークルチケット用意できておらず。
>7月11日 この時点でパンフレット制作が間に合わなくなる。
>7月18日 仕事が終わってからコピーでも配布物を間に合わせるためにデータ作成。
>出発時間ギリギリまでやるも、終わらずに友人を送る時間に間に合わなくなるために、日付が変わった19日AM3:30東京へ出発
>7月19日 高速にて10時頃、東京着。仮眠及び必要なものを買いに行った後、車を止め13時頃続きの作業及びメールの送信のためネットカフェへ。
>続きを始めるも、間に合わないと判断、適当に開催するよりはと中止にするがメールまで頭が回らずに朝を迎えてしまう。
>7月20日 当日朝、中止の旨をサイトへアップする。その後、対応の為会場へ向かう。会場到着が9:20頃。
>
>
>以上がオンリー主催を決めて以降、当日までの流れです。
>
>帰宅した7月21日の仕事後、疲れで寝てしまい更新が22日まで遅れたこと、
>その後今日である27日まで何の更新も出来なかったことについては大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。


私はこのオンリーと同様の結末を迎えたオンリーを一つ存じ上げている。
三年前に立ち上がったものの、サークルにも案内が来ず、カタログも作成せずメール対応もせず。会場取得以外の全ての主催業務を放棄した伝説の青龍刀即売会地球☆侵略〜1st IMPACT〜」 (ケロロ軍曹オンリー)である。
(参照:2006年11月05日「どんなイベントでも、「応援」するわけじゃない。」)

色々細かな流れが書いてあるが、このオンリーも、結局会場取得以外、主催としての仕事を一切行っていない。
当日会場で応対しただけ夢彗星よりはマシ、というレベルに過ぎず、私が青龍刀振りかざしたくなる対象たる事は間違いない。

この即売会の主催に対しては、擁護の余地は無い。同人史上十指に入る青龍刀即売会と言えよう。今更論じるまでもない。

では、何故このような結末を迎えるに至ったのか。これが今日の記事の主題である。
そこを掘り下げつつ、彼女らに何が欠けていたのかを論じたい。


さて、先のお詫び文を読んで、皆様何をお感じになっただろうか。
主催なりそれに準ずる立場の人ならば、必ず気付くであろう、気になる点が一つある。スタッフの方でも、気付ける方は気付くか。

それは、【この主催には仲間が居なかったのか?】という事。
主催の力は重要だが、主催一人で即売会は成り立たない。周りに協力してくれる仲間が居て、初めて成り立つものである。主催を経験した方ならば、誰もが感じ取る真理である。

しかしながら、この主催はどうか。
時系列の主催の動きを見るに、この主催が他の人を絡めて仕事した形跡が、全く見受けられない。
どう見ても、一人で抱え込んで仕事しているようにしか見えない。
今回の「中止騒動」の根本原因を、私はそこに見い出したい。

当日のみのお手伝いスタッフとは異なり、主催の行う業務は多岐に渡る。
チラシ作り、告知宣伝、メール対応、会場との打合せ、支援印刷所との打合せ、配置、カタログ編集、当日スタッフの徴兵…業務は極めて多種多様だ。
単にスタッフを務めているだけでは決して味わう事の無い、多様な業務をこなさざるを得ない。

私が思うに、例え15sp程度の小規模イベントであったとしても、自分以外で、全てを任せられる人間が最低一人は欲しい。出来れば、中核を担うスタッフが、数人居れば有難い。

いや、確かに、当日こそ何人も手伝いを求めるが、事務作業など事前のあらゆる業務を一人で全てこなす主催もいらっしゃる。
そういう主催は、極めて有能な主催たる事は間違いないが、私に言わせれば「超人」か「化け物」だw
全ての主催に同じことを求めるは、余りにも酷だ。
やはり、一般論として、もう何人か手伝ってくれる人が欲しい所だ。

このオンリーの主催の時系列を拝見すると、「頑張ろうとした意欲はあったが、仕事が忙しかったりで、それも実現し得なかった」…という色が、極めて強く出ている。
主催本人が、自らの弁解として、そういうニュアンスを奏でているのかも知れない。
ならば、私はこう申し上げたい。

仕事が忙しく思うように活動し得なかったとしても、誰か仲間に主催業務を手伝って貰い、主催業務を遂行できなかったのか?

他の人の力を借りてでも、主催はその職務を全うすべきである。仕事が忙しいのは、主催業務を遂行しなかった事の理由とはならない。

逆に言えば、頼れる人間関係を持たない方は主催するな、という言い方も出来る。
主催一人では、決して即売会は成立しない。有形無形、様々な人々の協力あって成り立つというのに、一人では何が出来よう。
一人で全てを抱え込んだ結果が、この「おお振り」オンリーの末路ではないか。

主催を営むに当たり、最低限必要な事は、【責任感】【人間関係】…私はこの2つこそが真の意味で欠けてはならないもの、と心得る。
責任感は当然必要だ。前々回触れたように、主催がオンリーを放り投げるような事、夢彗星やコミックシティ内の一部プチオンリーのように、当日朝に主催が行方不明になる事。共に責任感の欠如から来ている。
責任感があれば、即売会を真っ当な理由無くして中止するなんて事はない。

そしてもう一つの人間関係。【人と人との繋がり】こそが、主催を営むに最も大切なものでは無かろうか。
極論言えば、頼れる人さえ居れば、主催本人が無能でも構わないw
絵が描けなければ上手な絵師に描いて貰えば良い。ノウハウ無き初心者主催でも、参謀やアドバイザーなり事務方なりに、ノウハウある方に入って貰えば良い。
大切なのは、自己に足りない部分の補完をお願いできる相手が、周囲にいるかどうか、これに尽きる。スタッフや協力者も含めた【総和】で力を発揮すれば良い

例えば、私が知っている某オンリーは、主催当人が主催初心者ながらも、運営上の疑問点を経験者に質問攻めするなどの勉強熱心さで、一生懸命頑張っている。
頼れる経験者が身近に居るからこそ、有用な教えを吸収でき、主催初心者のハンディを埋めつつある。

また、とある主催は、主催の身ながらどうしても回避出来ない仕事が入り、当日自らが参加出来なくなってしまったそうな。(…そういえば私も過去某オンリーのスタッフやってた頃、2回連続で当日欠席なんて事あったなあw)
だが、代理を務められる人物を探し依頼し、その人に全てを託すそうな。
これも、頼れる人が居てこその芸当だ。

一方で頼れる人が居ないと、色々と悲劇だ。
身近な所では、当ブログでも触れた「東方四国祭」が意味不明のメールをサークルに送ってしまった件が挙げられようか。
主催の粗相は間違いないが、周囲に頼れる人・止められる人が居なかった事が粗相の背景にあることを指摘した。
(余談だが、東方四国祭はその後持ち直し、無事当日を迎えるに至った。その背景には、実績豊富な主催経験者が、その後に加入した事も申し上げたい)

この件に限らず、即売会の世界で青龍刀振りかざしたくなるトラブルは、私が見た所、大半が「人の不足」に起因する。
単に物理的な要員不足で追い付かないケース、適切なアドバイスを出せる見識の備わった方が周りに存在しない…すなわち人材不足のケース。どちらのケースも有り得るが、結局、周囲にちゃんとした人が一人でも居れば防げたんじゃないか?というトラブルが多く目に付く。

2009年07月02日「「東方四国祭」騒動雑感(後編)」でも申し上げたセリフを、ここでもう一度抜粋したい。

>主催を務めるに当っては、主催としてのノウハウ以上に、人脈が備わっているかが大切に思う。主催として立つ前に、ご自身の人脈を点検する事を勧めたい。

>そして、それが弱いと感じたら、人脈作りの意識と努力を!と言った所であろうか。
>

人脈…【人と人との繋がり】とも置き換えて良いだろう。
結局自分一人で出来る事は限られている。周囲の協力が必要だ。
周囲に協力を頼む事が出来ず、破綻の道を歩んだこの「おお振り」中止主催に対しては、批判すべき存在と分かっていても、何故か憐れみの気持ちの方が強い。不思議なものである。
まあ、人脈作りの努力ができなかったから、自業自得なのだろうが…。