11月29日、ケットコム主催の東方オンリー「東方崇敬祭」に一般参加させて頂いた。

ケットコム主催の東方オンリーは、今回が三回目。
過去には6月に「第一回」を開催。実に800サークルもの申込みを受け、過半数を抽選で落とさざるを得なくなった。
そこで落選サークルの受け皿として、急きょ「第二回」を7月に開催。第一回同様300サークル以上を集め、盛況の内に終えた。

しかしながら、前回は他に有力な東方オンリーが被らない時期の開催(厳密に言えば「えちご東方日和」が近接するも、崇敬祭にな与える影響は限定的だろう)。サークル的にも、参加しやすい時期であった事が幸いした。
また、6月のサンシャインクリエイションが中止となった事も、サークルを集めた大きな要因だろう。
サークル者が、サンクリに代わる「行き場」として求めた結果とも言える。

一方、今回は前々週に(遠く離れた九州とは言え)「大(9)州東方祭」があり、そして前週には「恋のまほうは魔理沙におまかせ!」(以下「恋まり」と表記)が存在している。どちらも、300サークル以上を集め、東方界隈における有力即売会の一つと言えよう。
これらのオンリーと競合した影響もあろうか、また、冬コミに日が近い事も災いしたか。今回の「崇敬祭」、サークル数こそ300を集めたものの、以前の勢いからは明らかに衰えた
サークルも、集客力ある大手が少ない事もあり、「大(9)州」や「恋まり」ほどの混雑は見られなかった

有力オンリーが近隣にあり、コミケに近い日程ながらも、300集めた。それこそがケットコムの実力の証と捉える見方も出来よう。
確かに、他の主催が参入し、今回のような競合状態で300サークル集められるかとなると微妙だ。ケットコムだからこそ300集められたのだと思う。「大健闘」である。
ただ、それにしても夏の勢いを考えるに、大きく衰えたと言わざるを得ない。
かつて私は、ケットコムが「崇敬祭」を立ち上げた直後、こう論じた。

ケットコムは、主催氏持ち前のアンテナの鋭さから他に先んじて「旬」になりそうなオンリーを企画。そのジャンルのオンリーワンとして君臨し、サークル集めにも成功する。それがケットコムの「必勝パターン」であると。
しかしこと東方に関しては、既に成熟期に達しジャンル内の勢力図も固まっている。そんな中での立ち上げは、これまでの必勝パターンから大きく逸脱している。
ケットコムの土俵とは異なる土俵での戦い、如何に戦うかに注目を寄せていた。

幸いにも、6・7月の開催はそれなりに盛況だった。
だが、先に指摘したようにサンクリ中止効果等の外的要因も大きく作用している。ケットコムの実力「のみ」による結果ではない。
そして今回の「崇敬祭」。一定サークルを集め健闘したが、他オンリーと比較すると見劣りは否めない。
ケットコムの弱点とも言える「同ジャンルの競合オンリーが出てくると弱くなる」…という部分が顕在化している。

ケットコムの即売会運営は、数多くの即売会経験の中で、徹底的に洗練されている。
以前話題にしたポスターや柱を上手に活用した分かりやすい案内など、他の即売会主催が見習うべき点は数多い。
しかしながら、多くの即売会をこなす手前、一ジャンルに費やす熱意には限界がある。また、一つのオンリーに割くリソースにも限界が生じる。
結果、テンプレートに則った運営になり、セオリーを押さえているから一定のクオリティは提供し得るものの、そのオンリーならではの「独自性」は薄まる。「差別化」も困難が伴う。
一つのジャンルのオンリーに専心し運営する主催に比べれば、どうしてもその辺りで負けてしまい分が悪い。

独自性の薄さ、差別化の難しさ。
それこそが、「同ジャンルの競合オンリーが出てくると弱くなる」というケットコムの弱点に繋がっている。

現在、東方ジャンルは「超」の付く乱立状態。
サークルから見れば、ここまでオンリーが乱立すれば、選り取りみどり、選びたい放題だ。
東方オンリー乱立の中、サークルに参加して貰う為には、他の即売会には無い、この即売会ならではの「アピールポイント」が無いと厳しい
数多のオンリーの中に埋没し、サークルの興味を惹けずに終わろう。
ケットコムが今後も東方を続けて行きたいのなら、やはり何らかの個性付けや差別化が必要だろう。

ケットコムの運営は磐石で、安定感は高い。それはケットコムの長所だが、それだけでは差別化には至れない。他にも安定感高い東方オンリーが、多く存在するからだ。
安定感の高い運営は、大事にすべき長所の一つだが、差別化を図るなら、それにプラスアルファ、もう一押しが必要だろう。
とは言え、即売会の中で個性を出すにしても、数多く即売会をこなす関係上、自ずとテンプレートに則ったものとなりがち。豊富な開催件数は、こと差別化に当たっては枷となってしまう。

ヒントとなるのは、崇敬祭内で主催氏がおっしゃった言葉。

ゆっくりオンリーやキャラオンリーをやってみたい
(…と耳にしたのだが、万が一違っていたらご指摘頂きたい)

ケットコム主催氏の頭の軟らかさや機動力の高さは、他の主催が真似したくとも真似出来ない、ケットコムならではの「長所」だと思う。
「スキマフェス」のように他の誰もが思いも付かない発想で、新しい切り口の即売会を開催する事は、その最たる例だろう。
氏のその鋭い切り口を、東方ジャンル内で発揮する。それこそが、ケットコムらしさを生かした差別化では無かろうか。

ゆっくりオンリー」なんてのは、これまで取り上げられて来なかった新しい切り口。
これに挑む事は、切り口鋭いケットコムならてはの取り組みだ。是非実現して欲しい。

他にも、いつも(予定)扱いで、いつまでも決定事項にならないのが残念だが、「東方素芸祭」
一体「素芸」って何なんだろう、何やらかしてくれるんだろう、名前だけで既にwktk感満載だw
…取り敢えず「素芸祭」本気で開催して下さい、お願いしますw

「素芸祭」がどんな即売会になるかは未知数だが、個人的には、ケットコムならではの独自の切り口・独自の発想に基づく、新たなアプローチの東方オンリーの実現の場になる事を期待したい。


オーソドックスな即売会を営むのも良い。ケットコムならきっちりこなしてくれるだろう。
だが、それに個性が伴い、差別化が図れなければ、競争激しい東方ジャンル。今は結果を出せても、今後の保証はない。
差別化を図り、個性を打ち立てなければ、早晩、数多ある東方オンリーの中に埋没してしまうだろう。

ケットコムの武器は、その類い稀なる発想力、独自の切り口の鋭さにこそある。
それは、他の誰もが真似出来ない。氏の天賦の才である。
それを生かし、誰もが思い浮かばない切り口での、斬新なアプローチの東方オンリーを、打ち立てて頂きたい。
それこそが、ケットコムらしい個性の出し方でもあると思う。

ケットコムに対しては、「ゆっくりオンリー」等、新しい切り口によるオンリーの開催に是非期待したい。