今回の論題は、コミックチャレンジのみに対するものではない。
当日会場で、松本の「コミックファクトリー」が10月3日に甲府で即売会を開催される旨を発表されたが、彼らのように、山梨ないし静岡での即売会開催をお考えの方にも、是非お読み頂きたい記事である。
(余談だが、今後は「ファクトリー」「チャレンジ」両即売会が互いに協力し合い、山梨同人界の発展に尽くす事を祈念したい

私が即売会を論じるに当って、一番気にする項目は、「告知戦略」についてである。

即売会というもの、サークル参加・一般参加が居なければ、幾ら主催が音頭を取っても、「笛吹けど踊らず」で盛り上がらない。
参加者を呼び込み、場を盛り上げる為には、きっちり告知する事が肝心だ
必ずしも全てにおいて正比例する訳ではないが、告知に熱心な主催ほど、サークル数は数多く集う傾向にある。だからこそ私は、同人誌即売会における「告知」を最重要視する。

では、何故告知戦略の話を最後に持ってきたかというと、それは山梨コミックチャレンジのみならず、静岡県で開催する「富士コミックチャレンジ」についても包括して論じたいからである。
という訳で、以下、彼らの告知の在り方を検証して参りたい。
【地元の告知について】

地方開催のオールジャンル同人誌即売会においては、「地元密着」が大切である。
コミックチャレンジもそこは弁えていらっしゃるようで、地元の有力店をきっちり押さえている。

コミックチャレンジが告知を図っている店舗は、以下の各店舗である。

アニメイト甲府店
ぺきん堂(甲府市内の画材屋さん)
カラーボックス中央店(甲府市内の7円コピー店)
・アイメッセ山梨

・アニメイト沼津店
・メイプル静岡店
・らしんばん静岡店
・メロンブックス静岡店


見た限り、開催県の要所となる店舗を押さえ、網羅している。
(流石に浜松は網羅してないが、富士のイベントで浜松に撒いても…なのでそこは撒かなくとも良いと思う)
押さえるべき所を、きっちり押さえている告知と言えよう。

ただ、欲を申せば、web上で具体名を上げるのは憚られるものの、同人誌やコミケカタログを取り扱う有力店が、若干抜け落ちているような気がする。
せっかく告知出来そうなお店があるのに、それを見逃しているのは勿体無い。是非そこでも告知に励んで欲しい。
(具体的には、甲府に1店舗、沼津2店舗、御殿場1店舗…興味あらばお問い合わせ下さい)

更に申し上げるならば、対象となる年齢層は、地元の中学生・高校生・大学生当たりとなる。
年齢層を考えるに、彼(女)らは「同人初心者」である。「コミックチャレンジ」の存在によって、初めて「同人誌即売会」の楽しさを知る方々である。
だから、「同人誌を知らない若年層の開拓」という観点からの「告知」も、こういう地方即売会においては大切だ。

地元の書店やコンビニ、ゲームセンター、コミュニティセンター等、若者が集い易そうな場所を研究し、告知する方法もあろう。
北陸や東北等、その手法が奏効した即売会の事例もある。
山梨だったら国道20号沿い、富士だったらの国道1号沿いの大型店は、開拓の余地が有りそうな気がする。

現状でも、押さえるべき所をきっちり押さえた告知だとは思うが、まだまだ改善と増強の余地はある。
地元店舗の開拓に勤しみ、非同人者を取り込む位の意気込みで「地域密着」を強めて頂ける事を願いたい。



【近県での告知の是非】

地元で告知するのは当然としても、その近県はどうするか?という問題もある。
そこは、地域の人の流れも考えながら検討すべき部分であろう。

先ず、山梨県・静岡県(東部)両県に関しては、JR身延線も通じており、往来もある。

沼津や富士で山梨の告知を図り、山梨で富士の告知を図る…といった具合に、相互に連動させての告知は如何であろうか。
そんな手間が掛かるレベルでも無いので、両県間の同人者の往来を促す取り組みという事で、やってみる価値はあろう。

ただ、隣の県に行くよりも、実は「東京」への往来の方が多いような気がする。
甲府からは特急で90分、富士からは新幹線で60分。東京は案外近い。交通費を節約し普通列車や高速バスを使っても、2-3時間で辿り着ける。
そして東京には、優良な人気即売会が多数、存在している。地元の即売会に行かず、東京の即売会に行く方が増えても、何ら不思議はない
…東京に近い分、東京がライバルとしてより大きく立ちはだかるのが、地域即売会の悩みの種ともなるのだが。

東京に近い以上、東京に遠征して参加する地元のサークルも、決して少なくない。
他県の方も混じるので対費用効果は決して良くないが、東京の即売会で告知を図るのも、選択肢としては悪くは無い。
サークル数を増やしたいのなら、検討に値する手段と心得る。

全部の即売会で配る事は難しいので、スーパーコミックシティ等大きめの即売会一個に絞るとか。
或いは、東方とヘタリアが多いので、これらのオンリーに絞るとか。
手間は掛かるのは事実なので、最終的には主催さんの判断に委ねられようが、もし東京で何か告知をされるのなら、不肖自分もお手伝いするので、一声お声がけ頂ければ幸いである。

後申し上げるならば、山梨県勢も多少は遠征参加する松本市の即売会も、山梨即売会ならば有力な告知先となろう。
老舗「コミックファクトリー」は無論、最近勢いのある「メガマニアックス」も候補となろう。
「御射宮司祭」のように諏訪で開催される即売会も、告知を図る価値があろう。

各県により若干事情は異なろうが、近県、東京も視野に入れた告知もご検討頂きたい。




【地元の即売会でも是非告知を】

地域の即売会は、「地元密着」な告知が基本だ。
先ほどは地元のお店中心の論であったが、同地域で開催される他即売会での告知も大切だ。

…といっても山梨は現状「コミックチャレンジ」のみなので、富士の方だけ語る。

富士…というか静岡県東部を見ると、以下の即売会が存在する。

・静岡コミックライブ
・おでかけライブin沼津
・おでかけライブin富士


尚、沼津/富士のおでかけライブに関しては、会場の「キラメッセぬまづ」が2010年度中に解体される事を受け、会場を求め富士に移るものと思われる。
(沼津開催のコミックチャレンジが富士に移ったのも同じ理由)

これら地元開催のコミックライブで告知を図るべき…と申し上げたい所だが、一つ難関があるようだ。

今回の山梨で、11月に開催されし「富士コミックチャレンジ」のカタログが、チラシ置き場に置かれていたのだが、そこの後書きが衝撃的であった。


>今回も少ないサークルのイベントとなってしまいました。
>静岡エリアは企業イベントの圧力が強く、思うように当イベントの告知活動ができないため参戦者みな様の口コミをあてにせざるをえません。
>企業イベントに対する作戦として次回からサークル参加無料としました!!
>非常に厳しいのですが、コミチャレ静岡県内存続を願っております。

ここで言う「企業イベント」が、ユウメディアの事を指しているのは明白である。
そして、「思うように当イベントの告知活動ができない」とある事から、「圧力」の中身は、チラシ撒きを断られた事、と解釈するのが妥当だろう。
(また、「圧力」といっても1イベントが掛けられる圧力なんぞ限界があるし、せいぜい出来る事なんぞ、チラシ撒きを断る以外には思い浮かばない)
同地域の即売会同士の共存共栄を主張する私の立場から申せば、大変に残念な状況であり、「地域即売会活性化」の観点から、互いに相互協力出来るような体制づくりを強く求めたいものである。

ただ、私はこう思う。
確かに昔のユウメディアは、同地域開催の他即売会に対し厳しい態度で臨んだ時代もあったようだが、今は時代が違う。
今のご時世、ユウメディアがチラシ撒きを断るケースは、極めて稀な事例である。
寧ろ、ユウメディアは、後出しジャンケンで同じ日にぶつけてバッティングしたオンリーイベントに配慮して、自ら退き日程を動かした事すらある。(参照:2009年11月17日付「ユウメディア/東7ホールの大英断」)

そういう最近の事例を見る限り、「本当にユウメディアは圧力を掛けたの?」との疑問が残る。現実味が薄く、「見えない敵」と戦っているかのような感もある。

とは言え、チラシ撒きを断られたからこそこのような愚痴を書く事になったのだろうから、チラシ撒きを断られた事はたぶん間違いないだろう。
ユウメディアの一方的な都合による断りなのか、或いは、コミックチャレンジ側に非があっての出入り禁止なのか。真相は分からない。

ただ、一つだけ言える事がある。
それは、「こんなカタログ上で愚痴をこぼしても、状況は何ら好転しない」という事。


私が、ユウメディアからチラシ撒きを断られたとするなら、先ずはその理由を聞き出し、ユウメディアを翻意させる事を考えるだろう。

アポイントを取り、菓子折り持ってユウメディアを訪問し、何故チラシ撒きを断られたのか、その理由をお聞きする。ユウメディア側の言い分をじっくり聞く事から始めたい。
その上で自分に非があらば、当然そこを改める。
状況にもよりけりだが、土下座して翻意をお願いするかもしれない。
自らの即売会で「おでかけライブ」のチラシを配布する事を申し出る(コミックチャレンジは企業主催のチラシは有料としているが、これは無料でサービスするべき)、「おでかけライブ」のカタログに、自イベント有料広告の掲載を申し入れする…と言った、ユウメディアにも利のある内容を提案しても良い。

いずれにしても大切な事は、地元の即売会たるユウメディアに対しての態度として、「反発」「対立」から始めるのではなく、「協調」の態度から始める事である。
「反発」「対立」で状況は好転しないが、「協調」ならば、道が開ける可能性も充分だ。


「コミックチャレンジ」は、「企業イベントに対する作戦として次回からサークル参加無料としました!!」とあるが、私に言わせればピントがずれているように映る。
サークルは、参加費が無料だから参加するのではない。サークルが集い、交流の場が生まれるからこそ、それを楽しみに即売会に参加するのである。
サークル参加費でサークル数が決まるのなら、参加費の糞高い「コミックマーケット」「博麗神社例大祭」に人が来る事の説明が出来ない。
第一、「反発」「対立」の立場からの施策なので、状況の好転には繋がらないように思う。

サークル参加費無料の施策は、主催にとっては金銭的な負担が重い。
寧ろそれならば、ユウメディアに頭下げてお願いして、有料広告を掲載する方が、まだ金銭負担の観点からもマシなのではないか?(「反発」「対立」ではなく、「協調」の態度となり、状況の好転に貢献しよう)

地域即売会の発展という観点からも、「反発」「対立」では、互いに足を引っ張り合う事となり、足枷となる。
少子化社会のご時世、参加者のパイも減ってきており、各即売会とも厳しい戦いを強いられている。そんな中、「反発」「対立」した所で、互いに足の引っ張り合い、場合によっては共倒れの危険もある。
共倒れこそ、私が一番恐れる事である。共倒れの先には何も残らないからだ。

「反発」「対立」から入るのではなく、「協調」の精神を追求して欲しい。
今の「対立路線」(=サークル参加費無料)を見直し、「協調」の体制を模索していただきたい。
それこそが、「コミックチャレンジ」(「おでかけライブ」もそうだが)が静岡で存続し得る、唯一の道であるように思う。