間を空けて、しかも「山梨コミックチャレンジ」の記事を4回に分けて入れてしまったが、2009年12月16日「tenjin.be終了を総括する」の続きです。

「tenjin.be」は年長者中心の参加層。年2〜3回程度、即売会を安定的に開催し続けた。
九州で年長者の集える即売会は余り無く、彼らのニーズとも合致。比較的レベルの高い上手なサークルが集い、常時70〜80サークルを集める良即売会であった。
彼らの掲げる理想は高尚で、残念ながら、必ずしもその全てが実現したとは言いがたい。
だが、大(9)州東方祭のように、tenjin.beの理念に共鳴し、彼らの理想を実現に移した即売会も登場した

虎は死して皮を残す」と言う。
「tenjin.be」は今年11月で終わってしまったが、その理念は他の主催達に受け継がれていく事であろう。

そして、「tenjin.be」が残した「皮」は、その理念のみに非ず。
「tenjin.be」の存在は、結果的に、九州の同人誌即売会の活性化に大いに寄与した。
本日は、「tenjin.be」の存在がもたらした、九州同人の活性化効果について語りたい。
【オンリーイベントへの貢献】

ヘタリアオンリー「博多ばんぱく!!!」、東方オンリー「博多東方祭」(現:大(9)州東方祭)。
共に、九州のオンリーイベントとしては未曾有の1000人超の来場者数。サークル数も100超。
九州に眠りし同人者を掘り起こし、そのパワーを見せつけた良即売会。現在の九州同人活性化の流れを象徴する存在とも言える。

この2つのオンリーの成功に、「tenjin.be」関係者の果たした貢献は少なくない。
「博多ばんぱく!!!」においては、関係者数名がスタッフとして協力した。他の九州主催とも一致協力し、迫り来る来場者を上手く捌き、成功の道筋を付ける事に貢献した
「博多東方祭」についても、会場・都久志会館を熟知する彼らがスタッフに加わり、2000人の来場者を5回の入れ替え制で捌き切る荒行の達成に貢献した。
「大(9)州東方祭」になってからはその貢献度合いも少し薄まったが、それでも音響部門中心に関係者が尽力。即売会の頒布活動に支障を与えず、かつTAMUSICコンサートを影からサポート。即売会とコンサートの両立に成功した。


【オールジャンル即売会勃興への影響】

注目すべきは、tenjin.be側が自ら果たした貢献だけではない。
「tenjin.be」が存在し活動した事で、周囲が感化し影響を受けた事もまた見逃せない。
先述したように、「大(9)州東方祭」主催氏がtenjin.be主催氏の理念に共鳴、「大(9)州東方祭」の運営に反映されていった事も、それに含まれよう。

また、来年7/18開催「doujin.plus#01」は、tenjin.beに企画出展したこともあるサークルだが、「tenjin.be」終了の報を受け、開催を決めた模様だ。
tenjin.beのような年長者、男性陣が気軽に集える即売会を目指しているのだろう。tenjin.beの影響を強く受けた即売会になる公算が高い。
ちなみに彼らは、2010年1月24日にも、コミックシティin福岡内で、アイドルマスターのプチオンリー「アイマスプチオンリー@福岡」も開催するなど、活動が活発だ。
彼らの今後の動きにも期待したい。

「tenjin.be」が終了を発表して以降の福岡では、上記「doujin.plus#01」以外にも、新たなオールジャンル即売会の勃興が著しい。
これらの即売会においては、「tenjin.be」の影響は、上記「doujin.plus#01」程強くは無いだろう。
コミックネットワークの衰退により、九州同人界に若干の空白が生じ、新規参入のチャンスが生まれた事も作用しよう。
だだ、tenjin.be終了発表以降に新規即売会の登場が続いているというタイミングを考慮すると、tenjin.be終了の報が、彼らに火を付けた原因の一つになった事は否めない。

12/27には、ももちパレスにてオールジャンル即売会「Comic Sweet Diary」が開催される。
今時ホームページも無く、ちゃんと告知出来ているのかは気になるが、その動向に期待もある。

また、2/21に福岡国際センターという大きめの箱を借りて開催される「Seekers」。
今の九州で、私が最も期待している同人誌即売会である。
福岡市内のみならず、大牟田・久留米・小倉等、周辺地域の即売会でも小まめに告知を図り、告知に熱心だ。故に、ある程度のサークルが集まるであろう事が期待される。
福岡シティは年三回だが、それ以外の即売会に参加て経験を積みたい!とするサークルの受け皿になる事も期待出来る。

流石に、ぽっと出の新興即売会だし、募集1000spが初回から満了する事は無いだろう。
だが、その半分500spが埋まれば、福岡ドーム1000sp超と、100sp弱の小規模オンリーとの間を埋める中堅即売会としてのポジションを得られよう。
また、「COMIC KIDS」の撤退により、同人初心者が気軽に参加出来る即売会が、今の福岡には存在しない。シティに参加するには勇気の要る初心者サークルにとっても、「Seekers」の存在は興味深い物となろう。
「Seekers」には、今の福岡に欠けている「中堅規模の即売会」「初心者の参加しやすい即売会」…この欠けた2つのポイントを埋める役割を担える即売会になる可能性がある。
「Seekers」に求められる役割は大きく、案外、「Seekers」の浮沈が九州同人の今後を左右するかも知れない。

「Seekers」が、初回である程度のサークル数を集め、その後も定期開催を続ける良即売会となれば、回を重ねる毎にサークル数も増える。1000sp満了も夢ではない。
今後の「Seekers」の動向には、特に強く注目したい。

とこんな感じで、九州は今後に期待を寄せたいオールジャンル即売会が多く勃興している。
理由としては、コミックネットワークの衰退も大きいが、程度は少なくとも、「tenjin.be」も彼らを感化させるだけの影響は与えた事と思う。

「虎は死して皮を残す」。
「tenjin.be」は死せども、後には「tenjin.be」の影響を受けた即売会が多く登場した。
これらの即売会が上手く行くか否かは、まだ未知数だ。
だが、これらの即売会が福岡に根を張り育てば、沈滞から復調を見せつつある福岡の同人界は、より活性化される。「tenjin.be」独力では成し得なかった彼らの望みが叶う事であろう。
その日が来るのは、決して遠い日の事ではないと思う。

福岡は「コミックシティ」を頂点に、オールジャンルも多く勃興。
大牟田のオールジャンル「へぱちょな」も100サークル超、久留米「春夏秋冬」も80サークル超で安定している。

オンリーにしても、「博多ばんぱく!」「大(9)州東方祭」の両横綱のみならず、久留米等で開催の「東方久遠境」もある。
年二回都内で開催される「サンホラオンリーへようこそ」は、回を重ねる毎に活況を増している。余勢を駆って(?)主催者の地元・九州で開催されし「サンホラオンリーへようこそin福岡」、東京以外での開催で何処まで行けるか不安もあったが、蓋を開ければ九州でも100サークル超の快挙!
来年7/19に第二回が開催されるのも、当然の流れであろう。

同日7/19に開催されるなのはオンリー「Stand by Ready!」も、都内のなのはオンリー含め、九州以外の押さえるべき箇所での告知を考えている。今後の頑張り次第だろうが、少なく見積もっても30-40サークルは行ける感触だ。

オンリー・オールジャンル共に、順風満帆もしくは期待値の高い即売会が、九州には数多い。
これらの即売会が栄えれば、九州の同人界は活性化され、かつての輝きを取り戻せる。
「tenjin.be」は残念ながら終わってしまったが、彼らの目指していた物が、実現に至る時も近いだろう。


【今後の「Project Arbalest」の動き】

「tenjin.be」は終わった。
だが、NPO法人としての「Project Arbalest」の今後の身の振り方はどうなるのか?
次は久留米で、2/28に「東方久遠境」だ。そこまでは良い。問題はその先である。

関係者は余り多くを語らないが、手がかりは、ケットコム掲載の即売会情報より見い出せる。

ケットコムには、以下即売会の開催情報が掲載されている。

4/4 都久志会館(博多) 「tbe pre0」
5/2 アルカスSASEBO(佐世保) 「tbe pre1」


5/2は「東方久遠境Extra」のアルカスSASEBO(佐世保)での開催が既に発表されている。
久遠境・tbe pre同時開催と考えるのが妥当であろう。

ただ、リンク先URLを拝見したが、こんな事しか書いてない。

>九州を巡る、ゆっくり・まったり同人イベント。春からぼちぼちスタート。

…開催日も開催場所も書いてないですが。うーむ。

公式サイトで掲載してなくとも、ケットコムにだけ詳細が掲載されているケースは多い。
ケットコムは独自の調査・情報収集能力を有している。
ケットコム自身が主催の(予定)イベントで無い限り、その情報の確度は100%に限りなく近く、ソースとしての信頼性も高い
(但し、ケットコム自身が主催の(予定)イベントは、狼少年レベルの信頼性の低さである事も申し上げておきたい)
「tbe pre」に関しては、ケットコムの情報を信頼して良いだろう。

この「tbe pre」が、如何なる即売会となるかは未知数だ。
コンセプトは「九州を巡る、ゆっくり・まったり同人イベント」。博多・佐世保と回る事も併せ考えると、九州各県を巡回して即売会を開催する、という考え方になろうか。
(「中四国東方祭」が岡山、高松と中四国各県を巡回して東方オンリーを開催するのと同じイメージか?)
同人界では余り見られない取り組みっぽいが、どんな展開を見せるのか?「tbe」の今後を見守って行きたいものである。