同人誌即売会のサークル集めというもの、東方のように黙ってても過大にサークルの集まる即売会ばかりではない。
旬ジャンルや、ジャンル内で唯一のオンリーイベントならともかく、それ以外の大多数の即売会は、サークル数が集まらず、苦戦している所が多いと思う。
回を重ねる所も、参加者の「飽き」が来ているのか、苦しい所が多いようにお見受けする。

私が主催をやった時も、斜陽ジャンルという事もあり(それ以外にも色々事由はあったが)、サークルが集まず非常に苦しかった。サークルが集まらない事の苦しみは、よく分かる。
サークル数が集まらず苦戦している即売会が、どうすればサークルを集められるのか。「STRIKE HOLE」がブログの中で追究する永遠の課題の一つだが、主催時代の原体験が、その姿勢を造っているのだろうか。

今回は、以前参加したオンリーで見た、とある主催さんのちょっとした工夫をご紹介したい。
嗚呼成る程、こういう方法があるのか、と目から鱗の工夫であり、もしかしたら、他の主催さんにも、参考になるかもしれない。
参考にするか否かは、最終的に各々の主催さんに委ねられていようが、少しでも参考になれば幸いである。
以前お邪魔したとあるオンリーイベント。仮にこの即売会を、「即売会A」としよう。
ジャンル熱も落ち着き、サークル数こそ決して多くは無いが、コアなファンが多く、動員数が少ない筈なのに、それを感じさせない熱気の良即売会であった。
アフターイベントは定番のジャンケン大会。サークルや一般参加者から提供された色紙やグッズ等が景品となった。
そこで提供された景品が、ちょっとユニークだった。

当該の「即売会A」のジャンルとは同一のジャンルでは無いものの、極めて親和性の高いジャンルのオンリーで、仮にその即売会を、「即売会B」と呼ぼう。
その即売会Bは、過日、日程を確定させ、現在絶賛サークル募集中である。
その「即売会B」の主催さんからの出品は、なんと、「サークル参加無料権」。

具体的に説明すると、出品されたブツは、サークル参加の申込書
おそらくその申込書に、無料参加OKを示すスタンプなり押印なりが、刻まれているのだろう。その申込書を利用しなければ、無料とはならない寸法だ。
(今回は「申込書」の出品だが、「優待券」を作ってそれを出品するという方法もあろう)
そして、ジャンケン参加の資格は、必ずサークル参加を予定する人のみとした。

この施策は、「即売会B」に幾つかのメリットをもたらす。
先ず、参加サークルを1サークル確定させる事が出来る事。たかが1サークルと侮ってはならない。オンリーを開きサークルを集めるには、1サークル1サークルの積み重ねが大事だから、1サークル参加が増える事は、主催的に充分なメリットだ
(かと言って全サークル無料とかすると有り難みが薄れるので、それはお勧めしないが)

また、(「即売会A」の)司会者が「●月●日に開催するオンリーの参加無料権ですよ〜」と景品説明の時にアナウンスしてくれるので、それが「即売会B」の宣伝にもなる
「即売会B」は毎回サークルを多数集め好調な即売会なのだが、その裏にはこういう小さな工夫の積み重ねが、功を奏しているのだろうか。

また、「即売会A」にとっても、景品が一つ増える訳だから、その分場の盛り上がりに繋がる、というメリットがある。

皆に少しずつだがメリットをもたらし、三方丸く収まる。誰も損をしない。
厳密に言えば、「即売会B」の主催がサークル参加費を1サークル分貰えなかった、というのはあるが、そんな大した損じゃない。その分宣伝になり、参加者が増えれば良いだけの話だ。
サークル集めと宣伝を兼ねた一つの方法として、この方法は面白い方法なのかも…という事で、小さな取り組みながらも、ご紹介申し上げた次第である。