1月31日、私は、群馬県太田市開催の同人誌即売会「太田だよ、全員集合!」に一般参加させていただいた。

会場の「太田市勤労会館」までは、太田駅南口から徒歩約30分。2km以上の距離があり、結構歩く。
かといってこの地域は公共交通機関が乏しく、近場を走るコミュニティバスも1日4便で使えない。タクシー以外に、有用な交通手段が無く、主催者側が「タクシーをご利用の場合、お友達と乗り合わせを〜」と呼びかけるほど。
私も、行きは頑張って歩いたが、帰りは辛抱できずタクシーを利用したほど。

地方即売会の常、来場者の大半は車組だが、駐車場も決して広くなく、駐車場に入るにも時間を要する。
会場へのアクセスに関しては、車組・公共交通機関組どちらの場合でも、正直、お世辞にも便が良いとは言えない
この即売会は、問題点の少ない【良即売会】だはと思うが、会場立地がが唯一の難点だと思う。会場が探しても見つからないというならこの会場でも仕方ないが、もし機会あらば、他の会場も研究・開拓していただければ幸いである。

会場到着は開場1時間後の12時過ぎだが、既にパンフは完売。入場チケットを購入して会場内へ。パンフが無いと回るにも辛いので、本部でカタログ見本を確認し、サークルをチェックする。
規模的には、45サークル・54スペース。ジャンル傾向はヘタリアが一番多く、次いで東方、ボカロ。地方即売会ではスタンダードなジャンル構成である。
この位の規模なら、全巡回も楽かな、と思いながらサークルを一巡する。
出品物は、やはり地方即売会の常、ラミカが目立つ。
しかしながら、この即売会の特徴としては、オフセット本も含め、比較的クオリティの高い本も多く目立った事。
また、男性向けジャンルのサークルも、1〜2割程度だがいらっしゃるようで、男性陣でもアウェイ感を感じない所が、他の地方即売会とは異なる特色であろうか。(一般参加者も、2〜3割が男性とまあまあ多い)

「クオリティの高い本」…と申し上げたが、本を出しているサークルさんは、シティ・サンクリ等東京の大規模即売会で、大手とは言えぬも、名前は良く聞く常連のサークルさん
名前を聞くぐらいだから、それは、そこそこ東京でも通用しているサークルたることを意味する。
東京で揉まれ腕を磨いたサークルが、地元のイベントにも参加して、輝きを見せているという構図だろう。
東京に近い、という地理条件ゆえの現象なのかもしれない。
こう言ったレベルの高いサークルさんを見本に、他のサークルさんも画力の向上に励めるから、他地域に比べサークル全体のレベルは高かったように思う。

12時30分になると、会場内で【色紙オークション】が開催される。
驚いたのは、【色紙オークション】に対する凄い熱気。サークルも積極的に色紙を出し、一般参加者も、何故か知らぬが、5000円〜6000円の高値落札者が続出。
以前、金沢ではオークションが文化として成立するほどの盛り上がりだという話を聞いたが、この太田も、似たような状況と考えるべきなのだろうか。
ただ、一般参加者の「目」も肥えているようで、クオリティの低い絵だと100円でも値が付かない模様。高値色紙との落差が、落札者の目の肥えっぷりを感じさせる。

気になるのは、会場内でのステージイベントとなるので、買い手はステージに目が行く。サークル頒布の妨げになるのでは?との疑念もある。
サークルの積極的な色紙出品も目立つ現状、おおよそのサークルの理解が得られているとは思うし、時間にして30分程度だから余り影響は無いだろうが、やはり気になる。
サークルにアンケート取るなどして、時折その是非を確認した方が無難かも知れない、と感じた。


コスプレ率は多いものの、コスにサークルが圧される程でも無い。
ラミカ率はそこそこだが、サンクリやシティで鍛えられたせいか、クオリティの高いオフ本を出すサークルも多い。
総じて見て、サークル・買い手・コスプレイヤー、本サークル・グッズサークル。各々のバランスが取れ、どの立場であってもある程度は楽しめる。皆が楽しめる、賑わいのある良即売会という印象だ。
3ヶ月に一度の開催との事で、定期開催を通じ、サークルに即売会の存在も浸透しているのだろう。サークルのリピーターも少なくない模様。

高崎や前橋ではコミックライブが定期的に開催されているが、両毛線沿線…所謂桐生から足利・佐野・栃木に至る一帯の地域には、残念ながらこれといった定期開催の即売会は無い。
栃木県足利市開催の「地域粘着」というユニークなキャッチフレーズの即売会「SubNormal」が今年3月に最終回となるが、後継イベントが現れなければ、サークルの行き場が、近隣の太田に求められる事も想定出来る
地元の貴重な表現の場として、この「太田だよ全員集合」に求められる役割は、より高まることであろう。
今後も永続的に活動を続け、この地域における貴重な同人表現の「場」を守っていただけることを願いたい。