この都条例改定に関し、色々情報を当たっていると、適当・いい加減な情報が数多く渦巻いており、正直辟易する。
それは規制派、反対派どちらにも言える話である。
私の考えとして申し上げるならば、規制に賛成だろうが反対だろうが、どっちでも構わない。それは個人個人の意見、考えの多様性は尊重すべきだからだ。

問題は、その意見が、確固たる事実を前提に立脚したものかどうか、である。
いい加減な情報、事実と異なる情報を鵜呑みにしての賛成/反対となっていないか?そこが気になる所である。

例えば、賛成派にはこんな事例が存在する。

2009年夏に開かれた「第28期東京都青少年問題協議会」第八回。
この回は問題発言が数多く飛び出、委員の資質にすら疑念を抱かざるを得なかったのだが、議事録http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/28b8giji.pdfを紐解くと、委員の一人・前田雅英教授の発言に、「(国会で)某議員がアグネス・チャン氏にコテンパにやられた」(要約)といった類いの発言が飛び出す。

この会合の少し前、国会で児童ポルノ法改定案が審議されたが、その時の事を指しているのだろう。
規制派の象徴的存在たるアグネス・チャン氏が、規制反対派の議員をコテンパにのした、という事らしい。
私もこの審議は拝聴したが、アグネス氏は寧ろのされた側だった印象で、氏の発言には違和感を感じていた。

そんな中、社民党・保坂展人前議員ブログを拝見し、その謎が解けた。
保坂前議員はコミックマーケットにも参加する等同人にも理解のある議員さん。アグネス氏と児ポ法審議で対峙した。
前田教授の言う「アグネス・チャン氏にコテンパにやられた」議員が、保坂氏となる。


保坂前議員ブログ「東京都条例で「非実在青少年・創作物規制」の動きが加速」http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/1dc69866b2b3b5c69eea9edb1269327aによると、前田教授の話は全くの出鱈目だとか。

詳しくは保坂前議員の記事に譲るが、国会の議事録(児ポ法改定に関する討議)http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000417120090626012.htmをお読み頂ければ、アグネス氏に、保坂氏ら規制反対派議員がコテンパにのされた類いの記述は一切無い事はご理解頂けよう。
「東京都青少年問題協議会」で述べた前田教授発言が嘘である事は一目瞭然だ。
何故前田氏は、このような直ぐにバレる嘘をついたのか?甚だ疑問である。自説を有利に浸透させたい気持ちから出たのだろうが、事実と異なる発言は遺憾である。

ここまで悪質な例は流石に中々無いが、勉強不足・誤解・勘違いから来る賛成論も少なくない。(例えば、日本は「ポルノ大国」だとか…)
条例を知らない人ほど、青少年保護目的だし、まあいっか、とばかりによくわからないまま賛成しているような気がするのは、果たして私の気のせいか?
我々規制反対派は、きっちり勉強して知識を蓄え、そういう誤解を解いていく事が求められると思うのだが…残念ながら、その反対派にも不勉強な方は少なくない。規制賛成派の誤解を解く為にも、反対派は正しい知識が求められるのだが…。
(私も決して勉強が足りてるとは言えないので、足りない部分があれば遠慮なくご指摘をいただきたい)

次回は、反対派の「不勉強」について、私が前から気になっている点を論述したい。