私自身にとって非常にご縁深く、かつ興味の尽きない町である、北海道夕張市。
拙著「コーマニズム宣言 夕張論」を同人誌として出した事からも、私の夕張に対する興味・関心の高さはご理解頂けよう。
その夕張で同人誌即売会が開催されると聞いて、本を出すまでに夕張フリークな自分が、黙っていられる訳がないw
私は早速、サークルとして参加を申し込んだ。

残念ながら、私自身別の所用が入り、自ら足を運ぶ事こそ叶わなかったが(売り子の代理を立てての参加)、売り子さん及び他サークル、そして夕張現地の方からも話を聞き、概要はある程度掴んでいる。
という訳で、今回記事では5/8開催「夕張まんがまつり」について少し語りたい。


【痛車・コスプレ参加の順調、サークル参加の低迷】

元を辿れば、主催者側は、夕張でイベントを開く事による「町おこし」を志向していた。

私は、水戸はコミケの動員力だからこそ「町おこし」になり得たのであって、それよりも遥かに動員力の小さい筈の「夕張まんがまつり」主催側がそれを標榜する事には、極めて懐疑的であった。
つーか、コミケの二番煎じですか?というのが正直な感想だ。

そのコンセプトの是非は置いておいて、「町おこし」を訴えるならば、先ずは人を夕張に送り込まねばならない。
「夕張まんがまつり」は、同人誌即売会のみならず、コスプレや痛車ミーティングも交え、総花的なオタクのお祭りを目指した。
これは、町おこしの為より多くの人に来てもらうという観点からすると、極めて妥当な選択だろう。

実際、昨年秋の段階で痛車グループやコスプレイヤー達とはある程度話は付いていたようで、参加表明は順調に集まっていたようだ。
だが、同人イベントの「要」である「同人誌即売会」が出遅れ、参加表明も極めて低調であった。サークル募集やチラシ配布は昨年末、明らかに他の部門に比べ出遅れていた。


【サークル参加数低迷の危機感をバネにした熱心な告知】

しかしながら、その「出遅れ」に対し、主催者側が強い危機感を抱いていた事は、結果として「夕張まんがまつり」のサークル数の底上げに繋がった。

先ず、冬のコミックマーケットでは、参加35000サークル全スペース配布の荒行を敢行した。
コミケでの全スペ配布は、手間がかかる割に見返り(サークル参加数)が弱いが、「夕張まんがまつり」の名を世の中に浸透させる事は出来ただろう。
また、サークルを集めたい!と願う彼らの熱意も、間違いなく伝わった。

そしてその後も、北海道・東京の二面作戦で告知を図り、徹底的にチラシを撒いた。
「夕張まんがまつり」は、北海道のイベント主催団体「カオスフェスティバル」http://chaos.gr.jp/と、「男の娘」など幾つかのオンリーイベントを都内で開催するイベント主催団体「モノリス」http://otokonoko.monolis.jp/の両者による共同開催が実態だが、北海道の告知を「カオスフェスティバル」側が担当。都内の告知を「モノリス」側が担当、と上手く役割分担が為されていたようだ。
「モノリス」側は、「サンクリ」「COMIC☆1」等の都内有力即売会で告知。「カオスフェスティバル」は、北海道内あらゆる即売会に足を運び、道内全即売会・ショップをしらみ潰しに徹底的に告知した。

そして更には、東方プチオンリー「東方蝦夷祭in夕張」を、「夕張まんがまつり」に投入。
2月下旬に開催した「東方蝦夷祭」の成功も、夕張での開催を決意した一因だろうが、夕張にサークルを集める為に東方のパワーをも利用する。
なりふり構わぬ強引な策だが、サークル集めに意欲を燃やす事の裏返し、とも言える。


2009年10月18日「同人誌即売会「夕張まんがまつり」開催決定に寄せて」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51567429.htmlにおいて、私は、夕張で人を呼ぶには条件が厳しいとし、楽観視を控えるべきであるとの態度を取っていた。
「夕張まんがまつり」がサークルを集める為には、「効率悪くとも道内の即売会・ショップ全てを網羅するつもりで告知を図るべき」「1サークル集める為に、一般参加者一人を集める為に死にもの狂いの努力が必要」とも主張した。

人口1万人程度の町で、同人人口も極めて少なく、地元組の参加は難しい。
遠征組を呼ぶにしても、夕張という町にこれといった著名な見所も少なく、「行ってみたい」と思わせる魅力に薄い。遠征組を集めるにも難しい。
率直申し上げて、私は、15サークル集れば御の字だろうと思っていた。

だが、フタを空けてみれば、計25サークル32スペースを集め、即売会としての体を成すだけのサークルを集める事に成功した。
夕張まんがまつり本体は15サークルだが、プチオンリーの「男の娘☆修学旅行」が2サークル、「東方蝦夷祭 in 夕張」が8サークル、これらを合わせると25サークルだ。
特に「東方蝦夷祭 in 夕張」は8サークルを集め、「うみねこ亭」「IOSYS」といった有力サークルも参加。全体の3分の1を占める勢力で、「夕張まんがまつり」のサークル数積み増しに大きく貢献したと言えよう。

厳しい環境下でありながらも、予想以上のサークル数を見せた事は、賞賛して然るべき大健闘と言えよう。
と、ここまで書いた所で、記事が長くなりすぎたので、一旦区切らせていただきたい。

次回は、「夕張まんがまつり」に見る、きめ細やかな盛り上げの工夫について語りたい。