10月3日、私は山梨県甲府市で開催されたオールジャンル同人誌即売会「コミックファクトリー
甲州遠足」http://www5.plala.or.jp/comicfactory/にサークル参加させていただいた。
元々山梨は、「コミックワールド」という企業主催の同人誌即売会が開催され、一定の賑わいを見せていたが、コミックワールドが撤退。後を継いだ「山梨コミックチャレンジ」も、運営の問題等もあり、サークル数が減少傾向。正直申し上げて、今の山梨は元気が無い。

そんな中、新たに立ち上がった即売会が、「コミックファクトリー 甲州遠足」である。
「コミックファクトリー」は、元々信州松本開催の同人誌即売会。自らを「悪の組織」などと称しつつも、丁寧かつ心のこもった運営で参加者を大事にしている同人誌即売会。…まあ、所謂ツンデレって奴であるw(違)
信州では地域最大規模を保ち、リピーター率も高い、遠征サークルが多い等サークルの忠誠心も高い。安定運営の良即売会である。

彼ら曰く「悪の組織、山梨に進出!」との事で、山梨でも「同人誌即売会」の開催を通じて楽しい空間をつくりたい。そのような思いから、山梨での開催を決意した模様だ。
現状の山梨の低迷状況に思う事あり、山梨の同人事情に一石を投じたいとの思いや、山梨と信州松本とで相乗効果を高め盛り上げを図りたい、という狙いもあるのだろう、と分析している。
私も、動機はどうあれ、山梨の同人界に活気をもたらすのであれば、それは良き事。時間も空いていたし、「甲州遠足」にサークル参加させていただく事とした。

今回の「コミックファクトリー 甲州遠足」は、規模的には100sp超。
これは、山梨コミックチャレンジの平均規模を上回り、当地最大規模である。
山梨コミックチャレンジでサークル参加しつつ告知を図ったのは当然だが、彼ら本来の地盤・松本での告知を通じ、松本の常連サークルも呼び込めた事も、サークル数増大に大きく寄与している。
松本からの遠征組対応で、松本朝8時発・10時30分甲府着のチャーターバスのサービスも用意し、遠征組への親切さも見せた。流石に会場直行は便利でありがたい、30人近くが利用した模様だ。

ただ、松本の常連サークルがそれなりに数がいる、という事は、裏を返すと、山梨の地元民サークルの参加比率がまだまだ弱く開拓の余地あり、とも言えるのではないか。
初参入という事もあり、長年地元で即売会を続けている「山梨コミックチャレンジ」に比べても地元への浸透が弱いのは否めない。
山梨県内での告知浸透のパワーアップが、今後の課題になると思う。

それは主催者も充分に分かっているようで、アンケートには「山梨でよく行くショップ、告知できそうなショップの情報を教えて欲しい」との質問を掲載した。
彼らも、アニメイト等コミックチャレンジが告知を図っている山梨県内のお店を全てカバーしたものの、それだけでは告知が足りない、と判断したのだろう。
そこで地元民より情報を集め、教えて貰ったお店を告知先として開拓しようとの狙いから、アンケートとしては異例の質問が飛び出したわけである。告知意欲の高い所は私も嫌いじゃない、前向きな取り組みとして評価したい。

会場内の雰囲気は、山梨コミックチャレンジの時とそんな変わり無かった印象だ。普通にまったりと過ごした、という感じ。
私は、山梨護国神社で来月開催される東方オンリー「凱風快晴」http://www.koisuruyamanashi.com/fujiyama/がお隣さんだったので、「凱風快晴」の主催さんと話し込んでる内に1日が終わったような気がするw(「凱風快晴」については、不安要素もあるが、期待したい点も多く、稿を改めて詳しく語りたい)
路線バスもお昼頃に多く到着するようで、開場時は閑散だが尻上がりで来場者が増えるのも、コミックチャレンジと一緒である。

ただ、会場外をコスで闊歩するなど、頭痛を引き起こすレベルのマナー違反は、「コミックファクトリー」では一切見られなかった。

以前私が「山梨コミックチャレンジ」に参加した時、これらのマナー違反の原因は、キャパシティの小さい更衣室や独特の運営ルール等、コミックチャレンジ側の定めた運営方法に起因するものだ、と分析した。
そして、更衣室にコスプレ受付担当を配置しコスプレ登録のマネジメントを強化する事や、キャパシティの大きい「大会議室」を女子更衣室に、「小会議室」を男子更衣室に、それぞれ充てる事で簡単に解決できる、と提言した。
(参考・拙文「12/23 山梨コミックチャレンジ(後編)」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51594557.html)

コミックファクトリー主催氏も、どうせ当ブログをご覧になってるのだろうが、同じ考えに行き着いたようで、今回の「甲州遠足」では、当ブログの提言通りに運営した。
また、彼ら独自の取り組みとして、カタログに、一般的なマナー啓蒙漫画に加え、【コスプレ用のマナー漫画】を入れた事も、興味深い。漫画形式とする事で、参加者への分かりやすい啓蒙に繋がったことだろう。

更に申せば、この「甲州遠足」は、コミックチャレンジに比べスタッフの絶対数が多い(20人弱)。参加者のマナー違反があっても、目が行き届きやすく、注意・啓蒙もし易かった、という点も見逃せないだろう。(というかコミックチャレンジはスタッフ数が少なすぎるんですよね…彼らの問題点は、その大半が人手不足に求められますし…)

12時になると、各即売会主催によるイベントアピールが始まった。
コミックファクトリーでもそうだし、名古屋・大阪界隈の即売会でもそうだが、地方即売会では恒例の企画だ。
長野県のコスプレイベントや、来月開催の東方オンリー「凱風快晴」がマイクを握り自らのイベントをアピールする。
意外な所では、名古屋からメンコミ準備会が参戦。蒲郡のコスプレイベントや、名古屋で開催予定のオンリーイベントのアピールをされていた。

そして、もっと意外だった事が一つ。
地元の即売会である「山梨コミックチャレンジ」が、イベントアピールに加わっていない事である。
いや、もっと申し上げると、チラシ置き場にも「山梨コミックチャレンジ」のチラシが無い。サークル机にもコミチャレのチラシが無い。…いやそれ以前に、【コミックチャレンジ主催は会場にすら来ていない】。

山梨の即売会は数が少ない。「甲州遠足」のように、地元で開催される即売会は、貴重な…いや最重要の告知機会である。
ここで「山梨コミックチャレンジ」をアピールせず、いつ「山梨コミックチャレンジ」をアピールできようか?
「山梨コミックチャレンジ」の覇気の無さに、残念な思いを抱いた。一体どうしちゃったのだろうか。


ともかく、即売会自体はサークルも一般参加者も相応に訪れ、それなりに楽しめたのだが、「甲州遠足」には課題となる点も多く目に付いた。

先ず、サークル案内に足りない点が目に付いた。
アイメッセへのアクセス案内が完全に抜けていた。…いや、松本のファクトリーの時は、バス停から会場までの詳しい地図なども書いてあり、土地勘の無い者にも親切なつくりだっただけに、却って落差が目立った。
サークル案内・公式サイトなどに、公共交通機関でのアクセス(甲府からバス利用なので、バスの時間を書けばOK)と、車組向けに最寄りインターからの略図ぐらいは欲しい所。
自分なんぞは去年の「コミックチャレンジ」で慣れたから良いが…初めての人には不親切だと思う。

宅配便の搬入ができない事も問題だ。手搬入じゃ荷物を持ち込むのに難儀するサークルさんも、少ないかもしれないが必ずいる。
主催側の言い分としては、前日会場で設営する時に荷物到着とし、荷物が確実に届いたかを確認し、間違いの無いように対応したいとの弁。
今回のアイメッセは、会場を借りるのが当日朝、設営も当日朝。普段やってる前日着対応が出来ず、間違いの無い体制が取れないから、宅配搬入をしなかったとの事。
ただ、私の考えを申せば、当日朝の荷物着で対応してる即売会も少なくない。彼らの求める確実性は満たせなくとも、宅配搬入が無いよりはあった方が親切じゃないか?という部分。
両者の主張は平行線だったが、主催側の言い分も分からないではない。どちらを是とするかは、読者の皆様にご判断を委ねたい。

他、設営準備が極めてバタバタしており、主催及びスタッフが明らかにテンパっていた事も課題か。各部署間の連携が弱かったようにお見受けする。
今回は初めての会場だ。他の即売会もそうだが、これまで長年即売会で慣れ親しんだ会場を、何らかの事情で別の会場に変えた時、今までと勝手が違い、慣れずにまごつく部分が、どうしても出てきてしまう。
今回で、多少はアイメッセにも慣れただろうし、次回はもう少し違ったものになるだろう。次回以降は、改善が図られる物として、期待したいところである。


最後に、今回の「甲州遠足」カタログに掲載された、主催挨拶の一部を抜粋、紹介する事で、この稿の結びとさせていただきたい。
地方即売会の、同人入門の場としての役割を強く強調した名文であり、私も強く共感する。
私が何故地方の即売会に興味を持ち、応援するか。その一端が示されている文章でもあると思う。

>そして、地方のイベントこそ大事にしていかないといけないと考えています…それは何故か?
>どんな売れっ子の作家さんも「駆け出し」の時期はあります。持っている才能も最初は荒削りなものです。それが創作活動を積み重ねる中で可能性が大きく育っていき、いつしか一目置かれる存在になっていくのです。これは同人誌サークルに限らず、コスプレや造形など全ての同人表現に当てはまります。
>私にとってイベントは、作品を売買するためだけの場ではありません。可能性を多くの参加者を介して高めていく空間と考えています。(中略)特に同人の世界の扉を初めて叩く参加者が必然的に多くなる地方イベントは、大都市の大規模イベントと比べそういった要素が格段に強くなる傾向があります。(中略)
>自分の作品を見て、何らかの評価してもらう。創作活動している方と出会い、交流を広く深く行うことで(←これは一般参加の方でもできます!)、お互いの可能性を伸ばすことができる。地方イベントは、そんなスゴイこてができる空間なのです!