横須賀の「Black Rose」にお邪魔する前、私は東方オンリー「東方不敗小町」に一般参加させていただいた。
「東方不敗小町」は、東方オンリーの中では、歴史の古い部類に当たる即売会。
しかしながら、他の東方オンリーが東方人口急増の波に乗りサークル数を伸ばす一方で、不敗小町のサークル数は、余り伸びを見せなかった。
それは一体どうしてなのだろう?以前から、気にはなっていた。

以前から申し上げている事だが、東方オンリーは開催数が膨大だ。それは、サークルから見れば、参加するイベントを選びたい放題という事でもある。
数多くの東方オンリーの中から、自身のイベントを選んで貰い、参加して頂くためには何が必要か。
自身のイベントならではの特長を出す事…すなわち「差別化」が必要だ。
差別化が出来ず、漫然と開催するだけのオンリーイベントならば、淘汰され生き残れないだろう。

今回初めてご縁あり「不敗小町」に参加させていただくに当たり、「不敗小町」は他の即売会に比べ「差別化」が図れているのだろうか?という点が私は気にかかった。
今回のレポートは、「差別化」という観点からのものとなる事をご留意いただきたい。

今回の「不敗小町」会場は、浅草橋の文具共和会館。100spに満たない規模のオンリーイベントで用いられる会場だ。
今回は「ぷちこまち」と題しているが、それはこの会場の小ささ故、「普段よりも、少し規模を小さくした東方オンリー」との位置づけなのだろう。
とは言え、東方は来場者の多いジャンルだ。
他の東方オンリーではもっと広い会場を使う事が殆ど。この小さい会場だと、キャパシティオーバーになるのでは?との心配もあった。
しかしながら、蓋を開けて見ると、会場が人で充満する事無く、巡回にも支障を来たさないレベルの混雑度合だった。

一言で申し上げれば、ちょっと規模が小さいだけで、「普通の東方オンリー」という印象だ。
だが、「普通」という事は、悪く言えば「差別化」が図れていない、とも取れる。
私の「不敗小町」に対する第一印象は「差別化が図れていない」だった。
ただ、色々見てみると、「決して差別化できていない訳じゃない」という結論に行き着いた。
では、「不敗小町」が、他との差別化に成功している部分はどこだろうか。

普段実施している「東方ゲーム大会」は、不敗小町の一つの「カラー」だと思う。
今回はゲーム大会が出来なかった模様だが(会場の狭さという制約が原因?)、その代わり、フリーゲームコーナーを設置。気軽に「星蓮船」「紅魔郷」を楽しめた。
地方の東方オンリーはともかく、都内の東方オンリーでは、ゲームを企画として行うイベントは、皆無に等しい。ゲームも気軽に遊べる即売会は、都内では「不敗小町」だけだろう。

東方カードゲームを気軽に遊べる「カードゲームスペース」にも、同様の事が言えると思う。
「カードゲーム」という特色を強化し、カードゲーム大会なんてやってみるのも一案かもしれない。

会場内の放送に力を入れているのも、「不敗小町」ならではだろう。
「東方 music hour」と称し、DJを起用しての放送を実施している。「こみっく☆トレジャー」の館内FM放送に近い物があると思う。
音響が若干気になったが、極端に目くじら立てるレベルでも無かったと思う。
試みとして面白かったのは、音楽サークルに自身の同人音楽作品の持ち込みを推奨し、それをBGMで流すという手法。以前「まいばらこみゅにけっと/まいこみ東方祭」でもお見かけした試みだが、音楽サークルが「音」という形で自らの作品を発表できる試みであり、音楽サークルに優しい試みだと思う。

ここまで見ると、「不敗小町」は、物を売り買いする「即売会」としての機能に止まらず、それ以外の「お祭り」的な企画の部分にも力を入れた即売会、という印象だ。
都内他の東方オンリーは、あくまで即売会の「物の売り買い」という機能が中心で、派手に企画をやっている所は余り無い。企画の豊富さは、「不敗小町」ならではの特色であろう。

ただ、ゲーム大会にせよカードゲームにせよ、即売会との親和性は決して良いものではない。
地方のコスプレ偏重の即売会は、コスプレイヤーが多くサークルスペースに寄り付かない。レイヤーの数の多さに圧倒される。…等コスプレが、サークルのフラストレーションのターゲットになる事もあるのだが、それと同様の懸念が、ゲーム大会等の企画にも言えると思う。
ゲーム等に注目が集まって、サークルに注目が行かない、と不満の種になる危険はあるので注意は必要だ。

お祭り色豊かな企画は、必ずしも、サークル参加者に最適化された企画とは言えない。
「不敗小町」は、決して「差別化」を図れていない訳ではない。
だが、その差別化の方向性ゆえに、差別化がサークル参加数に直結しない、という事だろう。

ただ、そういう即売会も一つの方向性、充分に「有り」じゃないかと思う。
サークル数を伸ばす事を重んじず、その代わり変なこと面白いことを色々やってみたい。
都内でも数多くある東方オンリー、1つぐらいそういう即売会があっても良いのではないか。
…まあ、余り賑やかにやり過ぎると、サークルの頒布を阻害しかねないので、頒布の邪魔にならないよう細心の注意は必要だろうが…。

そういう意味では、「不敗小町」関係者には、「大(9)州東方祭」への参加をお勧めしたい。
九州が遠ければ新潟でも良いが、兎に角「東方祭実行委員会」主催のイベントに参加する事をお勧めしたい。
彼らの営む東方オンリーは、ある意味「不敗小町」以上にお祭り色が豊か、企画も多彩だ。
そして、企画が多彩であるが故に、良い点も目立ち、そして悪い点も時折出てくるw
良い点は見習い、悪い点は反面教師にすれば良いのだが、「大(9)州東方祭」等彼らのイベントは、良い点も悪い点も、山ほど出てくるイベントだw
その分量が非常に多いからこそ、勉強になる量も多いと言える。
「大(9)州東方祭」等に参加し、その有り様を自らの眼で見る事は、「不敗小町」が自身の特長を伸ばせるきっかけになるのではなかろうか。そう私は考える。