2月12日、私は新規に立ち上がったボーカロイドオンリー「VOCALOID FESTA」(以下「ボカフェス」と表記)に一般参加させていただいた。
「ボカフェス」の主催は、イベント主催団体「ウッドベル」での名義。同団体の代表者が、東方オンリー「博麗神社例大祭」の主催でもある事から、実質的には「例大祭」と同一主催と考えて良かろう。
実績豊富な「例大祭」の主催氏が営むイベントという事もあり、信頼性と安定感の極めて高いイベントであったと思う。

とは言え、サークル数は100サークルちょい。正直、期待していた程は伸びなかったような気がする。
最近のボカロオンリーは、東京の「THE VOC@LOiD M@STER」(ボーマス)は、200〜400サークルを常時集める。
関西も、今春京都開催「VOCALOID PARADISE」は300サークル近くを集める。
また、どんな地方の即売会でも、ボカロと東方は必ず最低2〜3サークル以上はお見かけする。
都会・地方両方で根付き定着し、ジャンル者人口も増している。今一番伸びを見せているジャンルの一つではないかと思う。
そういうジャンルで、しかも他ジャンルとは言え実績豊富な方が立ち上げたイベント…という事で私の期待も大きかったのだが…やはり後発イベントという部分が不利に働いたのだろうか。或いは立ち上げからの準備期間の短さが響いていようか。

とは言え、即売会自体は、既存のボーカロイドオンリーには見られぬ新しい取り組みをふんだんに取り込んでおり、興味深いものが多かった。
今後の成長に期待したいものである。

本部では、「ボカフェス公式開催記念コンピレーションCD」を頒布。他の同人誌即売会だと、参加サークルから作品を集め記念誌を頒布する事もあるが、媒体がCDに変わるのあたりが、ボカロらしい取り組みかも。
ヤマハの協力を得つつ開かれた企画【みんなのボカロ計画】は、新しいボーカロイドのキャラクターを募集するという、これまでのボーカロイドオンリーに無い参加型の企画と言える。

そして、もう一つの新しい取り組みは、動画撮影・動画配信の許可制。
これは賛否両論噴出しそうだが、私は、参加サークルに迷惑掛からない等の「条件付」であれば、決して否定する立場を取らない。
新しい取組みをハナから否定するのも嫌、と言うのもあるが、動画撮影も「表現」の新しい手法。単に禁止するだけではなく、可能な限り許容し他と共存させる道を取る方がより前向き、と考えるからだ。

動画撮影の許可制については、「ボカフェス」http://vocafes.com/douga内の動画撮影に関するページにて、その経緯を説明している。
要約すると、無許可での撮影・配信等マナーを守らぬ人が増えた。しかし、これを放置しても「黙認」になる。ならば許可制にして撮影にルールを定める、という方法を取れないか。そういう考え方からのようだ。
(この他、イベントに参加できない方に会場の様子を伝えられる、という点にも触れられている)

一つの考え方であり、決して否定されるべきものでもないだろう。
ただ、「撮られる」事を嫌がる人は少なくないのも、また事実。
同人誌即売会の会場は基本撮影禁止、撮影可能なコスプレ広場だって、無断撮影は禁止だ。

「撮られる」事を嫌がる人との折り合いをどう付けるのか?

そこがこの取組みに求められる条件となろう。

「ボカフェス」では、動画撮影についてルールを定めている。
主なルールはこんな所か。

・コスプレ登録、カメラ登録とは別登録
・撮影禁止スペースでの撮影は全て禁止
・大きな撮影機材の使用は禁止
・登録時に、身分証明証の提示要。撮影許可証として動画撮影証(ゼッケン)を貸与。
・動画のストリーミング配信に際しては、動画登録・生放送登録を行う事。
・生放送はニコニコ生放送のみOK

身分証明書を提示させ身元を明らかにさせた上で登録。動画撮影者は「ゼッケン」という目立つ形での撮影を求める、というルールだ。
また、生放送はニコ生のみとし、即売会開催中リアルタイムでの管理も可能なよう、工夫している。

さて、そこで気になる事としては、「撮影禁止スペース」の範囲は何処までなのか?という事。
先に課題として述べた【「撮られる」事を嫌がる人との折り合い】と言う観点からすると、少なくとも、サークルにカメラを向ける事だけは、避けねばならない。そう私は考える。
サークル以外の区域だったら、その区域を撮影可とするか否かで賛否分かれそうだが、撮られたくなければ、そこに近寄らないという選択肢も取れる。
一般参加者だったらカメラを向けられても、嫌なら逃げる事ができる。
だが、サークルは自身のスペースがあるから、容易に動けない。逃げたくとも逃げにくい不利さがある。そこにカメラを向けられるような環境は、過半のサークルが望まない。

今回のボカフェスにおける「撮影禁止スペース」は、正直申し上げて、範囲が明確に示されていない。
初めての取組みという事もあり、スタッフへの徹底も不充分だったのかもしれないが…スタッフに聞いてもよく分からないような感じだった。
(つーか、何処が撮影できるの?と聞いて「ホームページを確認して下さい」と聞かれたときはマジ焦ったw…ホームページにも書いてないよーw)
大きな騒ぎにはなってないし、多分サークルは撮影禁止区域に入ってるような気はするが…
サークルの不安を和らげる意味でも、もう少し撮影可/不可の区域を分かりやすく明示頂ける事を望みたい。


さて、ここで来たる3月13日に開催される東方オンリー「第8回博麗神社例大祭」に話題を移したい。
3月3日に公式発表されたが、「例大祭」でも、ボカフェス同様、動画の生放送配信の許可制を取り入れる意向の模様だ。
「例大祭」は、「ボカフェス」と事実上の同一主催が営むオンリーイベント。ボカロと東方というジャンルの違いはあれど、ニコニコ動画等の動画投稿サイトを通じ、ジャンルの人気が過熱している点は共通している。
「ボカフェス」で取り入れた手法が、大きな問題も無く終わったのならば、それを「例大祭」にも取り入れよう、という論理は理解できる。

撮影ルールや登録方法等は、ニコニコ動画「東方Projectポータル」http://info.nicovideo.jp/toho/register.htmlに記されているが、基本的には「ボカフェス」とほぼ同一のルール設定である。
唯一の相違は、例大祭では、撮影可能なスペースが明確に示されている所。

「撮影可能スペースは、コスプレエリア、企業ブースエリアのみとなっています。それ以外の場所での撮影は全て禁止されています。」

とされており、サークルスペースにカメラを向けられる事態は無さそうで一安心だ。
撮られたくなければ、撮影スペースに極力近寄らないという選択も取れる。

「ボカフェス」から「博麗神社例大祭」へと続く、【動画許可制】という新たな取組み。
緒に付いたばかりであり、今後も手探りで色々進めていくのだろうか。
今後どういう展開になるかは読み切れないが、不安と期待とが半々と言ったところか。
大きなトラブルにならず、動画配信の分野にも一定のルールや秩序が形成され、参加者の安心に繋がる事を願いたいものである。