東日本大震災により、数多くの同人誌即売会が、止む無く中止に追い込まれている。
やむなく中止に追い込まれたケースも多いだろうが、同人誌即売会のできる環境のところまでが、自粛する必要も無いと思う。

私が印象深く残っているのは、2004年10月の新潟県中越地震。
新潟県の魚沼地区で最大震度7、新潟市内も震度6を記録した地震だ。
そして、その2〜3週間後には、新潟市内で同人誌即売会「ガタケット」が開催を控えていた。
新潟市内も地震の爪痕深く、開催を危ぶむ声もあったが、ガタケットは決行を決断。
「こういう時だからこそ元気に盛り上がろう」とする前向きな思いの参加者も多く、普段よりもサークルの欠席率が少なく、大いに盛り上がったとの話を聞いた。

前向きな思いの「強さ」を、2004年ガタケットを通じ、私は学んだ。

報道等を通じ、東日本大震災の惨禍、被災者の境遇を聞くと、我々だけが「同人」という遊びを楽しむ事に、幾ばくかの後ろめたさや罪悪感も感じる。それは確かだ。
だが、ここで遊ぶ事を萎縮した所で、被災者にとって、何も得るものは無い。何も得にならない。
それならば、普段通りサークル参加したり一般参加したりで「同人」を楽しむ。
そして、一般参加者ならば本1冊買ったつもりで会場に設けられし募金箱に義捐金を突っ込んだ方が、サークルなら売れた分の一部でも義捐金に突っ込んだ方が、遥かに被災者の為になると思う。
そういう思いから、私は普段通り同人活動を営み、そして売上の一部を義捐金に回す事に決めている。
…まあ、自分たちだけ遊んで良いのかな?って後ろめたさは消えないのですが…

それに、震災に関係無い連中皆が同人活動を自粛すれば、同人誌印刷業者等同人を支える企業は軒並み潰れてしまう。
被災者の皆さんが、生活が落ち着いていざ同人活動を再開しようという時に、それを支える企業が潰れてるってのも寂しい話だ。
被災者が同人界に戻ってくるまで、同人界は残った人間が支えていかねばならない。
今この状況だからこそ、同人界を守るべく、普段通りの同人活動を頑張るべき、と私は勝手に考えている。


今回の「東日本大震災」で同人誌即売会が中止に追い込まれた所は数多いが、そんな中でも、開催を決行する即売会も、数は少ないものの存在する。
一番驚きだったのは山形のコミックライブ。山形も被災地の筈なのだが…震災2日後で交通機関もロクに動かぬ中、こういう時だからこそ元気に盛り上げたいとの思いで開催を決断した。参加者は少なかったが、普段有料のカタログを無料サービスするなど、少しでも参加者と共に場を盛り上げようとする思いを強く感じた。
他の開催を決行した即売会にも言える事だが、開催を決断した即売会からは、「こういう時だからこそ、前を向いて盛り上げていこう!」とする「強い思い」を共通して感じ取れる。

先週3月20日、本来は新潟の「ガタケット」にサークル参加予だったが、「ガタケット」が中止に追い込まれたのに伴い、予定を変更し、都内の同人誌即売会に参加した。
蒲田PIOで開催で開催された、なのはオンリー「リリカルマジカル」は、欠席サークルは普段以上に多かったものの、西日本から大量になのは厨が遠征参加。普段通りなのは厨どもが元気で、私もパワーを頂けたと感謝している。
また、同日「ハイライフプラザ板橋」にて開催された「東京とびもの学会」は、主催氏の挨拶が印象深かった。福島・茨城等被災地ゆえに参加の難しいサークルさんもいらっしゃったが、彼らから「自分は行けないが是非開催してくれ!」との激励をいただいた、との事。被災地の皆さんの中にも、即売会の開催を望む声はある。

その翌日の3月21日、私はTEAM Operations主催の「四コマ記念祭」に参加した。
この即売会も残念ながら、震災の影響でサークルの欠席率は高かった。
しかしながら、震災義捐金を募集するのみならず、被災地でもある【いわき市】から参戦したサークルさんと連携を図り、いわき市への支援物資の募集も行うなど、被災者への心配りが充実していた即売会であったと思う。
トイレットペーパーや水、医薬品等数多くの物資が集まり…というか集まり過ぎて1台の車に積みきれず、もう1往復する羽目になるというハプニングも。
私も物資提供に協力させていただいたが、少しでも当地の皆様の助けになれば幸いである。


普段通り同人活動を営む事は、同人関連企業を守り、同人世界を守ることにも繋がる。
同人誌即売会を開けば、人も集まり「元気」を生み出す。お金も動く。義捐金も支援物資も集まる。
同人活動を下手に自粛するよりも、「こういう大変な時だからこそ、元気に同人界を盛り上げよう」という思いを持って同人活動を営んだ方が、巡り巡って被災者の為にもなる。
私はそう信じ、「こういう時だからこそ即売会を決行しよう」と頑張る前向きな主催達を、最大限応援して参りたい。
そのように考える次第である。