5月29日、私は四国・徳島県で開催された東方projrctオンリー「東方四国祭3inとくしま」に一般参加させていただいた。
東方四国祭は、2009年夏に愛媛で開催された第1回目の即売会がルーツ。当時は、地元の東方好きクラスタの手による主催。経験未熟ながらも頑張ってサークルを集め、募集60サークルを満了した。
四国初の東方オンリーという事もあり、来場者は数百人に上り、盛況の内に終えた。

その後、諸般の事情により、「美柑たると。」等愛媛県内にて有力即売会の実績を積み重ね、経験豊富な即売会主催団体「ふらいんぐたうん」が、「東方四国祭」の主催・運営を引き継ぐ事となった。
現在の「東方四国祭」は、「美柑たると。」と同じく「ふらいんぐたうん」の主催である。

主催が交替すると、その後を引き継ぐ身にしてみれば、その舵取りは中々大変だ。
私もかつて主催を務めた事はあったが、他の方から主催の座を引き継いだ身で、それがいかにプレッシャーかは身に染みている。一言で申せば、「築き上げた実績」を守る事の大変さ、と言えよう。最近では、今年1月仙台開催「東方杜郷想」にも言えた話かもしれないが。

だが、現在の四国祭主催「ふらいんぐたうん」は、その重荷を物ともせず、しかも前の主催以上にイベントを発展させることに成功した。
第2回目の「東方四国祭」は、2010年夏に愛媛で開催。
自身が以前より開催し続けていた「美柑たると。」との合同開催という形式を取り、100サークル・1300人以上の来場者。夏コミ2週間前という難しい時期の開催というハンディを跳ねのけ、見事に前回以上に「東方四国祭」を発展させる事に成功した。

とこんな感じで実績を積み上げた彼らが、いよいよ愛媛県外にも進出!
その「第1弾」として徳島県に進出し、開催した東方オンリー…それが「東方四国祭3inとくしま」である。
【地方の東方オンリーにおける、一つの「目安」】

全国各地で乱立する東方オンリー。そんな中には、良主催もいれば厨主催もいる
幸いにも、東方ジャンルは裾野も広く、ジャンル人口も多い。
主催としての力量に欠けた方であっても、元の人口自体が多いから、ある程度のサークルも一般も集まり、形にはなる。
結果が出る以上、「STRIKE HOLE」としては肯定的に論じるべきだと考えているし、私見だが、世間で開催されし東方オンリーの99%は「成功」に分類できるとも思っている。

ただ、同じ「成功」の東方オンリーであっても、サークル数・一般参加者数はイベント毎に差が大きく出ている。
個人的な感覚だが、過去様々な東方オンリーをこの目で見ての感想としては、【100サークル参加・1000人来場】というのが「一つの目安」になるのではないかと考える。
しっかりした主催が営む東方オンリーならば、大体のケースで、【100サークル参加・1000人来場】の大台を達成している。

過去、この大台を達成した即売会はそれなりに数多い。
東京で開催された東方オンリーは、この大台を超えた即売会が多数ひしめく。
地方でも、「東方神居祭」(札幌)、「東方杜郷想」(仙台)、「新潟東方祭」(新潟)、「東方名月祭」「東方名華祭」(ともに名古屋)、「まいこみ東方祭」(米原)、「御射宮司祭」(諏訪)「東方椰鱗祭」(広島)、「大(9)州東方祭」(小倉)、「東方久遠境」(久留米)、「幻想肥後之宴」(熊本)、「中四国東方祭」(高松)などが、この大台を達成している。
(これはあくまで一例なので、これ以外にも大台に達する即売会はいくつもあったと思う)

もちろん、地域事情(その地域の市場の小ささ等)もあろうから、この大台に達しないからと言って、必ずしも「しっかりした主催じゃない」とは思わない。
ただ、この大台を達成した主催は、それなりの実力を有する主催と見なして良いと考える。


【風雨の中、1000人参加の大台を達成!】

さて、今回のこの「東方四国祭3inとくしま」も、参加サークルは130サークル。総来場者は約1000人。100サークル1000人の大台を達成している。
当日は台風により風雨強く、徳島〜和歌山間のフェリーやJRでは土讃線・高徳線・徳島線が運休になるなど散々な状況で、天候には恵まれなかった。
初動も300人前後でそんなに極端に数も多くない。本当に1000人来たのかな?という気もするが、恐らくサークル参加者も含めての数字であろう。
サークル参加組は130サークル×2人=260人。初動が300人で、後半に尻上がりに来場者が増えたとのことだから、後半の来場者によりけりだが、1000人近くに達しても不思議は無いだろう。
多少サバ読んでたと想定し少なく見積もったとしても、800人を下回ることは無いと見ている。

…この風雨強き中でこの人数…はっきり言っておかしい世界であるw

この結果を生んだ要因は、私は「会場選定の良さ」にあったと考える。
地方は、基本的に車社会。車での来場者の多さに備え、広大な駐車場を有する会場が望ましい
しかしながら、その一方で、即売会参加者の過半が、車の免許を持たぬ地元の学生だ。車社会が進み公共交通機関に乏しい土地柄であろうとも、彼らの来場を妨げること無きよう、公共交通機関でのアクセスに難の無い会場である事も求められる
つまり、「車でのアクセス」「公共交通機関でのアクセス」どちらにも対応できるような会場である事が求められている。

今回会場の「アスティとくしま」は、公共交通機関組でも徳島駅からバスで10分(昼間は20分間隔での運行)とそんな不便を感じずに済む環境だが、バス組は1便に付20〜30人程度でそんな多くない。
この会場の良き所は、駐車場が完備されている所。約500台の収容能力を誇る大駐車場を有し、駐車場代も1日200円とお値打ちだ。車組にとっても「行きやすい」会場と言えよう。

そして今回、雨天強くとも来場者を大きく落とさずに済んだ理由は、車社会だからこそ
車なら、ドアツードアで、自宅から会場まで乗り換えなし。雨に濡れずに済む。多少雨が強くても、何とかなる。
車社会、そしてそれに対応した会場を設定した事が、「東方四国祭3inとくしま」にとっては福に転じたと言えよう。


【成功を収めたからこその「課題」】

東方四国祭そのものに関しては、私は、殆どさほどの問題無く、無事成功を収めた即売会だと思っている。
事前準備の段階から、チラシ配布等、告知にも力を入れていた。
サークル参加数の好調(130サークル)は、徳島初というご祝儀効果もあろうが、経験豊富な方が主催についている安心感も加味されての数字だろう。
雨天のせいで人出は弱まったものの、多数の来場者に備え、3階の会場とは別に1階のホールを待機場所として借りるなど、万が一を想定しての念入りな運営も見られた。

「東方四国祭」の課題は、運営そのものではない。「運営以外」の部分である、と考える。
私がどうしても気になったのは、チラシ置き場に、地元徳島のイベントを見なかった事である。
徳島は定期開催の即売会が幾つか存在するが、100sp規模の即売会なんて中々お目にかかれない。100spも集める即売会は絶好の告知機会であり、それをみすみす逃した地元の即売会主催も正直どうかと思うのだが…
これを見て、私は、「東方四国祭」に対し、地元の既存勢力との上手く関係構築が出来ているのか?という一抹の不安を感じた。

これはとある複数の地域(仮に「A地方」とする)で見た事例だが、「A地方」に地盤を持たないイベント主催が、A地方に進出する。そして成功する。
それ自体は、A地方の同人の活性化につながり、喜ばしい事と言える。
…だが、A地方の既存イベンターの心情としては、どうだろう。
彼らにしてみたら、どこの馬の骨とも分からぬ連中が他所から乗り込んできて、勝手にイベントやって、しかも成功している。決して愉快な出来事ではない。成功したイベントゆえに、嫉妬もあるだろう。
私が見たのは、A地方の既存勢力が、その外様イベンターを悪し様に陰で罵る有り様である。

その既存勢力のイベンター、確かに狭量かもしれない。でも、それはここでは置いておく。
私がここで訴えたいのは、外様のイベント主催ゆえに、既存イベンターからの反発を受ける危険性に、細心の注意を払うべき、と言う事である。

そもそも主催というものは、なるべく「敵」を作らない事が求められる。
「敵」を作っても、参加者数を減らす危険こそあれ、参加者増には繋がらない。
特に他所の地域から進出するイベンターは、「外様」である。地元のイベント主催と仲良くしないと、地元イベントでのチラシを断られるなどのデメリットが想定される。そうなれば、自身がイベントを開く上でのハンディになろう。
外様イベンターは、地元のイベンターとの友好関係を築きつつ、「敵」をつくらないよう細心の注意を払う必要がある。
個人的な意見として申せば、「皆さんの地域にお邪魔して、イベントを開催させていただく」ぐらいの謙虚な気持ちがあっても良いと思う。

地元のイベントに挨拶回り、チラシ交換・広告交換等、関係構築のためにできる事は、色々あると思う。
徳島で「東方四国祭」を根付かせたいのなら、地元との関係構築を強固なものにするよう努力し、後顧の憂いを絶った方が無難だと思う。

スタッフに地元徳島の方が少ないのも気になるところ。愛媛・香川・九州・山陽・関西と各地からスタッフを集め、当日のイベントを「回す」事はできたと思う。
だが、もし今後も定期開催を続けるのならば、地元スタッフをもう少し増やしたい
地元スタッフがもう少し数が多くなり、彼らが経験を積めば、主催業務を彼らに引き継ぐなど後進に道をつなぐ事もできるだろう。
徳島にこの流れを根付かせたいのならば、地元徳島の「血」をもっと取り入れるべきであろう。

「東方四国祭」は、持ち前のノウハウで、徳島にも東方の熱気を呼び込む事に成功した。
しかし、それを根付かせるには、地元徳島人との関係構築の強化。これが課題になってくるかのように思える。