7月17日、私は、秋田県大館市のオールジャンル同人誌即売会「新装快店」http://zicazica.com/shinsohkaiten/に一般参加させていただいた。
一昨年、岩手県盛岡市の同人誌即売会「岩漫」にサークル参加させていただいた折に、当地に告知活動にお見えであった、この「新装快店」の関係者の方とお話をいただき、その存在を初めて知った自分。
人口規模も決して大きくない町にもかかわらず、積極的な告知活動の成果もあり、毎回募集60spを満了させているとの事。
知られざる「隠れた名即売会」として、ひそかに注目し続けていた。
(参考リンク・2009年10月09日付「9/20岩手県盛岡市「岩漫」」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51563072.html)

いつは行ってみたいと思っていたこの「新装快店」だったが、JR東日本パス(JR東日本管内1日乗り放題)がお得なのに釣られw、東北新幹線の新開通区間乗り潰しも兼ねて、日帰りで参加を決意した。
(とは言え大館はやはり遠く、朝7時の新幹線に乗っても大館着はお昼過ぎだったが…w)

会場は、JR大館駅から徒歩10分の、「プラザ杉の子」という結婚式場。
なんか、公営の施設は事情があって使えないとの事で、会場がなかなか無いらしく、探した結果結婚式場を即売会会場として充てているのだとか。
結婚式場が普段の結婚式として稼働していない日…すなわち【仏滅】の日曜日しか利用ができず、「会場手配が最大の難関」との事。
会場内は、礼服着た式場の職員と、ハルヒや鏡音リンが混在するという、何とも言えぬカオスな光景が広がるw

5年前に初開催、以後年1回ペースでの開催。
当地唯一の即売会という事に加え、意欲溢れる運営と熱心な告知が功を奏し、参加者も回を重ねるごとに右肩上がりの増加。今回は落選サークルも出してしまったとの事。
この町の即売会は、「新装快店」が年に1回開催されるのみ。年1回の「お祭り」ということもあり、参加者の熱気と盛り上がりが尋常ではない。

特に盛り上がったのは「ビンゴ大会」。
ビンゴの盛り上がりを支えたのは、豊富な景品群。
画材、大館銘菓、もふもふ人形、漫画、同人誌、グッズ…質量ともに尋常ならざる豊富さで、参加者全員に行き渡りそうな分量が用意されている。「杜の奇跡」とか「ぷにけっと」もアフターイベントの景品数が異様だが、もしかしたらこれらの即売会を凌ぐ豊富さかも…(汗)

景品の豊富さもあってか、熱気は相当。ビンゴの景品展示場付近のサークルスペース付近は、人がたまりすぎて身動きが取れないほど。
即売会頒布時間中13時から開催という事で、頒布時間中のこの手のイベントはサークルの頒布が妨げられるし、正直どうなのかな?とも思った。
ただ、参加サークルもビンゴに熱中されているようなので、まあいっかw
頒布に支障を及ぼすかもしれないが、その代わり(?)かこの即売会は、「スタプラリー」とビンゴとを連動させた形での、作品売買を促す策を取っている。
すなわち、会場内サークルで同人誌を購入する事でスタンプを押して貰い、スタンプが貯まったらスタッフがランダムでビンゴに穴を空けてくれる(=ビンゴが有利になる)システム。
参加者のビンゴの熱気は凄まじいものがあったが、その熱気を、サークルの作品購入に繋げるユニークな取り組みとして、ご紹介させていただいた次第である。


参加者は、やはり殆どが中高生。パンフレット内のイラストカット等にも、中学生のサークルさんを起用されたとの事で、地元の若い世代の参加が目立つ。
会場の結婚式場には多数の自転車駐輪…いささか結婚式場にふさわしからね光景が目に付いたが、これは、車が使えぬ中高生が、自転車で来場している事を示している。
(車来場組もそこそこ多かったですが)

頒布作品の形態としては、やはり、手軽に作れる「ラミカ」「ポスカ」「便せん」が目立つ。
中高生のサークルさんだと、特定のジャンルに活動が固まっていないケースがきわめて多く、複数のジャンルをかけもちする所謂「よろず」ジャンルのサークルが多いのだが、「新装快店」も同様の傾向であった。
活動ジャンルは多様で、ヘタリア・イナイレ・ポケモン・ポップン・薄桜鬼・東方・鋼の錬金術師・ボカロ・ハルヒ・まどか・忍たま…うん、余りにも分散していて、どのジャンルが強いだとかなんて言い切れないぐらい。
逆にいえば、決して大きくない規模ながら、出会えるジャンルの作品は豊富、という見方もできようか。
チラシ置き場に、サークル宣伝のペーパーが異様に多かったのも、特徴的な光景だった。(参加サークルの半分以上が、チラシ置場を利用しているような気もする)

他の特徴としては、「ドール展示」が盛んな事も挙げられようか。
会場の一角に展示コーナーを用意するも、15体以上展示され、そのレベルも高い。
また、フリードリンクサービスも用意。暑いさなか、きっちり冷えた飲料をご用意いただけるあたりが親切な心遣いを感じる。

総じて見て、スタンダードなオールジャンル同人誌即売会であったと思う。
この地域では年一回の開催と言う事もあってか、参加者の熱気に富んだ即売会だったと思う。
ビンゴ大会は、サークル頒布に支障を及ぼす事は懸念されるも、それとサークル頒布とを連動させる工夫もある。そして何より、サークル自身も、ビンゴを楽しんでいる。
結果としてビンゴが、このイベントの熱気をより高めている。
地元の同人者の同人活動に対する意欲が、年一回のこの場に集約されたイベントと言えようか。

運営面を見ても、ドリンクサービスのような親切さや、北東北三県全ての即売会を網羅しようとする告知の熱心さやフットワークの軽さが光っている。
60sp満了どころか落選まで出す結果も、当然の帰結である。

ただこのイベントが直面する課題は、規模拡大への対応策だろうか。
今回は落選を出してしまったが、落選したら翌年までイベントは無い。サークルにとって気の毒な話だ。
例えばだが、他の部屋を使う等可能な限りスペースを広げる。ビンゴ用のスペースもサークル用に当てがい、ビンゴは頒布時間終了のアフターイベントで行う。
今後も今の拡大基調が続くのならば、このような運用上の工夫を検討しても良いのではないか?と感じた次第である。