大阪で2500sp規模の東方Prpjectオンリー「東方紅楼夢」が開催された10月16日、会場内ならびインターネット上にて、重大な発表が成された。

我が国最大規模・5000sp規模にまで膨れ上がった東方Projectオンリー「博麗神社例大祭」において、立ち上げ当初から代表を務められていた鈴木龍道氏が、一身上の都合により代表より退任。3人の共同代表を置いての新体制に移行する事が明らかにされた。

詳細は、「博麗神社例大祭」公式サイト内「代表変更のお知らせ」http://www.reitaisai.com/keii.htmlをご一読いただきたい。

主催の交替という事例は、たまにだが起こり得る話。それだけならば、取り立てる程でも無い。
ただ、今回は「博麗神社例大祭」という、同人史上に間違いなく名を遺すであろう同人誌即売会である。
世間の注目度も高く、反応も大きい。
だからこそ、私もここで取り上げさせていただいた次第である。

例大祭代表交替・新体制発表については、私の周囲からも様々な噂・憶測・推測その他諸々が漏れ聞こえ、錯綜している。
ただ、その真偽を検証する事は難しく、今回の記事に当たっての材料とはしない。
【確実に言えるであろう】事のみをベースとし、私自身の思いの丈を綴る事としたい。(※1)


●例大祭を支えた人達への感謝の辞

博麗神社例大祭は、今から9年前。2004年の春にその産声を上げた。
当初は、蒲田の大田区産業プラザPiOで開催。翌年は、より広い会場を求め、「東京都立産業貿易センター浜松町館」での開催で、入替制・会場外を一周する長蛇の列。その人気に舌を巻いたものであった。
2006年からは、更に広い会場を求めサンシャインシティへ。それでも来場者の増加に対応しきれず、2008年からは東京ビッグサイトへ。
ビッグサイトに移ってからも来場者の増加は爆発的、回を重ねるごとに押さえるホール数も増加する一方。
2011年は、東京ビッグサイトの東ホールを、5つも借りての開催であった。

こうして例大祭の歴史を紐解くと、東方projectの隆盛・発展とともに、例大祭も大きく成長を遂げる事ができた、と言えよう。
東方project人気が追い風となっての成長、確かにそういう側面はある。
人によっては、それを理由として、主催の力により為し得た成長ではない、と否定する方もいらっしゃるだろう。

しかし、私はこうも思う。
例大祭は、急激に膨れ上がる東方人気の爆発に、会場を変更し続けることで対処できたイベント、とも言える。
即ち、例大祭は、急激な変化に対応する能力を、言わば「対応力」を有したイベントであったと言える。
普通の主催なら都産レベルはこなせるかもしれないが、そこからサンシャインレベルやビッグサイトレベルまで対応する事は、中々に難儀な話だと思う。
東方人気の爆発に対応し、破綻なく維持する事に成功した…そういう意味で、例大祭は偉大なイベントであったと感じる。

そのイベントを支えたのは誰か。
「ルールを守る」事を通じ運営に協力したサークル参加者・一般参加者も、その一端を担っている。
勿論、このイベントの為に集った、多くの有能なスタッフの存在を忘れてはならない。
特に、事務作業に携わったスタッフは縁の下の力持ちであり、例大祭に果たした役割は極めて大きいと言えよう。
(余り注目はされないが、事務方の出来不出来が、イベントの出来不出来を左右するケースが少なくない。事務が弱いイベントは、大抵がトホホなイベントで終わる。事務の働きにもっとスポットライトを当てたいものである)
イベントを支えた参加者・スタッフにも感謝の気持ちを持ちたいものである。

そして、主催氏。
主催氏は、そのイベントの「顔」である。
そのイベントを代表するものとして、全ての責任を負う立場でもある。
例大祭ほどの巨大なイベントになれば、イベントが大きい分だけ、背負う責任も大きくなる。

前代表氏は、2004年から実に8年間にもわたり、全責任を背負いつつこのイベントを立ち行かせてきた。
その功績と労苦に、感謝と労いの意を申し上げたいものである。
(色々な話は聞けども、やはり例大祭と言うイベントの先頭に立ち、例大祭を支えてきたのは事実であると思う。)

新体制立ち上げ、という節目の時を迎えた事を契機に、これまで例大祭を支え続けた、前代表氏を筆頭とする多くの皆様方に、この場をお借りして感謝の意を申し上げたい所である。


●新体制立ち上げに当たっての所感

代表が交替し、新代表3人による共同体制がスタートした。
共同代表の一人が、10月16日の「東方紅楼夢」でもマイクを握り、代表交替の経緯を説明した。
「紅楼夢」で配布されたチラシも、これまでの例大祭チラシとは雰囲気が異なり、体制一新を感じさせた。

代表交替や新体制への移行については、紆余曲折あったようで、色々と話が漏れ聞こえてくるが、真実かどうかも検証は難しい。
真相は分からないし、積極的に知ろうとも思わない。

ただ、これだけは言える。
「例大祭」という巨大イベント。代表職は名誉かもしれないが、同時に、責任も大きい。
この責任の継承を決断した、3人の共同代表の勇気と決意に、私は深く敬意を表したい。
そして、新体制への運営の継承が進み、新体制が一日も早く軌道に乗る事を願いたい。


新体制について、私が気にしている事が、一つだけある。
それは、3人の共同代表の知名度の不足、それに伴う参加者からの不安の声である。

共同代表3人は、都内の男性向け同人誌即売会を中心に、場数を踏んだベテランの方々揃いだ。
経験も実力も豊富であり、御三方ならば、例大祭を引き継げる。それだけの力量をお持ちの方々だと信じている。
運営面に関しては、ソツなくこなしてくれるであろうから、全く心配はしていない。

ただ、一般のサークル/一般参加者から見ればどうなのだろう?
前代表氏は、長年例大祭の「顔」を務め、知名度も高い。一方、共同代表の御三方は、前代表にに比べ知名度が弱いのは否めない。

私の見立てでは、東方界隈の半分以上(特に東京のイベントに縁の薄い方)が、「この人誰?」という反応じゃないかと思う。
主催が、「よく分からない人」だと、運営に対するサークルの不安が募る危険があるのではないか。

私は「あの3人が共同代表なら、大丈夫じゃね?」とする立場だが、皆が私と同じ考えではないだろう。
知名度が低いのは仕方ないにせよ(そのハンディは今後の運営活動を通じ挽回可能だし)、それが不安に転じては宜しくない。

これを解消すべく、私は、新代表3人が積極的に「顔を売る」事をご提案申し上げたい。
具体的には、東方オンリーや大規模オールジャンルが開催されれば、サークルとして参加する。
サークルブースを拠点に、サークルを巡回。代表交替についての挨拶回りを行う。(※2)
(大半の)サークルにしてみれば、主催自らがわざわざ足を運んでくれれば嬉しいもの。親近感も湧き、顔を売る事もできるだろう。(挨拶して不機嫌になる気難しいサークルさんもいらっしゃるので、注意は必要だが…)

また、サークルブースという場は、参加者と直に話をする機会でもある。
誰でもウェルカムに質問・問合せ等の受付を行い、オープンに直接語らう事を通じ、新体制に対する不安の軽減・解消に努めたい。

ドサ回りは大変だが、幸いにも(?)、新体制での代表は3人居る。
3人で手分けをすれば、少しは負担も軽減されよう。
面倒な提案で恐縮だが、是非ご検討いただきたい。

「顔の見える」主催、「顔の見える」運営となれば、新体制への支持も集まる。
新体制定着の為に、「顔の見える」化を目指していただけるよう、切望するものである。


(※1)今回「確実に言える事」だけで論じるに当たり、以下サイトを参照させていただいた。
株式会社龍道の解散による東方Project界隈への影響、個人的まとめ - 木俣 ロバート久の覚書 (はてな版)
http://d.hatena.ne.jp/rh-kimata/20111017/1318781558

(※2)
余談ですが、大(9)州東方祭主催のチ●ンコ増田氏は、挨拶回りに関しては凄かったですよ。
例大祭が震災中止→5/8に開催変更の余波で大(9)州が中止になった時、例大祭の会場のビッグサイトで、AV女優・小向美奈子の【スライム乳】に匹敵する柔らかさ【マシュマロ腹】を揺らしながら、数百単位の参加サークルにお詫び行脚してます。
あの巨体であそこまでフットワークが軽いのには驚きでしたが、そういうコツコツ積み重ねるマメさがあるからこそ、大(9)州は数百サークル集まる巨大イベントに成長できたんだな、ってのを実感しました。