最近は、実在の街並みや風景をモデルに描かれる、漫画やアニメの作品が急増している。
更には、そのモデルとなった街を「聖地」と称し、そこを観光で訪れる、所謂「聖地巡礼」のヲタ観光客も増えている。
(もっとも、ドラマ・映画等の舞台を訪れる「聖地巡礼」は今に始まった事ではないのだが…例えば島根県亀嵩駅の蕎麦が有名なのは、松本清張が小説「砂の器」を出してからだし…)

同人界について申せば、最近は「聖地」でのオンリーイベント開催が増えている印象。
「東方風神録」の舞台・諏訪での開催。「けいおん!」の舞台・豊郷小旧校舎群での開催。アイマス双海姉妹の聖地(なのか?)十勝での開催。
…様々な「聖地」で即売会も開催されるようになりつつある。

今回私が参加した、たまゆらオンリーイベント 「たまゆわ〜るど 1回目、なので。」http://team-ops.info/tm1/も、聖地開催のオンリーイベントである。
「たまゆら」の舞台は、メインが広島県竹原市であるものの、横須賀も舞台に含まれている。
正確には、横須賀市の汐入が舞台なのだが…京急線・汐入駅前の「産業交流プラザ」で開催されたのが、この「たまゆわ〜るど」である。

主催は、TEAM Operations。男性向けジャンルのオンリーイベントを数多く主催し、特に四コマ漫画系統のジャンルでオンリーを多く開催する。
ただこの団体、比較的マイナーなジャンルでオンリーイベントを開催する傾向にあり、そのせいだろうがサークル参加数も余り恵まれない。
数は少なくとも、そのジャンルを本当に好きな方が集ってくれれば…とするお考えなのだと思う。

今回のたまゆらオンリーにしても、たまゆらは確かに人気のあるアニメだが、「同人的に」人気があるかどうかとなると、また別の話である。
私が見た限り、たまゆらジャンルのサークルさん、オンリーが開催できる程度に数が居たのだろうか…?とは思った。

とは言え、聖地開催という事が少しアドバンテージになったのだろうか?
参加サークルは16サークル18sp。数は決して多いとは言えないが、最低限オンリーイベントとしての体を成すだけ集める事が出来たようで、私も少し安心した。

という訳で2/19当日は、京急線に乗り、一路横須賀市は汐入へ。
会場は駅前で決してアクセス的に悪くないが、大田区産業プラザPiO最寄り駅・京急蒲田や川崎市産業振興会館最寄り駅・京急川崎とは違い、快速特急が止まらない。汐入に行くには、途中の金沢文庫辺りで各駅停車への乗換が必要だ。
結局、品川から1時間弱を要し、少し遠い印象。
そういう距離的な制約もあってか、一般来場者もさほど多くない。終始まったりと進行している。
参加者数は少ないが、交流的な要素をメインに、本当にそのジャンルを好きな人が集まっている小規模なオンリーイベント、という印象だ。
ただ、小規模だからこそ、ささやかながらも「光る取り組み」が目に付いたのだろうか。
「たまゆら」が好きな主催氏だからこそなし得た工夫が、散見された。

一番見応えあったのは、主催氏ご自身が聖地・竹原を来訪されての、写真展示。
ドサクサに紛れ主催氏の自宅(と思しき)写真も展示されている意味不明展開もあったがw、十分楽しめる。
ただ、欲を申すならば、もう一つの聖地にして、今回の開催会場でもある汐入の写真が展示されていれば、もっと良かったかも…?とは思った。

この他、交流的な要素に重きを置いているのか、カフェスペースを用意している。
椅子テーブルを配置、お茶菓子や飲み物も用意され、セルフサービスにて食べ飲み放題。
竹原で仕入れたのだろうか?「たまゆらポテトチップス」なんてのもあったりするw

他、たまゆらグッズの展示コーナー等も用意され、見て楽しめる仕掛けが様々備わっていた印象だ。

サークル数は決して多くはないが、このオンリーに合わせ新刊を出したサークルもいらっしゃる。
会場のある建物内には、横須賀名物・海軍カレーを食せる喫茶店もあったが、それをテイクアウト、会場内自サークルにに持ち込んでお召し上がりのサークルさんもいらっしゃった。
勿論、のんびり周囲のサークルさんや一般参加者さんと歓談されるサークルさんもいらっしゃった。
サークルさんも、自分のペースで、のんびりとこの即売会を過ごされたようだ。
穏やかな時の流れるイベントであったと感じる。

今回のたまゆらオンリー、たまゆら同人者が決して多くないという事情や、横須賀が遠距離という事もあり、来場者に恵まれたとは決して言えない。
来場者が少なければ、即売会の楽しみの一つである【作品の売買】については余り期待できないだろう。
即売会のもう一つの楽しみである【参加者間の交流】に力を入れ、参加者の満足度を高めようとするのは、ある意味自然な流れである。
カフェスペースを設置し、交流し易い環境を整えようとする工夫は、注目に値しよう。

これに加え、聖地巡礼の写真やキャラグッズ等の展示を多く揃えた事も、特記すべき工夫である。
一般参加者も、サークル数が少ない以上、サークルを回るだけだとあっという間だ。
これらの展示を用意する事で、足を運んだ参加者の楽しみに、彩りを添える。イベントの楽しみが、更に増す。
それに、これらの展示は、聖地らしさを演出する効果もあると思う。

参加者が少ないのは確かに残念だ。
だが、参加者数だけが全てではない。
このオンリーでは、展示や企画を豊富にする事で、参加者の満足度を少しでも高めようと試みている。
小規模な即売会だからこそ、こういう工夫も、より輝きを増す。
今回のたまゆらオンリーは、小規模な即売会が参加者に楽しんで貰うために最善を尽くそうとする姿勢を見せてくれた即売会として、小規模なオンリーの戦い方の一例として、一つのお手本になり得る良即売会であったと思う。