前回記事において、私は、(1)地方即売会の実情(2)ガタケットを取り巻く環境(3)即売会が大規模を維持する事の必要性について述べた。
即売会の規模縮小傾向は避けられぬ環境ではあるものの、今の規模を可能な限り維持(できれば拡大)するべきと考える。
そこで今回は、何を為すべきか。より具体的に掘り下げて論じたい。


【ガタケットの方向性・その2〜年少者・年長者双方へのバランスを〜】

一般の地方即売会においては、学生等若い世代が、参加の主力層となる。
ガタケットにおいても、若い世代が多く参加している。

同時に、ガタケットは、年長者・リピーターによっても支えられてきた即売会である。
年長者の支持を得たからこそ、これまで大崩れせずに持ち堪えてきた。
年長者のより一層のリピーター化が、ガタケット存続の為には欠かせない。

一方、年長者が増えつつある事は、見方を変えれば、若年層の参加が弱まりつつある事の裏返しでもある。
ガタケットにおいては、若い世代の新規参入が少ないのでは?との疑問も湧く。
若い世代が新規で入って来なければ、サークル数は伸びない。
少子化の現況で実現するのは困難だとも思えど、若き血が入って来ないのも存続に影を落とす。
ガタケットには、若い世代の同人者の掘り起こしも必要だ。

つまり、【若い世代】【年長者】を、ガタケットを支えてくれる二本柱と位置付け、双方の参加者に気配りを図る。そういう方向性にて臨むべきと考える。
注意せねばならぬ事としては、どちらか片方に「偏らない」事が大切だ。
若い世代に特化する、もしくは年長者に特化するという方向性も検討したが、どちらもリスクが大きい。

若い世代向けへの特化は、若年層同人者開拓の効果が期待される一方、リピーター化している年長者の離反が懸念される。
ぶっちゃけ、若い世代向けの即売会は、ガタケット以上に苦戦している他の地域の即売会の姿である。
今以上の苦戦は明らかだ。

一方、年長者・リピーター向けに特化したとすると、リピーターは付いて来るから、短期的には、サークルの減少も抑えられるかもしれない。
年長者ならサークル参加費を値上げしても来てくれるだろうから(現在のサークル参加費は1sp2600円と、年長者向けの即売会にしては安い)、値上げによる増収で経営の安定化を図れる。
しかし、リピーターは付いていくだろうが、いつもの面子・変わらぬ雰囲気なのでその内飽きが来る。
新しい血を入れたくとも、若い世代は、ジジババばかりの雰囲気を敬遠するから、絶対来ない。
既存リピーターサークルは次第に飽きて減少、新規も入らないから、中長期的に見ればジリ貧の末路だ。

そもそも地域の即売会には、若い世代の同人入門の場として、同人者の新規開拓を図る役割がある。
年長者への特化は、その役割を自ら放棄する事にもなり、私は賛同できない。

では、今後ガタケットは何をすべきか。以下、これまで論じた方向性に基づき、稚拙かもしれないが具体策を論じたい。
「二本柱それぞれバランス良く」という観点から、年少者向け/年長者向け双方の献策を申し上げたい。


【ガタケット活性化の具体策(年少者対策)】

ガタケットの高年齢化は、若い世代への新規開拓が弱い事を意味する。
若い世代が入って来なければ、参加する面子は変わり映えしない。イベントの雰囲気も単調になり、飽きも来る。
若い世代に、如何に「ガタケット」の存在を知って貰うか。あわよくばサークル参加して貰うか。そこを考えたい。


(1)学生をターゲットとした告知の強化
…ターゲットは、大学や高校。NSGグループ等専門学校もこれに含まれる。
これらの学校の、漫画研究会等の課外活動を行う団体に、チラシを渡しつつ、ポスターを貼って貰ってはどうだろうか。
漫研構成員が興味を持って参加してくれるかもしれない。
また、部室にポスターを貼ってくれれば、ポスターは人目を引きやすいから、漫研以外の生徒に、興味を持って貰えるかも?との期待もある。
クリエイターを養成する専門学校なら、生徒全員が表現者。生徒全員がサークル参加候補だ。全員に申込書を配るぐらいの勢いでも良いだろう。(思い付きだが、ガタケットへの参加で単位取得となれば面白いかも)

ちなみに、ポスター戦略は、福井県敦賀市での成功例だ。
この方法で若い世代に同人イベントの存在を伝え、興味を持って貰う。一般参加で顔を覗かせた若者が、次はサークル参加しようとなる。
結果、若い世代の掘り起こしに成功し、人口6万の町にながら、80サークル参加という成果を残している。

(2)新潟県他地域での、ミニ即売会出張開催
…ガタケットとは別に、他地域での小規模即売会を開催するという方法も提案したい。
既に新潟県長岡市では、地元の即売会・長岡コミニケと共催にて関わっているが、新発田・上越・柏崎・佐渡等、他地域でも出張開催する。
ターゲットは、地元在住の中学生や高校生。新潟市内まで遠征するには金銭的に厳しいであろう若い世代だ。
ガタケット本体とは異なり、50sp以下の小規模なもの、参加者は地元中高生特化型になるだろう。
サークル参加費も1000円未満と思い切って安くしたい。(会場費との兼ね合いもあるが…)

狙いは、新潟市まで足を伸ばせない若い世代に、「同人誌即売会の楽しさ」を知って貰う事。
地元に同人誌即売会が存在すれば、好奇心旺盛な若い世代が足を運んでくれる。同人活動そのものに興味を持つ方も出てくるだろう。
興味を持った彼(女)らは、将来のガタケット参加者候補となる。
つまり、将来のガタケット参加者の増加を最終目的とした、県内同人者の新規開拓である。
前項との違いは、前項(1)は新潟市ないしその周辺地域における若年層開拓に対し、本項(2)は新潟市から離れた地域での若年層開拓である。

ガタケット自らの出張開催を想定しているが、限りある人手がそればかりに割かれるのもどうかと思う。
開催回数は年1回程度に絞り、地域も広げ過ぎない。
また、やる気のある人材が居れば任せ、ノウハウ提供等後方支援に徹する等、手間を可能な限り省力化する事も必要だ。


(3)サークル参加費の思い切った見直し
…若い世代に参加を推し進めるに当たって、1sp2600円という参加費は、高校卒業以後ならともかく、高校卒業前の学生には厳しい値段だ。
イベントパンフ代も同様だ。
そこで学生参加者を増やす目的で、中高生だけでも良いから、【学割制度】を導入し、学生にも参加しやすい環境を整えてはどうだろうか?

無論、学生のみの優遇は、平等から外れる事になる。
既存サークル等から反発を受けるリスクは、想定せねばならない。
他のサークル参加者に予め趣旨を説明する(今回のQ&Ahttp://gataket.com/121/ のように丁寧に説明すれば理解は得られよう)、参加者アンケートで意見を聞く…等然るべき手順を踏み、その上で参加費改訂に踏み出したい。


【ガタケット活性化の具体策(年長者対策)】

年長者がリピーターとして参加し続ける事によって支えられしガタケットだが、全ての参加サークルがリピーター化しているわけではない。
他の地域同様に、地元のイベントを「卒業」し、活動の舞台を都会イベントに移すサークルも少なくはない。
既に参加し続けているサークルさんに、「卒業」されることなく、如何に今後も継続して参加いただけるか。
または、既に地元を見切ってしまったサークルさんに、如何にして地元に目を向けていただけるか。そういう観点から論じたい。


(1)可能な限りの日程調整を。それが難しければ開催回避も検討を。

年長者のサークルを追い求める以上、年長者になればなるほど、都心のイベントに参加する傾向があるから、都会の大規模イベントに影響されない日程を模索せねばならない。
当然ガタケット側もそれは行っている筈だが、現実、会場を借りるに当たって、土日は過密日程。中々主催側の希望は通らない。
今回も希望が通らず4/29開催となり、結果大規模イベントを優先させガタケットを回避するサークルが続出。(最終的には回復できたものの)サークル数が落ち込んでしまった。

やはり、可能な限り大規模即売会に影響されない日程にて手配できるよう、努力を図っていただきたいと思う。
そこは行政や地域団体とも交流や親交を密にした中で培われた、主催氏の顔の広さに期待したいが…

★マンガ同人誌即売会/「ガタケット」運営支援策の検討を示唆−−新潟市長 /新潟 http://dream.mainichi.co.jp/hope/servlet/AuthNews?k=aum&id=20120406ddlk15040008000c なんて記事も出たが、会場予約の優先順位を上げてくれるような形の「支援」とかにならないかしら…?

しかしながら、今回のように希望が通らない時も出てくるだろう。
その時は、無理に開催せず、「開催しない」という選択肢を検討しても良いのではないか。

「開催回数を減らす」という意見に対し、ガタケット側は、開催回数を減らしても、一回当たりのサークル数が増えない事を理由に、消極的である。
だが、無理に開催してサークルが集まらず赤字になるのならば、開催しない方が経営的にも楽であろう。
年5回の内一回程度なら、お休みを取っても良いのではないか。


(2)都会・大規模即売会等での告知強化
…ガタケットを「卒業」したサークルさんは、都会の大規模即売会に活躍の場を求める傾向にある。
いや、ガタケットに参加し続けているリピーターサークルであっても、やはり都会の大規模即売会に活躍の場を求める。
ならば、そういう大規模な即売会に告知を打つ事が、卒業したサークル・リピーターサークルといった年長サークルの掘り起こしに繋がるのではないか。
ガタケットは、ガタケットを卒業した方々にまた来て貰えるようにとの狙いから、アニソンライブ等各種企画を取り入れている。その試みは決して悪くはないと思う。
だが、卒業した方を掘り起こしたいのなら、彼らが新たな活躍の場とする【都会の大規模即売会】への告知にも、力を入れるべきである。

都会の大規模即売会への告知は、過去何度も継続開催し、安定してサークルを集めてきた「北陸本専」の取組が参考になる。
本専は、地元金沢の即売会には参加せず、都心の即売会に参加するサークルを地元に呼び戻したい、という思いを抱いている。
その思いの下に為された取組は、コミックマーケットでの、全スペースチラシ撒き。他にも「こみっく☆トレジャー」や「コミックシティ」などで、チラシ撒きを積極的に実施している。

勿論ガタケットも、毎回のコミックマーケットで同様の事は実践されている。コミティアでもチラシを毎回見ているし、先日のサンシャインクリエイションでも、チラシ撒きが始まった。
これを更に推し進め、コミックシティやCOMIC☆1、博麗神社例大祭等、都会の有力イベントを中心に、積極的に告知を実施したい。
金沢の北陸本専は東京・大阪両睨みでの告知だが、新潟はもう少し東に寄ってるから、大阪の比重を下げ東京の比重を上げても良いだろう。
これまで【同人誌即売会主催者連絡会】でリーダー役たる「発起人」を務め、他の即売会に顔も利いているはず。自身が足を運べない即売会については、他の即売会にお願いして代わりに配って貰う等、他の主催に助けを求める事も一案だろう。

つまり、都会即売会での告知を徹底的に、積極的に、という事だが、この効果は、ガタケットを卒業したサークルのみにとどまらない。
既存のリピーターサークルも、都会の即売会で活動する。そこでガタケットのチラシを見れば、ガタケ頑張ってるな、と努力している姿が印象付けられる。
首都圏等新潟以外のサークルもチラシを見るから、ガタケット頑張ってるからサークル参加しようかな?と検討するサークルも出てくるかもしれない。
都会の即売会で告知を強化する事は、遠征サークルの発掘や、リピーターサークルの地歩固めにも繋がるのである。


…とここまで書いた所で字数制限になってしまった。
もう一つ、年長者対策の(3)に当たる部分が残っているが、これは次回に回したい。