4月15日、私はサンシャインクリエイション(池袋サンシャインシティ)にサークル参加した身ではあるが、同日開催のオンリー「すいかといっしょ」も気になり、サンクリを早めに切り上げ、「すいかといっしょ」に一般参加させていただいた。

「すいかといっしょ」は、数ある東方オンリーの中でも、登場キャラの一人・伊吹萃香に焦点を当てたオンリーイベントである。
昨年5月の「博麗神社例大祭」にて初めてチラシをお見かけし、その後も数多くの東方オンリーにて、チラシが配布された。
主催氏は、もともとは、全国各地の東方オンリーに遠征するサークル者。自身がサークル参加するイベントでチラシを撒くという構図で、数多くの東方オンリーにてアピールされ続けていった。

普段サークルとして活動されている身という事は、主催やスタッフとしての経験は、失礼ながらそんな豊富ではない、とも言える。
事実、カタログ挨拶によると、今回初主催との事。
しかしながら、事務担当者にイベント主催として実績を挙げている人物を起用したこともあり、即売会自体はさほどの問題もなく、安定的な運営を実現した。

「すいかといっしょ」の規模は、スペース数ベースで約110sp。
単一キャラのオンリーイベントとしては、なかなかの健闘を見せている。
理由としては、サークル活動を営みながら告知に努力した事が、先ず挙げられる。
また、主催氏自身の同人活動歴は長く、サークル活動の中で有力サークル含む数多くのサークルと、交流を培ってきた。
その他サークルとの交流の幅広さが、多くのサークルを参加させる原動力となった。
これはサークル出身主催ならではの「武器」であり、その武器をフル活用した結果こそが、今回の大健闘とも言える。

確保した会場は、大田区産業プラザPIO・大ホール。
ただ、この会場は、200sp〜400sp程度の規模が適している。
100sp集めたのは充分凄いとは思うが、流石に箱が大きかったたような気もする。
そこでこのイベントでは、会場の半分にサークルを配置。残り半分は「コスプレスペース」「飲酒スペース」「カードゲームコーナー」「DDRコーナー」などを配置して対応した。


今回のこのオンリーの特色は、即売会としては珍しく、飲酒を「可」としているところである。
伊吹萃香というキャラが「酒飲み」キャラという事もあり、萃香オンリーを飲酒可とするのは、気持ち分からないでもない。

だが、過去飲酒可の東方オンリーを紐解くと、参加者が飲みすぎで救急車で運ばれた、なんて事例が時折起こっている。
これと同じ騒ぎを起こすのも、余り宜しくない。

そこで今回このイベントでは、飲酒について厳しい制限を設け、過度の騒ぎとならないよう配慮している。
まず、飲酒可とはしているものの、参加者自ら酒を持参し飲む事を禁じている。
主催側で無料の振る舞い酒を用意し、それを所定の飲酒スペースで飲む事のみを可としている。
また、振る舞いのお酒も一人3杯までと制限し、参加者の「飲み過ぎ」を自制する仕組みをつくり上げている。
1人3杯なら、酔い潰れない量である。
結果として、サークル参加・一般参加ともに、泥酔者は出なかったし、救急車騒ぎにもならずに済んでいる。

お酒の提供に当たっては、本部でリストバンドを用意。身分証明書を提示し、成人であることを確認できた参加者にのみ提供という形で、チェック体制を厳格に行っている。
数量制限についても、リストバンドにスタンプを押すという形で、参加者が何杯飲んだかをチェックしている。
提供するお酒、ならびに参加者全員の飲酒量をコントロールすることで、事故や騒ぎを未然に防ぐ仕組みを構築したと言えよう。

提供するお酒は、主催氏自らが用意した【樽づくりの日本酒】がメイン。
私は立ち会えなかったが、開場時に樽開きが行われた模様だ。
日本酒が苦手な方向けに、ビールやソフトドリンクも用意されている。
他、参加者から寄贈された焼酎や地酒も、振る舞われた。
主催氏自らが、生き生きと参加者にお酒を注ぐ姿も、時折見られた。主催氏も、こういう「お酒を酌み交わし交流を図る」というオンリーをやってみたかったんだろうなあ、と思った。いや、酒を注ぐ主催氏、凄い楽しそうだったもんw

今「交流を図る」と申し上げたが、このオンリーは、一般参加者も余り多くなく、ゆったりと交流を図る事ができたオンリーイベントであった。
理由としては、サンクリとバッティングした事で、一般参加が来づらい環境であった事が挙げられる。
参加者が少なくまったりとしたイベントであったが、それは交流が図りやすい環境であった事も意味している。
「飲酒可」というコンセプトも、交流の図りやすさを後押ししている。

この「すいかといっしょ」は、お酒をたしなみながら、ゆったりと参加サークルを巡り、本を買う。
サークルとも交流を図りつつ、穏やかな時を過ごす。
そういう楽しみ方をすべきイベントであったと思う。
単に物の売り買いのみに主眼を置く向きには、余り楽しめないイベントだったであろ思う。
だが、他参加者とのんびり交流を図りたいのなら、満足度は高くなる。そういうオンリーイベントであった、と私は考える。