故あって夕張市にご縁を持つ私。
夕張市で同人誌即売会が開催されるとあれば、可能な限り馳せ参じるように心掛けている。
今年も、夕張まんがまつりにサークル参加させていただいた。

今年参加しての感想としては、端的に申し上げれば、【これまでの夕張まんがまつりの特長が弱まった残念なイベント】であり、かつ【新企画の打ち立てに成功したイベント】と言えよう。

昨年参加時にも触れたが、夕張まんがまつりの特長は、先ず、コスプレイヤーと痛車を大量に動員させる事にある。
これは、コンセプトが「同人誌即売会を通じての町おこし」である事から、できる限り多くの人々を集めねばならない。その為に、痛車やコスプレイヤーの力を借りるのは、やむを得ない。
それに、彼らが参加サークルに目を向けてくれるからこそ、我々サークルも参加しての手応えを感じられ、参加し甲斐がある。
夕張まんがまつりは、痛車やコスプレイヤーが多く集い、彼らが即売会に押し寄せる事で、即売会での売り買いが成立する、という特長を持つ。

ところが、今回は準備不足が目立った。
例年遠征者向けに募集している【宿泊プラン】は、募集開始が開催日に近い時期となってしまった。
そして何より、「夕張まんがまつり」のメインコンテンツの一つでもある「痛車ミーティング」が中止になってしまった…
代わりに痛車用駐車場を用意したものの、訪れた痛車は例年の半数以下。
例年の賑いが薄れ、いささか淋しいイベントであった。

また、コスプレイヤーも減少傾向が強まっている。
同日に札幌・帯広・室蘭・遠軽と道内各地で即売会が開催され、かつ小樽のコスプレイベントと被った事も影響しているだろう。
ただ私は、「夕張」という地を「背景」とする事に、コスプレイヤー達の中に「飽き」が来てるのでは?と分析する。
3回目の開催となり、イベントとしては数をこなしているが、夕張の風景は変わらない。変わらない町並みを背景として撮るのにも、そろそろ飽きが来る頃では無いか?

結果、痛車・コスプレを大幅に減らした「夕張まんがまつり」は、トータルの来場者も大きく減らした。
即売会の来場者は、200人いたかどうか。個人的な事だが、サークルとしての売れ行きもイマイチだった。

これまで痛車・コスプレイヤーを両輪に、賑いを演出し続けていた「夕張まんがまつり」だが、今回はその両輪の特長を失ってしまった。
これまでの良さが消えてしまった事は、極めて残念な事態である。
来年の「夕張まんがまつり」では、入念な準備を整えた上で「痛車ミーティング」を復活させ、賑いの片輪を取り戻すべきであろう。
そして、コスプレイヤーが担う賑いのもう一つの片輪は、活性化の為のテコ入れが必要だろう。
コスプレ分野は、夕張という背景が陳腐化しつつある事を念頭に置き、これを乗り越えるだけの「魅力」を創出したい。思い切った活性策が求められる。
具体策としては、思い付きの度合が強くなるが…道内で顔の広いコスプレイヤーを招待誘致する(その人を核に芋づる式の参加を期待)、クラブイベントを併催、新たな「背景」の研究と提供、即売会会場・ホテルマウントレースイの客室を貸切スタジオとして提供…といったところか?
コスプレ界隈に余り詳しくないので、的外れと笑われるかも知れないが、夕張まんがまつり主催陣には、コスプレ界隈に熟知された方々も少なくない。彼らの叡智を結集すれば、私などの思い付きよりも、遥かに実効性ある活性化策が出て来る筈だ。


「夕張まんがまつり」のもう一つの特長は、【企画力の高さ】【チャレンジ精神の強さ】である。
夕張行貸切列車、ダンパ、カラオケ付の交流会、スタンプラリー、観光学者・山村高淑氏を招いての萌えおこし講義、廃線跡探訪ツアー、萌えリキュールの販売…
これらの豊富な企画は、全て前回・前々回で為されたものである。
その豊饒な企画力、そして企画に取組むチャレンジ精神の強さは、もっと評価されてしかるべきだろう。
というか、この企画群も、夕張まんがまつりに人を呼び込む「力」となり、痛車・コスプレイヤーという賑わいの後押し役を果たしている。

今回の「夕張まんがまつり」は、残念ながら余り企画が多く打ち出せなかった。
先述の通り準備不足のきらいもあり、それが打ち出す企画の数に影響していようか。
但し、それでも尚新たな光る企画が打ち出せた点は、流石夕張まんがまつりである。

今回の秀眉は、東方同人アニメの上映会。
東方有力サークルと提携し開催されたこの上映会は、多くの参加者を集め盛り上がる。秀麗な映像には心惹かれるもの多く、これを観ただけでも夕張に来た価値があると断ぜるレベル。
副次的効果として、サークル同士の横の繋がりもあろう。他の有力東方サークルも参加、東方側が豪華な面子揃いとなり、即売会にも華を添えている。
更に有力サークルの参加は、有力東方オンリー主催/幹部クラスの来訪も生み出した。
(チラシ置き場に、某有力東方オンリーの売れ残りイベントカタログが、何故か大量に置かれた(そして瞬く間に捌けた)事は、そういう意味合いでお察し下さいw …いや、北海道は、距離的な制約で東方イベントに遠征参加できない方も多いから、このサービスは結果的に良かったと思うが。)
一つのサークルとの提携が、他サークルを呼び、一般参加者も増やす。夕張まんがまつりは、場を盛り上げる力を持つ、素晴らしいパートナーとの関係を築く事に成功したと言えよう。
上映会終了後、サークル側のトークで、来年も継続したい旨おっしゃっていた。
夕張まんがまつりの今後の発展を願うのならば、極めて心強い話である。

その一方、流石に失敗だったのは、併催された地下アイドルライブである。
地下アイドルが同人誌即売会とマッチングするのか?という疑問もあるが、そこは敢えて置いておく。
夕張まんがまつりは、様々な企画へのチャレンジ精神に富んだイベントだし、それが彼らの長所でもある。
地下アイドルも、そのチャレンジの一環であろうから、そういう意味では、評価しても良いだろう。

問題は、ライブ会場が即売会の会場に隣り合わせだった事だ。
ライブが始まって約2時間。大音量が響き、両隣サークルとの会話もままならない状態が続く。
これでは、サークルとしての頒布活動も、ままならない。
2年前、大州東方祭が同じ事やらかした時、私は主催のチ●ンコ氏を青龍刀片手にボロクソ批判した身。大州を殺って、夕張まんがまつりを看過する事は不公平だ。それは流石にできない。
ここは今回の反省点として、きっちり指摘したい。

運営側の言い分としては、元々地下アイドルライブは、即売会会場外で実施するつもりだったが、雨天の為屋内に持ち込んだとの事。
だが、私に言わせれば、予め最悪の事態を想定し段取りを組むべきであったと思う。
私なら、地下アイドルライブは、即売会終了後のアフターイベントに回す。仮に雨天で屋内開催になったとしても、サークルには迷惑がかからず済むからだ。
今回は、アフターに東方アニメ上映会が控えていたが、これは即売会中に移行する。上映時間は30分程度、音響もライブほどキツくは無いので、サークルにかかる迷惑の度合は、圧倒的に緩和されよう。


夕張まんがまつりは、他の即売会に無い独特の特長を持ったイベントであると共に、動員力の強さで、寂れた町である夕張の活性化に寄与する所大きいイベントである。
だが今回は、その特長の一部を喪失し、良かった所もあったがそれ以上に反省点が目立ってしまった。
来年以降も開催を予定されているとの事。今回の反省点を改善しつつ、運営体制を立て直し特長を取り戻して欲しい。
そして、パワーアップした「夕張まんがまつり」として、夕張の町の活性化に寄与いただきたい。
そういう思いを抱いたイベントであった。


次回以降の「夕張まんがまつり」の復活に期待したい。