6月3日、私は、インテックス大阪にて開催された二つの即売会「comic communication」「関西オンリーフェスタ」に参加させていただいた。
前者「comic communication」は、男性向け主体の老舗オールジャンル即売会。後者「関西オンリーフェスタ」は、ユウメディアが主催する3オンリーの合同開催。

この二つのイベントが、共に同じインテックス大阪で開催された事は、様々な意味で対照的と言えた。
一方は個人主催で一方は企業主催。一方はオールジャンルで一方はオンリーイベント。そして一方は男性向け、一方は女性向け。
様々な意味で対照的なこの両即売会について、本日はレポートさせていただきたい。

「comic communication」(以下略称の「コミコミ」と表記)は、関西では10年以上も前から開催され続けてきた即売会である。
一時期は1200spを超え、盛況著しい即売会であったが、最近は漸減傾向。
特に今年は、前週に巨大東方オンリー「博麗神社例大祭」が開催された影響もあってか、東方サークルが例年よりも大幅に減少したとの話も聞いた。

本来私は、普段は他用事との兼ね合いあり、当日長く会場に居られないという事情から、普段のコミコミへのサークル参加を控えていた。
しかし、今回はコミコミがサークル集めに苦戦しているとの話を聞き、無理矢理予定を調整し、少しでも助けになればとの思いから、サークルとして参加させていただいた。

最終的に、コミコミの規模は、864sp。決して少ない数字ではないが、以前の1000sp超を知る身からすると、物足りなさは否めない。
従来利用されてきたインテックス2号館/5号館から、より面積の小さい3号館に移動したほどてある。
サークル参加案内の到着も1週間前と極めて遅かったが、これはより多くのサークルを集めようと締切を延長した事の影響だろう。
サークル案内の遅れはけしからんと青龍刀を発動するよりも先に、コミコミの窮状が透けて見えた。そんな構図である。

当日運営は手慣れており、つつがなく終了したものの、自分が想像していた以上にコミコミは苦戦されている。その思いを強く抱いた次第である。

そもそも、オールジャンルの即売会の苦戦・退潮傾向は、昔から若干見られていたが、この1〜2年、より強まっている印象だ。
地方オールジャンル即売会の退潮は10年前から目立ち始め、今は減り具合が一段落着いた地域が少なくないものの、全般的に、今なお微減傾向だ。

その反面、東京・大阪都会の即売会は、サークル規模を増大させ、一見都心への一極集中にも映る。
だが、去年あたりから、都心の即売会である「サンシャインクリエイション」もサークル規模を減少させている。
地方即売会だが、サークル数を安定させていた「ガタケット」も、サークル数が集まらず、恥も外聞もかなぐり捨てて、サークル参加を皆に懇願する事態にまで追い込まれた。

つまり、これまで地方のオールジャンルが衰退傾向の中、サークル数を集め安定してきた即売会にも、サークル減少の波が押し寄せた。
そしてそれは、都会の即売会も例外ではない。
コミコミの勢いの衰えも、その文脈の中で捉えるのが自然であろう。

その一方、オンリーイベントの人出は、もちろんジャンルの流行り廃りの差があるので一概には語りにくいが、オールジャンル以上に勢いを持つジャンルも決して少なくない。
東方オンリーは特例中の特例としても、創作オンリーは「コミティア」が5000spを突破するし、他の創作オンリーも安定的に盛況だ。
ボーカロイドオンリーも、押し寄せる多数の来場者を捌こうと、主催が日々苦心されている様が伺える。
ヘタリアやイナヅマイレブン等のオンリーも、時期や場所にもよるが、600〜1000サークル集める事も珍しくない。
そして、インテックス大阪で、6/17に赤ブーブー通信社が開催したイベントも、忍者オンリー「忍FES」が、オールジャンル「コミックシティ」の2倍集めに至る。
これらの事例を間近に見ると、地方から東京への一極集中の時代は終わり、オールジャンルから(有力ジャンルの)オンリーイベントへ移行が進む時代に入っているのではないか?そんな予感も漂う。

今回6/3にユウメディアの主催として開催された「オンリーフェスタ」は、その時流に乗り成功をおさめた即売会である。
元々ユウメディアは、「コミックライブ」「おでかけライブ」等のオールジャンル同人誌即売会を全国各地で開催し続けてきたが、先述のように地方イベントの衰退に苦しみ続けてきた。
ユウメディアも企業である以上、収益を上げ社員を食わせないといけない。
そこでオンリーイベントの開催に活路を見出し、オールジャンルの衰退に伴う減収を、オンリーイベントの成功でカバーしようと、努力を重ねているのだろう。

今回は、イナズマイレブンオンリー「大阪青春カップ」(746sp)、ヘタリアオンリー「大阪世界会議」(180sp)、タイバニオンリー「僕のヒーロー 大阪で握手!」(210sp)の3イベント合同だ。
人気3ジャンルの合同により、1000spを超える参加者を集め、インテックス大阪の4号館をきっちり埋めた。
一般来場者も、コミコミの倍以上に来場者を集め、コミコミ以上の盛況を修めた。
オールジャンルを取り巻く苦境とは対照的に、(有力ジャンルの)オンリーイベントの好調さを感じ取った。

ユウメディアは、予め会場を押さえ、かつ旬ジャンルへの嗅覚を鋭く持ち、タイミングを見計らいつつ手配した箱に旬ジャンルのオンリーを嵌め込む事で、ジャンルの人気が燃え盛るタイミングに上手くオンリーイベントを投入。成功を修めている。
男性向けでは「ケットコム」が、この手法で数多くのオンリーを成功に導いているが、ケットコムは東京という地域限定でそれを行っているに過ぎない。
対してユウメディアは、それを全国規模で実行している点が、ケットコムとの大きな違いだろう。

イナズマイレブンオンリー「青春カップ」を例に取ると、大阪や東京のみならず、仙台・金沢・札幌・北九州・福岡と、全国各地で広範にオンリーイベントの開催を展開している。
イナズマイレブン以外でも、タイバニ・ヘタリア・テニプリ・ポップン・うたプリ・Fate等数多くのジャンルオンリーが、同様の全国展開を図っている。
元々ユウメディアは、全国各地でオールジャンルを開催し続けており、地域を選ばず全国各地で即売会を開催できるノウハウを有している。
そのノウハウは、オンリーイベントにも当然転用可能だ。
これまでのイベント開催の中で培ってきたノウハウがあってこそ、オンリーイベントの機敏な全国展開を可能としているのである。

さて、そんな感じでユウメディアは、オンリーイベントへの注力に励み、上手くやっているので良いとして…
問題は、オールジャンルのコミコミの方である。

先にも申し上げたが、現在、オールジャンルからオンリーイベントへの移行が進んでいる。
そんな時代の流れの中、コミコミがその流れに抗するのは、確かに厳しい。

しかし、だからと言ってオールジャンル即売会の旗は、決して下ろして欲しくない。
どんなマイナーなジャンルだろうと、間口を広く受け入れてくれる点が、オールジャンルならではの特長だ。
ジャンルを絞ったオンリーイベントに、それは決してできない。
というか、オールジャンルが無くなってオンリーイベントだけになったら、オンリーに該当しないジャンルは、どこで活動すれば良いのか?
コミコミには、人気ジャンル以外のサークルにも、活動の場を提供するという、重要な使命がある。
最悪でも今の規模の維持を、願わくば規模の回復を図るべく頑張っていただきたい。

コミコミは、昔に比べ広報力が衰えたきらいがある。
コミコミのチラシは見ないが、(同じ関西開催の)「こみっく☆トレジャー」のチラシを見掛ける、なんてケースも増えてきた。
これを改善すれば、少しは違った結果に導かれるのではないか。

ここは一念発起し、東京・関西・名古屋三大都市圏の男性向け系イベントは全て網羅してやるぐらいの勢いで、イベントでのチラシ配布を実行すべきではないだろうか。
できれば福岡とか中四国とか北陸とか、関西に足を伸ばすサークルの多い地域への配付も実行したい。
労力は相当だが、コミコミの過去の運営実績の中で培われたツテを総動員すれば、決して絵空事ではなく、実現可能な施策である。

他にも、過去参加したものの今は参加していない離反サークルに足を運び、サークル参加をお願いする。
大手有力サークルに足を運び、参加をお願いする。
小まめにサークルに足を運び、参加を促せば、サークルも直接足を運んでくれた事を意気に感じ、サークル参加しようと考える所も出て来るだろう。

コミコミには、まだまだ取り組める余地が沢山残っている。
それをこなした上で、万策尽きたのならば、その時はグランキューブ大阪等、より小さい会場への移転も検討すべきかもしれないが…その前に、すべき努力をよりしっかりと取り組んでいただきたい。そう私は考える。

コミコミの頑張り、そして復活に期待を寄せつつ、この記事の結びとさせていただきたい。