db45e433.jpg7月8日、私は宮崎の同人誌即売会「こーとりーみやざき」にサークル参加させていただいた。
かねてから一度は宮崎の即売会も見てみたいとは思っていたが、全国全都道府県の即売会を制覇したいとする野望を持つ昨今、その思いは更に強くなった。
(宮崎の即売会に参加すれば、43都道府県を制覇。残るは山口、大分、鳥取、山形のみとなる)

加えて、悪のマジキチ組織「UPFG」http://upfg.lullsound.com/の代表・東村光氏が、「飛行機を貸し切って九州のファミレス・ジョイフルに行くツアーに参加しないか」等と意味不明な妄言をほざき始めた。
(東村氏と私は、互いに尻の穴を狙い合う間柄であるw 詳細はhttp://togetter.com/li/220804 http://togetter.com/li/220805 参照のこと)
折角のお誘いという事で、私も急遽このツアーに参加。
ツアーは団体行動だが、途中離団し宮崎に行くという形で調整し、宮崎の即売会にも参加する事とした。

即売会開催前日は、伊丹空港に集合。
熊本空港行きの天草エアラインをUPFGの貸し切りとし、一路九州へ。
(画像=残念な搭乗券/特に名前のあたり)
熊本空港到着後は、熊本の東方オンリー「幻想肥後之祭典」で「萃香のお酒」が話題となった焼酎の販売元でもある、蔵元を訪問。ファミレス「ジョイフル」での夕食を経て宿へ。

即売会当日は、UPFG本体が球泉洞観光に励むのを尻目に、私は離団して宿から人吉市まで移動。
九州道人吉インターバス停から、宮崎行きの高速バスに乗車し、即売会会場にたどり着いた。
九州は高速道が充実し、高速バスの運行も盛ん。私の宮崎入りもそれに助けられた。

今回お邪魔した即売会「こーとりーみやざき」は、芸術支援目的の公共施設「アートセンターみやざき」での開催。
宮崎市中心部の繁華街・橘通りに面し、カリーノ宮崎や山形屋といった商業施設にも近い。言わば街中の開催だ。
街中の開催ゆえ、車組は駐車場探しに骨が折れるだろう。車組には不便かもしれない。
しかしながら、県内各所から宮崎に向かうバスの殆どが、近隣の停留所に停まる。バス等公共交通機関の利用ならば、さほど不便はしないだろう。

主催は、NPO法人の「宮崎文化本舗」さん。
宮崎を地盤に、地域に根ざした活動を幅広く営んでいるNPO法人だ。特に、芸術関係の支援事業が多いようだ。
同人誌即売会の開催も、芸術支援活動の一環なのだろう。

この宮崎文化本舗は、NPO法人として、宮崎市内一部公共施設の指定管理者として受託業務を行っている。
把握する限りでは、宮崎キネマ館、宮崎市自然休養村センター、そして今回の会場たる「みやざきアートセンター」。これらの施設管理業務を請け負っている。
つまり、この「こーとりーみやざき」は、会場運営者が自ら即売会を主催する、という極めて珍しいタイプの即売会である。

「こーとりーみやざき」のスタッフは、皆ポロシャツの制服を着用。
しかしよく見ると、みやざきアートセンターの事務所常駐のお姉さんも、同じ制服だ。
つまりこの制服は施設のものであり、施設職員がスタッフとして従事してる構図が伺える。

会場内では、そのスタッフさん(というか職員さん)が、次回開催案内のチラシ(12/16開催との由)を配布していた。
それと一緒に配られていたのは、CLAMP原作の劇場版アニメ公開予告のチラシ。
このアニメ、市内の映画館「宮崎キネマ館」で近日公開との事だが…この「宮崎キネマ館」もまた、宮崎文化本舗が管理業務を請け負っている施設である。

イベントカタログは簡易リーフレット形式。
B4の紙を六つ折りという珍しい装丁のものである。
ここにも、余ったページの広告に、スマイルプリキュアのミュージカルショー(宮崎市民文化ホール/8月14日開催)のお知らせが掲載されている。
これもまた、宮崎文化本舗の主催事業である。(正確には地元テレビ局との共催)
宮崎文化本舗というNPO法人、その活動の幅広さに驚嘆する。
と同時に、その業務の広さを活かして、自身主催事業の告知を充実させられるという「強み」もある。
今回は、同人誌即売会の中で、アニメ映画やアニメミュージカルの告知を行った。
これは、互いに親和性を持つ関係であり、効果的な告知に成り得るだろう。
そしてそれは、逆の関係も成り立つ。
即ち、宮崎キネマ館(特にアニメ映画上映時)やミュージカルで、同人誌即売会の告知も効果的ではないか、という事。
親和性のある事業間で相互に告知し合う事により、相乗作用をもたらす。それが、「こーとりーみやざき」含め、宮崎文化本舗主催各事業の強みとなるだろう。

さて、即売会「こーとりーみやざき」に話を戻す。
会場「みやざきアートセンター」には、会場一階のフリースペースに、大量の参加者が並んでいた。
その殆どがカートを持っており、サークル参加の方々かと錯覚したが、サークル入場が開始されても尚列は伸びる。
サークルだからカートなのではなく、コスプレ衣装が入っているから、カートなのだろう。
最終的に、初動の待機列は、100人以上に膨れ上がった。勿論、その殆どが女性である。

サークル参加数は、規模は30サークル48sp。
最大手はイナズマイレブンの10サークル、全体の2割以上を占める規模で、これだくが突出している印象。
他は皆ジャンルがバラバラな為、最大手イナイレに次ぐジャンルは、事実上存在しない。
敢えて申せば、テニプリ・ペルソナ・ボカロが各2サークルといった程度か。

珍しい事象としては、女性向け中心の地方即売会、どんな地域であっても必ず存在する筈の「東方Project」が参加サークル「ゼロ」な事。
以前、大9州東方祭のカタログで、九州各県や本州からサークルを集めても、宮崎だけがサークル参加ゼロだった、という話も載っていたが、今回のこの現象とは無関係じゃないかもしれない。

チラシ置き場等での東方オンリーのチラシはそこそこ捌けているし、コスプレイヤーは東方キャラを多く見かけている。
だから、東方需要の無い地域、というわけでも無い筈だろうが…。
コスプレや作品購入等で東方需要はあっても、同人活動としての東方創作が、他地域のように根付いていないのか。或いは単に「たまたま」なのか。ここでは結論が出ないが、変わった現象という事で取り上げさせていただいた。

開場は11時。一般参加待機列の大半がカート持ち…即ちコスプレ参加者であるためか、初動はまったりとしたもの。
しかしながら、12過ぎになるとコスプレイヤーも増え、会場内は人で溢れかえる。
この即売会の長所としては、BGMのチョイスがセンスに優れているが、ボカロ曲やチルノのパーフェクトさんすう教室、ゆるゆり主題歌等、若い世代にも親しみやすいヲタ曲が多い。
コスプレ参加者の中には、曲に合わせて踊る人の出る一幕も。(まあでもほどほどにした方が良いですよ/汗)
コスプレ参加者を中心に、盛況だったのではないか。

この即売会の特色は、参加者層がとりわけ低い所。
地方の即売会は、おしなべて参加者は低年齢だ。高校生〜大学生の参加が主力層だろう。
ただ、この即売会は、一般来場者は小学生〜大学生ぐらい、サークルは中学生〜大学生ぐらいが中心。
他の地方即売会に比べても【群を抜いて】若い方が多い印象である。スタンダードな地方即売会に比べ、二回りぐらい年齢が低い印象。

そのせいか、サークルの頒布物は、ラミカ・便箋・ポスカといった小物中心。
買い手もとりわけ若い方々が多いから、そういう50円100円で買える小物の方が、買って貰いやすいという側面もある。
私のように、印刷所にかけて本を出す方は、皆無とまでは言わないが、数は少ないだろう。
…まあ、買い手の実態とマッチした頒布物じゃないから、売れないのは当たり前かな(汗)

14時30分、閉会30分前にコスプレは終了。更衣室が混み合うから早めに切り上げているのだろうか。
そして15時に即売会は終了。取り敢えず無事には終わった模様だ。(私はUPFGとの合流があったので終わりまでは見届けず14時30分に撤収)

こうして「こーとりーみやざき」は無事終わったようだが、この即売会を語る上では、主催団体・NPO法人宮崎文化本舗の存在感が一際目立った感もある。
地域の芸術支援活動の一環としての同人誌即売会というコンセプトはユニークだし、即売会以外の活動にも目を見張るものが多い。
即売会にしても、宮崎は即売会が少なく、即売会が開催される事自体に稀少価値がある。
定期・安定開催を継続する事で、宮崎の同人者に貴重な「場」を提供する。
同人活動は一種の創作活動だが、創作活動を広義の芸術活動と捉えるならば、場の提供を通じ、創作という名の芸術活動の支援に繋がっている言える。

会場から徒歩3分の商業施設「AGAIN」には、アニメイト宮崎店が立地しており、私も訪問した。
実はここには、宮崎文化本舗の本部事務所が在る。
また、アニメイトの隣は映画館「宮崎キネマ館」もあり、運営者・宮崎文化本舗の手により、劇場版アニメも放映されている。
更に申せばこの宮崎キネマ館が、京アニ公式ショップも委託運営しており、けいおん!等のアニメグッズも販売している。
宮崎文化本舗は、芸術活動の支援活動が盛んな団体だが、結果的に、当地宮崎のヲタ文化の広がりにも、地道に貢献している。
即売会「こーとりーみやざき」は無論、それ以外の宮崎文化本舗主催各事業にも、注目していきたいものである。