d7d6d280.jpg1月6日は、手持ちの余った青春18きっぷの消化も兼ねて、横須賀市文化会館で開催された同人誌即売「ZERO FESTA 05」http://zerofes.com/ に一般参加させていただいた。
横須賀市の同人誌即売会には、何故か立ち寄る機会が多く、これで三度目となる。
全て別のイベントであり、特色もそれぞれ異なる。三者三様と言えようか。

今回お邪魔した「ZERO FESTA」は、以前別の横須賀即売会にお邪魔した時、「新イベント開催!」と銘打ったチラシが撒かれ、その存在、気にはなっていた。
その後も継続して開催されていることを知り、機会あらば一度お邪魔したいとも思うようになった。
今回、上手く日程が合い、ようやく参加を果たせた次第である。

参加サークルは、だいたい40sp程度であろうか。
締切&パンフ入稿時点では30sp台だったようだが、締切後の飛び込み参加のサークルさんも多かった為に、急遽配置を変更。差し替えの配置図をパンフに挟み込むという一幕も。

同地域・他即売会よりやや少なめなのは否めない。
しかしながら、この日は、開催は関西だが、女性向けの巨大即売会「コミックシティin大阪」が開催されている。
相手が14000sp級の即売会である以上、地域が離れているとは言え、向こうにサークルが吸収されるという影響は、否定できない。
それを考えると、前回と同程度の規模は維持できているし、健闘したと言えよう。

頒布物傾向は、地域密着型の即売会にしては、ずいぶんバラエティーに富んでいる点が特徴だ。
通常の地域密着型即売会は、ラミカ・ポストカードやアクセサリーの頒布が多い。
また、同じ横須賀開催の即売会「BLACK ROSE」の場合は、都内に地域が近いせいか「本」が多く、加えて地方即売会の特徴たる「ラミカ」も多かった。この2つが突出している点が特徴だ。
しかしながら、この「ZERO FESTA」は、そのどちらにも当たらない。
「ZERO FESTA」は、本もある。ラミカもポスカもある。アクセサリーもCDもある。
どれかが突出しているわけでも無く、様々な表現媒体が混在しており、バラエティー豊か。
様々な即売会を見てきた自分だが…ここまで多種多様で、かつ突出した媒体の無い即売会は、初めてお目にかかったと思う。

ジャンル傾向としては、何故かボカロが9spで最大勢力。ボカロ勢力の突出が目立った。
次いで創作が5sp。他、うたプリ、まどか☆マギカ、同人音楽、マギなど。珍しく東方サークルは存在しなかった。

参加者層は、サークルは大学生クラスが多く、一般は中高生クラスが多い。
他の地方即売会同様に、地元同人者の参加により支えられている。そういう印象を受ける。


そんな感じで、「ZERO FESTA」は、地元人の集う場として機能している即売会である。
今回五回目の開催という事で、安定・定期開催を果たしている即売会と見なして良いだろう。
「ZERO FESTA」が、今後も地域の同人者の集う場として、益々頑張っていただけることを願いたい。

最後に、「ZERO FESTA」の特徴的な取り組みについて語りたい。
他の即売会主催にも、ヒントになりそうな予感がするので、敢えて取り上げたい。

一つは、企画「イラスト展示コーナー」の存在だ。
休憩スペースには、イラスト用紙と色鉛筆各種が備えられており、来場者は休憩しつつ、イラストを描く事ができる。
そしてそれを、会場内に展示する。
絵心のある方なら、誰でも参加できる企画である。
更には、(希望者なら)そのイラストをアフターイベントの景品に転用する事ができるので、アフターの盛り上げにも繋げる事ができる。
ぷにけっと主催のオンリーイベントに似た取り組みだが、相違点は、以下の通りとなる。

(1)ぷにけが【色紙】を利用したイラスト展示である事
(2)ぷにけはサークルさんにイラストを描いて貰う事が前提であるのに対し、「ZERO FESTA」は一般も参加OKとしている所
(3)「ZERO FESTA」は希望者のみなのに対し、ぷにけはアフターイベント景品に用いる事が前提

個人的には、「ZERO FESTA」では従来の専用用紙に加え、ぷにけのように「色紙」も併用して取り入れてはどうだろうか?とも感じた。
従来の専用用紙もOKとするものの、アフター景品に転用しても良い(または、したい)方には、色紙に書いて貰う、という考え方だ。
色紙の方が見栄えが良いので、展示される側としても良く見える分、お得だろうw
また、色紙は、地域によってはサークルの売り物として成立する事もある媒体だ。
これがアフターで出品されるとなれば…欲しがる方も増える。アフターは更に盛り上がるだろうw
ちょっとしたアイデアにすぎないが、宜しければご検討いただきたい。

もう一つの取り組みは、サークル参加を促す取り組み。
今回私は、他イベントの情報を求め、チラシ置き場を漁ったのだが、そこで興味深い冊子を拝見した。

「ZERO FESTAサークル参加申し込み方法ガイド」(画像参照)という小冊子である。
サークル参加申込の方法を、郵送申込をメインに、漫画形式で説明している。
(「ZERO FESTA」は、郵送以外にも、オンライン申込も受け付けている)

解説は、「万が一水に濡れてもサークルカットが滲んでしまわないように、耐水性のインクを使うといいです。」「カラーペン、鉛筆等の他の画材は印刷に出ないことが多いので、使わない。」などと、「手取り足取り」とも言える懇切丁寧さ。
明らかに、同人初心者…というかサークル参加自体初めての方向けの解説冊子だ。
大変分かりやすい解説が展開され、サークル初心者の方に、安心して参加して貰えるよう、配慮が成されている。

地域の即売会は、地元人の参加が中心だ。
参加の年齢層も低いので、初のサークル参加が地域の即売会、というケースも少なくない。
何度も申し上げている事だが、地域の即売会は、サークル活動初心者の登竜門的存在。
サークル初心者の入門の場としての役割や、初心者を同人活動にいざない、同人活動の裾野を広げるという役割を、担っている。
その役割を重要視するからこそ、STRIKE HOLEは、地域の同人誌即売会を応援し続けているのである。

「ZERO FESTA」の同人初心者をターゲットとした取組は、サークル参加を迷っている方に、サークル申込に当たっての不安を解消させる効果がある。
また、「サークル参加ってこんな簡単なんだから、サークル参加してみない?」とばかりに、サークル参加そのものを、後押しする効果もあるだろう。
この冊子の取組は、【同人世界の初心者を、同人活動にいざなう】という地域の即売会が担っている役割を、より一層促す効果がある、と言えよう。

地域の即売会は、地元の人…それも同人初心者にサークル参加して貰ってナンボの部分がある。
この冊子を契機とし、同人活動を志す方が増えれば、その分参加サークルも増える。
同人活動初心者を取り込む事は、そのイベントの規模拡大・活性化への道、とも言える。

とは言え、同人イベントに初めて立ち寄った…なんて人達に対し、如何にサークル活動にいざなう事ができるのか?
昨年末、大牟田の即売会「へぱちょな」に参加した時に考え込んだ命題だが、なかなか良い方法が思い浮かばない。
「ZERO FESTA」の取組は、同人初心者をサークル参加に導く取組の一つとして、一つの回答になりそうな気もする。